﻿Living with joy

走るように生きてた頃
何も見えなかった
いつもいつも笑いながら
ずっと泣きたかった

あなたに逢えたことが私の夜明けだと思う

ねぇ  涙よりも悲しみよりも  そばにいたいから
そう  あなたとなら嵐の夜も  青空を信じられる

欲しいものは何もないの
ここにあなたがいる
願うことはたったひとつ
ずっと愛したい

見えない場所でそっとあなたに勇気をあげたい

ねぇ  明日よりも想い出よりも  今を信じてる
そう  あなたとなら生きる全てを  喜びに変えてゆける

たったひとつだけの愛を贈ろう
あなたに‥‥

ねぇ  好きなシャツやコーヒーの味  ささやかなことが
そう  いつの間にか同じになって  ふたりは今ひとつになる

ねぇ  涙よりも悲しみよりも  そばにいたいから
そう  生まれたての愛を育てて
I'm living with joy forever, You & me‥‥



1
練習用トラックを走るアグネスデジタルの姿を見た。
小柄な体を前傾させ、美しいフォームと安定した足運びでカーブを潜り抜け、直線で内ラチのやや外側で一気に加速。
ゴールを切った彼女の姿は、現役のころから聊かも衰えていない。
デジタルは徐々に減速すると、トラックの中で見学していた同じジャージの新バたちにちゃんと見てた？と首を傾げた。
だがウマ娘たちは彼女ではなく俺の方を見て、そしてデジタルもそれに気づいてこちらに振りむいた。
来てたんだ。
買い物で近くまで寄ったからな。
エコバッグからミネラルウォーターのペットボトルを差し出すと、デジタルはありがと♪と受け取って新バ達に向き直った。
俺も背を向けて家路につく。

アグネスデジタルは現役を引退し、学園のスタッフとして働いている。
そして俺は彼女の元トレーナーであり、今は主夫だ。

2
ある時からアグネスデジタルは勝てなくなった。
怪我や不調が原因ではない。単により強大なウマ娘が頭角を現してきただけだ。
覇王を打ち倒した勇者も、新たな戦士に切り払われ、新たな魔物にねじ伏せられた。
ウマ娘の笑顔を見るためなら無限の努力が出来ると断言するデジタルだが、無限の努力が無限の成果を実らせるとは限らない。
デジタルが引退を口にしてからも俺は強引にレースに出走させた。まだやれるはずだ。まだ走れるはずだ。アグネスデジタルの限界はここにはない。
結果。俺のエゴで走らせた最後の3レースは、いずれも惜敗だった。
ムラッ気のあるアグネスデジタルが、惨敗ではなく惜敗。それも三連続で。

3
これはもう偶然では無い。
如何なるバ場でもどんなポジションからでも勝ちに行けると謳われた“変態”アグネスデジタルが、そのポテンシャルを全力で発揮して尚届かない。
そんなウマ娘が走る時代になってしまったのだ。
大好きなウマ娘ちゃん達を、今度は観客席からじっくり愛でようかなって。
引退会見でそう告げた彼女の笑顔。
その裏にあった葛藤は俺だけが知っている。
――――並んで走りたいのに。
それは彼女が現役時代、最初で最後に漏らした弱音だった。

4
デジタルは引退後、すぐに学園のスタッフとして就職した。当然だ、今まで並んで走って萌え散らかしていたデジタルが、客席からウマ娘を愛でるだけで我慢できるはずもない。
そしてその愛は彼女をトレーナー見習いとしてめきめきと成長させている。
元々オールラウンダーで鳴らした名バだ。極端に言えばどんなバ場でも勝ち方を知っているウマ娘。
記録を読み返し、ビデオを見返し、先輩トレーナーのアドバイスを受け、
ウマ娘の艶姿にニマニマしつつ自分や生徒の走りの長所と短所を理論的（デジタル）に分析する。
そして惜しみない愛と情熱で新バ達にその教えを授ける。
ウマ娘の笑顔の為に無限の努力が出来るのは今も変わらない。いずれ間を置かずに多くのウマ娘の礎になるだろう。

俺はと言えば、デジタルの引退と同時に学園を辞め、結婚を前提にデジタルに交際を申しこんだ。
トレーナー続けないの？引く手数多なのに。
目を丸くするデジタルに、
俺の愛バはアグネスデジタルだけだからな。
と告げると
バーカ。
と言ってはにかんで笑った。
いつまでも生きていける気がした。

5
いつまでたっても下手だね、オムライス。
破れた薄焼き卵からはみ出たチキンライスを見て、デジタルが言う。
明日はもっとうまく作るよ。
いや、二日連続はちょっと……。
穏やかに苦笑いする妻
俺は彼女にこんな笑顔しかさせられない。彼女がウマ娘を推す時のようには熱狂させられない。
でも何故か俺はそれでいいと思った。俺は彼女がウマ娘達を愛するようには深くも広くも彼女を愛せない。
でも彼女が穏やかに笑うたび俺の心は暖かくなる。何も怖くなくなる。

6
走るように生きてた頃 何も見えなかった
いつもいつも笑いながら ずっと泣きたかった

FMから懐かしい曲が流れ始めた。
俺結構好きなんだよこの曲。
そう？あたしは…
…あたしも好きになろうかな。
デジタルは少し顔を赤らめた気がした。

ねぇ  好きなシャツやコーヒーの味  ささやかなことが
そう  いつの間にか同じになって  ふたりは今ひとつになる

ねぇ  涙よりも悲しみよりも  そばにいたいから
そう  生まれたての愛を育てて
I'm living with joy forever, You & me‥‥



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出会いの話、またはタメ口になった理由

1
練習用トラックを走るアグネスデジタルの姿を見た。
小柄な体を前傾させ、美しいフォームと安定した足運びでカーブを潜り抜け、直線で内ラチのやや外側で一気に加速。
いいじゃないか。その直後のふるまいを除けば。
彼女は息も整えないまま周りのウマ娘を凝視してはオドオドと近づいた。そして話しかけられては顔を赤らめて誉め言葉をまくしたてた。
一通り話が終わると呆れ顔で離れていく相手と胸の前で手を組んで笑顔で放心するデジタル、というパターン。
話には聞いていたけどこれは極まってるなあ…。
初めまして。-ひゃい！？
声をかけると案の定掛かった声。
今日から俺が君のトレーナーだ。 -…。 
何？ -あ、いえ！びっくりしまして！よろしくお願いします！
話が早いのはありがたいけど。 -エヘヘ、あたしなんかのトレーナーについてくれるだけでも有難いことですから！
自己評価低いなあ。それと敬語はいいよ。 -いやあ見てましたよね？あたしいつもああいう感じだから、トレーナーさんなかなか決まらなかったんですよね！
デジタルは気恥ずかしそうに頭を掻いて笑う。今にして思えば、その時俺はもうその笑顔にやられていたんだろう。

2
彼女は自分のこともほかのウマ娘のことも誰よりも理解している。そしてその事に微塵も打ちひしがれていない。
何故なら愛しているから。ウマ娘という存在を愛しているから。
こんな子はどう育てたって強くなるに決まっているじゃないか。
-あー、何だかいやらしい笑い方してますよー？
ごめんごめん。それと敬語はいいってば。 -えっじゃあ……。……NTR竿役みたいな笑い方やめてよ。
なそ
にん
？

その後俺たちは紆余曲折を経て重賞を荒らし回った挙句結婚する仲になったのだが、その話は長くなるので別の機会にしておこう。



--
青春はまだ終わっていない

1
>あまりにもウマ娘ちゃんにお熱なのでごめんな俺ウマ娘じゃなくて…って意地悪で言ったら信じられないくらい怒られた後泣かれたりしろ

ばーっかじゃないの！？！？
デジタルは風になった。

涎を垂らしえへえへと喘ぎながら今日の授業のカリキュラムを話すデジタルに、
「本当にウマ娘大好きなんだな」「うん！」「ごめんな俺がウマ娘じゃなくて」とやってしまったのが運の尽き。
詰まるところそんなことを口に出すほど俺は初心だったわけで、そんな軽口にむきになるほど俺の妻もまた初心だった訳だ。
初心同士ならやることもまた初心（しょしん）。学園の練習用トラックで妻は蹲って泣いていた。
「俺が悪かった。」「何が悪かったか分かっていますか？！」

2
何とデジタルな問いであろうか。

これは間違えたら終わる。口に手を当てじっくり考え、20秒ほどで口先で胡麻化すことを諦めた。
「俺はお前に、ウマ娘と同じくらい愛されたいと思った。」「は？」「お前がウマ娘に萌え萌えするのと同じくらい、俺に萌えてほしかったんだよ！」
「なんと情けない男だ！」立ち上がったデジタルはしかし満面の笑みで。その夜は正直のご褒美としてとても熱いうまぴょいを交わしたのであった。



--
ガラスの剣戟

1
「久しいな。アグネスデジタル。」
「お久しぶりです、デジタルさん～。」
「ひゃああ～～♥♥♥ オペラオーさんにドトウさん、永遠のライバル揃い踏みっ♥♥♥♥
アッダメッ♥しんど過ぎてムリ♥終わっちゃう♥終わっちゃう♥助けて」
「フフッ、相変わらずだな。」「すまんな。」
呆れて笑うテイエムオペラオーに、腰の抜けたデジタルに代わって俺が挨拶をする。
「ではボクらは挨拶に回ってくるよ。」「ああ。」「また会いましょう～。」
「行かないでえ～！！」「お前はもっとしっかりしろ。」
トレセン学園OG交流戦。
理事長主催のいわば親睦会みたいなものだ。
「むっふっふっふ♪」
だがただの親睦会ではないのは、勝負服の手袋を嵌め直すデジタルの表情を見ればわかる。
「勝てそうか？」「そっだね～？交流戦だからって和気あいあいと走ってくれるんならブッコヌイちゃうケド」
「それは絶対にない。」「だよねえ～♪」

2
俺たちの視線の先には先ほど分かれた二人のウマ娘、テイエムオペラオーとメイショウドトウの後姿がある。
皮膚の下からうっすらと浮かび上がる筋肉は一目見ればわかる。『仕上げてきた』と。
オペラオーとドトウが手を抜く理由はない。それを熟知しているデジタルも勿論この日の為に仕上げた。

テイエムオペラオーとメイショウドトウは嘗て宿命のライバル同士とも呼ばれた超強豪だ。
この二人が同じレースに出たらもう一着と二着は決まったとまで言われた。そういう時代があった。
その停滞した時代に幕を下ろしたのが、アグネスデジタルだ。
去る秋のG1、バ群をかき分けて二人が競っていたゴール前。外から走ってきたデジタルが伸び伸びと加速し二人を置き去りにしてゴールイン。
オペラオーもドトウも観客も、作戦を言い含めた俺でさえ、みんな何が起こったかわからない顔をしていた。
そして、一つの時代が終わったのだ。

オペラオーにとってドトウは不屈の挑戦者だった。
ドトウにとってオペラオーは超えるべき壁だった。
アグネスデジタルはそんな二人の関係ごと葬り去った。
オペラオーとドトウがライバル同士なら、二人にとってデジタルは宿敵だ。

3
「大体、あの二人呼んだのお前だろ。」「え、なんでわかるの？」
デジタルは引退後、トレセン学園のスタッフとして働いている。トレーナー資格はまだ持っていない。現在は筆記試験クリアの為3回目の挑戦中だ。
「大方理事長にでも吹き込んだんだろ？夢よもう一度、あの名シーンをまた見たいと思いませんか？なんつって。」
「さすがあたしの夫クン♪」
そしてこの俺は彼女の元トレーナーであり、現在は伴侶だ。
「見たいのは自分のくせに。」「あったりまえジャンッッツツ！！」
出走ウマ娘の目が一斉にデジタルを見た。
オペラオーは不敵に笑い、ドトウは困り眉を更にすぼめて、それぞれのパートナーに向き直った。
彼女らも、デジタルが肉体を仕上げて来たことを見抜いている。まあこのふくらはぎを見れば誰だって…
「イテッ！」蹴られた。
「ジロジロ見ないの！」「お前にだけは言われたくないよ！」
ウマ娘たちがゲートに向かうと、オペラオーの元トレーナーがこちらにやってきた。
「ようヒモ。」「ヒモじゃねえ！」
世の中は、まだ主夫に厳しい。

4
「燃えてるぜ、うちの王子様は。」「見りゃ分かるさ。」
「何せこの一か月、全部の仕事断って体づくりしてきたからな。」「マジか。」
オペラオーは引退後、そのキャラクターとルックスを生かして芸能界に入った。
歌手、女優、ダンサーとマルチに活躍するエンターテイナーだ。
「ドトウちゃんも今日は本気ですよ。」「久しぶりです。」
ドトウの元トレーナーもやってきた。今は俺と同じく、夫をやっている。
「おかげでこの一か月はずっとわたしが家事をやってました。」「いいでしょ、家事。」「いやあなかなか難しいですねぇ……。」「教えてやれよヒモ。」「だからヒモじゃねえって！」
そう話していると、ファンファーレが鳴り始めた。
三人同時にゲートを向く。自分の愛バを確認する。
勝負服に身を包んだウマ娘たちが、それぞれのやり方でコンセントレーションをとっている。うちのデジタルはニマニマキョロキョロしながら涎を延々と拭い続けている。
アレで走ると手が付けられないほど速いのだから、世の中はわからない。

そしてゲートが開き、俺は笑った。

5
「全くウマ娘って奴らはしょうがねえなっ！！」
スタート直後、アグネスデジタル、テイエムオペラオー、メイショウドトウの前方にウマ娘たちが躍り出て進路をがっちりとブロックした。
デジタルとオペラオーとドトウに好きに走らせたらレースが終わると、必死の形相で前をとっている。
彼女らは一人たりとも、あの秋のG1の再現など見たがっちゃいない。自分が一着をとることしか考えていないんだ。
「うひいいいいぃぃぃぃ♥ウマ娘ちゃんたちにもみくちゃにされちゃうっ♥好き放題にされちゃってるぅううっ♥♥」
デジタルのアドレナリンがオーバードーズに達しても彼女らは前を開けない。勝つことしか頭にない。
……だが、それじゃあウチのデジタルには勝てないよ。
横を見るとオペラオーのトレーナーが不敵な笑みを浮かべていた。
何かあるな。先頭のバ群を見ると、オペラオーが隙間を見つけようともがいている。
だがブロックしているウマ娘たちは彼女の動きを敏感に察知し、前進しても後退しても右に行っても左に行ってもつかず離れずのブロック位置をキープし続けている。

6
怪訝な顔をする俺に、オペラオーのトレーナーは「時計を見な」と言った。
第一コーナー通過タイムはコースレコードだった。

引退バ戦とは思えないほどの超ハイペース。一体どういう事だ？
「マークされるのは初めからわかっていた。」オペラオーのトレーナーがにやりと笑う。
レースを見れば、オペラオーも同じく不敵に笑っていた。ストライド走法で速度を維持しつつ、少し遅れてみたり、前に出てみたり、内や外に体を傾けてみたりする。
その度に彼女をブロックしているバ群も揺れる。
「ちょっと揺さぶるだけで複数のウマ娘のスタミナを削れるんだ、安いもんだろ。」
それは理屈だ。理屈だが…。速度を変えたり体を傾けたりしながら走るのは、『ちょっと揺さぶる』なんて生易しいものではない。
自らフォームを崩しながら、スタミナを垂れ流して走る自滅行為。足にかかる負担も大きく故障の可能性すらある。
だがオペラオーは得意げに笑みつつバ群を指揮する。さながら歌劇のように。
「バケモンかよ……。」
俺は思わず口に出した。

7
「引退前より強くなってるんじゃないか？」「いやあ流石にそれはないな。」
オペラオーのトレーナーが否定する。
「今日のオペラオーの仕上げはこのレースの為だけの特別誂えだ。相当な無理をした。まともなローテーションで勝ち続ける力は、もう彼女にはない。」
「凄いですね……まともじゃないローテーションなら勝てるって事ですよね？」
ドトウのトレーナーが怖いことを言った。オペラオーのトレーナーは答えなかった。
「いやああぁっ♥いやじゃないっ♥やめてっ♥やめないでっ♥もっと近くにきてくださいいいうひひいぃぃい♥♥♥」
相変わらずデジタルは脳内麻薬を爆裂させながら走り続けている。ブロックは解けないが、彼女の周りのウマ娘たちの表情が険しくなり始めた。
デジタルもまたスタミナの削り合いは十八番。それも彼女の場合は今回だけの作戦じゃない。いつも通りの『アレ』だ。
ドトウはというとその後方のバ群の中で苦しそうに走っている。オペラオーのようにバ群をコントロールする術を持たない彼女は、特徴的な渦巻く瞳を開いて我慢強くチャンスを待っている。
「さあ、第三幕（Resolution）だ。」


8
第三コーナーに差し掛かったところでオペラオー包囲網のスピードが大きく落ちた。スタミナ切れしたウマ娘は、最早速度を維持したままカーブを曲がれなくなっていた。
雪崩を打って下がってくるバ群に対し、オペラオーは大きく外に出てスパートをかけた。
後方のバ群ももうこうなってはブロックなどしていられない。皆めいめいに脚を使いだす。
ほぐれたバ群からいち早く抜け出したのはアグネスデジタル。
「オペラオーさああぁぁぁぁあんん♥♥♥」
「フフ、もう来たか。君はやはり恐ろしい！」
「もっと近くでぇぇぇえ♥顔を見せてくださいいいいい♥♥♥」並びかかる。

「……待ってぇ～……。」その後方からかかる間延びした声を聴いて、オペラオーとデジタルの背中に冷たい汗が流れた。
「はっ……はっ……待ってくださいぃぃ～……。」
息切れ交じりのおっとり声とは裏腹に、流星のようにバ群を切り裂いて猛追を始めるメイショウドトウ。
「あああっ♥積年のライバル対決！♥♥もう無理、アタシもう無理でっしゅうう♥♥♥」
何が無理なのか全くわからないスピードでデジタルが逃げる。

9
「なんなんだあのスパートは！」オペラオーのトレーナーが観客席から乗り出す。
「間違いなく現役時代より速いぞ。どんなトレーニングをしたんだ？」
「それはドトウちゃんに秘密って言われたので、言えません。」
ドトウの夫は俺の疑問ににっこりと笑って応えた。
「これくらいやらないとオペラオーさんと戦えませんから、って言ってました。」
『これくらい』とはどのくらいなのか。きっと現役時代なら止められたぐらいの超猛特訓に違いない。
「バケモノめ……！」オペラオーのトレーナーが吐き捨てた。

引退バは後のレースを気にしなくていい。オペラオーもドトウも、それを前提にしたトレーニングと調整を行ってきたのだろう。
「全くウマ娘って奴は……！」
オペラオーはバ群をコントロールする作戦と身体能力を磨いてきた。
ドトウはマークが散った後勝ち切るためのスパート力を磨いてきた。
二人とも現役時代にはなかった武器を引っ提げて雪辱に挑んできたわけだ。このレース一回限りしか使えない、とっておきのガラスのつるぎを。

10
ウマ娘冥利に尽きるじゃないか、ええ？
お前が萌えている二人の巨星は、お前を倒すために私生活をぶん投げて準備をしてきた。これはもう愛だろ。
応えてやれ。
応えてやれ！
「アグネスデジタルゥウウウウウ！！！！！」

ドトウはデジタルを抜き、オペラオーとの叩き合いに入った。
「ひゃあああああ♥ｷﾀｷﾀｷﾀｷﾀきちゃったあああああ♥♥♥♥」
前方で居並び走るテイエムオペラオーとメイショウドトウが輝いて見える。否、輝いている。
これが見たかった。ずっと見たかった。いつだって見ていた。最強のウマ娘二人の、余りにも尊いその御尊走（ごそんそう）。
これを見るためにこのレースを用意したと言っていい。二人が奇麗ですね。あたし死んでもいいです。
「はっひゅっはひゅっ♥」

「過呼吸になっている！」「心配いらない。」
オペラオーのトレーナーに俺は平然と返した。見ろ、過剰に供給した酸素が足へと流れ込み、更なる加速を生んでいる。

11
「知りたくなかったメカニズムだ。」「驚くのはここからさ。」
デジタルの頭が上や下にふらふらとし始めた。無理もない、今回のレースの為にデジタルのスタミナは2000メートルきっちり走り切る分しか仕込んでいない。
そしてオペラオーが仕組んだ超ハイペース展開とレース中のウマ娘に萌えまくるその性質により、そのスタミナは底を尽きつつある。
第四コーナーを抜け、デジタルのスピードが落ち始めた。
最後の直線はテイエムオペラオーとメイショウドトウの一騎打ちとなった。
ああ……オペラオーさんもドトウさんも素敵ですぅ……
あんなに汗をかいて、あんなに必死になって……
その顔が見たい……見たいよ……
あたしは……ウマ娘ちゃんと共に生き…… ウマ娘ちゃんと共に死ぬ……！
力が……。力が……！！！
「欲しいいいいいいいいい！！！！！！！」

12
だってそこに
推し（ほし）が
勝利（ほし）が
夢（ほし）が
星が輝いて！！いるからぁぁぁぁ、ああああああああっ！！！！

最後の直線でオペラオーとドトウが耳にしたのは、異様な足音。
「ピッチ走法！」「そう！時限式のニトロを仕込んでおいたのさ。」
この一か月、デジタルの脚は筋力トレーニングを徹底的に行った。そして、意識が朦朧とするトレーニングの終了時に毎回、歩幅を狭めた走り方をさせた。
「強い脚力で何度も地面を蹴ればスピードが出る。道理だろ？」
「そんな無茶が通るわけが……！」「そうですよ、大体意識が遠のくことを前提にレースの準備をするなんて信じられない！」
「この加速は、最後の100mだけ持ってくれればいい。スタミナが尽きることも計算の上だ。そして何より。」

アグネスデジタルが風になる。
「この作戦は、彼女が考えた。」「……バケモノめ！！」「バケモノですね……。」

13
二人の間に見える星。それは勝負の火花、友情の炎、ああそんな言葉じゃ表現できないくらいの情念、関係、時間。無数の思いの輝き。
テイエムオペラオーとメイショウドトウの間のほんのわずかな隙間。
そこにそこに、たどり着く。星への扉。そこに首を差し出す。

14
扉は閉じた。
まるで示し合わせたようにライバル二人の肩は密着した。

テイエムオペラオー。
「もう前は。」

メイショウドトウ。
「譲りません。」

「ぎにゃああぁあぁあぁあぁ～～～～～ ～～～～～！！！！！！♥！♥！♥！♥♥♥♥♥♥♥」


15
結果。テイエムオペラオーとメイショウドトウは同着。アグネスデジタルは三着となった。

全ての力を使い果たしたアグネスデジタルは満面の笑みのまま32時間眠り続け。そして。

練習用トラックを走るアグネスデジタルの姿を見た。
小柄な体を前傾させ、美しいフォームと安定した足運びでカーブを潜り抜け、外に膨らんだまま直線で一気に加速。ゴールを切った彼女の姿は、現役のころから聊かも衰えていない。
デジタルは徐々に減速すると、トラックの中で見学していた同じジャージの新バたちにちゃんと見てた？と首を傾げた。
だがウマ娘たちは彼女ではなく俺の方を見て、そしてデジタルもそれに気づいてこちらに振りむいた。
「来てたんだ。」「買い物で近くまで寄ったからな。」
エコバッグからミネラルウォーターのペットボトルを差し出すと、デジタルはありがと♪と受け取って新バ達に向き直った。俺も背を向けて家路につく。

アグネスデジタルは現役を引退し、学園のスタッフとして働いている。
そして俺は彼女の元トレーナーであり、今は主夫だ。

fin



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Living with joy 2

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バで現トレーナー見習い、アグネスデジタルです♪
いきなりでごめんなさいなんですけど、デジたん今夫婦関係で悩んでいるのです！
あはーいきなりそんなヘヴィーオブジェクトをぶつけられても困るというのは十分承知しておりますはいすみません。
でもでもデジたんにとってすごく大事なことなので、どうか広い心で聞いていただければとっても嬉しいですっ！

…大丈夫？聞いてくれる？じゃあお話ししますねっ。

アタシの夫は元々アタシのトレーナーをやっておりました。よくある奴ですえへへ…♪
いやいやウマ娘ちゃんへの愛だって衰えておりませんよ！？結婚したからって趣味を止めるバ鹿がいますか！？！？いや、これはいるかもですけどぉ。
夫婦間でご理解がなかった場合ってそうならざるを得ませんし不幸なことですけどお互いにこう心をすり減らすような譲り合いがですね、あれ何の話でしたっけ？
そうそう、アタシに夫がいることとウマ娘ちゃん達を愛していることに矛盾はないって事です！浮気じゃないんです！！わかれ！！！わかってくれ！！！！！


2
アタシの夫はそりゃもう献身的なのです。ノロケじゃないですよノロケですけど本気でノロケるのはもっと後ですでへへ♪
所謂主夫って奴です。家事全般をやってくれております。デジたん本当に助かっていて、トレセン学園に仕事に出て帰ってきてお風呂入ってご飯食べて寝て、で一日が終わっちゃうんです。すごくないですか？！
掃除も洗濯もご飯もお布団敷くのも何にも考えなくていいんですよ！？
ウマ娘ちゃん達を育てる楽しい楽しい仕事をすることに全てをつぎ込めるのです。マジ幸せ。
……でもデジたんは思うのです。仮にもアタシのトレーナーをやってくれた夫をこのまま燻ぶらせていいのか？！
こんな言い方はアレだと自分でも思いますケド、このアグネスデジタルはなかなか凄いウマ娘なんですよ、ご存じだと思います！
GI六勝という成績を支えてくれたのは夫です。ぐすっ。すみません今の嘘泣きでした。GI六勝はマジです。えへん。
別にトレーナーという仕事に拘る訳じゃないんですけど、なんだろう？
あの人にデジたんを支えるだけの人生を送ってほしくないと思っちゃうんですよ！

3
あの人はそうしたいからそうしてくれてるってわかってるんですけど、でもでもそれってなんか悪いじゃないですか！…負い目！そう負い目がある！
負い目がある夫婦って離婚しそうじゃないですか！？

Living with joyって曲知ってます？タカハシヨーコ？さん？だったかな？のあんまり売れてない歌！言い方！！
いやすごい人なんですってねヨーコタカハシ。調べたらユーメーなアニメのテーマソングで大ブレイクしたとか。
じゃなくて。Living with joy 今からBGMで流します。許可は取ってます。取ってるよね？取ってました！流します！
歌詞の中でね、あ、歌詞言っていいんでしたっけ。いいですよねそりゃ曲流すんですもの。歌詞ダメで曲流していいなんてありえないじゃん！
失礼しました、でねでね、ダンナが、あダンナって言っちゃった若干のポリティカルコレクトネスが心配ですが個人の自由では？
好きなシャツやコーヒーの味  ささやかなことが いつの間にか同じになって  ふたりは今ひとつになるって歌詞があるんです。
ダンナと趣味が違うデジたんとしては全肯定はできないんですケド、同じものが何となく好きになっていくって素敵だなぁ～～って思うんです。

4
別に好きなものが全部同じにならなくたっていいんですよ。ワサビが食べられるようになったとかだけでもいいんです、好きな人の好きなもの一つでも自分が好きになれたら素敵だなって。
ダンナも多分そうだと思うんです、デジたんの好きなものを一つでも好きになれたらめっけもんだなって。思ってると思うんです。思ってると思うんです？
この歌詞でいう「ひとつになる」って、何もかも同じなることじゃないと思うんですよ。
そういうちょっとした、「あ、この人と同じ部分ができた」ってだけで合体できるというか。
いやらしい意味じゃないですよ？いやらしい合体もしますけど。

この歌は「ひとつになれたところがある」っていう幸せを歌ってると思うのです。
だってデジたんはデジたんでダンナはダンナですもん。そして推しは推しですもん。
二人三脚一心同体はできても、同じものにはなれないでしょ？そんなの意味ありません。デジたんとダンナが違うから、二人三脚や一心同体になる意味があるわけで。

5
違う二人が一つになれるから意味があるんであって、完全に一致したらたった一人になるだけじゃないですか。
でねでね？デジたんとダンナはまだ、二人三脚できてない！って思うのです。今はダンナが背負ってくれてるって感じ。
でもでもデジたんだってダンナのこと好きなんです！ダンナのことを助けたいと思うのです。
ダンナにデジたんを支えるだけの人生を送ってほしくないって思うんです。
デジたんを支えるだけの人生こそダンナの幸せっ！なのかもしれないけどそれじゃデジたんは満足できないぞ！って。
だってだって、デジたんとダンナで、確かにひとつになれたところがあるんだもの。食べ物とかお酒の好みとか。
二人で一つになれているはずなのに、デジたんだけが好きなことしてるのは違うと思う。もっと重荷を任せてほしい。
いやマゾじゃありませんよ！！

ダンナにも好きなことして欲しいんです。デジたんダンナの好きなこと何にも知らないんです。びっくりしました！
それでも妻かよって刺さるから言わないでほしいわかってるから。
いや食べ物とかお酒の好みとかとは別でさ、趣味とか生き甲斐とかの話。あーーーーそうですね。

6
好きなことじゃなくて、「ツライこと」を支えさせてほしい。
何がツライんだろ？腰痛？肩こり？油もの？マッサージすればいいのかな？胃を。胃を？
胃。そっか、デジたんもなんか家事をやればいいのです。
掃除だって洗濯だっておさんどんだって、二人でやった方が早いですよね。楽しいですよね。
そんなにばっちりデジたんお仕事、ダンナ家事って分けなくていいんだ。デジたんも家事やるしダンナも仕事手伝ってくれたらうれしいな。
持ち帰り仕事とか結構ありまして。あ、実は今も手伝ってもらっているんですけど。

そう、好きなことだけじゃなく、楽じゃないことだってひとつになれたらいいんです。
そうと決まれば今日から早速やっていきましょう！
ひとつになりに行ってきます！ひとつに！ひとつになりますからね！！でへへ…♥

それじゃあバイバイ、深田恭子でした。



--
タメ口デジタル

1
「デジコーチは苦手なコースってあるんですか？って訊かれたからG2以下の芝って答えたらなんで？って言われたの。なんで？」「何？なぞなぞ？」
今日の夕餉は豆腐ハンバーグです。六冠バアグネスデジタルのご感想は
「…コメントしづらい。」「お前の競走成績みたいだな。」「バカタレッ！」
机の下の脚を蹴られた。
「おいしくないわけじゃないんだけど、肉風味のふわふわしたものって感じでデジたんの舌は今ズブくなっています！」「食べたことない？」「ん。」
割とほかにない食感ではあるよな、豆腐ハンバーグ。
「お醤油だばあー！」「楽しそう。」「ごはんに着地しました！」「ああそれ美味い奴。」「美味しいっ！」
「語彙がツインターボみたいになってる。」「ツインターボちゃんに謝って！謝りなさい！」「ごめんなさい。」

「ごちそうさまでした。」「お粗末様でした。」
デジタルはなんだかんだで育ちがいいんだよな。毎回茶碗にご飯粒一つ残さない。
潰れてこびりついたりするから米粒コンプは見た目より難度が高いトロフィーなのだが。指先のパワーもウマ娘と人では大きな違いがある。デジタルは今年だけでもう箸を二膳オシャカにしてる。

2
洗い物を終えて居間に戻ると、眼鏡と寝間着を装着したデジタルがソファに座り、テーブルの上に資料を広げている。
「明日のメニュー？」「今週と来週分。」道理で多い。「今日まとめなきゃだめなのか？」「ちょっと前倒しにしたいんだあ。」
うん、そういう時はある。ウマ娘の成長はスケジュール通りにはいかないものだ。

「…。」「…。」「…涎っ！」「はっ！」
新バの資料を凝視していたと思ったら案の定。
「はっじゃないんですよデジタルさん。」「ウマ娘ちゃんの資料を見て萌えないなどありえない。」「向いてないんじゃないのこの仕事。」「おまえー！」
おお、かかったかかった。立ち上がった。
「ご飯の時もだけどさぁ！愛バにかける言葉じゃないんだよぉさっきから！」「わかった手伝うって。」
「何がコメントしづらい競走成績だ。あんたがトレーナーだったんでしょうが！
デジたんだけの責任じゃないですうぅー。二人三脚一心同体で走ってあの結果なんですうぅー。」「じゃあ俺もG1六冠だな。」「都合のいいことばっかり言う！」

3
二人で二時間ほど新バ達のトレーニングメニューを確認していると、デジタルが船をこぎ始めた。こっくりこっくり。
無理もない、自分で走って見せるトレーニングを何度もやっているのだ、肉体の疲労も溜まっているのだろう。
デジタルが今日食べたのは手のひら大（※指の部分を除いた面積）の豆腐ハンバーグ五個にご飯中盛り五杯、サラダをボウルに一杯。
ウマ娘は本当によく食べるので食費もバ鹿にならない。今日の豆腐ハンバーグも、少しでもエンゲル係数を下げるためのチャレンジの一つだ。
デジタルの競走バ時代の賞金がまだがっぽり残っているし彼女の実家も太いから暮らしに困るような恐れはないのだけど。
「軽っ。」
眼鏡をはずして抱き上げて寝室までお運び申し上げる。もう完全に熟睡している。
よく動きよく食べよく眠る。そしてこの小柄な体。まるで育ち盛りの子供だ。
そっとベッドに下ろし、布団を掛けてやる。跳ねのけられた。
「暑いからタオルケットにして。クーラー入れて。あとおでこに貼る冷たいやつとアイマスク持ってきて。」
おまえー！



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少し面白い

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、リアルパカチューバーの、アグネスデジタルですぅ～♪
本編に入る前に一言。
当チャンネルでは、TBSラジオ 伊集院光のUP's 深夜の馬鹿力 「少しおもしろい」コーナーあての投稿は受け付けておりません！
今後はTBSラジオ様に送り直しませんので、気をつけてくださーい！
お叱りから入ってしまってごめんなさいでした！でもでも本当に迷惑がかかっているので、やめてくださいね！
では本日のお話。

2
配信の先輩ゴールドシップちゃん、いやゴールドシップ様にお会いしてきたんですよぉ～～～～♪
学園ではなくてスタジオで！理由は押しかけたからです推しだけに！20秒で摘まみだされました！！
ADの恰好してたんですけど「鋭い眼光」ですぐバレました流石猛獣とあだ名されただけのことはあります！
いやいやお呼ばれもしていないのに行ったりはしていませんよ？ノンアポで推しに迷惑を掛けたりなど決して決して致しません！
ちゃんとご招待を受けて、ADの恰好してきてくれって言われて従っただけです！その上でやっぱいいわって出走取消となりました！！！
はぁ～～暴君…好き…♥
「最後に握手だけ、してもらってもいいですか♥♥♥」って頼んだら
「そういうとこだぞ」って言われたんですけどどういう意味なんでしょうか？


3
ところでゴールドシップ様はゴルシとよく呼ばれていますけども、デジたんとしてはやっぱりゴールドシップ、とフルネームでお呼びしたいところです。
ゴルシというのもあの方のいたずら好きで奔放なところをよく表した語感だと思うんですけど、
でもでもやっぱりゴールドシップさんは美しいのです！その美しさを表現するにはフルネームの方が向いている気がするんですよねえ。
背の高い恵まれたバ体にメリハリのあるお体、均整の取れた顔、黙ってれば美人とはよく言われるそうですが喋ってても美人ですよ！とんでもないこと喋るから視覚が疎かになるだけで！！忍術かな？
デジたんもとんでもないこと喋れば真似ができるかもしれません！
ハルウララさん直伝忍法とうめいの術～！
ゴールドシップさんのハロン棒は
あれゴールドシップ様どうしてここにデジたんはまだとんでもないことを言えていないので透明ではなくつまりその伸ばされた手は確実にデジたんの頭を掴んで

4
いやあ～～尊さに頭蓋が締め付けられるということはあるのですね！胸ではなく。実に暴力的な威力でした！
スタッフさんも先に言っておいてくださいよぉ～視聴者さんがびっくりするじゃないですかデジたん突然死なんて。
皆慣れてる？あ、そう。

5
尊さと言えば何と言ってもウイニングライブですよねっ！！皆さんもお楽しみ！
いやーよかったですよね█████████ちゃんの引退ライブデジたんも同時引退でそれどころか実はあのライブ本当はデジたんも…ん？
█████████ちゃん。 █████████ちゃん！
……ムム！これはもしや。
キンイロリョテイちゃん。███████ちゃん。
キンイロリョテイちゃん！███████ちゃん！なるほどなるほど！あははは！おまんこ、あっ
～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

6
今のは皆さん聞かなかったことにしてくださいええお願いします！おまえは  なにも みなかった！
…よし。皆さんよろしいですね？デジたんはよろしいですよ。
███████ちゃんみたいな処理がされると思ったのです。なるほど何となくわかりました！これから気を付けます！！
まったく。デジたんもウイニングライブで踊ったりする、つまりはこれでもアイドルの端くれでありましてぇ、アイドルは決しておまんこなどと言ったり
～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～


7
うう～～ごめんなさい～！二度も立て続けにやらかしてしまうとは～…。ご迷惑をおかけしてすみません…。
話題変えましょうか。変えましょう。変えさせてください！
うまぴょいがセックスの隠語として定着して久しいですが
～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

え、セックスもNGワー
～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

大変失礼いたしました。今日はあまり話せませんでしたね本当にすみません。
ではそろそろ終わりの時間ですので、残りの時間で「少しおもしろい」を、少し。



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猛暑の日

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルで～す♪
前回に続いてゴールドシップさんのお話です。トレセン学園で偶然会う機会がありまして、配信の話をしておりましたら
「お前あれ面白いと思ってやってんの？」
デジたんの頭の中でNyan Catが宇宙空間を飛びました。
「悪いっ！言い過ぎた！」
え、ゴールドシップ様の口から謝罪っ！？珍しいと思ったらデジたんの目からポロポロと涙が出ていたんです。
そんなつもりじゃなかったんだ、言い方が悪かった、お前には本気でいかねばならないと思っていたがいくら何でも意地悪が過ぎたなと困った顔をするゴールドシップ様尊い…。

いえいえ、あの時は言葉に出来ませんでしたが、本来デジたんは
「はい！」
と胸を張って言うべきだったのです。
その上で「至らぬところがあればどうぞお教えください！」と言えなければいけませんでした。

2
まったくアタシの未熟の致すところであってゴールドシップさんに悪いところは一切ないと頭を下げ返したのですが、
ゴールドシップさんもこのままじゃアタシも寝つきが悪い、今日は飯を奢らせてくれ、と仰るので願っても無し！とお返事。
夕方デジたんの自宅にやってきたのは黒いスーツでビシっと男装キメたゴールドシップさん、いやゴールドシップ卿でした。
着の身着のままのデジたんの手を取って、玄関先に止めてあった黒塗りのリムジンにデジたんを放り込みます。なんてワイルド…好き…♥
後部座席に二人並んで座るとリムジンは発進しました。
お隣のゴールドシップ卿の横顔のりりしさと、コロンの香り、そこに混じるわずかな汗の匂い。
デジたんの心臓は爆発寸前。クーラーが効いているはずの車内で汗びっしょり。二回ほど振舞っていただいたOS-1、美味しかったです！
リムジンは夜の都会を駆け抜け、車のライトと窓の光が彩るビル街へと辿り着きました。
そしてアタシはゴールドシップ卿に手を引かれ、ビルの中へ…。
最高の時間でした！！
また一緒に行きましょうね、はなまるうどん！！

3
というわけで人をおちょくることにかけては全く妥協しないゴールドシップ様の真髄を見せていただきました。

汗と言えばこの季節、暑さにやられて食欲がなくなったりしていませんか？
一昔前は外の気温と冷房の冷却の温度差で体調を悪くする、冷房病がよく危惧されておりました。
しかし今はそれよりも熱中症の危険の方が強く報道されていますね。
冷房病で体調を崩すとQOL（クオリティ・オヴ・ライフ）が下がりはするものの死へのカウントは遠目です。
しかし熱中症は一度かかるとEOL（エンド・オヴ・ライフ）一直線。
一先ず体温を下げて熱中症を回避し、冷房病についてはその後で対策するのがいいみたいです。

4
食欲がないからと言って食事を抜いたりすると、暑さに対抗できる体力も失ってしまいます。
特にヒトよりも新陳代謝が激しいウマ娘ちゃんにとっては影響が大きい。
そこでお勧めしたいのがジュースです。定番のバナナはもちろん、旬を迎えるパパイヤマンゴーパイナップルなんかも美味しいですよ♪
ビタミンも豊富ですし糖分も多く含まれていて、カロリーが取れます。
サプリメントでもビタミンやミネラルは補充できますが、カロリーはどうしても不足しますからね。
ジュースと言えば今デジタンも手元にございます！（ズゴゴゴゴ）聞こえましたか？何のジュースだと思います？
ヒント！
デジたんは今トレセン学園で新バちゃん達のお世話をさせていただいております。
ヒントその2！
この時期のトレーニングはたっくさん汗をかいちゃいますよね！終わった後の服を絞ると
はいヒント終了～～～！！！！

5
デジたん一番のおすすめは思い切ってスイーツを食べることです！
太っちゃう！って思うかもですけど食べないよりずっとマシです！
暑さに負けて絶食するよりは、無理にでも何かおなかに入れた方がいいってオグリキャップさんも言ってました！！
萎えた食欲をですね、油と糖のおいしさで押し切るんですよっ！甘い物は別腹とも言います！
勿論食べすぎはよくありませんが、どうせ食欲ないんですから大して食べられません！心配は無用です！

美味しさで押し切って食べるってデジたん結構大事だと思っていまして。
食欲ないなーと思ったらスイーツに限らず思い切って好きなものを食べてみてください責任は持ちませんっ！
ちなみにデジタンの好物はエリート塩飴です。


6
暑さ対策でもっと単純なのは体を冷やすこと。すなわちプールですっ！
デジたん最近お休みには必ずプールに出かけています。
勿論トレーニングの為ですよ？いつもウマ娘ちゃん達の水着を拝んで溺れ死んでます！心肺機能の向上が見込めますね！
あとそれと関係があるかよくわからないんですけど近くのプール何故か全部出入り禁止になっちゃいました。困ったものです。
最近は毎週遠出をしてプールに出かけて出禁になっています。

皆さんもいろいろ工夫して、夏の暑さを乗り切ってくださいねっ！

最後にペンネーム「静かな鈴鹿」さんからのメールをご紹介します。
「はい、寝る前にスズカさんのお話聞きましょうね」



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酷暑の日

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスぅ↑デジタルですぅ♪
いやあ今日は少し恥ずかしいお話をさせてください、聞いてくださいよここはデジたんの日記帳！
実はですね、夏うつをやらかしてしまいまして。
というのも数日前、学園で新バちゃん達のトレーニングを指導していたんですけど、そのお姿に全然萌えないんです。
汗の煌めき、肉体の躍動、懸命な表情。
どれもデジたんの大好物の筈なのに、何だか気分が盛り上がらない。
こいつはコトだぜ！せにゃ！
トレーニングを先輩トレーナーさんにお任せしまして医務室へ。

デジたん死ぬんでしょうか！！！
安心沢大先生の谷間に話しかけると押しのけられながら診断を受けまして。
で、夏うつと。駿川さんには伝えておくから早く帰宅せよと言われました。

2
夏うつというのは夏バテともよく似た症状ですが、不安になったり気力が失せたりという精神面の不調が特徴だそうです。
日の浴びすぎ、疲れすぎ、それに室温と外気温の差とかでストレスが積もり、自律神経が不調になる。
結果、交感神経が強く機能しすぎてオーバーヒートを起こしてしまうんだそう。
日頃新バちゃん達に萌えまくっているデジたんには心当たりがありまくり。
その日は安心沢大先生の勧めもあり、もうおとなしく帰って寝ることにいたしました。
夏うつというのは過覚醒という言わば「目を覚ましすぎ興奮しすぎ」が原因だそうで、
寝て休むのが一番なんですって！
大人しくベッドでダウンしておりました。
寝ながらタブレットで新バちゃん達のお写真見ていたら取り上げられました。
「興奮しすぎが原因って言われたろ！」はいっ！
えっ？写真の出どころ？それは███████

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～


3
おかげで現在は復調しております。今元気！
しかし元競走バとして、そして見習いながら新バを預かるスタッフとして、体調管理はプロフェッショナルのつもりだったのですが～…。
とってもとっても恥ずかしい気持ちでした。はい。
夫も大変心配してくれまして。
元トレーナーでありながら妻の不調に気づけないとは情けないとシュンとしておりました。
彼の見立てだと、溜まった疲労がピークを越えてしまったんだろうとのこと。
現役の頃はこんなことなかったのにどうしてかな？と聞いたら、言いにくいけど、年齢かな、だって。
言いにくいことをよくもぬけぬけと！
確かにデジたんはもう繁殖牝バに入ってもおかしくない年齢ですけども。
もう少し後でと思っていましたが、体力がピークを越えた以上早めに考えた方がいいのかも。
でもでもデジたん体格がまだ小さいのでもっと大きくなってからの方が安心なんですけど、
もう成長の余地ないっ！！（台パン）


4
今夜早速種ぴょいします。

それはそれとして、ご心配おかけして大変失礼いたしました。
トレセン学園の方々もありがとうございます。
皆さんも本当に気を付けてくださいね。
ダウンしたデジたんが言っても説得力無いかもですけど、不調は気力で跳ね返そうとすると長引きますよマジで。
大人しくお医者さんやダーリンやハニーやパパやママの手を借りましょう！
そしてその様子を写真や動画に収めてデジたんに送ってくださいっ！！

はぁ～看病てぇてぇですよね…♥
「ごめんね心配かけて」「いいさオレときさまの仲だ」なんて言ったりしたりしてっ♥♥

5
普段元気な子が思わぬ怪我や病気で不調になって気弱になるのいいですよね！
それも症状自体は深刻じゃない奴がいいの。
普段元気だからこそ寝なきゃいけないぐらいの状況自体にショック受けてしょぼんとなるくらいがデジたんにはちょうどいい塩梅。
だって元気にならないと快気祝いぴょいが出来ませんからねっ！
「心配かけた分、たっぷりお返ししてあげる」「ベッドの上じゃいつだって強いところを見せてやるぜ」って！
きゃぁあ～～～～～♥♥♥♥

「最近になってコブラ読んだのか」って？うん。
あっチャット欄がコブラ一色になった！
待て待てこれはデジたんの配信ですぞっ！！遠慮して！！！もっとデジたんを愛して！！！！
「お前ダンナいるじゃん」そういう正論はいいんだ。

6
と言ったところでそろそろお時間です、スーパーチャット読んでいきましょうねっ！

「いつも配信楽しみにしてます」ありがとうございますっ！

「体お大事に」ありがとうございますっ！

「もっとダンナとの話しろ」えぇ～～？聞きたい～～～？

「ご飯を食べるんだ」オグリキャップさんいつもありがとうございます！

「バクシンバクシーン！」ダウト！元委員長のお言葉はもう少し理性的ですっ！反省してくださいっ！

「今日は早く寝ろって言っただろ」えっ？誰？
ハンドルネーム…
ヤバッコレバレた終わります（ブツッ）



--
アグネスデジタル、行きますっ！

それはG1を勝った時のウイニングライブのこと。
センターで歌いながらウマ娘ちゃんに左右から挟まれる幸せに浸っていると、「アグネスデジタルー！」の声が。
客席に目を向けると、何人ものお客様がアタシのグッズを身に着け、サイリウムやうちわを振り回しアタシの名前を叫んでいます。
ライブ中なのに泣いてしまいました。
「好きなウマ娘ちゃんと戦う」というアタシの中の小さな棘が音もなく外れました。
胸の中でずっと止まっていた歯車が、するすると動きだします。
育ててくれたスタッフや好きなウマ娘ちゃん達の為だけじゃなくて、アタシを好きでいてくれる人たちの為にも、力は湧いてくるんだ。
そんな当たり前の事に気づかなかったなんて。
アタシはボロボロに泣きながら頑張って最後まで笑って歌い続けました。

――各バゲートイン。左右には麗しいウマ娘ちゃんたち。客席にはウマ娘ちゃんを応援する横断幕。その中にアタシの名前もあります。
手を振ります。大好きなウマ娘ちゃんと大好きでいてくれるファンと、アタシをここまでにしてくれたトレーナーさん達。
走る以外のことは要りません。
ゲートオープン。 アグネスデジタル、行きますっ！



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新バの頃

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですぅ♪
皆さんはアグネスデジタってますか？デジたんはアグネスデジタってますよっ！
アグネスデジタらない時は是非是非こちらを視聴していってくださいっ♪
ということで本日はですね、新バ戦を見に新潟まで行って来ましたっ！
「えっ？トレセン学園の生徒が地方でデビュー？」と思われるかもしれません。
しかし新潟競バ場のレースはURAの管轄！つまり中央競バであります。
出場するウマ娘はヤベー奴しかいないっ！
そのヤベーウマ娘ちゃんの内一頭にですね、僭越ながらデジたんがお世話させていただいたというか、お手伝いさせていただいたウマ娘ちゃんがおりましたので。
本日はその萌え萌え雄姿を拝みに……ではなくですねっ！
応援にっ！行ってきたのですっ！！

2
緊張してるかな？と思って控室をノックするとどうぞーと普通の声。
デジたんでーすとお邪魔すると、ストレッチをしておりました。
正トレーナーさんも手伝っております。尊い死にます死にました。
「緊張とか、ありませんかぁ…？」
尊さで輝くトレーナーさんとウマ娘ちゃんペアに気圧されながらお伺いしますと、
「大丈夫でーす。」と背中を押され前屈しながら剛毅なお返事。
将来活躍してくれそうな器を見せてくれました。

出走の時。
デジたんも客席でバ券を握り締め固唾を飲みます。
是非勝っていただきたい！
ゲートオープン！！

3
やれーいけーさせーきゃーがんばってー♥♥♥♥
デジたんが如何に燃えたかはもう言うまでもないので省略します。
しかしながら善戦空しく彼女は2着と相成りました。

その後の控室。扉の前でノックするのを数分ほど躊躇っておりました。
頑張ってコンコンもしもーし。どうぞー。その声は出走前と同じ、大器の声。
「デジたんですぅ～…。」
恐る恐る扉を開けると
「あぁすみません負けちゃって。」
カラッとしたもんです。笑ってすらいた。
頑張ったね、とか自分もメイクデビューでは負けたから、とか色々話すことを準備してたんですけど、その一言で全部吹っ飛んでしまいました。
反省点は色々あるでしょうが、それは彼女のトレーナーが世話することであって。
とにかくメンタルに引きずっていないのは凄くいいことです、また学園で会いましょうねっ！
とだけ言って逃げるように去りました。

4
大物だわぁ～…若さと野心に溢れてて…好き…♥と萌え萌えしながら新幹線に乗りましたが、やっぱり思うところはございます。
どうしてもねっ？
自分が負けたときはああだったかしらとか、
負けた悔しさってあんな感じに消化、昇華できていいもんなのかしら、とか、
でもそういうことってちゃんと正トレーナーさんがわかっていることであってデジたんが気を揉むことではないのでは？
そもそもメイクデビューできるレベルまで育っているし中央競バメイクデビュー2着って相当なモンだぜデジたんだってそうだしとか
ぐるぐるぐるぐる頭の中で考えていたら終点東京に辿り着きましたとさ。
シンカンセンスゴイカタイアイスを買ってないっ！
そんなに期待してるものでもないけどっ！
でもカッパー（銅）製のスプーンをわざわざ買って持って来たのにもったいないっ！」

家路でカップアイスをごっそり買ってきました。冷凍庫に収まらなかったので夫が内緒で買っていた秘蔵の冷凍本マグロを取り出してスペースを確保！なんで隠せると思うんですかねっ！？
マグロはキッチンに全部置いて室温解凍です。

5
デジたんそれだけでは収まらなかったので池袋に出かけて噂のウマ娘喫茶に行って来ましたっ！
お店の名前もメイクデビューですし、ちょうどいいんじゃないですか？何が？
ウマ娘に扮したヒト娘に囲まれてふわふわしていたら、
「もしかして、アグネスデジタルさんでしょうか」って訊かれたのではいっ！と答えたら店内が異様な雰囲気になりました。
ああ、名の知れた限界オタクということで出禁かしら、と荷物をまとめているとデジたんだ！本物！って声が。
ああっ、お店にご迷惑でしたらすぐ帰りますのでと告げると、
いえいえとんでもない、本物のウマ娘さんに来てもらえるとは願ってもいないこととお優しいお返事。
デジたん持ち上げられる分にはいくらでも大歓迎ですので、感激で泣きながらサイン書いたり握手したり一緒にビデオ見たりしましたっ！
特にデジたん最後の2レースのビデオは何度も見せていただきましたっ！
どちらも█████████ちゃんが一着でデジたんは掲示板にも載りやしねえ凡走。
「…負けたレース見て、楽しいんですか？」かなりのもんですっ！「そうですか…。」

6
いやぁ得るものの多い旅路でございましたっ！
ほくほく顔で家に帰るとマグロ尽くしの夕食が待っておりました。
「てめえで解凍したんだから責任持てよな。」
勿論ペロリと平らげました。夫は何故か泣いてましたっ！！

それではそろそろお時間です。
ジャカジャカじゃんけーん？スタート！
ジャカジャカジャン！ジャカジャカジャン！ジャカジャカジャカジャカジャン！イェーイ！
ジャカジャカジャン！ジャカジャカジャン！ジャカジャカジャカジャカジャンケンポン！
デジたんの手は～？女握り（この動画はぱかちゅーぶ運営により停止されました）

参考：
https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=190731
https://make-debut.com/



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愛を試すなかれ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アッグネッスデッジタッルでっす♪
愛があればたとえ火の中水の中、ということでねっ！
今日はデジたんのウマ娘愛がどれほどのものかを、試してやろうじゃないかと！
スタッフさんが色々と用意をしてきたようですっ！
愛を試すだなんて随分と罰当たりな事を考えるもんですねっ！
増してやこのデジたんのウマ娘愛を試そうとは。
これは思い知らせてやらなくてはいけません！
ということで収録した様子を見てもらいます。
愛の試練に愛で打ち勝つ姿をどうぞご覧ください～♪

2
ということでやってまいりました霊峰富士！
一発目富士山はガチが過ぎない？
ほかにも試練あるんですよね？
（ありますよ）ですよね？
……で、何をするんです？
浅間神社をできるだけ廻ろう～！できるだけってどういうことですか？！

（デジナレ）
「浅間神社はセンゲンジンジャとも呼ばれ、富士信仰の神社として全国にございます。
今回回る予定なのはその中でも、
東口本宮冨士浅間神社、北口本宮冨士浅間神社、冨士御室浅間神社、山宮浅間神社、富士山本宮浅間大社の5つ。
本来は日帰りバスツアーで巡るこの5つの神社を、デジたんの脚で巡り、ウマ娘ちゃん達の安全と活躍を祈願しようということだそうです。」
やってやろうじゃないですかっ！

3
（デジナレ）「デジたんは気合十分。バスツアーで先回りする非情なスタッフを追いかけて、まずは東口本宮冨士浅間神社へっ！」
これはスタッフより先に着けたかな？なるほどこの神社のフジは、頭に点の無い方の「冨士」なのですね。
うわ～～すごぉ～い！
（デジナレ）「これはハルニレの木です。静岡県の天然記念物です。でっかい！」
葉っぱに透ける日の光が奇麗ですねぇ～♪
（デジナレ）「しかしのんびりはしていられません、あと四つ。デジたんは手早く参拝し次の神社へ！」

はぁ…はぁ…ここかな？北口本宮冨士浅間神社！
（デジナレ）「たかぁ～い木と灯篭が導く鳥居への道。さすがのデジたんもこの景色を全力で走る気にはなれませんでした。」
すごい～…。これ景色が開けた先にボスが待ってるやつですよね。幹部クラスの。
（デジナレ）「まだ余裕がありそう。こちらも参拝し、さあ次の神社へ。」

4
…着きましたっ！冨士御室浅間神社！！ここも頭に点の無い方の「冨士」ですねっ！げほっげほっ！
（デジナレ）「実はここに来るまでに横の道を走る観光バスに追いついたのです。
最初の神社の時点で追い抜いていると思ったら実は今追いついたところということに気づいたデジたんはスパートをかけたのであります。
まあ追いつけなかったんですけど。」
ああっ！石の龍がうまぴょいしてるっ！！
（デジナレ）「百福の龍宝珠、という絡み合う複数の龍が織りなす宝珠を象った彫刻です。
うまぴょいとか言ってはいけません！ドラぴょいといいましょう！うーードラだっち！」
他と比べると敷地はあんまり大きくありませんね。
でも狛犬とか、ヤブサメの碑とか、彫刻が多い感じですっ！
（デジナレ）「ここも丁寧に参拝し、次の神社へ。ところが。」

……ぐっええー……。

5
（デジナレ）「次の目的、山宮浅間神社に向かう途中でデジたんの脚が止まってしまいました。」
おなか減ったんですけどぉ～……。でも食べて走ると多分吐いちゃう。
（デジナレ）「がんばれデジたん！ウマ娘ちゃんの愛はどうした！」
大丈夫、いけます。

（デジナレ）「いけませんでした。」
[大写しされるうつ伏せのアグネスデジタル]

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……はい、というわけでね、見事に敗北しました。パターン・サワーホマレー、愛って減っちゃうんだよ
まだ第一関門だったというのに。
次は何を用意してたんですか？
（負けるなロートル！現役の競争バとガチバトル！という企画で）
その方が100倍の愛が出ましたよ！！ていうかロートル呼ばわりが酷すぎる！！スタッフにデジたんへの愛が無いんですよぉ！！


6
というわけで、霊峰富士の神社は無理せず、車やバスで参拝しましょう。
間違っても走っちゃだめですよ？あなたのお名前が「阿久利黒」とか「鬼鹿毛」とか言うのであれば止めませんけどもぉ～……。
企画としてはもうちょっと頑張りたかったというのがあります、はい。
でもでもどの神社も有名なだけあって手入れが行き届いていましたし、素敵な魅力にあふれていましたっ！
これでウマ娘ちゃんとのデートだったら最高だったんですがっ！
（どんなウマ娘ちゃんとデートしたいですか？）
え、言ったら叶えてくれんの？
じゃあねえ…♪うーん…むっふふ…♪えーとねえ……♥♥
えーと…でぇへへへへ…。
えっとねえ、待ってね今考えてるから。
んー……むっふっふっふ……♪
デートでしょお？ねぇ？そしたらさ…いやーどうしようかな……むぇへへへへ♥
うーん……。……やっぱりシンボリクリ
（エンディングテーマ）



--
愛を試せ

1
「フケちゃった～～ぁ♪」

帰ってくるなりただいまの代わりに劣情を告げるアグネスデジタル。
紅潮した顔で体中汗びっしょりにして、手荷物を放り投げた。
ちょっと待て、と止める間もなく俺の胸にドスン、と小さな上半身を預けた。

「シよ？」

首を上げて上目使いで見つめてくる。

「まず風呂に入れ。」
「どうせ汗かくし意味ないジャンッ！」

デジタルは腰に手を回して俺を寝室へと押し進めていく。

「わかったわかったっ！」

2
タオルケットを押し入れから2枚取り出し、ベッドの上に重ねて敷く。
シーツよりも洗うのが楽だからだ。

「ほら早くっ！勃たせて勃たせてっ♪」

もう待てないとばかりに服を脱ぎ散らかして生まれたままの姿になったデジタル。
俺も服を脱ぐ。
裸になって向かい合うと、デジタルは胸を張り、両手を腰に当ててお尻をくいくいと左右に振って見せた。

「ほーらほーらはーやーくっ！勃起っ勃起っ♪」

その股間を下から掌で包むように握ってやる。

「ひゃんっ♥」
「俺はどちらかというと声で興奮するタチだ。」

3
片手でデジタルの陰部を押し揉みながら、もう片腕で腰を抱え、ベッドに載せて座らせる。

「前戯っ、いいからぁっ♪」
「俺が良くないんだよ。」

先ほどまでのデジタルの痴態で既に肉竿に芯は入っているが、まだ交尾には程遠い。もう少しかわいい声を聴かなくては。
俺は彼女と向かい合わせに座ると、唐突に淫裂に中指と薬指を入れる。

「んにゃっ！？」

驚く声を無視して膣の入り口近くを恥骨側に向かって掻きむしる。

「ひゃぁっ、だめっ、よすぎるからっ、ダメだってばっ。」

柔らかい襞が俺の指を強く締め付けてくる。
聞く耳持たない。いや、聴いてはいる。その声を聴くために、指を膣内に入れたまま掌で肉鞘を潰す。

「ああそれだめだってっ、気持ちいいっ、もっと、それぇ、それえぇっ♪」

ぐりぐりとクリトリスを押し転がしながらGスポットを虐めてやると、デジタルが面白いようにのけぞる。

「でも、ダメ、もう、来ちゃうっ！」

4
絶頂に至る前、ずぼっと乱暴に肉壺から指を引き抜く。

「あはんっ！」

デジタルの体がびくっ！っと大きく震えた。

「はーっ、はーっ、ふー、ふー♥」

こちらに向き直ったデジタルの目は、物足りなさそうな、激しく何かを求めるような、潤んだ瞳でこちらを見つめて来る。

「準備できたみたいだね…♪」
「ああ。」

5
いつのまにか俺のチンポも完全に勃ち上がっていた。
デジタルが四つん這いになってこちらににじり寄ってくる。俺は両手を広げて彼女を待ち受ける。
胡坐をかいた俺の上にデジタルが乗りかかる。狙いを定めるためにそっと手が触れると、俺の陰茎はびくりと震えた。

「んふっ♪気持ちよさそうだねっ♪」

嬉しそうな、得意げな顔。

「えーいっ♪」

ズブブブブッ、と肉槍が根元まで挿入された。俺の歪んだ顔を見てまた嬉しそうにデジタルが笑う。

「んっふふ～♪」

腹と腹が密着し、その隙間を接着剤のように汗が埋める。
互いの背中に手を回し合いぎゅっと抱き合う。ぴったりよりももっと近くにいられるように。

6
「ちょっと太った今のお腹、好き。ぴちっとくっつくから。」

荒い息を吐きながらそんなことを言うデジタルに、少しカチンときた。
デジタルの軽い体を持ち上げて、上下に振った。

「ああっ！？」

驚くデジタルを意に介さず、お互いの胴体を汗でぬめらせながらデジタルの陰部に俺のチンポをこすらせる。

「ダメ、それ、すぐ、イっちゃっ、からぁっ、はぁっ♥」

こんな自分勝手なセックスでも、奥を突きこむとタダでさえ狭い膣肉がぎゅっ、ぎゅっとチンポを絞ってくる。
子宮口も一緒になって鈴口に吸いついてくる。

「イけっ、イけっ！」

細く柔らかく華奢そうなデジタルの体、
その体の一番大事なところを道具のように使う、その背徳感にどんどん睾丸の中身がせりあがってくる。

7
「あっ、はっ、ダメッ、もう、もう、イっちゃう、イっちゃうううっ♥♥」
「俺も、イくっ！」

デジタルの体を思い切り下に押し込み、俺自身を根元まで包ませる。
どびゅっ、どびゅぅっ、と快楽が迸るのに合わせて、デジタルのおまんこも思い切り痙攣し、愛しい陰茎に絶頂を訴えかけた。

「がっ、はっ、ちょっ♥とっ♥」

射精中のチンポをデジタルでしごいて、最後の一滴まで出し切る。
子宮を殴りつけられて目を白黒させるデジタル。こみ上げる征服感。

「「ふーっ。」」

互いに長い息をつく。

8
デジタルが俺の腰から手を放し、後ろにのけぞって倒れた。その勢いでデジタルの膣から俺の陰茎が抜ける。

「っはぁ～～♪ノリ気じゃないみたいなこと言いながら、毎回鬼調教なんだからぁ～♥」
「嫌じゃないだろ？」
「ヤじゃないけどさぁ～？」

デジタルはくるりとうつ伏せになり、四つん這いでベッドボードのティッシュを取りに向かう。

フリフリと降られる小さな尻。白く泡立った膣口からは先ほど俺が射精した毒液がどろりと溢れている。

「おふっ！？」

9
デジタルがあられもない声を上げた。
俺は彼女の細い腰を掴んで、収まらない勃起を再び彼女の膣の中へと押し込んでいた。

「ちょっとぉ～。」

抗議の声とは裏腹に、彼女の膣襞は彼女自身の性格に似て真面目に忠実に雄を迎え入れる。
上から覆い被さると、デジタルの小柄な体はすっぽり俺の陰に隠れてしまった。
デジタルの背中と俺の腹をくっつけると、さっきとは逆に丁寧にチンポを動かす。

「そんなっ、探すっ、みったいっ、にっ、あっ、スケベっ！」

角度や速度に緩急をつけ、弱いところを探していく。
Gスポットや子宮口だけでなく、膣内を丹念に突きほぐし、弱みを探索する。

10
「ん、もっ、しょうがなっ、あはんっ？！」

ポルチオの右側に亀頭をひっかけるようにすると、デジタルが艶っぽい顔を上げた。確認するように突き込んでいく。

「そ、そこ、そこばっかり、だめ、そこ、知らないっ知らないからぁっ！」

追撃とばかりに俺は片手をデジタルの腹に伸ばす。
子宮マッサージ、というにはあまりにも乱暴に、下腹を握りつぶす。

「あぁっ♥」

痛みだけじゃない悶え。

「スケベだなあ、こんなのが好きだなんて。」

11
「キミが調教したんじゃないっ、あっ、あっ、はっ、だっ、めっ♪」
「ダメ？ダメか？」
「うそっ、うそっだからっ、意地悪っ、やめないでっ♥」

体重を完全にデジタルに預け、もう片方の手で乳房を揉みしだく。
決して豊かとは言えないが、『アグネスデジタルの乳房を揉む』という行為だけで俺には十分に刺激的だ。

「だからそこばっかりやめて、うそっ、やめないでっ、もっとぉっ♥」

見つけたばかりの弱点に強く強く陰茎をめり込ませる。その度にデジタルの体が壊れた車のように軋んで揺れる。

12
……
ぱんっぱんっぱんっ
俺の腰とデジタルの尻がぶつかり合うはしたない音。交尾の音としか言いようのない下品な音。

「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」
もう言葉を交わす余裕もない。
お互いの肉に深く深く潜り合うような一体感と、貪り貪られるような快感をただ一途に追いかける。

「あうぅぅぅーっ♥♥♥」

デジタルが嘶いた。俺もその最奥に精液を放った。

13
「デジたん、満足でぇ～～っす♥♥」

俺の体の上にアグネスデジタルが更に仰向けで寝転ぶ。

「ごめんねぇ、実は新バちゃんでフケちゃった子がいてさあ。」
「ああ伝染っちゃったのか。」

デジタルは今、トレセン学園のスタッフとして働いている。
学園の雑用や、トレーナーやサブトレーナーに付き従って訓練の補助をしたりしているのだが、時には元競走バだった経験を買われて新バとごく近い距離で一緒に指導を行ったりもする。

「医務室に連れて行ったんだけど、それが良くなかったみたい。」
「まあしょうがないなぁ。」

14
ウマ娘には野生動物と同じく発情というものがあるらしい。
競バ用語で「フケる」などというのだが、厄介なことにこの「フケ」は伝染する。
フケたウマ娘から発せられるフェロモンには、ウマ娘をフケさせる効果があるそうだ。
全てのウマ娘を深く愛するデジタルが不調なウマ娘にいち早く駆け寄る様は手に取るようにわかる。
それ故にフケにも誰より早く感染してしまう。
……それにしても。

「薬出してもらわなかったのかよ。」

こうした事態に対応する薬剤は当然トレセン学園にも用意がある。フケるたびに性処理するなんてナンセンスだからだ。

「いやあ～っ……えっへへっ……♪……キミのチンポの事考えだしたら、止まらなくなっちゃって……♪」
「お前それでよく定時まで働けたな。」

呆れかえる。

15
だがデジタルの方も呆れてしまったようだ。
うつ伏せに寝返って抗議する。

「何その反応。このデジたんがキミを欲しがってたって事をもっと大切にしてほしいですっ！」
「そりゃあごめんなさい。」

ため息をつくとデジタルは俺の胸を人差し指でカリカリと掻いた。

「デジたんはいつでもいいんですよっ？繁殖するの。」
「俺も。」
「……んふーっ♪」

満面の笑みでべたりと抱き着いてきた。
俺はその背を優しく、できる限り優しく、抱き返した。



--
海です。

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスぅ～～～～？ （間） 
デジタルですっ！
サマーシーズン到来っ！というわけで、先日トレセン学園の生徒やOGで海に行って来ましたぁあ～～っ！！
海に行くちょっと前にですね、同窓会のような集まりがありまして。
そこで約束をしたのです。
数え上げるときりがありませんが、アタシが逢うのを楽しみにしていたのは、やっぱりメイショウドトウさんっ！
テイエムオペラオーさんと一時代を気づいた強豪バの一角ですっ！

2
テイエムオペラオーさんもお誘いしたのですがこの時期はバチクソ忙しいそうで、どうしても予定が取れないとのこと。
少し残念ですが仕方ありません。今大人気芸能人ですもんねっ！
関係ないですけどちょっとした奇縁で劇団キャラメルボックスの芝居を見に行ったのですが、開演前のアナウンスで上川隆也さんに「芸能人」というあだ名がついていることを知った時は噴き出してしまいましたっ！
かなり前のことですけどっ！
海を泳いだり砂浜を走ったりビーチバレーに興じたりするウマ娘ちゃん達を見るだけで、ああ、デジたん、幸せ…♥
シーサイドカフェでドトウさんとデートしながら、浜辺のエンジェルちゃん達に熱い視線を送っておりました。
「…変わりませんねぇ。」
特徴的な口調で話しかけられてデジたんはひっ！と居住まいを正しまして、涎を拭きました。
目の前に友人がいるのに失礼ですよね、ごめんなさい、と謝ると、いえいえ～と困ったような顔で許していただきました。
デートと言ってもお互い夫がいる身です。
「ウマ娘同士積もる話もあるだろうし」とダンナ達が気を利かせて席を外してくれたんですね。

3
デジたんとドトウさんと言えばやっぱり秋のG1です。
デジたん競走バ時代には、ドトウさんには割と恨まれてもしょうがないことをやったのですが、そこは勝負の世界。ターフを降りたらノーサイド。
オペラオーさんともドトウさんとも笑って話ができる仲であります。
お互いそのG1の話から始まって、うちの旦那はどうだ、うちのはこうだ、という家庭の話で盛り上がりました。
やっぱり一番身近にいる人の話が一番口から出てくるようです。
昼下がりになったころ互いの夫が戻ってきたのでお会計をして、それぞれ分かれて自分の夫と行動することになりました。

「どうだった、メイショウドトウは？」
「おっぱいでかくて童顔で超かわいい♪」
「俺もそう思う。」

趣味が合うって素晴らしい！いやーこの人と結婚して本当に良かったですっ！
でもビンタはしました。

4
互いに泳いだり、子供っぽく砂のお城を作ったり、観光客にお写真をねだられたりしました。
昼下がりとはいえ日差しも強いのでサンオイル塗り合ったりもしましたようふふ♪
そうそう、サンオイル塗り合うウマ娘ちゃんを見て尊さに大興奮したりもしましたっ！
やっぱりウマ娘ちゃんって体のラインが美しい！それを際立たせる水着とオイルのテカり…。
衆目の中でフケちゃいそうになりましたっ！

さて二人して当て所もなく歩いているとビーチの端の岩場まで到着。
潮溜まりでもみようか、という夫の提案に足を進ませると奥から人の声が。
足を止めてよく聞いてみると、悶えるような苦しむような荒い吐息。なのに何だか甘く切ない声で…。
夫と顔を見合わせて、そっと近づきます。

青ぴょいでした。

5
詳細はお話致しかねますがぁ～…。
青ぴょい事案とは関係ありませんがテイエムオペラオーさんはこの日はどうしても予定が合わない、一緒に行くことはできないと仰っておられたんですっ！
一緒には当然来ていませんし、個人でこちらにいらっしゃることもできなかったはずですっ！！絶対にっ！！！

愛を間近に目撃したデジたんはすっかりほくほくです。やっぱり愛し合うってイイモノですねっ！
『デジたんはしたの？』
デジたんは青ぴょいしてませんよっ！デジたんの教え子も来てるのにそんな破廉恥なことできませんっ！
これでもトレセン学園のスタッフなんですからねっ！！

ホテルでしました。

翌日は生徒たちに囲まれて「凄かったですぅ～～♪」とか言われました超怖い。
まさか…ウララたん…とうめいの術を使って…？

6
話を聞いてみるとウララたんではなくて単にホテルに古くから住む幽霊が教えてくれたんだそうです。なーんだ、幽霊じゃしょうがないなっ！
この配信を見ていたら今度ツラ貸してくださいねくたばり損ないさんっ♪

そんな訳で夏の海はもうサイッコーに楽しかったですっ！
暑くてバテたりもしちゃいますが、だからこその海はとっても気持ちがいい！
もし機会があれば、夏が去る前に一回だけでも行ってみてほしい物です。

さてそろそろお時間です。ここまでみてくださってありがとうございました。
この後はツインターボチャンネルでASMRの配信があるんですって。
氷をかみ砕く音を一時間やるそうです。
楽しみですねっ！それじゃあバイデジ～♪



--
ささやかなことが

1
内緒だけど、お寿司を食べに行った時にはいつも幸せを感じることができる。

「～～～っ！」
「ツラいならワサビ抜き頼んでいいんだぞ？」
「いいの、良さがわかってきたから。」

嘘じゃない。
ネタの脂分とシャリの甘さに、ワサビが味を引き締める意味が分かってきたから。

ワサビがあってこそ、とまではまだ言えないけど、
そういう美味しさがあるってことが分かった。
ツラい、カラい、好きじゃない、ってだけではわからないことがあるって、わかった。

2
「ならいいけど。」

寿司屋に行くと夫はいつも心配そうな目で見つめる。ありがとう、その心遣い伝わってる。
でもカラいけど、ツラいだけじゃないだよ。
キミだって最初はそうだったんでしょ？

3
ワサビだけじゃないよ。
ブラックコーヒーとか、緩めのファッションとか、アタシもよさが分かるようになってきた。
無理なんかしてない。キミを見てたら自然とそうなったんだ。

キミだってデジたんみたいな派手な柄の服を着るようになったじゃない？甘いお菓子を食べるようになったじゃない？
最初は「こんな派手なのは俺には……」なんて言ってたくせに。
「甘ったるくてちょっと……」なんて言ってたくせに。

今は何も言わなくてもちょっと派手な服を着てる。
何も言わなくてもクリーム入りのケーキとか食べてる。

永遠の愛とか、変わらぬ絆とか、そんな仰々しい言葉はいいんだ。
今、ちょっとでも嬉しければさ。
今、少しでも一つになれるかもって信じられたらさ。
その気持ちだけで、いつまでも生きられる気がするんだよ。

4
「マグロ、ワサビ盛々でっ！」
「おいおい。」

未来なんかわからないよ。過去なんて変えられないよ。
今は、今は。少しでもキミと同じになりたい。

「からーいっ！！」

背伸びしたアタシの舌をそっと手拭いで拭いてくれる。
しくじったはずなのに、なんだかとてもうれしい一瞬でした。

（オープニングテーマ）

こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のアグネスデジタルですっ！



--
走れ走れ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネス！変身！！デジタルですっ！（特に変身はしていない）
今日は最初にお便りを紹介します。ペンネーム工業デジタルさんより。
「G1六冠の穴ウマ娘ことアグネスデジタルさんこんにちは。」
おまえーっ！
人間がなーっ！ウマ娘をなーっ！ゆるさーん！
はいこんにちは。
「いつも配信楽しみにしています。」
ありがとうございます。
「どうしてデジたんの競争成績はあんなにクチャクチャなんですか？」
アハハハハハハハハハッ！！！
こいつっ！こいつぅー！アハハハハハッ！！！！！


2
あのねー…。
デジたんにもわかんない。わかんないんですっ！アハハッ！

放送前に夫にも聞いたんですよ、そしたら
「それが分かればG1十冠ぐらい取らせてやったのにな…。」
ってしんみりしちゃって。

おいおいしんみりするなよ！
デジたんのことでしんみりするのは禁止！禁止です！！
「お前は本当にムラっけのある奴だったよガハハ！」
ぐらいのことを言ってくれると思ったんですよっ！

3
で、もしかしたら、ぐらいの話で、
「お前は無意識レベルの心理がほかのウマ娘より10倍ぐらいレースに出やすいのかもとは思った」
って。
何で現役時代に言ってくれなかったの？って訊いたら、
「『お前はメンタルがレースにとても反映されやすいウマ娘なのだ！！ババーン！！！』って言ってもお前の調子は上がらないと思った」そうで。
そりゃそうですよね。
デジたんいつもレースの時はほかのウマ娘ちゃんと一緒に走れる幸せでいつもテンション爆上げなのに、
実は無意識の心理があってそれが調子を上下しているのだ、って言われてもピンときません。
それに、この見立てがあっているのかどうかも検証しようがないと。
なので治る見込みがあるかどうかもわからんムラっ気の事は置いておいて、調子がいい時に必ず勝てるようにトレーニングした、とのことでした。

4
言われてみれば、デジたん大敗した時もあんまりトレーナーには叱られなかったんですよ。
11着とかやらかした時も「そっかじゃあ次のレースな」って。さっぱりしたもんでした。
そこは叱っても治るもんじゃない、と割り切っていたんでしょうね。

大敗をやらかした上に芝もダート節操なく走るもんだから、当時は「あのトレーナーはデジたんをどうしたいんだ」って声もありました。
黙らせてやりましたけどねっ！

どうしたいんだも何も、デジたんはそういうウマ娘だったのです。
何故あんな感じのレースになったのか、未だに自分でもわからないのですもの。

5
当時は皆様に本当にご迷惑をおかけしました。
でもでも競走バとしては本当に好きに走らせてもらえて幸せだったと思っています。
ありがとうございますおっとこれはしんみり警報？！
だめですよっデジたんでしんみりしてはいけませんっ！
明るい話題を、明るい話題をっ！

デジたんがトレーニングを手伝わせていただいているウマ娘が見事URAレース一着になりましためでたいっ！
パチパチパチパチ！
G3でがつっとリードして勝ちましたよトレーナーさんとガッツポーズし合う様は輝いていました。
その後で記念のお写真も撮らせてもらいました。
これからも頑張ってくださいねぇ～♪

6
この写真がねえまた…。
…。
…うへへ♥
…。

ああっ、すみません！やべえ放送事故寸前だった。
今日お便りご紹介させていただいた工業デジタルさんにはデジたんステッカーをお送りします。

そろそろエンディングトークのお時間ですね。
前回トレセン学園のメンツで海に行った時の話で、デジたんと夫がホテルでウマぴょいしてたのが幽霊経由で生徒にバレたって言いましたけど、
ウマぴょい見てた幽霊もイカれてるしそれをウマ娘ちゃん達に話すのもイカれてるしその話を聞くウマ娘ちゃん達もイカれてるし翌朝デジたんに凄かったとか感想伝えに来たのもイカれてます。
あのエピソード出て来た奴全員頭イカれてる。
夏ですねぇ～。
それではバイデジ～♪



--
Digipedia

1
「事実をただ書くってだけでも文章力っているんだねぇ。」
「レポートの話か？…Wikipediaかよ！」
「頑張って書いたはずなのに後から読み返すとバ鹿が書いた文章みたいになるの。」
「仕事しろ仕事！」

アグネスデジタルがパソコンに向かって唸っているから明日教えるトレーニングメニューでもまとめているのかと思ったら、ブラウザを開いていた。

「こんな時間に。眠れなくなるぞ。」
「大事なことなんです。」
「言い分を聞こうか？」
「ウマ娘ちゃんの名前で検索したらちゃんとヒットして欲しいの。」
「URA公式に任せておけよ…。」
「競走成績とか走りの特徴とか美しさとか萌えポイントとかも網羅するにはWikipediaじゃないと。」
「美しさと萌えポイントは書いちゃダメだろ。」

2
「特にデビューしたての子たちは記事自体無いことが多いしさあ。」

引退して教える側に転向したデジタルには、単にウマ娘に萌えるだけでなく親心のようなものも芽生えているらしい。
それはそれでいいことだが…。

「…うわあ文章量えぐいな…。
あ！お前もしかして自分の記事とか推しウマ娘の記事に良い事ばっかり書こうとしてる？」
「そんなことしないよっ。ちゃんと競バ新聞とか雑誌とか書籍とかURA公式サイトの記事とかで裏付けのあることだけだよ。」
「なんて厄介なんだ。」

いい加減にしとけよ、と言い置いて寝室にベッドメイクへ。
戻ってくるとまだデジタルは画面を見つめてうんうん唸っていた。


3
「お前さあ、また夏うつになるぞ？」
「てにをはって難しいんだねー。」
「寝ろっつってんだろ。」
「トレーニングレポート書く時もさ、後から読み返すと変だったりするんだよ。
てにをはだけじゃなくて『しかし』とか『でも』とか一文の中に二つあってうへぇーってなったり。」
「ああわかるわかる。」
「だからっ！こうしてWikipedia記事を読んだり書いたりして文章力を磨いているのですっ！」
「寝ーろっ！」

だがデジタルは懲りずにぶーっとむくれる。


4
「だってさぁ、Wikipediaにウマ娘ちゃんの根も葉もない話とか書いてあったり変な日本語で記事書かれてたりしたら嫌じゃん！」
「嫌かもしれないけどキリがないぜ。」
「そう！だからせめて1日10記事は編集するように決めたの。」
「多いぃー！」

何なら記事1つでさえ、資料の裏取りまでしていたら1時間では済まないだろうに。

「何ですか！キミは自分が育てたウマ娘の嘘が流布されていて平気でいられるんですかっ！？」
「そういうのを色んな人が修正して正しくなっていくからWikipediaなんであってさ。
いいから今日のところは休め。」
「うーん…。じゃあ寄付だけしとく。」
「そうしとけ。」

デジたんの思い、ジミー・ウェールズさんに届けっ！
という声を尻目に、歯を磨きに洗面所へと向かう。

5
ベッドに横たわってから30分後、ようやくデジタルが寝室に入ってきた。

「随分かかったな。」
「うん、ちょっとね。」

アイマスクを手に取りながら、デジタルが隣のベッドに入った。

「ちょっと、何だよ。」
「うん、Wikipediaじゃあんまりwikiwiki（※ハワイ語で「速い」の意）してないから、自前でWiki作ってた。」
「お前…。」
「Wikipediaにとっての外部ソースにもなるし。」
「狡猾…。
いや、やめておいた方がいいよ。」
「何で？」

6
「その自分で作ったWiki、自分で編集するんだろ？」「そだよ。」
「それをソースにWikipediaに書くんだろ？」「うん。」
「絶対炎上するぞ。」「……あー……。」

ネットの捜査力を侮ってはいけない。
『元六冠バアグネスデジタルが、Wikipediaの記事を編集するために自分でサイトを作成しそこから引用』なんてすぐバレる。
Wikipediaの精神としても恐らくアウトの行為だろうし。

「さっき作ったWiki削除してくる。」「明日にしろって。」

歩き出したデジタルの手首を掴んで止める。デジタルの青い瞳が暗い部屋の中で輝いて、寝そべる俺の顔を見下ろす。

「…スる？」
「しない。」
「しないかー。」



--
夢見た未来

1
「よう、差し入れ。」「おっ、サンキュー♪」
「「「「「ありがとうございますっ！」」」」」

アグネスデジタルが夫に笑顔を向けると、彼女の前で整列していたトレセン学園生徒たちが奇麗に礼をした。

「つってもスポーツドリンクだけどな。」「いや、助かるよ。今絞り込みしてたからお菓子はちょっと危ないんだぁ。」
「ならよかった。
お前ら、ゴミはデジタルに持たせてやってくれ。」
「えぇ～～？！アタシぃ？」「学園に捨てていくわけにいかないだろ。」

そう言って男がデジタルに透明なポリ袋を一枚差し出した。
デジタルは不満そうな顔でそれを受け取る。

「あ、あの～。」
「ん？」

2
一人の生徒がデジタルの夫に歩み寄っていた。

「トレーナーに戻るつもりって、無いんですか？」

デジタルと夫が顔を見合わせる。それを見てその生徒は、ばつが悪そうな顔をした。

「あ、すみません。」
「いやいいんだいいんだ。…デジタル、話していいか？」
「練習中なので、手短にお願いします。」
「はいはいっと。」

男が進み出ると、生徒たち計5人が全員居住まいを正した。
そんなに改まった話じゃないよ、と苦笑する。

3
――――
「キミはそれでいいの？」

プロポーズの返事はYESでもNOでもなく、質問だった。

「もっとトレーナーの仕事したくないの？」
「そりゃあしたいに決まってるよ。」

デジタルが目を丸くする。

「じゃあどうして…。」
「俺の体は一つしかないから。」
「…どゆこと？」
「俺は、お前の夢も支えたいし、トレーナーもやりたい。その二択でお前を選んだんだ。」

4
「じゃ…未練あるんだ。」
「まあそりゃ。お前だって、引退したくて引退したわけじゃないだろ？」
「…。」
「悪かった。例えが意地悪だったな。謝る。
…今度こそG1七冠バを育て上げる！って夢も見たさ。
でもどうしてもお前の傍にいたいという気持ちも同じくらいある。
だから、お前を選んだ。」
「…？ 何で？」
「これは受け売りだけどな。迷ってる時間って無駄なんだよ。
迷うってことは、その2つだか3つだかの選択肢は大体同じ価値だ。
ってことは、選ぶことに時間を使うより、とっとと決めちまって、選んだ選択を少しでもマシにするのに時間を使った方がいい。」

デジタルの頭の中では彼の言葉が雑然と置かれて、整理がされないままだ。

5
「答えになってないよ。」
「…結婚したいぐらい好きなウマ娘をたかが夢の為に諦められるか。」
「…ぷっ！」

デジタルが噴き出す。

「あはははははは！」
「笑うと思ったよ。」


6
「罪深いトレーナーですねぇキミはぁ～？キミに育てられたいウマ娘って結構いるんだよ？」
「知ってる。」

六冠バのトレーナー、という実績は伊達ではない。その看板だけで少なくとも10年は仕事に困るまい。

「デジたん、これでもファンが多いんだよ？」
「知ってる。」
「本当にわかってるぅ？ウマ娘ちゃんやアタシのファンをズバっと裏切ってアタシを攫っちゃうんだよ？刺されたって知らないんだから♪」

そう言いながら、デジタルは嬉しそうににんまりと笑っていた。

「俺は担当に結婚申し込むほどには公私の区別のつかねえ男なんだ。向いてないっちゃ向いてなかったのさ、トレーナーって仕事は。」

デジタルの表情が俄かに曇った。
「…向いてなかった？」

7
「G1六冠バを育てておきながらよく言うねっ！」
「お前は勝手に育った。」

デジタルの気持ちが冷たくなるのを痛いほどに感じた。だがこれは言わなければならないことだった。

「お前の才能なら、誰がトレーナーをやっても名バになれたよ。胸を張って言える。」
「バカっ！」
「お前は類稀な力を持って生まれた、俺には勿体ないぐらいのウマ娘だ。」
「バカバカバカ黙ってっ！」

走り寄ったデジタルの細い指が、男の胸元を掴んだ。

「何が『勝手に育った』ですか！アナタに拾ってもらわなきゃ、アタシはいつまでも『変なウマ娘』のままでしたっ！
胸を張って言いますっ！アナタがいなきゃ！アタシはダメなウマ娘のままでしたっ！」

8
出会った当時の敬語で話す癖が戻ってしまっている。気に留めない。そんな場合じゃない。事は一刻を争う。このバカトレーナーを暗黒の淵から救わねば。

「勘弁してください！今まで一緒に戦ってきたのをなかったことみたいに言わないでください頼みますから！
誰でもよかったなんてことはありません！
ムラっ気の多いアタシを、『いつでもどこでも勝てるウマ娘だ』って言ってくれたのはアナタでしたっ！
その言葉があったから、ひっどい負け方した後だって、ダートだって芝だって走れたんですっ！
だから、そんな…卑屈な、小さなことを…言わないで…。」

男の胸に顔をうずめて、すすり泣く。男はその背にそっと手を回した。

「こんな話をするつもりじゃなかった。」

ぽん、ぽん、と、子をあやすように背中を優しく叩く。

9
「…プロポーズはまた改めて、」
「結婚しますっ！」

くわっと上を向いてデジタルは宣言した。
――――
「ずっと先のことはわからないが、暫くはこいつの夢を支えることを選んだのさ。
幸い此奴の稼いでくれた賞金がまだまだたんまりあるからな。」

5人のウマ娘はある者はにやにや笑いながら、ある者は興味なさげに、それぞれの態度で男の話を聞いていたが。

「はい休憩終了！終了ですっ！飲み終わったペットボトルはこの袋に入れてくださいねっ！
次はスパート練習！流して一周して、最後の直線で一気にスパートですよっ。ほら行った行ったっ！！」

パンパンと手を叩いてデジタルが生徒たちを散らした。

10
「うふふっ。照れくさい話をしたねえ、ガラにもなく。」
「照れくさいことは恥ずかしい事じゃない。」

遠くに走り去る生徒たちを見ながら、男が言う。

「あ、なんか少女漫画で読んだことあるセリフ～。」

デジタルはニマニマと笑って言った。

「で、さ。」
「うん？」
「少しは、マシにできたのかな？この選択肢。」

「勿論。」

男が笑って拳を作ると、デジタルも笑って、拳で小突いた。



--
あの頃に待ち合わせよう

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
今日は高知競バに行ってきた話をします。
高知競バはURA管轄ではないのですが、今後トレセン学園に入ってくるかもしれない俊英ウマ娘ちゃんを偵察に…。
というのは建前で、ハルウララちゃんに会いにいったのですっ。

2
ハルウララちゃんは引退後は実家の高知に戻ってのんびり暮らしておられる、とは皆さん聞いていることと思います。
一方その後のメディア露出は多くはなく、実際にどのような暮らしぶりなのかは、デジたん少し心配もしていたのです。
久しぶりにお会いするウララちゃんは昔と変わらずニコニコ笑顔で天真爛漫でした。
「とうめいの術やってやって！」とせがむと、「あれは、もう、ちょっと……えへへ。」なんてはにかんじゃったりしてっ！
可愛い！！
この笑顔を見られただけでも交通費の元を取れたというものですっ！

今日のレースではハルウララちゃんがご挨拶をされるそうで。

「ハルウララです。このような機会をいただけたこと、本当に嬉しいです。」

引退前とは打って変わった落ち着いた口調で、郷土愛と、今後のウマ娘ちゃん達への期待を述べるハルウララさん。
普段アゲアゲなウマ娘ちゃんがキリっとしていると、ギャップで萌えちゃいますよねぇ～。カメ子さんたちに混ざって一眼レフのシャッターを切りまくりました！

3
「すごくよかったですぅ…♥」と告げると、えへへ、とまたまた可愛いはにかみ笑顔でしっぽパタパタお耳ぴくぴく。
デジたんのハートはもう発作寸前です。

話を聞いてみると、地方から中央に羽ばたいた偉大なウマ娘として、ここ高知競バ場では半ば現ウマ神のような扱いを受けているのだそう。
…ウララちゃんは実はトレセン学園に入学してから暫くはかなり苦しい時期が続いておりまして。
勝てないウマ娘、勝たないウマ娘、と揶揄されておりました。
本人はマイペースでいつもニコニコ輝く笑顔を見せていましたけど、内に何を秘めていたのかまではわかりません。

しかし長い長いトンネルを抜けて。ある重賞レースにて、ついに一着を手にするのです。
高知競バにとっても、地方から登竜門へ挑んだウマ娘ちゃんが努力に努力を重ねて遂に結果をものにするというストーリーは非常にありがたいものでした。
「高知競バ出身のハルウララが遂に開花！」と、当時は沸きに沸いたものです。グッズもたくさん発売され、イベントも多数開催されました。
デジたんもサイン色紙持ってます。家宝の一つ。

4
その後の成績は残念ながら…、といった感じなのですが、それ以上に「負けても負けても戦い続けたハルウララ」というキャラクターは非常に強烈なものでして。
大敗と勝利を繰り返していたデジたんにとっても、「そんなあり方があるんだな」って目から鱗が落ちた思いでした。

努力するウマ娘ちゃんは美しい。
行ってみればハルウララは、その努力の美しさそのものの結晶と言ってもいいかもしれません。
結果だけが全てのはずの勝負の世界で、「負けてもいいんだ」「走る姿が好きなんだ」と言ってもらえるウマ娘ちゃんは本当に貴重です。
スター性、っていうんでしょうか？
結果で何もかもねじ伏せる強いウマ娘ちゃんの在り方とは対照的に、「挑む姿こそが大事なんだ」と応援されるのは、ハルウララちゃんのウマ徳あってこその事だと思います。
可愛いし。でへへ♪

勿論、成績の芳しくないウマ娘なのに贔屓されすぎでは？という声も当時はありました。
でもでもデジたんは思うのです。
ヒトを魅了するために生まれてきたウマ娘として、ウララちゃんは全身全霊でその使命を果たし切ったのだと。

5
勝負の世界は厳しい。
極端な例だと、デビュー直後に酷い怪我をしてそのまま登録抹消ということもザラにある世界です。
報われない努力の方がずっと多いんです。
1レースに何頭も走って勝つのは一頭だけ、という競技ですから、レースに出れば出ただけ負けが込む、というのも事実としてあります。
ウララちゃんはそうした厳しい勝負の世界で、決して心から負けることがなかった、ということが評価されたのではないでしょうか？
負けたら何度でもチャレンジすればいい。だって負けるのは当たり前のことなのだから。
これって、ヒトの世界でも通じることみたいに思うんです。
それが成績だけでは説明できないファンを獲得したのかなって、デジたん思うのです。

6
そうそう、ウララちゃんのトレーナーさんにも逢ってきましたよっ！

「当時は、だいぶ突き上げがきつかったんじゃないですか？」
「いや、こういうのは何だけど、ウララはあまり期待されていなかったからね。
負けても『まあそんなもんか』って感じだった。
だからこそ後に引きずらずに何度もチャレンジできた。
勝負の世界でこういうことを言うのはよくないかもしれないけど、勝敗に関係なくウララの生き様は輝いていた。
諦めさせる気になんかちっともならなかった。」
「わかりますぅ～～～♪」
「それに…」
「はい？」
「ウララがこけたり、負けたりするたび、その…
ボクはとてもドキドキして
（エンディングテーマ）



--
同好の士と書いてライバルと読む

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
んんんんーーーーっ！！眠いっ！！！！

あははははは、冒頭から何だって話ですよねっ！
最近デジたんは朝帰りが多いのですっ！
浮気ではありませんがやましいことではありますぅ～。うふふふふっ！
…あんまり引っ張って意図しない形に切り抜きされてもあれなのでっサクっと申し上げます。
お世話させてもらっている子にですね、同志が。ウマヲタがいるんですよおぉ♪
そんなもん夜通しお話するに決まってるじゃありませんかっ！

2
このウマ娘ちゃんのモチベーションを上げるのにどうしても必要なのだと、寮長にはお話を通す訳です。
まあ寮長もわかってるんでしょうね。「ああはいはい、しょうがねえな」みたいな顔で入れさせてくれるんですよ。

そこから先はそのウマ娘ちゃんと血と汗と火花散る家宝のぶつけ合いですっ！
こちらがサイン色紙を繰り出せば向こうはサイン入りブロマイドで応戦、
何の！とバ券と生写真のセットで応じると、使い古しの破れたサイン入りメンコ（※耳当て）で見事に切り返します！
＜きゃぁ～！  きゃあ～～！！＞と悲鳴を上げながら、相手の急所めがけて切り札を切り奥の手を繰り出す。
これはもうセックス以上の快楽だッ！！

＜ピンポーン

まあ叱られましたよね。うるせえから。

3
デジタルさんはもう教える立場なのですから…
などなどぐうの音も出ない正論でやり込められ、一言もお返しできず、失意の午前様帰宅です。
夫もとっくに寝ており、テーブルの上には「青椒肉絲を作ってみた 冷蔵庫にあるから味見してみてくれ」と置手紙。
いつまで経っても帰らぬデジたんに呆れて夕食を作り置きしただけだろうに、「味見してみてくれ」、だなんて…。
デジたんは気遣いに泣きました。

翌日、件のウマ娘ちゃんにこの話をすると「わたしの負けです。それ以上尊いモノはわたしのコレクションにはございません。」と投了されました。
デジたんはまた泣きました。

4
趣味に全力投球する生き方に、後悔があるわけではありません。
しかしザ・マンも言っていたように「心は正しくても力は暴走する」のです。
暴走していたのはアタシも同じだった 元六冠バと言えど、こんなものだ

というわけで同居人の有無で趣味のありようは変わってきてしまうというお話です。
一人の時は、自分の暮らしとだけ折り合いをつけていればよかった。
…あー、厳密には現役時代はタキオンさんと同室だったのですが…。
あの方とはお互いに干渉しない、という不文律があった感じなので…。

しかし結婚してからだと、衣食住に同居人の干渉は不可避になります。
寧ろ夫はアタシを積極的に支えようとしてくれているし、助けられています。
生活という一点ではかなり負い目があるんですよねデジたん。本人に言うとしょぼくれるでしょうけど。

5
でもデジたん嘘が吐けないタチなのでこれらのことを全部夫にゲロりました！
趣味で話ができる相手がいるの超楽しい！そのせいであなたに負担をかけるの超心苦しい！
ごめんなさい、でもすごく楽しくて、どうしていいかわかんないっ！て。

そしたらですね。
「報連相だけしっかりしてくれりゃいい」とのこと。
お前がウマ娘の重度のヲタクなのはとっくに知ってるから、食べ物と洗濯の都合だけ教えてくれりゃいい、ですって。
それじゃあデジたんはダメな嫁さんじゃないですかっ！って言ったら
「お前がダメな嫁なら、世の中の殆どの夫はダメな夫だ」って。
自分勝手に幸せになってくれればいいんだと。それが嫌になったら俺もお前に「いい加減にしろ」って言うからと。
だから余計な心配はいらない、揉めもしないうちに、ケンカの心配をしなくていい、って。

6
その話をさっきのウマ娘ちゃんに話したら死にました。すげえデジたん以外にも尊死できるウマ娘いるんだ。
将来を楽しみに思いながら医務室に運んだ次第です。

そしたらそのウマ娘ちゃん、わずかながらフケ（※発情）が出ててですね、
デジたんも今、そのフェロモンに当てられて色々びしょぬれにしながら配信をしております。

…うわースパチャめっちゃくる！
ちょっとちょっと！えっちなところを匂わせただけでこれはリスナーさん！ちょっと下半身に正直すぎじゃありませんかっ！？
そろそろ終わりのお時間なんですけどっ！

この後はシンボリルドルフちゃんのチャンネルで「尻尾が濡れてテンションがた落ちASMR」を2時間ほどするそうです。
楽しみですねっ！それじゃあバイデジ～♪



--
新世代へ

1
「ただいまぁ～…。」
「おかえり…何だい？その顔は。」

帰ってきたアグネスデジタルは、眉毛を八の字に顰めて泣きそうな目をしていた。しかし口元は悦びが溢れんばかりに緩く開いて笑っている。

「凄いウマ娘ちゃんがいたのぉ～。」
「…まぁ、飯にしようか。」
「うん～…。」

トボトボとキッチンへ向かいつつも肩は嬉しそうにウキウキと弾んでいる。
…何かの病気なのか？

2
今日の夕食はトンテキにキャベツサラダ、お揚げと小松菜のお味噌汁。
デジタルの箸運びはいつもと変わらないので、別に体調が悪いわけではなさそうだ。

「その凄いウマ娘ってのはどう凄かったの。」
「負けたのぉ～…。」
「何メートル？」
「2000…。」
「2000かぁ…。」

デジタルが得意とする距離だ。かなりの強敵だったと見える。しかし負けただけでにしては様子がおかしい、もう少し何かありそうだ。

「相手はどんな奴だったんだ？」
「今年入学した黒髪がキレ～な新バちゃん。」
「マジかよ。」

3
それは話が違ってくる。
引退した身とは言え、走って見せるコーチングも行っている彼女の走りはまだまだ速い。
教えるために自分の走りを見直し続けているから、スパートのキレやペース配分、フォームの安定性などの技術面は現役時代より優れてさえいる。
碌に鍛錬を積んでいない新バなど軽く捻りつぶせる位には強いはずなのだが…。

「…ビデオ撮ってるよな？」
「あ、見たい？やっぱり見たい？見たいよねっ！？」

急にデジタルのテンションが上がる。
未だに俺はこいつの事はよくわかっていないのかもしれない。

4
夕餉を終え風呂から上がり、二人でリビングに移動する。
モニタの前に胡坐をかけば俺の脚を座椅子代わりにデジタルが座り、リモコンをモニタに向ける。

「手前の黒髪か。」
「うん。」

右回りのU字型コース、スタート地点にて準備運動をするジャージ姿のウマ娘が目に入る。
髪の色はよく見るとシンボリルドルフにも似た茶褐色。顔つきはかなり違うが。
その内側にデジタルが同じくジャージを着て準備運動をしている。
コースの内側では生徒らしきウマ娘たちが各々の立ち位置で双眼鏡を持ってレースの始まりを待っている。

教官らしい人物が旗を振ると、二人は一斉に駆け出した。

5
――――

「…凄いウマ娘がいたもんだな。」
「ねー。」

コーナーに入るまでは両者併走、お互いに探り合いといった感じ。
コーナーを曲がり切って先に脚を使ったのはデジタル。スパートの手本を見せてやろうと行ったところか。
ところが長い直線を半分ほど切ったあたりで新バが加速し始めた。
あっという間にデジタルに追いつき、彼女のお株を奪う大外からの差し切りで1～2バ身ほど着けてゴールイン。
なるほどデジタルが複雑な感情に取りつかれたのも理解できる。

萌えるのを我慢してコーチ役として手本を見せてやろうとしたら見惚れるような走りで負かされたのだ。そりゃ感情も行方不明になるというものだ。

…だがデジタルはただのウマ娘ではない。

6
「もっかい見る。」

何度も何度もレースを見ているうち、デジタルの悔しげな表情は消え去り純然たるウマ娘ヲタクの顔になり果てた。
新バの走りに見入って魅入られ、満面の笑みでその美しい走りを見返している。
『変態』アグネスデジタルは、まだまだ現役だ。

「…並んで走りたくなったか？」
「…意地悪っ！」

こちらを振り向いてキッとにらんだ。
そう、それが出来れば引退などしていない。
まさにこんな素晴らしいウマ娘たちが台頭してきたことこそが彼女の引退の理由なのだから。
強く美しいウマ娘と並んで走る。それがデジタルの最大のモチベーションだった。
だが、現在のトップレベルはデジタルにそれを許さない。

7
正直俺は今でも、彼女が望めば復帰させてやりたいと思っている。
アグネスデジタルは世界最強のウマ娘だとどこかでまだ信じている。
…そうではないのだということを理解しているのに。
画面に映る新バが、現役時代のデジタルをさえ凌ぐ走りをしているとわかっているのに。
膝の上の妻を見下ろす。成人しているのにまるで思春期の少女のような体躯だ。
この体で日本のトップ、世界のトップと走り合ってきた。
ピークを越えてもこうして後進の指導に当たっている。
俺はそれがとても誇らしいし、愛おしいし、いじらしい。
画面に見入るデジタルに気づかれないように、そっと明るい色の髪をなでる。
…が、気づかれたらしい。

「…後でねっ！」

後で、か。
これを幸せと、いうのだろう。

--
[余談]このデジたんを負かした新バはアーモンドアイをイメージしています。


--
※「ツインターボの「クリアするまでマインドシーカーをあきらめない！」」は6時間でギブアップとなりました。

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
いや～ステイヤーって凄いな～というお話です。
何かというと、メジロマックイーンさんと併せウマをしてきたのですよっ！
ステイヤーとはどういうものか、というのをトレセン学園の生徒たちにお見せするため、アタシは当てウマになったわけです。
3000メートルのコースを8割ぐらいの力で走る、という話だったのですがー…。

まぁ～お強いことお強いこと。
第二コーナーを回った後はそのご尊顔を拝むことすらままなりませんでした。
もうどこでスパートを切っていいやらわからないぐらい差をつけられての大敗でした。

「御美事でございました。」と頭を垂れると
「それほどでもありませんわ。」とマックイーンさんは白い髪を払いました。
匂いでシャンプーを特定できたので帰りに買いました。

2
強いステイヤーのトレーナーさんはこぞって「自分のウマ娘こそがオールラウンダーだ」とよく仰ります。
その理由がよくわかりました。
スタミナと最高速度、加速力は必ずしも競合する能力というわけではありません。
全てを高いバランスで持っているのであれば、短距離だろうと長距離だろうと勝てる。
そしてトップレベルのステイヤーは実際にその能力を持っている。
ライスシャワーさんと走らせてもらった時も舌を巻いたものですが、改めてステイヤーウマ娘ちゃんの強さを思い知った次第でありました。

印象的な負け方をしたときは悔しさよりも「そんな強さがあるのかよぉ～っ！」ってキラキラする方が勝ります。自分の視界が開ける感じ。
と言ってもデジたんにはもうそれを生かす機会はないのですが。
それでも脳の使っていない所を刺激されるようで、とても刺激的な体験でしたっ！
生徒のウマ娘ちゃん達にもいいお手本になっていただけたと思いますっ！この場で改めてお礼申し上げますねっ！

3
それとマックイーンさんのサイン色紙も貰ったので、リスナーさんにプレゼントしたいと思います。
詳しいことは後ほど告知しますのでよろしくお願いしますっ！
（ごくっごくっ）
「何飲んでるの」って？七冠バ。（http://ssl.web-sanin.jp/~shop-hikami/cgi-bin/shop/view.cgi?v=2&ctg=1200）
「自虐」「自虐」
うるさいよっ！
シンボリルドルフさんやテイエムオペラオーさんを思いながら飲むといい気持になれるんですよっ！

「気持ち悪い」
ダハハハッ！だってデジたんだもんしょうがないもーん♪

「八冠バは無いの？」
それ凄い微妙な話になるからやめよう。

4
（ぐびぐび）
っぷえーい♪

マックイーンさんとはねぇー、サイン貰った後一緒にお茶でも飲もうと思ったんだけどお忙しいそうでお帰りになられましたぁー。
なんだよぉーデジたんと茶ぁしばくより大事な用事なんかあるのかよぉー。なんて思ってませんよアハハハッ！
名家のご令嬢様ですものっ！色々ご都合があるんでしょう。

「嫌われてるんじゃないの？」
怖いことを言わないでくださいよう。
だったら一緒に走ってくれませんよそもそも。
…うーん。でも仲がいいかっていうとそうでもないのかなぁ～？

というのも、得意な距離やバ場が違うと、会う機会がぐっと減っちゃうんですよねぇ。

5
デジたんはウマ娘ちゃんが大好きで、一緒に走りたくて競走バになりました。
でも好きなウマ娘ちゃんすべてと一緒に走るというのは、どうしても不可能でして。
それぞれの得意なレースに、当たり前ですけど出走するわけです。
スプリンターはスプリンターと、マイラーはマイラーと、ステイヤーはステイヤーと、親しくなるものでございます。
デジたんもスタミナ調教されたら、ステイヤーと走れたのかしらっ！？
ああでもそうしたらオペラオーさんともドトウさんとも走れなかったでしょう、デジたんの体は一つでは足りません、ありとあらゆる距離で走れる複数のデジたんが同時に全ての時代に存在しなくてはっ！

「なんと傲慢なのであろう デジたんは神にでもなったつもりなのであろうか」
なれるもんならなりたいですっ！
皆だって人生一度きりじゃ足りないでしょう？そうでもない？

6
おっとそんなわけでそろそろエンディングのお時間ですっ。
いやはぁ～♪いい感じに酔いが回って眠くなってきまひたぁ～♪

「マックイーンの使ってたシャンプー教えて」
ダメダメェ～教えてあげませーん
でもでも今デジたんの髪はマックイーンさんと同じシャンプーの匂いなので、まるで背中から抱かれているみたいですいいでしょー♪

「じゃあデジたんのシャンプーでいいや」
じゃあじゃねえんですよっ！
妥協するんじゃないっ。妥協でデジたんの髪の匂いを探るなっ！もっと真剣に愛してっ！

デジたんのシャンプーはねえ、なんだっけぇ…あのCMでやってるやつ…うーんと…
う～んくらくらしてきました。この後はぁ、ツインターボちゃんのチャンネルでぇ…マインドシーカー…
…zzz
（1時間後）…あっ！？あっ！！ごめ



--
俺たちゃ 裸がユニホーム

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
突然ですが皆さんはコスプレって知ってますか？やってますか？？
正しくはコスチュームプレイと言って、文字通り色んなコスチュームを着てセックスをすることなんですけど

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

ああ～っ。そうでしたセックスはNGワー

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

……大変失礼いたしました。
コスチュームを着て、その～。大人の、楽しみをね。交尾を

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

2
ええ～？交……もダメなの？学術的用語ですよ？？
何ならセッ……も学術的用語ですけど？？
まあいいやとにかくいやらしい意味の……えっ嘘？
……へぇ～～！！
コスチュームプレイって演劇の事なんだって！
昔の時代を再現した衣装を着て演じる、時代劇とか歴史劇の事なんだって！初めて知った！プレイってそういう！！
はぁ～～！オープニングトークで無知を晒し鞭を入れられたデジたんでしたっ！

「は？」「は？」「え？」
何なのダジャレに対して冷淡にリアクションするの流行ってるの？
とにかく現代でいうコスプレの話ですっ！

3
仲良くなったトレセン学園生徒には我が同志も何人かおりまして、今を時めくウマ娘ちゃんや過去の名バの勝負服のレプリカを持っている方もいます。
トレーニングお休みの日とかに同志での会合を持つと、きゃいきゃい言いながら着たり着られたりする訳です。
レプリカと言ってもなかなかどうして、特徴を捉えた作りになっていまして。
デジたんもスペシャルウィークちゃんになったりゴールドシップ様になったりマルゼンスキーさんになったりしましたよっ！
とくにマチカネフクキタルちゃんは小物が本当によくできていましたっ！
細かいところに気配りがあるとヲタク心は萌え盛ってしまうのですっ！
そんで夢中になってるところにですね。こんなふうに言われたのです。

「別のウマ娘の勝負服着てるデジタルさん尊い……。」
「コスプレに耽るデジたん尊い……。」

しまったっ！このデジたんも往年の名バであった！アハハハハハ！

4
「教え子からデジたんって呼ばれてんのｗ？」
プライベートではねっ！同志ですから上下はありませんっ！

そんなに意識はしてなかったのですが、生徒にしてみれば確かに自分も憧れの一人。
目の前で憧れのウマ娘が憧れのウマ娘のコスプレを楽しんでいる……これは事件だ！！
このアタシは知らぬ間に同志の杯に劇薬を盛ってしまっていたのです……。
そうと決まればあれ着てこれ着てのラッシュ。
デジたんも楽しいのでバッチコイで色々着ます。
小柄なデジたんには大体大き目の服なのですが、それがまた「あの名バの体格」を肌で感じるようでドキドキしましたっ！

デジたんの勝負服のレプリカもありましたよっ！
胸がブカブカだったのでちょっとカチンと来ました。
自分で着る用だからサイズは少しいじってるんですって。
聴きたくなかったなぁその情報！余計にカチンと来ましたっ！！

5
「写真は撮った？」
撮った！だってピッチピチの後輩ウマ娘ちゃん達がキラキラ笑顔で綺羅、星の如き名バのコス着てるんですよっ！？
撮るか撮らざるかそれが問題だ。撮る。
もうね、ちょー可愛いかったっ！！

「デジたんの写真の事聞いてると思う。」
ああ、アタシの？
うーん、確かに撮ってもらいましたけどそれはその子が楽しむものですし別に。

「鈍感！」「クソボケがーーーーっ」
何ですか！何なんですか！！
デジたん自分が萌えられるの慣れてないんですっ！

「抱いてやれ」
バカッ！バカモノーッ！！そういうんじゃないんですよっ！

6
全く誰も彼も恋愛脳なんですから……。
憧れや萌えは太陽に向かって礼拝するような気持ちなのです。
傍にいたいとか手に入れたいとかじゃぁねーのですっ。
そこら辺の気持ちについて語るには残りの時間が足りません。

その代わり恋愛大好きな皆さんに、誰にでもできて最高に魅力的なコスをお教えしましょう。

まずトップスを脱いでください。下着も。
ボトムスも脱いで。下着も。
ソックスも脱いで。
肉体の美しさも醜さも全てを曝け出せばその覚悟と心意気に相手はメロメロですよ昨夜もそうでしたっ！

それじゃあバイデジ～♪



--
Living with joy 3

1
「んう？何ぃ？」

ぽんぽんと頭を撫でた手に、アグネスデジタルが顔を上げる。

「こうして一緒に買い物って久しぶりだと思ってな。」
「子ども扱いしないでよっ！」

口を尖らせるデジタルの頭にまた手を載せる。

「もぉっ！」

パッと手で払う仕草に、口調ほど強い嫌悪は感じない。

「悪い悪い。最近はお前、帰りが遅いからな。」

2
バツが悪そうにデジタルが俯いた。そういう所がいつまでも子供っぽい。

「それは、ごめん。」

伏せたままの顔から謝罪の声が聞こえた。

「でもそれとこれとは別でしょっ！」
「わかってるって。悪かった。」

スーパーマーケットの往来で痴話喧嘩もないもんだ。
でもこちらだって意地悪したいぐらいには言いたいことがあるのだから、家に帰るまでは感情を抑えておいてもらいたい。

「あっお刺身安いよっ！」「食べるか？」「食べるっ！」

3
カートを押して鮮魚コーナ―へと向かう。
ウマ娘であるデジタルは引退した後もまだまだ沢山食べる。
「安くて多い」という言葉には、彼女も、元トレーナーである俺も惹かれてしまう。

「七種盛だって！」
「一つで足りるか？」
「二つ！欲しいです！」
「よろしい。」

斯くしてスチロールの大皿二枚が折り重なってカゴにエントリーした。

「ほかに食べたい刺身はあるか？」
「いいの！？」
「ついでだ。」

4
言うが速いか速足で冷蔵ケースをぐるぐる見て回りながら刺身の選別をしている。
犇めく人の群れを縫うのも慣れたものだ。あっという間に戻ってきて4パックを追加した。

「ハマチ好きだね。」「好き！」

脂の載った魚を好むのは、彼女が若いからだろう。年頃にも似合わずはしゃぐのは……
俺が相手だからだ、と自惚れてもいいだろう。

――――

帰りの車を運転しながら、助手席のデジタルに意地悪の続きを再開する。

「最近夜遅いよな。」
「……ごめん。」

5
「浮気？」「バカッ！」

デジタルが肩をはたく。突っ込みにしては力が籠っていて痛い。

「んん……。学園の生徒とウマ娘ちゃんのことで盛り上がってたんです、前に言ったでしょっ。
これは趣味の事だから許してくれると思ってました……。甘えていたのはその通りですっ！
でも嫌だったら嫌だって言うって言ったじゃんっ！」
「そうだな。」
「嫌なの？嫌じゃないの？」
「半々。」
「そんなの分かる訳ないだろっ！！」

また肩をはたかれた。さっきよりも更に痛い。

「そうだな。」

6
俺にも子供っぽいところはまだあるってことだ。

「こうして二人で買い物してるとさ。思った以上に楽しくて。割と寂しかったんだな俺、って自覚して。だから意地悪した。」
「ええ～？」

だよなあ、お前が悪いところは一つもないのだもの。

「そんな意地悪されたって嫌なだけだよぉ、さっきも言ったけど嫌なら嫌っていうって言ったじゃん！」
「……難しいな。」
「何が？！」
「心が二つあるんだよ、お前のすることなら何でも許したい気持ちと、いつでも傍にいたい気持ちと。」
「ズルーい！デジたんだってそうですよっ！
ウマ娘ちゃんに萌え尽きたい気持ちとキミの傍にいたい気持ちと、いつだって二つありますっ！」

7
「ふっ……ふふふふふふっ……。」「こっわ。何がおかしいの？」
「いや、二人して傍にいたいと思ってる夫婦なんて超貴重じゃん、って思ってさ。」「……っあ。」

デジタルの顔が耳まで赤くなる。全く俺たちはいつまで新婚気分でいるんだか。
このいつ消えてもおかしくない恋の火を頼りに、しわくちゃになるまでやっていこうというのだから正気じゃねえ。
手慰みにラジオをチューニングすると聴きなじみのある歌が聴こえてきた。

ねぇ  明日よりも想い出よりも  今を信じてる そう  あなたとなら生きる全てを  喜びに変えてゆける

「……神の嫌な意思を感じる。」
「嫌か？」「……嫌じゃない。だから嫌。」「俺も。」

申し合わせたような赤信号。今日は、俺の傍にいたい方のお前と一緒に居させてくれよ。
顔を向けると、デジタルはキスで応えた。


--
心に触ろう

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
今日ねえ、ノープラン！アハハハハッ！
なんかねえ、配信したくなったからします。皆とお話したくなったの。

皆、おる～？
「おるよ。」「おるよ～」「おるおる」「おらん」
大体おるね。
何の話をしようかなあ

この夏もう一回海行きたいな。

2
今年はもう、一度トレセンのOGさんや生徒たちと行ったんですけど、いやはやあの友達と話をする快感って凄くてねっ！
友達と言ってもデジたんにとってはウマ娘ちゃんの皆さんは誰も彼も天上の存在なんですけど。
普段逢えない素敵なウマ娘ちゃん達とお話を交わすのって本当に本当に心が洗われる気持ちになります。
勿論トレーナーさんとかスタッフさんとかとお話するのもとっても楽しいっ！
一人では生きていけないとよく言われますけど、実感しちゃいます。

……思い出したからちょっと暗い話するけどいい？体験談とかじゃないんだけどさ。
ドラッグとかお酒の依存症のお話。
ヒトとヒトの関係に依存できないとそうしたお薬やお酒に依存しやすいって話があります。

3
マウス……ラットだっけ？を使った実験でも、コカイン入り？だっけ？の水と普通の水を用意するとマウスはコカイン入りの水を飲むんだって。
確かに薬には依存症があるねって話になったんですけど、何十年か後に条件を変えてやってみたんだって。
当時の実験に使った簡素な檻じゃなくて、遊び道具とかマウス仲間とか充実させて楽しい設備にして、
それでまたコカイン入りの水とそうでない水を用意すると、マウスはコカイン入りの水に見向きもしなくなったと。

薬物には依存性があるけれど、生き物が依存症になるのは薬の成分だけじゃない。
というか充実した生活をしていれば薬物の依存性なんて大したことじゃないんだ、という実験結果なのでありました。

何が言いたいかって言うと、デジたん達はコミュニケーションしないとぶっ壊れるようにできている生き物だということです。
人に会って話すのはストレスもたまるかもだけど、でも大事な心の栄養なんですね～。

4
そう思うとみんなで海に行ったのは心のご馳走だったのかなって思います。
つっても学園でいっつも生徒のウマ娘ちゃん達に尊さと輝きをもらっているんですけど。
たまにはステーキばかりじゃなくフレンチフルコースも心に食べさせてやるべきなんだなあ～って。

「真面目な話だ…」
うん、真面目な話になってしまった。
今日は引き出しがないっ！アハハハハッ！
真面目ついでに、ドラッグやお酒の話を続けるとですね。
確かに依存症になるかもしれないけれど、その人たちは別に病気になりたくてキめてるワケじゃないんですよね。
少しでも人生をマシにする為に、今を楽しく過ごすために、そうしている訳で。
難しい問題だよなぁ～って思います。

人と接するのが多分一番なんですけど、社会全体から見ると人と人は先進国ほど物理的に遠ざかる傾向にあるそうで。

5
でさ。ちょっと今考えたのがぁ。
アタシ達みたいな引退ウマ娘のライブって、見たくない？
ウマ娘としてできることって、ファンを集めて出会う機会を増やすことかなって今思った。今っ！
ウマ娘に興味ない子たちは後で考えるとしましてぇ、オペラオーさんとかドトウさんとかスペシャルウィークちゃんとかダイワスカーレットさんとかウオッカさんとかタキオンさんとかメジロマックイーンさんとかえへへへうへへへへへじゅるりら♪

「デジたんが見たいだけじゃん」
バレたっ！！！
でもいいと思わない？ウマ娘ファンが集まる機会を少しでもつくれればさあ、何か、心の栄養をあげられる気がする。

「公開録画やれば？」
……天才っ！！

6
そうだ公開録画ならほかのウマ娘ちゃんのスケジュール問わないね。
ちょっとマネちゃんに聞いてみます。
……すぐは無理だけど考えてみるって。
でもさあ、デジたん如きの公開録画で人って集まってくれるのかしら？

「オイオイオイ俺たちいないことになってるわ」「デジたん好き」「デジ民（たみ）なめんな」
わぁ……。マジ嬉しい……。ごめんね。少し鳴く。ヒヒーン。
じゃあさ、皆さんの心の栄養になれるように企画を練って、決まったらまた告知しますんでっ！よろしくなデジ民の皆さんっ！

「旦那とトークしてよ」「旦那とお話いいね」「旦那顔見てみたい」
それはちょっと……辛いかな。

7
「旦那と不仲なのかな？」「他人に見せたくない感じ？」「でもデジトレってそこそこ現役時代に露出あったような」
あー……。公開録画はできればデジ民とデジたんのコミュニケーションの場にしたいんですよ。
ダンナが来るとねー。内輪の話ばっかりするからさあ。

「夫婦事情聴きたい」「ノロケ話しろ」「愛してるって言ってくれたら赤スパ5000兆回入れる」
ええ～いやめろやめろっ！プライベートっ！プライベートですっ！！
そろそろ〆ですからドバっと頼んじゃいますよっ！！

エンディングテーマはダブルバインド ザ・ルッキンググラスオブパーフェクトブルー全編です。
ヘッドホンをしてお聞きくださいそれではバイデジ～♪

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参考：https://www.ted.com/talks/johann_hari_everything_you_think_you_know_about_addiction_is_wrong?language=ja


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浮ついた気持ちを

1
実はこのアグネスデジタルは男友達が多い。
というのも、ウマ娘ちゃんというのはアタシにとって崇拝尊敬の対象であって、親しく話しかけるべき相手では本当はないからだ。
そういう事が出来るのは、付き合いの流さで親しくなって少しずつ垣根無く話せるようになったウマ娘ちゃんや
立場上強く出ることができる後輩ウマ娘ちゃんだけ。

一方、『同志』は圧倒的に一般人男性が多い。
だから親しい人の中では男性の割合が圧倒的に多い。

それが女として危ないことだということはわかっている。
けれど『同志』は異常なまでに真摯でもある。二人きりでウマ娘博物館に行って喫茶店で閉店まで語ってそのままさようならしたこともある。

『同志』というのは、そういう生き物なのだ。
アタシの事を『そういう目』で見る同志は居るには居たけど、結婚するまで純潔は守ったままだった。


2
そう、結婚した後はそうもいかないのだ。
法的に婚姻関係のある女性が単身男性の集団に身を投じるのは余程でなければアウトだろう。
結婚してからは『同志』の集いには決まって夫を連れていく。

というわけで大変詰まらなそうに枝豆を摘まんでジョッキを傾けているのがアタシの夫である。

「……ウマ娘ちゃんの話に興味ないの？」
「視点が違うんだよ。」

元トレーナーだから多少は話が合う所もあろうと思ったのだが。
ウマ娘ちゃんの話に花を咲かせる同志たちをどこか冷ややかに見ている。
……まるで『極まった』同志のように。


3
「これ毎回話してるけど、デジたんがいるとどうしてもドトウちゃんの話がしたくなる。」

夫がピクリ、と反応した。

「ああ、やっぱり秋の重賞ねー。」「それもあるけどオペラオーとのライバル関係よやっぱり。」

夫の口がむずむずと動いた。

「ライバルというか…。」
「いいんだよ、ライバルってのは対等じゃないほうが燃えるから。」
「わかる。勝ったり負けたりよりも格付けが終わった上での関係性がいいんだよ。」

夫が遂に、ぐっと身を乗り出した。

「格付けは…。」

4
同志一同が、夫の初めての自発的な発言に注目した。

「終わったとは言い難いんじゃないかな。」
「……というと。」
「ドトウはオペラオーに勝っている。」
「勿論。」「勿論です勿論です！」

同志一同がわっと沸いた。アタシはニヤニヤしながら少し身を下げる。

「勝ち数では及ばなかったが、決して劣るわけではないんだと示したのがいいんですよ！」
「いいかどうかは知らないけど。本当に二頭の差はわずかだったと思う。大きく勝ち越したオペラオーが凄いのは間違いないんだけど。」
「そうですそうです！戦績だけだとオペラオーちゃんに劣るというしかないけど、じゃあドトウちゃんが弱かったのかというとそうじゃないという。」
「あの頃のオペラオーはキレッキレだったもんな。」
「『出たら勝つ』って言われてたんですもの、ちょっとしたモンスターですよね。」

5
「ちょっとしたどころじゃないよ、当時は最優先抹殺対象だった。」
「マーク凄かったですもんね当時。」
「それでぶち抜いて勝つんだもんな、でその後ろにドトウがいるっていう。競バというよりちょっとしたショーになってた。」
「ショーかぁ……。でもショーじゃダメなんですよね、競バ。」
「ショーの一面もあるけど、筋書きはあっちゃだめだからな。」
「その筋書きをぶち破ったのが奥さんですもんねー。」
「まあそうだけど……。」

んむむ？何やら嬉しそうな、しかしそれだけじゃない複雑な顔をしていますな？

「バリバリにマークのついてたオペラオーやドトウに対して20倍バ券だったからな。運だけで勝ったとは言わないけど、時の運がなかったとは言えないよ。」
「それってトレーナーが言っていいんですか？」
「だって当時のオペドトウだぜ？勝って欲しいとは思ったが勝てるかどうかは別だ。」

6
「奥さん聞いてますけど。」

夫がくるりとこちらを振り向く。ニコニコと笑って手を振ってあげる。

「あ、意味深な笑いですよ今の。」
「わかってるよこれでも付き合い長いんだから。」
「惚気ちゃって！」
「うるさい！」

言い捨てて、体ごとこちらに向いて居直った。

「悪かった。正直あの二頭に勝てるって確信はなかった。でも勝てる可能性があると信じたのは本当だ。」
「アハハハハッ！」

笑って斬り捨ててやる。アタシは身を乗り出す。


7
「あのねえこの人、あの時観客席に向かって走れって言ったんだよ？」
「知ってます知ってます！バ場のいいところを走る作戦だったってインタビューで言ってましたよね。」
「……伸び伸び走らせれば速いのはわかってたからな。」

バツが悪そうに夫が言う。それはアタシに対する弁明かな？

「でも競バに絶対はない。オペラオーやドトウが、特にオペラオーを意識してたであろうドトウが何か作戦を練ってきてはいないかとは思ったよ。」
「仮想敵ドトウちゃんだったんですか！」
「追う側の立場の方が目標を明確にしやすいからな。過去の戦績から想定タイムを出してそれをぶち抜ければ一先ず一段落になる。
一方で追われる側は相手がどれぐらい成長してくるか想像もつかない。」
「なるほどですねぇ～。」
「まあドトウは一回オペラオーに勝ってはいたんだが。」

そう。アタシと戦う前、ドトウちゃんはオペラオーちゃんに一矢報いていた。けれど、悲しいかな格付けはもう既に終わっていたのだ。

8
「1勝5敗じゃあな。」
「ドトウがオペラオーを超えた、とは言いづらいですよね。」
「依然ドトウが追う立場だ、と考えた。でなければオペラオーに対する勝ち方を体得したんじゃないかと。」
「だからドトウが仮想敵だと。」
「オペラオーが雪辱に燃えるのは百も承知だが、ドトウはその前に5回も泥を舐めさせられたんだ。格付けごとひっくり返したいだろう。さらにパワーアップしてきてもおかしくない。
だから、オペラオーとドトウの想定ベストタイムを大きく超えられるレベルまで育てた。」

チラとこちらを見る。わかりやすい加点アピールだこん畜生。変わらぬ笑顔でひらひら手を振ってやる。眉を顰めやがった。ザマミロ。

「……そんなことが。」
「正直怖かったよ。当時のオペドトウはまさに鉄壁だったからな。デジタルももう少し警戒されてたらどうなってたか。」
「ブロックされてたら……。」
「想像もしたくないね。」

9
気が付けばアタシの頬は緩んでいた。我が同志と親しげに語らう夫の姿は、まるで友達の輪に入ることに成功したペットか我が子みたいだ。
デジたんペットも我が子もいませんけど。
そうして話を弾ませているうち、店員さんがラストオーダーを取りに来た。

――――

今日はいい勉強になったからと奢ろうとする夫を強く制止して割り勘にする。
同志には負い目があってはいけないのだ。知識や意見の交流はインプット側もアウトプット側も等価であり、一方が『いい勉強』ということはない。それが同志を同志たらしめる。

「んふふ、どうでしたか♪？」
「……悪くないな。」

許容（ゆる）してはくれても理解（わか）ってはくれなかったキミ。
どうだねヲタクもなかなか捨てたものではないでしょう。

10
「……服のセンスだけは……。」
「それは今後デジたんが指導しますっ！」

顔を見上げて宣言する。
ウマ娘ヲタク男子をおしゃれヲタクに染める楽しみに背徳的な期待が背筋を走る。

「……涎出る要素あるかあ？」
「えっ？……はっ！」

手で拭えばそれは確かに涎。

「……こりゃあやっぱり浮気を」
「してないって！」

ニヤニヤ笑いのいけ好かない顔をするから、肩を平手でひっぱたいた。

--
[余談]純潔を守ったという表現をついしてしまいましたが、結婚する前に今の夫とゴムックスくらいはしてたんじゃねえかなとは今は思います

--
第二の夢への道

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！

『ウマ娘 浜の真砂は尽くるとも 世に尊みの 種は尽きまじ』

いやぁ～デジたんも俳句を嗜んでみようかと思いましてねっ！

「短歌だろ」「パロディだし」
はい。

今日もトレーナー見習いとしてご指導のお手伝いをしてきたんですけど、やっぱりトレーナーって天職だわって思いましたっ！いつも思ってますっ！
頑張るウマ娘ちゃん、悩むウマ娘ちゃん、休むウマ娘ちゃん、喜ぶウマ娘ちゃん、その直向きな美しさを傍で見て支えることができる。
こんなに嬉しいことはないっ！

2
だから今はトレーナー資格取るために勉強もしてるんです。
デジたん2回落ちてるんですよね。今度こそ！

「デジたん勉強できないの？」
もうちょっとオブラートに包んで欲しいんですけど。
まあ、はい。

言い訳になるかもですけどトレーナー資格試験ってマジで難しいんですよ？！
知らない専門用語もどかどか出て来るし、育成理論とか競バの歴史とかも知らないといけないし。
ウイニングライブの手配とかダンスの知識とかも問題に出ます！
脳の今まで使っていなかったところを開拓してる気分です。
そう、開拓。畑を作るために森の木を刈るところから始める感じ。
変な例えだな。
キミらも本屋でトレーナー資格試験の本読んでみ読んでみ？すっごいから。

3
本当なら毎日毎日勉強漬けしないといけないみたいなことも言われるんですけど、デジたんウマ娘ちゃんの顔を見ないまま過ごすと多分一か月くらいでぶっ壊れるので。
だから今学園のスタッフやらせてもらってます。

……いやあのねえ、本当は。スタッフとしてトレーナーっぽいことをすればトレーナー資格の知識も身につくしウマ娘ちゃんの輝くお姿も間近で見られるし良い事づくめじゃないっ！？
って単純な考えで就職したんですよ。

それで暫く仕事してからデジたん元競走バだしだったらイケるぜ！ってトレーナー試験受けたんですけどもぅ～コテンパンでした。
問題文に何書いてるかすら理解できなかった。

そうそう、良い事もありましたよっ！
勉強していく中で「ああ、これがあの時のトレーニングの元になった理論かぁ！」とか。
ちょっと嬉しくなっちゃいますよね、答え合わせしたみたいで。

4
今のままスタッフしてるのも幸せなんですけど、学園の温情でやらせてもらってるみたいなところあるんでねぇ～。
正式な資格は欲しい！です！！
そして負い目無く憂い無くウマ娘ちゃんを支えたい！
ウマ娘ちゃんの青春を！喜びを！！悲しみまでも！！！味わい尽くしたいっ！！！！！

「マッドサイエンティストのセリフ」「ラスボス」「終盤で印象残して死ぬ幹部」
失礼しました。取り乱しました。

という訳で今デジタンは勉強中ですっ！
次の試験で受かるかどうかはわかりませんが、育てたウマ娘ちゃんが勝つ姿をいつか拝みたいのですっ！

5
「デジたんならできるよ（笑）」
カッコワライをつけるなっ！

「ほら、しっかり（笑）」
やめろっ！

あのねえそのネタわからない人もいるんですから。
じゃあ拾うなって？そうですね。

でもまあ、走るよりは楽かと思えばやる気も出てきました。
だって競走バの世界は上には上がいますから。
日本最強の上に世界最強、世界最強の上に史上最強が居て、それに挑戦することを諦めた瞬間競走バ人生は終わるのですから。
それに比べればトレーナー試験の一つや二つ！超えられなくてどうしますっ！

6
なんだかすっきりしましたよっ！こうして話すだけでも気持ちが軽くなるもんなんですねっ！
なかなかね～、家で弱音は吐けませんから。

「ダンナ愚痴聞いてくれないの？」
聴かせたくないんですよ。
励ましてもらいたくて愚痴を吐く、みたいな下心がどうしても発生しちゃいますし。
それにやっぱり負担をかけたくないじゃないですか。

「俺達には負担かけていいのか」
何を今更♪好き好んでアクセスして見てくれているのに嫌とは言わせませんよっ！
ファンにしか甘えられない事柄もあるのですっ！いやマジで支えられてる、ありがとうございます。
それではそろそろ終わりのお時間です。最後に少しおもしろいを少し。
ペンネーム「阪大卒マチカネワニ」さんから
「マチカネ服着てるようで着てないちょっと着てるタンホイザ」
ではバイデジ～♪


--
第二の夢への寄り道

1
トレーナー試験対策の成果が芳しくない。
我が妻アグネスデジタルは正規トレーナー資格を目指して現在勉強中なのだが、特定分野の正答率が低い。
具体的には手続きや法律関連の問題だ。
この辺りは専門用語や紛らわしい文言が多く、コツを掴まないと覚えるのはかなり難しい。
デジタルにとっては、ウマ娘の走りやライブから遠い分野であるという所もハンディになっているようだ。

「ウマ娘ちゃんがこの手続きとかやってる姿が想像つかない……。」

テーブルに突っ伏して力無く嘆くデジタル。
そりゃそうである。こうした面倒な事務作業からウマ娘を遠ざけることが、正にトレーナーの仕事の一つだからだ。

2
今にして考えれば、デジタルが現役時代から将来トレーナーを志望していることには薄々感づいては居た訳で、当時少しでもこうした作業を見せてやれていればと思うが、後の祭りである。
こういうのは実際にやってみると案外すっと腑に落ちたりするのだが……。

「ふむ。」

実際にやってみる、か。
携帯を取り出しSNSでメッセージを打ってみる。
連絡先は、知り合いの後輩トレーナーだ。
彼は今専属の担当を持ったばかり。
そのウマ娘は、併せウマでデジタルをぶっちぎった期待の新バである。
名前は……一先ずは伏せておこう。
兎に角その時の走りが話題になり異例の早さで専属トレーナーが付くことになったのだ。

3
メッセージの返信を確認し電話を掛ける。

「急に済まないな。そろそろ出走登録の時期だろ？
その登録作業にうちのデジタルを付き添わせてやって欲しいんだけど……。
試験対策の勉強でどうもそこの覚えが悪くてな。
実際の作業と合わせてみれば身につくんじゃないかと……どうした？」

最初はいいですよどうぞどうぞという感じの返事だったのだが、その後ろから女性の声が挟まって来た。
よく聞こえないが、嫌だとかやめてとか、そう言ったニュアンスだ。

デジタルが頭を擡げてきたのでスピーカーをオンにする。

――――……勉強だからって別のウマ娘と……
――――……たとえデジタル先輩でも……

4
妻がにやついた顔でこちらを見た。きっと俺も同じ顔をしている。

「デジタルさん、これは……♪」
「少し掛かり気味ではないでしょうか……♥」

また連絡する、と一方的に告げて通話を切った。

「ごめんデジタル、ダメそうだ。」
「いえいえ、美味しい栄養をいただきましたぁ♪」
「別の知り合いに声をかけてみる。」
「いやいや、いーっていーって、ありがとう。」

ふむ。

5
「……あの二人の様子、見に行きたくないか？」
「何を考えているのかな？」
「二人の邪魔をせずに、且つ二人の親交を深めつつ、あわよくば事務手続きに同行できる妙案がある。」
「聞かせてもらおうか陳宮。」
「は、我が殿。」

献策を告げると我が家の呂布は赤兎バの如く嘶いた。

「だぶるでえとおおぉぉぉ！？」
「然様でございます。」

6
「これならば向こうのウマ娘も、トレーナーの浮気を疑うことはありますまい。」
「なるほど。寧ろこちらからお膳立てした訳だから恩を売る形になる。」
「然様然様。そうなればウマ娘も、殿の事務手続きへの同行を断りづらくなりましょう。」
「お主も悪よのう♪」

二人していやらしく笑う。

「それにしても陳宮。」
「は？」
「出て来る案がダブルデートとか、お主アタシの事好きすぎない？」
「……。」
「黙るなよぉ、何だよ。でえとしてやらないぞこの野郎。」
「それは困る。さあプランを決めないとな。」
「そうだそうだ！恩を売ったと言える素敵なおでえとにしてあげませんとねっ！」
この後再度電話をかけ案を持ちかけると、スピーカーから向こうの赤兎バの嘶きが轟いた。

--
[余談]このデジたんを負かした新バはアーモンドアイをイメージしています。

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水も滴る

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
夏本番っ！近所のプール全部出禁になったデジたんですがめげずに遠出してウマ娘ちゃんの水着姿を拝んで出禁になっております。
出禁になっても髪色とかメイクとか変えていくと一回は通るので頑張ってます！
プールは夏場のトレーニングにも最適なんですよっ！
暑さ対策は勿論、心肺機能が強化されて、脚にも負担が軽いトレーニング方法なんですっ！
何より美しい！
水に濡れた肌と懸命さに輝くご尊顔、夏の風物詩ですねぇ～。ご飯幾らでも行けそう。
デジたんプールサイドにジャーを持ち込む方法を全力で探しましたが、残念ながら「無い」という結論に至りました。
ので、市民プールの客席で双眼鏡片手にほかほかご飯を食べているウマ娘を見つけたらデジたんですのでそっとしておいてくださいっ！
話しかけられるとびっくりしますし、実際、おっファンかな？サイン書いてあげなきゃと思ったら重装備の警備員お二方だったりしましたからっ！

2
夏はお肌が艶めく季節ですが、お肌にダメージを与える季節でもありますっ！
日光を浴びるのは体にいいけれど過剰に浴びるとシミになったりしてよろしくありません。
だからUVケアをしっかりと！
ウマ娘ちゃんだけではなく、ヒト息子ちゃん達も他人事ではありませんよっ！
肌を守り日焼けも避けたい方はSPFとPA両方の効果のあるものを、
日焼けはしたいという方はPA弱めのものを選びましょうっ！
SPFとPAが何なのかはググってくださいっ！

デジたんはですねえ、日焼けも素の肌の色も大好きですっ！
でも日焼け肌はこの季節しか見られないものですから、プレミア感がありますよねっ！

3
肌の色と言えば、ヒシアマゾンさんが浮かびます。
あの健康的な小麦色の肌に、勝気な性格。
勝負服もそのお肌を存分に生かすまさに南国と言った素敵なデザイン♪
あれで家事が得意という一面もあるんですからもう～～～～♪
属性カンカンが過積載ですよっ！！日差しに当てられたみたいにクラクラしちゃうっ！

引退後はアメリカでゆっくり暮らしておられると伺っています。
アメリカのでっかいキッチンでご家族に料理を振舞うお姿が目に浮かぶようです。じゅるりら。

お幸せに過ごしておられることを祈っておりますっ！

4
ふうぅ～。ちょっと休憩です。
（ごくごく）

「何飲んでるの？」
今日はですねぇ、ホワイトホースのハイボールです。
前は日本酒で寝落ちちゃいましたからね、薄めに作っております。

「喉を労われ」「というか酒とは思わなかった」「もっといい酒飲め」
アハハハ、さっきちょっと近くのコンビニで買って来た奴なので許してください。

いいお酒もねぇ～。いいんですけど、しっとりしちゃうんですよね。味わっちゃうから。
こういう言い方はよくないかもですけど、美味しすぎないほうがいいんですよ酔うためのお酒って。
惜しみなくぐびぐび行きたいので。

まあまあまあ、デジたんのお酒事情はいいじゃあありませんか。

5
おっスパチャ来た。
ありがとうございますっ！

「引退レースのウイニングライブを欠席して客席に居たってエピソードを最近知りました。
やっぱりアグネスデジタルは頭がおかしい。」
スパチャで罵倒するのやめてくださいっ！
罵倒されてありがとうって言ってるみたいじゃないですかっ！

「デジたんはレースもおかしい」「いい歳してデカリボン」「この変態競走バ」「モナリザ」
やめろやめろありがとうございますありがとうございますっ！

情緒が行方不明になるからほどほどにしてくださいっ！

6
さてそろそろお別れのお時間です。

暦の上ではもう秋。
涼しくなるのは来月以降ですが、その頃にはウマ娘ちゃんも秋の装いに変わりますね。
秋は大きなレースも控えていますし、夏の間に養った英気を炸裂させてほしい物です。

んん？
「変態勇者ローテ」「バ場適性の破壊者」
まだやってんのか！！

「安酒飲み女」「G2でやる気出さない女」
ひどっ、ひーどーいっ！
ほどほどにしてくださいって言ったでしょ（台パン）
ああああああっ！瓶倒れ
（この配信は終了しました）


--
Living with joy 4

1
「邪魔するぜぇ。これ差し入れ。」「おう苦しゅうない。」
「「「「「ありがとうございますっ！」」」」」

アグネスデジタルが夫に見下すように胸を張ると、彼女の前で整列していたトレセン学園生徒たちが奇麗に礼をした。

「またスポドリか、そちにしてはよく気が利くな。」
「恐れ入ります我が殿。……こいついっつもこんなノリなの？」
「いや、旦那さんが来て嬉しいんだと思いますよ。」
「ちょっとぉー！？」

生徒の言葉にデジタルが嘶いた。

2
「いつもありがとうございます。」

生徒たちを監督している正トレーナーの女性もやってきて、夫に挨拶した。

「いやいや、こちらも妻が世話になっております。」
「とんでもない、デジタルさんの観察眼とアドバイスにはいつも助けられてますよ。」
「そう言ってもらえると幸いです。」

頭を下げる夫の腰にデジタルが両手を当てぐいぐいと押した。

「はいはい、もういいから。帰った帰った！」
「何だよ、言われなくても帰るよ。今日は冷たいな。」
「いつもはあったかいみたいに言わないでよ。」
「いつもはあったかいじゃん。」
「ああーーーもおっ！」

3
「じゃあな、後でビデオ見ようぜ。」
「はい！バイバーイ！」

ウインドウ越しに話すと、デジタルの夫は車のアクセルを踏み、去っていった。

「デジタル先輩今日冷たくありません？」
「そんなことないよ。」

生徒の追求に顔も向けず反論する。

「あ！もしかしてこっちのトレーナーが女性だから……。」
「あんなおっさんと不倫する人なんていないって。」
「そのおっさんと結婚したのは……。」
「ええーい生意気言うのはこの口かっ！」

4
唇をぐにぐにとつねられた生徒は、にやにやと笑いながら仲間の元へと駆けていった。

「別にそういうんじゃないもん……。」

デジタルも正トレーナーの元へと戻ると指導が再開される。
正トレーナーの指示に従いそれぞれの生徒が走ったり、フォームの調整を行ったりする。
そのそれぞれの訓練模様をデジタルが用意した複数のビデオカメラに逐一収める。
ちなみにこれらのカメラはデジタルの私物で、『競走バ生涯で稼いだ賞金の数パーセントが消えた』ともいわれる超高級品だがその詳細を知る者はここにはいない。

仕上げの走り込みで全生徒がトラックを回り始めると、正トレーナーはその場を離れデジタルを呼んだ。

「何でしょっ！」

デジタルは愛らしくビシっと敬礼。こうしたあざとさはウイニングライブを踊る上での『アイドルらしさ』として磨いたものだ。

5
「あまり立ち入った事を訊くのはよくないと思うけど……。
……旦那さんとうまく行ってないの？」
「はえっ！？」

デジタルの目が点になる。

「いつもはもっと仲良さそうにするって聞いてたから。」
「いやいやいやいやいや！そんなんじゃないですよっ！あのっ、何だ、何ですかっ、ごめんなさい心配かけてっ！
そういうんじゃないんですほんと！身内が見られて恥ずかしいっていうかそういう感覚なんです
今日はなんかちょっとそれが強いかなって今にして思いますしあんな風に急いで追い返さなくてもよかったかなって。
あいつも元トレーナーだしトレーナーさんに意見できるところもあるはずでっ！
力になれた筈なのに帰らせちゃって、いやそうじゃないなっ！さっき言ったように身内が見られて恥ずかしいみたいな感じ！」

6
「それだけ！それだけなんですよっ！……どうしたんだろ、今日のデジたんおかしいですねっ。」
「今日は旦那さんに来てもらわないほうがよかったかな？」
「いやそれは……それだっ！」「どれ？」

デジタルがビシっと指さすもトレーナーは首を傾げるほかない。

「『旦那さんが来て嬉しいんだと思います』って言われたんですよ、あの子に。」

そう言ってトラックの3番手を走るウマ娘を指さす。

「それを言われて、急にカーッ！ってっ！恥ずかしくなっちゃって！」

そこまで喋って、デジタルはやっとその表情を穏やかにした。

「……照れくさいことは恥ずかしい事じゃない。」

7
「ん？」
「夫がね、言ってたことなんですよ。漫画の受け売りですけど。
照れくさかっただけです。夫と逢えて嬉しいって見抜かれたのが。」
「そっか。」

トレーナーがにっこりと笑った。

「いい結婚をしたんだね。」
「……はいっ♪」

デジタルもにっこりと笑った。
そうして問題は解決した。だからそろそろ仕事の時間だ。
訓練の総括と終了を告げるため、二人は歩き出した。

--
笑う門には

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
皆さんはフルアーマー・フクキタルさんに出会ったらどうしますか？
その日のデジたんもまたフルアーマーでした。
帽子をかぶりグラサンかけてマスクも装着。地方の即売会からの帰りにもう少し買い物をしていこうと町中の喫茶店を探していた時でした。
視界の端に見慣れたシルエット。目を向けるとそこにはお懐かしい、しかしメイショウドトウさんと雌雄を競った時よりも何倍も光り輝くマチカネフクキタル様のお姿でしたっ！
とは言え今はお互いにオフ。声をかけるわけにはいくまい、せめて網膜に焼き付けておこうと凝視していると

「あ、デジタルさぁ～～～～ん♪」

おっっふっっって。
おっっふっっってなりました。
めっちゃ手ぇ振って走って来たんです。超かわいい。

2
お召し物の情報量も相変わらず多くて、まともな反応もできず。

「お久しぶりですデジタルさんっ！」

と握手ぶんぶん。
おほっフクキタルちゃんと握手、しかも向こうから求められてなんてデジたんこのまま自分の手を切り落としてショーケースに飾りたい。

「おっほっ、はいっ、はいっ！！！」って。

もうね、訳わかんなくなりまして。
自分の身バレしてはいけないとかフクキタルさんもオフだからバレてはダメなのでは？とか紙袋の中身を知られてはいけないとか
あの時のフルアーマーよりずっとパワーアップしててかわいいかわいいこれがかみのちから、とくとめにやきつけましたとか
凄い本物のフクキタルさんすんごいいい匂いするこの香りの香水だしたらデジたん全部買い占めるのにとか
完全にデジメモリはオーバーフロー。

3
もうめーちゃめちゃテンパってて、はいっ！はいっ！ていうマシーンになってました。
じゃあそろそろお別れというギリギリのところで漸く正気を取り戻しまして。
よろしければ写真を一枚、と申し出たところ快諾いただきました。
鞄の中からカメラを取り出すとフクキタルさんが「うわーすごーい！」って言ってくれたんです。あのフクキタルさんが言ってくれたんですよっ！
最高の……音楽（ミュージック）だ……
自慢のデジタル一眼レフで二百枚ぐらい撮りました。まんぞく…

「そのカメラ、すごくいいものっぽいですね！」
「はい！」

値段を言ったら目を回していました。
うーんやっぱり神を下賤な話題に触れさせるべきではありませんでした。ごめんなさい。

4
「実際おいくらぐらいなの？」

言うとね、スタッフからピー音入る。
アハハハハ。だから教えられません！

いやしかしあの明るさには癒されますねぇ～。
めげないという言葉はマチカネフクキタルさんの為にある言葉だと思いましたっ！
そんな訳でわずかな時間でしたが非常にいい時を過ごさせてもらいましたよっ！

「フルアーマー・フクキタル改ってどんなだったの？」
ベースはあの時のレースの黄色いワンピなんですけど、小物が全部凝ってて。
前よりも更に派手派手に舵を切った感じ。それでもいやらしくはない着こなしになってたのが凄かった……。
うろ覚えの会話から聞いたところによると、ウイニングライブの時にお世話になったメイクさんや衣装さんからのアドバイスを聞いたそう。
プロって凄いですね！

5
「即売会どこ行ってきたの？」
それ言ったら何のために変装してたかわかんないから！
言いませんっ！

「何の即売会？」
訊く？それを。
俗に言う薄い本ですよ。言わなくてもわかってるだろうに。
あとカラオケも歌った。
あのねえ地方の即売会のいいところって結構サイドイベントがあったりするんですよ。
コスプレしたお姉さんとカラオケとか、ゲーム大会とか。

「デジたん歌ったらバレるのでは？」
……。
バレてたかもしれん。

6
そんな訳で非常に有意義でラッキーなお休みを過ごさせてもらいましたっ！
フクキタルさんは幸運の化身と言って差し支えない！
フクキタルさんに会えること自体がもう福来たるですもの！

お名残り惜しいですがそろそろお時間でございます。
最後はマチカネフクキタルさん未承認の超レア同人CD、「フンギャロ100連発」をお聴きしながらお別れです。
それではバイデジ～♪


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正論で性論

1
「子どもが欲しい。」

そう切り出された俺は、両手でちょっと待て、とジェスチャーするしかなかった。

「嫌なの？」
「嫌とは言ってない。」

ていうかいつでもいいとは思っているし特に避妊はしていないし妻もそのつもりだと思っていた。

「じゃあ何？」
「何って言うか。……普段別に避妊とかしてないじゃん。」
「……ああー。」

やっと認識が合致したらしい。

2
「急な話でごめん。」
「急って言うか、いつでもオッケーだったから改めて言われてどうした？！ってなった。」
「そうだよね……。」

妻がうーんと首を傾げて言葉を選んでいる。

「色々考えたのよ。
このままトレーナーを目指して、めでたくトレーナーになって、トレーナーとして担当のウマ娘ちゃんを見つけて、
って全部順風満帆に行ったとしても恐らく子を産むチャンスは無いなと。」
「うーん。」

否定はできない。元トレーナーである俺の経験からも、トレーナーの仕事は出産と並行して行えるほど楽な稼業ではない。

3
「で、アタシ体小さいじゃない？そうなると余計に体力のある若い内に産んでおかないと厳しいんじゃないかって。」
「……なるほど。」

我が妻アグネスデジタルは確かに、ほかのウマ娘に比べてかなり小柄だ。
ヒトに比べて頑丈であるとはいえ、出産の苦しみがヒトより楽であるという話は聞かない。

「とは言え、急げばすぐ産めるというものでもあるまい。」
「そうなんだよねえ……。」

出産の苦しみがヒトと同じであったとしても、ウマ娘はヒトより頑丈だ。
嫌な言い方だが、流産死産はヒトと変わらずとも、母体の危険度はヒトよりずっと低い。
デジタルの身だけを思えば、急ぐことではない。

4
「でも……キミの方もさ。」

そう。ウマ娘の肉体に心配はなくとも、ヒトの肉体には懸念がある。
それには俺も含まれる。
余り知られていないことだが、精子も加齢により劣化するのだ。
年を経るごとに遺伝子は傷つく。精子も例外ではない。
それは生まれる子に生涯背負わせることになる傷でもある。

トレーナー資格を得てある程度キャリアを積んだ俺。
そんな俺と出会ったトレセン学園生徒のデジタル。
……年の差については語りたくもない。
『若い内』を切実に求めるべきなのはデジタルではなく俺なのだ。

5
「そっちがいいというなら、俺はいつでも。」

デジタルの顔がパッと明るくなる。
普段からそう言ってるじゃないか。
授かりものを拒んだりしない。それは二人の合意だったじゃないか。
これ以上、どうしたらいいんだ？

「今日！作りましょう！！！」

……気合の底なし具合は現役のままだ。

「いつでもとは言ったが、いくらでもとは言ってないぞ。」

そんな俺の反論を聞けるほどの理性は、もう妻には残っていなかった。

6
……結果として、その日の『うまぴょい』では残念ながら子をなすことはできなかった。

しかし変化もある。
「たっだいまー♪スッポン買ってきちゃった！料理できるよね！？」
「たっだいまー♪赤ひげさんとこで効果あるって言われたの全部買ってきちゃったー♪」
「たっだいまー♪お医者さん結果でたよー！アタシもキミも卵子精子問題ないんだって！！よかったねー！！！」

急ぐ必要があるのは俺の方だ。俺のせいでデジタルに負担をかけている。それは分かっている。
分かっているが……！

「じゃ、今日もシようねー！！」
「休ませてくれぇー！！！」

夫婦の愛も。愛の営みも。その快感も。産めよ増やせよも。全部正しい。
……でも、正しさにげっぷが出る時だって、あるんだよお……。


--
デジたん狂気を語るの巻

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
狂気とは不合理ではなく過剰に理屈に従う事なのだという名言を知らないのかよ。
何の事かと言いますとね、デジたんの学生時代は狂っていたな、というお話です。
ご存じの方も多いかと思いますが、デジたんはウマ娘ちゃんと一緒に走るためにトレセン学園に入りました。
そしてトレセン学園生徒として、大好きなウマ娘ちゃん達の足枷にならないためにトレーニングに励んできました。
強く美しいウマ娘ちゃんといつまでも走り続けるために勝利を求めました。
ウマ娘とは美しく強い生き物であり、それをウマ娘ちゃん全てを愛するデジたんが汚す訳にはいかないからです。
……この時点で、ピンとくる人はいるかもしれません。
この考え方には、勝ちたいとか走りたいとか自分の走りを知らしめたいとか、そういう欲望が全然ないのです。
これがウマ娘としてかなり異質だと気付いたのは……いや、実は入学当初からだったかもしれません。

2
ウマ娘ちゃんは強く美しいものでなければならない。
その為の努力を怠ってはならない。
そう思って現役時代はトレーニングに励んできました。
このですね、「ねばならない」というのは狂気の入り口であると。トレーナーにぼそっと言われたことがあるんですね。
その時は努力する理由があるに越したことはないってんでそんなに追及されなかったし、デジたん自身もあまり疑問に思わないようにしてたんですけど。
でも、「ウマ娘ちゃんが強くて美しい」ってことと、「だからデジたんも強く美しい」ってことが結びついていたというかいなかったというか。
「ウマ娘ちゃん全体が強く美しくある」その事実を保つために自分も強く美しくなければいけないとは思っていました。
でも「だからデジたんも強くて美しいのだ」とは思わなかったのです。
うーん、この感じ伝わりますかね？

ウマ娘ちゃん、という総体があったとして、デジたんはその一部だと思っていたのです。
ウマ娘ちゃんの集団が尊い生命体なのだからそれに属する自分という部品もまた尊くなければいけない。
その為に努力をしました。
一方でデジたんというウマ娘個人は別に尊くないとも思っていた。

3
……話してみると本当に難しいなあ。
「自分」と「他人」ってどうしようもなく垣根があって。
例えばさ、「されて嫌なことはしないようにしましょう」って教訓がありますけど。
自分が嫌なことをされるのと他人が嫌な思いをするのって、全然全く別の事じゃないですか。
自分ってのはどうしようもなく自分だし、他人ではありえない。
……これで伝わるかなあ？

兎に角当時のデジたんは自分の事を「強くて美しいウマ娘」だとは思っていなかったんです。
一方で、ウマ娘であるデジたんは「強くて気高い生き物であるよう努力し続けなければならない」とも思っていた。

……うーん。うーん。……伝わらなかったらそれでいいです。その伝わらなさが「デジたんの狂気」だったのです。

4
他のウマ娘ちゃんは、勝つために走っていました。走りたいから、負けたくないから、もっと強くなりたいから、走り続けていました。
デジたんだけが、欲望じゃなく義務で走っていた。
勝たなければいけないから、走らなければウマ娘じゃないから、強くなければトレセン学園の格を下げちゃうから。
そういう理由で走っていたんです。

「ウマ娘と並んで走りたいって言ったじゃん」
言った！言ったね！
勿論それも一番大きな動機なんです。
でもなんていうんだろ。並んで走る権利を得るためには、強くなくちゃいけない、みたいな。
デビューして暫くはそうした欲望も狂った理屈もひっくるめて全部走る動機にしてたんですけど。


5
ある時ね、初めて一着をとって。やったこれで自分もヒト並みにウマ娘だっ！って思ったんです。ヒト並みのウマ娘って何だよって話ですけど。
でウイニングライブでセンターで踊ったんです。
練習勿論たくさんしましたっ！でもデジたんは、さっき言ったようなその……自分をウマ娘だとは思ってないようなウマ娘だったので。
一着でライブ踊ることなんて全然考えていなかったのです。
だからいざ舞台に出るととちったり間違えたりで。泣きそうだったんです。
こんなのはウマ娘じゃあないっ！て。
でも客席から「デジたーん！」て。「アグネスデジタルーっ！」って。声が、微かに聞こえたんですね。

見るとアタシのグッズ持ったお客様が居るんです。サイリウム振って名前を叫んでるんです。
泣いちゃいましたよね。
もうね、生まれてから今までの承認欲求が全部満たされた感じ。
ああ、そうだ。アタシはアグネスデジタルなんだ。アグネスデジタルとしてこの世に居ていいんだ、って
ボッロボロに泣きながら踊りました。

6
涙と共に鱗が目からボロボロ落ちたんです。
これがウマ娘ちゃん達が戦ってた、勝ちたがってた理由なんだって。
おっともうお時間ですねっ！
いい話だけで終わる訳にはいきません多少の笑いを取らなくてはデジたんチャンネルではない、

デジたんチャンネルは笑いを取らなければならない！それがこの配信が信奉する狂気であります！！！

「初めて知った」
そうなのです！デジたんチャンネルはそれなりに受け狙いでやっていたのです遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ！
デジたん一世一代の……（ごそごそ）ひっ。ひっ……
ひくちっ！！
……。

（ブツッ）（この配信は終了いたしました）


--
一緒に眠って夢を見よう

1
倒すべき敵などいない。
完全な平和など訪れない。
絶対の正義など存在しない。
目指すべきゴールなどない。
目標を自分で決めて、正しいかどうか疑いながらおっかなびっくり進んでいくこと以外、許されていない。

見つめ合っているより同じ方向を向いている二人の方が強い絆で結ばれているという。
このデジたんの「トレーナーになりたい」という夢の為に夫は力を尽くしてくれている。
でも……デジたんの本当の夢は「ウマ娘ちゃんのハーレム」だ。
トレーナーになるのはその手段でしかない。

2
そりゃあ、ウマ娘ちゃん大好きアグネスデジタルにとってトレーナーになることはウマ娘ちゃんに囲まれて生きるという夢に近づくものではある。
あるけれど。
トレーナー業がそんな気楽なものでないことはとっくに知っている。
近づきはすれど、辿り着けない。トレーナーになっても夢は叶わないのだ。
口元に運んだ茶色い液体はもう大分薄まっていて、角が取れて小さくなった氷が浮かんでいた。

冷凍庫のケースから氷を掴んでグラスに放り込む。
自室のPCの前に戻り、グラスにウイスキーを追加する。

酒量が増えたのは、お酒が美味しいと思えるようになったのだけが理由じゃない。

3
目指す意味のない夢。そこに意味を見出そうとしている。
ウマ娘ちゃんを支えるのが嬉しいと、その努力や喜びや悲しみに寄り添えるのが嬉しいと、思い込もうとしている。
いや、確かにそれは愉悦なのだ。同志にしてみれば垂涎の夢には違いない。アタシにとってだって素晴らしい夢だ。
でも……。

無邪気にウマ娘ちゃんに囲まれて生きる事を夢見ていたあの頃の自分が、「アタシを忘れないで」と言っている。
剥き出しで下品で純粋なアタシの夢を忘れないでと。
幹を太くし枝葉を伸ばしても、根っこを失ったらそれは幻だろう。
どんなに美しく花開いても、歪んで育った結果でしかないだろう。

このままトレーナーになったところで、そこから先には「夢」は無い。

いや、夢はもう叶っていたんだ。

4
トレセン学園の生徒であったころ。それこそがウマ娘ちゃんに囲まれ共に生きた夢の世界だろう。
あの幸福はもう戻ってはこない。今のアタシは夢の残骸だ。

「アハハハハッ！」

求めていたのは青春だ。夢見ていたのは青春だ。アタシは「青春が欲しい」と夢見ながら青春に浸っていたんだ。
両手で顔を覆う。泣きたい訳じゃない。悲しい訳じゃない。何だかそうしたくなったから。
空しい、悲しい、そんな素振りをしたくなったから。

じゃあ、答えはもう出ている。
「トレーナーになる」。そうして外面を維持し、ウマ娘ちゃんを支える立場になる。
誰も不幸にならないじゃないか。この夢こそが誰もが幸せになる帰結じゃないか。
ここまで歩んできた道筋を、裏切らない……。

5
自室を駆け出す。
寝室の扉を酔っぱらい特有の無遠慮さで乱暴に開ける。
目をしばたたかせる夫の上にうつ伏せで乗る。

「……悪い夢でも見たか。」

そう、悪い「夢」を見ていた。
ああ、その声に胸がいっぱいになる、この現象も。思い込みじゃあないか。
付き合いたいといったのはこの男から。結婚したいと言ったのもこの男から。
恋していたわけじゃあない。愛するようになっただけだ。愛さなければいけないかもと思い込んでここまで来ただけだ。そうして自分の心を歪めて、本当に愛するようになっただけだ。
最初の気持ちなんて、何だっていうんだ。いつだってアタシたちは、今の幻を見ながら。望んで生み出しながら。生きているんじゃないか。

「えへへぇ。」

そう笑うアタシを、夫はただ黙って抱きしめた。

6
「酷い夢だったな。」

頭を撫でられる。ああ、酷い笑顔をしていたんだろう。
ボロボロと涙がこぼれた。この人はアタシの歪みを知らない。本当に夢見ていたことと、夢だと公言していたことのズレを知らない。
知らないままアタシをわかったつもりで慰めているんだ。それなのにこの胸はとても暖かくなるんだ。
そんなの、いけないことなのに。お互いに理解できていなくたって、愛が成り立ってしまうだなんて。

「お前は、よくぐちゃぐちゃになるからな。」

はっ目を見開く。彼の胸を押すようにして上体を起こして顔を見る。

「お前がおかしいのなんて、とっくに知ってるよ。」

困ったような笑顔。アタシはその胸に顔を押し付けて泣いた。明日からはちゃんとする、ちゃんとするから。
アタシが泣き疲れて眠るまで、夫は背中にぽん、ぽんと手を当ててくれていた。


--
ネタがないことをネタにするのって昭和のギャグマンガ感がある。

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
どうする？どうするって何だよ。というのがですね、直前まで会話デッキ組んでたんだけど。

「夫婦の話」「馴れ初めの話」「結婚に至るまで」「結婚記念日」
「配信ン周年」「ぱかチューブっ」「ぱかライブTV」
「ドトウのドトっとしたところ」「架空のドラマ」「ラジオドラマ」
「胃がめっちゃ痛いの」「のどが痛いの」「体調不良」
「ゲーム実況」「浴衣」「花火」「水着」

ってメモに書いてあってさ。
どれもダメじゃんってなったからぁー。とりあえずもうダメさ加減だけ開陳しようかと思いまして。
デッキ公開です。

2
まず結婚の話が多い！
最初の4つが全部夫婦の話。デジたんのファンに向けてデジたんの男の話をするのはどうなんだと。
なのでこれは伏せようと。
「配信ン周年」
これはまず時期を選ぶ奴じゃん。少なくとも今日じゃないのでボツ。

「ぱかチューブっ」「ぱかライブTV」
見ましたか～？の話をするにあたってみてない人は置いてけぼりになるな～って思いますし、
今日そもそも配信無かったから最新の話題にならないし、没。

「ドトウのドトっとしたところ」
もう完全にちょっと面白いことを言おうとしているだけっ！全く意味が分かりませんっ！！
ブレインがストームされてます。

3
「架空のドラマ」「ラジオドラマ」
これはねえ、この配信で連続配信ドラマをやっていた、という体でオープニングトークを進めるとかそういう発想でした。
でも超難しい。
Cafe de 鬼（顔と科学）のイントロとか「近未来犯罪都市デトロイト。警察の業務を請け負う民間企業オムニ社は殉職した警察官マーフィーをサイボーグ化し（※落語『饅頭怖い』のあらすじ）」とかあのレベルにならないと面白くありませんっ！
考えつかなかったのでボツ。
芸人かぶれで滑るの一番痛いからね。

「胃がめっちゃ痛いの」「のどが痛いの」「体調不良」
胃は痛くないし喉も痛くないしデジたんめっちゃ調子いいのでボツ。

4
「ゲーム実況」「浴衣」「花火」「水着」
ゲーム実況は実は割といいかなっと思ってるんですけど、今のところ何やるかまだ決まってないので今日は無理。
浴衣、花火、水着。
あー、水着は着たけど浴衣は着てないし花火は今年やってないなあ。

そんな訳でっ！
デッキ組んだけどどのカードにも効果が書いてないって状態で大変惨めだったのでせめてお焚き上げで興を添えようかとっ。思いましたっ！
成仏しろよ～！！

「浴衣」はもうちょっと話ができるかなあ。
今年着てないんですよ。というか着る機会がなかった。夏祭りとか行ってないんです。
ちょっと仕事と嚙み合わなくて。

デジたんの浴衣はねぇ。ピンク。どピンクです。買ったのは去年なんだけど。
スタイリストの人と相談して。「デジタルさんは小さくて子供っぽいからブリッブリの子供趣味な浴衣が似合いますよっ！」って言われたの。

5
そこまで失礼な言い方じゃありませんでしたけど。実際ね、自分で言うのもなんだけどかなり似合いますよっ！どのSNSか忘れたけどネットにも写真上げたんじゃなかったっけ。

「見た見た」「去年ニュースになった奴？」「似合ってた。」
そうそう！
アレをねー。今年着てないんだねぇ～。折角プロに見繕って貰ったのに勿体ない。

「公開録画で着たら？」
あ～。いつやるかまだ決まってないんですよ。だから早くても秋かな～。浴衣の季節じゃなくなっちゃうので。

「抜いた。」
ありがとー！そんな報告にスパチャを使うなっ！

「俺も抜いた。」
スパチャやめろありがとうございますっ！

6
こんなに盛り上がるなら初めから浴衣の話すればよかったじゃんっ！
ですが時は戻らないしそろそろお別れのお時間です。
折角だから次回の配信で話してもらいたい話題を最後に聞きたいな。

「夫婦生活」「夫婦生活」「夫婦性活」「夫婦性活」「夫婦性活」「夫婦性活」「夫婦性活」「夫婦性活」「夫婦性活」
バカタレー！！BANなるわ！

「馴れ初めは聞きたい。」
……何で？
デジたんのファンは夫からアタシを奪いたいとか思ったりはしないの？夫が憎かったりしないの？

「ダンナの話してるデジたん生き生きしてる」「ラブラブエピソード聞かされると幸せになる」
そっか、君らは同志か。推しの幸せを自分の幸せにできるのか。いい人たちだね。恵まれてますアタシ。
ああっ！しんみりしちゃったので最後はペンネーム「紅大和」さんからのメールで〆ますっ！
「自作の歌詞を朗読してもらいたくてメールします。タイトルは『素敵よね』です。」

--
氷の女王

1
「ウワーッ！かき氷機ダアアァーッッッツツツ！！！！」

ウオッカではなく我が妻アグネスデジタルの嘶きである。
予め理事長には話を通した上でレンタルした業務用かき氷機だ。
今年は雨が多かったため自治体も夏祭りを開催できなかった。せめて気分だけでもと頭を下げると「許可っ！」の声が快く頭上を飛んだ。

そんな訳でトレーナー率いるトレセン学園生徒複数名、及び学園スタッフであるデジタルに対しかき氷を振舞う事になったのである。

2
「いちごメロンレモンブルーハワイみぞれに宇治金時と練乳の用意がある。」
「ブドウは！？」「ピーチが食べたいですっ！！」「マンゴー！マンゴーはありますよねっ！？！？」「黒蜜とか……。」
「ねえっつってんだろっ！」

最近のウマ娘は舌が肥えてていけねえ。

「デジたんが買ってきますっ！！」「やめろっ！」

気遣いは嬉しいが興奮したデジタルは車道を突っ走りかねない。歩道なら尚まずい。
生徒に奉仕したい気持ちは汲むが我慢してくれ。

「でもでも～、望みに応えてあげないとウマ娘ちゃんのメンタルに支障が出る可能性がありますぅ～。」
「かき氷機用意しただけでもありがたいと思ってくれよ……。」

こっちはプロのテキヤではないのだ。

3
残念がっていたウマ娘たちも、ブロック氷を昔ながらのかき氷機でゴリゴリと削る様を見ると興味津々の表情に変わった。
俺もこの手のかき氷機は長らく見たことがない。ハンドルを回す手にも力が籠る。

「ほい。練乳のみ。」「ありがとうございますっ！！」

頭を深々と下げて生徒の生徒が発泡スチロールの器を受け取る。何だかここまで恭しくされると嬉しくなっちまうな。

「練乳のみとか絶対太るよ。」「ほっといてよその分走るし。」「甘ったるくない？」「甘いのが好きなのっ！」
黄色い声が交わされるのを聞くと、現役時代のデジタルを思い出して少し懐かしい気持ちになる。
あの時も複数人でトレーニングした時はこんな風に仲良く口喧嘩するひと時があったっけ。

「全部乗せで。」

その声に目を剝くと、声の主はアグネスデジタルであった。

4
「……ほい、全部乗せ。」
「ありがとっ！……まずっ……。」

いちごメロンレモンブルーハワイみぞれに宇治金時と練乳を全部混ぜて美味しい訳がなかろう。

「ここでしか味わえなさそうだったし。」

まあテキヤなら嫌がるだろうねその注文。デジタルはガツガツとかき込んで瞬く間に黒歴史を消滅させた。

「わざわざありがとうございます。」
「いや、驚かせて楽しんでるだけですから。」

トレーニングを指揮している正トレーナーから頭を下げられ、俺も恐縮して応じる。
妻の様子見と称して予定に割り込んでいるのだから、いくら頭を下げても足りないほどだ。

5
正トレーナー自身はみぞれを選択していた。何となく人格が窺えるような、窺えないような。

「邪魔して悪かったな。」

そう生徒たちに告げつつ、デジタルにビオフェルミンの瓶を手渡す。
デジタルはうん、と頷いて真っ先に自分が3錠飲んだ。

お腹痛くなったらデジタルに薬を渡してあるから、と言い置いて、かき氷機を撤収する。
と、その手を生徒が止めた。

「それ、学園でレンタルしたんですよね？」
「そうだけど。」
「今日一日は自由に使っていいんですよね？」
「……明日の18時までだからな？返却手続きは理事長に聞け。」

6
生徒たちの快哉を背に、俺は学園を後にした。
翌日、近隣のドラッグストアから止瀉薬が消えたという話を聞き、俺は深く後悔した。
後日、理事長室で理事長と俺は頭を下げ合うのであった。

「……まさかこんなにウマ娘達が娯楽に飢えているとは。」
「悔恨っ！……同じ思いである。」

その後学食の夏季限定メニューとしてかき氷が追加された、という噂を聞いたが……。
確かめる気にはならなかった。



--
かくしごと

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
ヤバいっ！何がヤバいかというと締め切りがヤバい。
お世話しているウマ娘ちゃんについてレポート書いてトレーナーさんに渡さないといけないんですけど筆が載り過ぎて全然終わりません。

走りっぷりフォーム適性距離適性バ場毛並み肌艶体重プロポーション今後の育成方針案をまとめてお出しするんです。
ですがデジたんがウマ娘ちゃんについて語ると止まらないんですよっ！
何もかも語りつくして灰になるまで手を止める気にならないっ！！
前回提出した時は「論文じゃん」って言われました。
デジたん論文は詳しくないんですけど多分同じぐらいには頑張ったとは思います。
そして今回も同じぐらい頑張らないといけないんです。

2
「そういうのってトレーナーがやるもんじゃないの？」
勿論トレーナーさんのお仕事です。
だからこそトレーナー志望のデジたんが実際にやってみてコツを掴んでみたらとお勧めされまして。
やってみたらこれがまぁ～～～楽しいんですよっ！
育ち盛りのウマ娘ちゃん達の輝き、長所、お悩み、友情、愛憎、もっとこうしたら美しくなれるのにという妄想、妄想にリアリティを齎すための文献探し、文献から得た新たな知見とそこから湧き出す新たなアイディア……。
それらが全てデジたんの脳内から吐き出されるまで執筆は終わりません。
デジたんもしかしたら研究職の方が向いているのかもです。

締め切りがマジマジのヤッバヤバなんですけど、こうしてガス抜きをしないとデジたんがヤバヤバになるので許してください。
こうやって気分転換しているときに新たなアイディアが降ってきたりしますしねっ！

3
「レポートを出せと言われて論文渡されたトレーナーの気持ち考えろよ」
わかってますよっ！！デジたんが未熟なのは正にそこで、要点を短くまとめる、というのが本当にできなくて。
だってウマ娘ちゃんの顔も形も心も仕草も、どれも等しく尊く輝いているのですもの。
どれが大事だなんて言えませんっ！！
「あれもある、これもある、をズラズラと並べるだけでは資料と言えない」と散々注意されてはいるんですけど……。

「走りに関することだけまとめたら？」
うーん……。
言いたいことはわかります。わかるんですけど……。

走りというのは単に何メートルを何秒で走ったか、というだけではなく、ウマ娘ちゃんの体系、体質、フォームも関わってきます。
それだけじゃなく「どう走りたいと願っているのか」「誰を目指して走っているのか」などなどメンタルだって大事な側面。
ウマ娘ちゃんにとって走りとは人生の表現なのですっ！

4
ウマ娘ちゃんの人生を軽々しく扱うわけにはいきませんっ！
増してやその可能性を潰すようなことを書くなどデジたんにはとてもとてもっ！！
デジたんだって芝もダートも走りましたし、あの名ステイヤーと名高いキタサンブラックさんだって2000mを走ったりしています。
「正しいウマ娘ちゃんの育て方」なんてありませんっ！
走ったその道を正しいと信じるしかないんですっ！！

そんな訳でどうしても執筆には熱が籠っちゃって、いまテキストで200KBとかになってます助けてください。
このあとTeXにしないといけないんです死にます。

「TeXってマジ論文じゃん」
数式とか書くのはTeXが一番洗練されてますからね。

「数式書くの！？」
そんな大したもんじゃありませんが、成長曲線とか書きますし。

5
そんな訳で、テキストで書き上げた後まとめたデータをグラフにして、グラフと文章に矛盾があれば文章直して、とかあるのです。
グラフにしてみると自分の思ってたのと違うなってなること本当に多いので……。
伸び悩んでるなこの子、と思ったらデータ取るとめきめき成長してたり、その逆だったり。
デジたんは観察眼があるとよく言われるのですが、そんなことありません。思い込みとだいしゅきの気持ちでウマ娘ちゃんを見ているだけです。
ちゃんとデータを取るのが一番大事です。

そう！だいしゅきっ！！てだけでは全然ダメだな～って思い知っているところです今！
好きだと贔屓目でみちゃうというか認知バイアス？バイアスヴラド？ヴラドプラズマ？そういうのがありまして。
それがウマ娘ちゃんの真の姿を見る目を曇らせるのです。
トレーナーを目指す身として、そうした過ちは今のうちに自覚して、直しておきたいっ！
とっても勉強になります。そしてとっても辛いです。


6
そんな訳で今日もお時間ですねぇ～。

「がんばれデジたん」
スパチャありがとうございますっ！頑張るよぉ～！！元気元気！
好きでやってることだしね！体力は消耗するけど、気力は充実しているんです。
好きでやってるからこそ妥協できないってのもあってそれで疲れ果てたりするのですけど……。
やっぱりウマ娘ちゃんを預かるトレーナーさんにはデジたんのウマ娘ちゃんへの思い全てを受け止めて欲しいという気持ちがありますのでっ！！

「デジたん絶対チームトレーナーとかできないよね」
あ～自覚あるわ～。絶対無理。ギリ2人までかな。3人以上は到底把握しきれません。3人ウマ娘ちゃんが居たら宇宙だもん。
3。不安定な数字。世界が安定を求める以上早くどれか一つを引かなければ……。

……実はねえ、締め切りきついのもう一つありまして。薄い本が今マジでワシは今からようやくネーム作業やけどもってところでして。
……。
即売会には笑って参加しような！！バイデジ～！！！！

--
どちらが枕なのか？

1
「動画の配信に出て欲しい。」
「絶対イヤ。」

ピロートークでこれを聞かされる側の気持ちを少しは考えて欲しい。
我が妻アグネスデジタルは引退後もトレーナーを目指して勉強しつつトレセン学園スタッフとして生徒を支え、それだけに飽き足らず動画サイトにチャンネル？を拵えて配信を行っている。らしい。

ひとしきり濃厚な夫婦の時間を過ごした後で、熱を持った体を重ねながらこんなことを言われたら心までもシナシナになる。

「ちぇっ、折角枕営業したのに。」
「営業だってバラされたら尚イヤだわ。」

夫婦の間でだってロマンの不文律はあると思っていた。

2
「俺が出てどうするって言うんだ。」
「視聴者さんがさぁ、夫婦生活に興味あるっていうからぁ。」
「金輪際イヤだわ。」

何が悲しくてデジタルのファン相手に夫婦生活を暴露せねばならんのだ。
殺されてしまう。いや、刺されるだけならまだマシかもしれん。

「なんでぇ？ウマ娘の夫ならさあ、ファンサービスに協力してくれてもいいんじゃない？」
「裏方なら喜んでやるけど、出演は断る。」
「生配信じゃなくてもいいからぁ。収録ならうまく喋れてない所はカットできるし。」
「……そんなに需要あんの？」
「あるの。」

デジタルの薄青色の瞳が俺を見下ろす。

3
俺の上にうつ伏せになるデジタルとの肉の間が汗でぬめる。

「アイドルのプライベートはいつだって興味の的。」
「……わからないわけじゃない。」
「じゃあいいねっ！」
「よくねえっつってんだろっ！」

発育の悪い体をしていながら、時折見せる表情は蠱惑的だ。
だがこちらだって年単位でその誘惑と向き合ってきたのだから、簡単には吞まれてやらない。

「……どうしてもだめぇ？」「だめ。」
「なんでぇ？人に見られるの嫌い？」「そうじゃねえけど。」

ああ、これはまずい。俺の直感が警鐘を鳴らす。

4
デジタルに理屈を語らせると俺は不利になるのだ。経験が俺の脳裏にサイレンを鳴らし続けている。

「だよねぇ。オペラオーさんに勝った時も楽しそうにインタビュー受けてたしぃ。」
「それは関係ねえだろ。」
「まあ関係ないかぁ。でもカメラに映ったりするのは別に抵抗ないでしょ？」
「でもイヤだ。」
「何がイヤなの？ネットだから？」
「そうだな、知らねえ奴にコメントされるのは腹立つ。」
「ええ？でもみんなデジたんのファンだよぉ？よくぞ育ててくれたっ！って褒めてくれるんだよ？」
「見も知らない奴らに褒められたって嬉しくねえ。」
「トレーナーの頃だって取材されて褒められてたじゃん。知らない人に褒められるのイヤなの？本当に？」
「目の前に相手がいるのといないのとじゃ違う。」
「その記事何万人が読んでるんだよ？知らない人に褒められたりけなされたりしたんだよ？」
「でもイヤだ。」
「ねえぇ～。キミぃ、アタシよりずっと年上なんだからさぁ。そんな子供みたいな嫌がり方やめてよ嫌いになっちゃうよぉ。」

5
「嫌われても、俺は動画に出たくない。」
「出たくないじゃないんだよ。キミやアタシの歳じゃあさーあ？ファンが求めてるのに「嫌だから」じゃあ通らないよ。
デジたんを助けると思ってさあ。ねぇ、少しの時間でもいいからさあ、出てくれない？収録でもいいしさあ。」

デジタルの吐息と目線が、発情（フ）けたときのそれになりつつある。

「俺はもう一般人になったんだ。静かに過ごさせてくれよ。」
「デジたんだって一般人だよぉ？」

或いはそれも演技なのか。

「お前は六冠バのウマ娘だろ。」
「でも今は一般人だよ。六冠バのウマ娘を育てたキミと同じでさ。」

顔をぐっと近づけてくる。自分の美貌を自覚しているデジタルは、現役時代に比べてずっと強かだ。……単に惚れた弱みかもしれないが。

6
「兎に角、俺はもう表舞台に出ないって決めたんだ。」
「うっそだあ、本当はネットに抵抗があるだけでしょ？オ・ジ・サン♪」

その通りだ。妻がネット配信をしていることだって俺は本当は許したくない。でもその理由はとても曖昧なものだ。
言語化に苦しんだその一瞬の沈黙から、デジタルは俺の偏見を見抜いたらしい。彼女は妖艶な、勝ち誇った笑みを浮かべた。

「じゃあ収録だけしよ？収録だけっ！それで使うかどうかは後で決めていいからさ。」
「だから嫌だって」

妻の体がぐるりと回りこちらに尻を向ける。そして俺の俺自身が妻の口の中にしゃぶりこまれてしまった。

「ズルいぞてめえ！」「先払いでぇ～す♪」「このどスケベが！」

それはそっちもでしょ、と言いたげに下品な水音が大きくなる。本当にオタクって奴は理論と欲望の制御に関しては手に負えねえ生き物だ。

7
……そんなデジタルに結婚を申し込んだのはどこの誰だというのだ。
初めから勝ち目のない抵抗であった。抵抗感があるということを示す為だけの抵抗。
はいはい、どこまでもお供しますともお姫様。
だからご尊顔をお見せください。

デジタルの体を抱えて力づくでこちらを向かせると、きょとんとした顔にキスの不意打ちを浴びせた。


--
The race must go on.

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
いやぁ～凄かったですねファル子様の生ライブ配信！
歌声もダンスもキレッキレで、最後までピカピカ笑顔で手を振ってくれるあのサービス精神と来たら！
レースから離れたウマ娘ちゃんとは到底思えない輝きでしたっ！！
もう思い出すだけで気が遠くなっちゃいそうなくらい眩い……。

一緒にトレセン学園に通っていた頃も凄いオーラを放っていましたが、比べ物にならないぐらい磨きがかかっていましたっ！！
なれたんだね、究極の力を持つアイドルに。

あんなスゴいウマ娘ちゃんと同窓生だったと思うと何だかそれだけでデジたん誇らしくなってしまいます。
デジたんが凄い訳じゃないんですけどっ！

2
同窓生がヤバいとなるとやっぱりオペラオーさんは外せませんよねぇ～。
今もドラマに舞台に歌にダンスにと活躍中ですっ！
一か月ぐらい前ですけど舞台見に行きましたっ！
実は初めてですやっとチケット取れたのっ！！

オペラオー様はファル子様とは別の方向でギラギラ輝いておりました。
競走バだったころは鷹揚な王子様と言った感じでしたが、舞台の上では一流の役者。
余裕も焦りも喜びも悲しみも全身で全力でっ！しかし精緻に繊細に表現するグレートアクターですっ！

アタシもウマ娘なワケだから女優オペラオーの伝説は当然耳にはしています。
しかし見ると聞くとではねぇ…………。鬼気迫るっていうか……。

オペラオーさんも、あの方が自分の同窓生だったんだゾって胸を張りたいぐらいすんごいすんごいお方になっておりましたっ！！

3
ファル子さんの凄さもオペラオーさんの凄さもファンの方に言わせれば今更も今更だとは思いますがっ！
でもでも目撃しちゃうと喋らずにはいられないっ！
そのぐらいの強烈なインプットを刻み込むんですよあの方々っ！！

アウトプットせずにはいられないぐらい湧き上がる情動！膨れ上がる情報量！！
それはまるでmRNAワクチンのように、デジたん自身の中でぐつぐつと生成されてゆくのです。
語りたくてたまらない！これをため込んだままではいられない！！楽しすぎて嬉しすぎて凄すぎてストレスにすらなってしまうその圧力っ！！

本当ならファル子さんの踊りのキレやそこに込められた力強さ歌声の抑揚の細かな調整とタイミング、ファンサービスの心遣い。
そしてオペラオーさんの演技の迫真さ、表現力、ほんの少しの仕草にまで行き渡る役の憑依っぷり、その中に強烈に残るオペラオーさんらしさ。

語って語って語りつくしたいのですがっ！時間の限られた配信では到底不可能なので、お二方ともとてつもなく凄かった、凄くなっていたとだけ申し上げておきますっ！

4
ちょっと考えさせられちゃいますよね。

デジたんもウマ娘ですから、引退した今でも走りたい勝ちたいという気持ちはあります。
だからね「走ることから離れても滅茶苦茶凄い」ウマ娘ちゃんを見ちゃうと。
走ることに未練がある自分がなんだかちっちゃい気がしてさあ。

デジたんと言えば今は学園スタッフとして働いていますけれど、併せウマなんかもチャンスがあればやりますやりますぅ～っ！って手を挙げてますし。
新バちゃんのトレーニングの筈なのに、ブチ抜かして勝ちてぇ～～っ！！って気持ちはとってもあるんです。
一緒に走れるだけでも幸せな筈なのに、それとはまた別の自分が、負けたくないって思っちゃう。

ヲタクのアグネスデジタルが幸せを感じながら、競走バアグネスデジタルが走って勝ちたいって思っちゃうんです。

5
「本能だからな」
そうなんだけどね。だから走って勝ちたいって思う競走バアグネスデジタルの人格も間違ってるわけではないの。
でも競走バデジたんの人格は、もう出てこなくていいよって。
もう十分に戦ったじゃんって。
今こうして新しい才能を育てることが幸せじゃんって。
言い聞かせたい気持ちがある。

ファル子さんやオペラオーさんほどではなくても、ちゃんとセカンドライフを幸せに生きたいよって。
走る以外の事だって凄く凄く大事だし、そういう所でデジたんも立派なウマ娘になりたいなって。思っています。

「教える側なら走りたいデジたんの人格も大事じゃないの？」
そっかぁ、そうだねえ。ありがとう。
この競争心を教えるのが、やるべきことなのかなあ？

6
そもそもあれだよね、デジたんまだトレーナーにもなれてないんですよ。
一方でファル子さんやオペラオーさんはアイドル、タレントとしてキラキラしてる。
夢の途上のデジたんと夢の先にいるお二人とを比べるのは、健康的でもフェアでもないよねぇ～。

ああっ！しんみりしてしまったっ！
凄いお二方の話をすればデジたんもテンションが上がってアゲアゲ配信できると思ったのにっ！！
これが加齢の力なのかっ！？寄る年波って奴なのかっ！？！？

もうそろそろお別れのお時間です。
この後はfc2のチャンネルでマルゼンスキーさんとシーキングザパールさんのコラボ企画
『オ・ト・ナの♪ナウでヤングなハッカーインターナショナルのPICOPICOで本気勝負♥（罰ゲームあり）』配信があるそうですっ！楽しみですねっ！
それではバイデジ～♪


--
幸福と幸運と運命論について

1
「おあよぉ～。」
「おう。」

香ばしい匂いに導かれダイニングに入ると、夫はいつも通りフライパンを手にグリルに向かっていた。
今日のメニューはベーコンエッグとトーストにコーヒー。
現役時代の定番メニューの一つ。
朝はまず炭水化物と蛋白質が最優先で、お野菜は控えめ。
野菜がダメってワケじゃないのだけど、生野菜は水分で体が冷えがちだから朝食には向いていない。
……と何年か前に夫に聞いた。

トーストにベーコンエッグを載せて豪快に齧ると、眠気に変わって油分がアタシを幸せにしてくれる。
あ、申し遅れました。アタシウマ娘のアグネスデジタルと申します。

2
トースト3枚に目玉焼き3つ、ベーコン3枚を平らげてミルクたっぷりのアイスコーヒーで洗い流す。

歯磨きして顔洗ってメイクして行ってきまーす！

アタシの職場はトレセン学園こと日本ウマ娘トレーニングセンター学園。
教師でもトレーナーでもなく、競走バのコーチングスタッフとして働いている。
まあ、用務員さんみたいなもので。
でも学園側のご厚意は文字通り厚く、ウマ娘ちゃんを育てるためのお仕事を色々と振っていただいている。

「芝もダートも走れる六冠バのコーチングなんて願ってもない」と言ってもらえるのはとっても嬉しい。

けれどやっぱり、正式なトレーナー資格が欲しいところ。
善意で仕事を回してもらっているだけじゃあ、社会人としてはどうかと思うし。

3
トレーナーさん率いるウマ娘ちゃん達の走りを見て、時には併せウマの相手になり、彼女らの走りを分析する。
トレーナーさんに自分の所見をお伝えし、それに対してプロの目線で意見をもらう。
その後のトレーニングでも器具を出したり片づけたり、柔軟運動の相手になったり、資格が無いなりに出来ることを全部やる。

「デジタルさんに雑用をやらせるなんて」と言ってくれる後輩たちもいるけれど、雑用しか出来ない立場なのだからしょうがない。
大体自分はもうターフを降りた身なのだ。
それなのにウマ娘ちゃんの傍に居たくて無理に仕事をさせてもらっている。
若々しいウマ娘ちゃんの夢と希望と熱気を毎日存分に浴びている。

これがこのアグネスデジタルの幸せでなくて何であろう。

だからこそ、負い目無くこの幸せを味わうためにトレーナー資格が必要なのだ。

4
「邪魔するぜ。」

夫は頻繁にトレセン学園にやってきては差し入れをしてくれる。
最初は後輩トレーナーにマウンティングしたいのかしら？などと穿って見ていたけれど。

「いつもありがとうございます。」「こちらこそ毎度妻が世話になってます。」

敬語まで使う腰の低さにその疑いは晴れた。単に、アタシが心配なのだ。

「迷惑かけてないだろな？」「アタシを誰だと思ってるの？」
「ド変態ウマコン（※ウマ娘コンプレックス）でドヲタの引退ウマ娘。」「おまえーっ！」

軽口のやり取りでウマ娘ちゃん達に笑ってもらえると、心底からほっとする。

5
「では、お先に失礼しまーすっ！」

定時になるとスタッフルームにビッと敬礼、帰路に就く。公道のウマ娘専用レーンをひた走る……と言いたいところだが、この時間は混雑するので素直にバスに乗る。
ウマ娘の速力も渋滞には勝てない。

家路はいつもウキウキだ。
預かったトレーニングデータの解析がしたい。美味しいご飯が食べたい。疲れた体を休ませたい。
スマホで今から帰るとメッセージを送り、わかったと返されるいつものやり取り。
今日の夕飯は何？とは聞かなくなった。
家から漂う匂いで献立を想像するのが楽しいとわかったから。

「ただいまっ！」
「おう、お帰り。」

エプロンで手を拭きながら夫が出迎える。

6
今日のメニューは牛肉生姜焼きに千切りキャベツ、ナスとオクラのつゆ浸しに味噌汁。
主食は勿論白米ごはん。

実は夫は初めはあまり料理が得意なほうではなかった。
でもアタシの引退後、結婚を前提に付き合うようになってからは時間が出来たからなのかメキメキとその腕を上げ、
結果毎回の夕食がアタシの毎日の楽しみになるほどにまで成長した。現役時代からこうだったらよかったのに……。

「何だよ？」
「何でもない。」

『成長』が思い通りいかないってのは、アタシもまたこの人に味わわせている。
勝つときには強い勝ち方をするけれど、負ける時は訳が分からないほどの凡走をする。
それがこのアグネスデジタルちゃんの競走成績だ。

7
似た者同士なんだな、と思ってふふって笑うこともある。
小柄なアタシと比較的大柄な夫で何が似ているかと思うけれど。

凝り性でムラっ気があって意固地で理屈屋。
好きなものには嘘が吐けない。
理屈屋の癖に考えるより先に気持ちで動いてしまう。
そんなお互いが大好き。

でも、フクキタルちゃんには呆れられるかもだけど、これって運命とかじゃあ無いと思うんだ。
『アタシみたいなウマ娘』は『こいつみたいなトレーナー』にどこかで出会ってこうなっていた。
『こいつみたいなトレーナー』は『アタシみたいなウマ娘』にどこかで出会ってこうなっていた。
それって必然でしょ。

8
……そんな二人の出会いこそ運命と言うんだって？

アタシ達は、誰かに運ばれるほど価値がある生き物じゃあない。
運命なんて歴史上の出来事だけやってりゃいいんです。アタシ達のささやかな必然に干渉する意味も必要もないでしょう。

アタシ達は二人で一つ。見つめ合って、同じ景色を夢見て、笑って。それで人生万事OKの矮小な生き物だ。

用事があったら直接言ってくれよ、神様。
特に無ければ、アタシたちは自力で論理的（デジタル）に幸せ探し続けるからさ。


--
Il faut casser le noyau pour avoir l'amande.

1
「ねぇ～███████ちゃんさぁ～今時間あるぅ～？」
「で、デジタル先輩……。何ですか……？」
「併せウマしようよぉ～。」
「わたしはこれから授業なんで……。放課後でもいいですか？」
「放課後、わかったぁ～。前にやったあのコースで待ってるねぇ～。」
「……はい……。」

怖かった。頬がこけて虚ろな目をしたデジタル先輩はまるで幽鬼のようだった。
放課後、約束のスタート地点に行くと、デジタル先輩は既にスタートラインについて柔軟をしていた。

「お待たせしました。」
「今来たところだからぁ～♪」

2
汗ばんだTシャツが嘘だと告げている。透けて見えるのはスポブラと、筋肉の隆起。
窶れて見えた顔は絞り込んだ結果だったと理解した。それ以外の全ても理解した。
リベンジだ。デジタル先輩はわたしにリベンジをしたいのだ。

2000mターフにはわたしとデジタル先輩以外誰もいない。スタートを告げる者も。

「……合図は。」
「キミが走り出したらアタシも出るよぉ。」

焦点の定まらない瞳。朗らかな笑みが悪魔のそれのようにしか見えない。ごくりと唾を呑む。
調子に乗って抜き去らなければよかったという後悔が薄く脳裏をよぎる。

3
「……じゃあ。」

位置につき、息を整える。隣では極限まで絞り込んだデジタル先輩が伸びをしている。
緩んだ笑顔と緩んだ態度なのに、一度負かせた相手とは思えない途轍も無いプレッシャーを放っている。
これが六冠バの本気なのか……。
息を大きく吸い、覚悟を決めて地面を蹴ると、ほぼ同時にデジタル先輩も走り出した。

こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
ラジオドラマ『ホースとハント』第二弾、「オタクはそこにいる」第841話をお送りしましたっ！
いやあ怖かったですねっ！新バに苦汁を飲まされたデジたんの逆襲は成るのか！？
それとも妄執に囚われた老害に新世代が引導を渡すのか！？
誰が老害だ！！！！！？？？？？？

4
「根に持ちすぎ」
あははははっ！

そうですそうですあのねえ、前に多分お話したと思うんだけど、新バちゃん、つまりレースに一回も出てないウマ娘ちゃんに負けたんですよ結構前ですけどっ！
併せウマの訓練中だから本気ではないとは言えずばあぁーっと見惚れちゃうような差し足でぶち抜かれたんですよねえ。
そんでその子は今専属トレーナー付いたんです。だって引退したとは言えこのデジたんを抜き去る実力ですからね。
後生畏るべしとはよく言ったもので、記録や偉業は塗り替えられる定めにあるのだと思い知ったのです。

しかしデジたんも引退したとはいえウマ娘ですから、そう、このコメントの通り根に持ったのです。
走りでは到底勝てないので架空のラジオドラマで凄みを出してみましたどうですかっ！！！！！

5
「浅ましい」「走れ」「戦わなきゃ現実と」
はい。

「かっこよかった」「ラスボスデジたんｗｗｗｗ」「これデジたん酷い負け方する奴では？」
はい！！

もうね、自分で脚本書いてて悪役やる自分に酔いすぎて困った困ったっ！！
凄いウマ娘ちゃんに踏み台にされたいって気持ちがあるなあぁって思いながらキーボード叩いてましたっ！

「デジたんの脚本かよｗｗｗｗ」「回りくどい死に隊じゃねえかｗｗｗｗ」
はい。

理解度の高いファンを持つと幸せですねっ！

6
おっともうお別れのお時間です。
次回も架空のラジオドラマをやるかどうかはわかりませんが、話のタネにするだけのつもりだったネタで時間切れまで持つとはね。
ちなみにネタの語源はタネなので『話のタネにするだけのつもりだったネタ』というのははある意味循環参照循環論法が発生しており死にます。

おっとスパチャありがとうございますっ！
「そんなに根に持っていたとは知りませんでしたすみません。」

……えーとハンドルネームが扁桃愛子さん……ありがとうございます……。


……バイデジっ！（ぶつっ）

--
自信は自身だけでは成しえない

1
デジタルと付き合うようになってからウマ娘のニュースやレース情報は見なくなった。
浮気するかもしれないからだ。

というのも、俺自身が担当していたウマ娘、アグネスデジタルに結婚するほど惚れ込んでしまったからだ。
俺はウマ娘の才能に惚れ込むと恋愛感情とごっちゃになっちまう輩……なのかもしれない。

妻自身には秘密にしているが、感づいてはいるのだろう。

それでもいいと思っていた。
恋人を持つ身として、そして妻を持つ身として、浮気のタネなどない方がいい。
自分の態度はデジタルに誠実さを示す行動なのだ。
そう、誇ってすらいた。

2
「ウマ娘ちゃんの話、しないよね。」

晩酌の席でデジタルにそう振られた。

「そうかな。」
「そうだよ。」

自分のグラスに瓶ビールを注ぎながらデジタルが言う。

「トレーナーの頃はどのレースで誰が何着だったとかデータ取ってたじゃん。」
「よく見てんな。」
「最近はレースの話すら聞かない。」
「そりゃあ、今はトレーナーじゃないもの。」
「そっか。」

3
「トレーナー志望のデジたんとしては、最近のトレンドは押さえててもらえると助かるんだけど。」
「そうだな。」

声には出さないが、デジタルが、む。と不満そうな顔をする。

「そりゃあ家事忙しいかもだけどさ。ニュース見る時間ぐらいあるじゃない？
そういう時に少しでも情報拾っててくれると嬉しいなって。」
「そうだな。」
「そうだなって……。」

気のない返事と見抜かれている。

でもなあ。

4
デジタルには負けるが、俺だってウマ娘の事は大好きなのだ。トレーナー資格を取った挙句こうして担当バと結婚しちまうくらいには。

他のウマ娘の競走成績や走る姿を見れば楽しんで悔しがって興奮して……惚れ込んでしまうに違いない。
俺はデジタルと違って『萌え』を理解しない。俺の『好き』は『恋愛』や『性欲』と密接にかかわっていて切り離せない。

不満そうなデジタルのグラスにお代わりを注いでやる。
が、当然その程度で表情は和らがない。

「……気を遣ってる？」
「何？」
「アタシに。」

ああ、俺はもう此奴の尻に敷かれるしかないんだろうな、と確信した。

「……うん。」

5
「まぁー、気づいてましたけどねぇーっ！」

デジタルはフライドポテトを3つ一度に摘まむとたっぷりとケチャップをつけてモリモリと食べる。

「そうか。」
「別にウマ娘ちゃんのレース成績ぐらいチェックしてたって嫉妬したりしないよぉ。ちゃんと言わなかったアタシも悪いけどさぁ。」
「すまん。」
「寧ろ一緒にウマ娘ちゃん達の話をしたいのにって、思ってましたっ！」
「そうだな。」
「何だいそのやる気のない返事は。」
「……。」
「何か後ろめたい事でもある？」
「……。」
「おいおい、この質問に沈黙で返すのはまずいですよっ！？わかってる！？！？」

6
「……浮気してる？……とか？」

心配そうな顔でデジタルが俺の顔を覗き込み。外れだが外れじゃない。

「……違う。」
「即答しなさいよそこはぁっ！！」
「すまん。」
「すまんじゃないんですよぉっ！！！」

デジタルが泣きそうな顔で立ち上がった。

「何を隠してるんですかっ！デジたんとウマ娘ちゃんの話をしたくない理由ってなんですかっ！
浮気本当にしてないんですかっ！？してるなら今のうちに言った方がいいですよ今なら許してあげ……あげませんけどっ！！
言い訳の余地は与えてあげますっ！！！！」

7
「……そうだな。悪かった。」

俺は観念して、「俺はウマ娘の素晴らしい姿を見たら浮気するかもしれない」という心配を白状した。

「……なんだよぉ～～。」

全てを伝えきると、デジタルは脱力したようにその場にぺたんと座り込んだ。

「気遣いは感謝するけどっ！するけどさぁ～……。それ以外がダメすぎるっ！」
「すまん。」
「大体『浮気しちゃうかもしれない』って何ですか！デジたんに注ぐ愛はその程度だったのかねトレーナー君！」
「そんなことはないよ。だからこそ同じぐらい好きになっちまうかもって」
「シャーラーップ！！！」

グラスの中身をデジタルは一気に干した。

8
「『ああ 男の人っていくつも愛を持っているのね』って格言をアタシも知ってますっ！
でも「いくつも愛を持っちゃうかも」なんて心配するヤワな男と結婚したつもりはありませんっ！」

テーブルにどん、と足をかけて宣言する。

「浮気がしたくなったら事前に書面にして配布してくださいっ！それが裏切る前のお作法ですっ！！」
「そんな無茶な。」
「それにね、浮気の恐れがあるのはキミだけではありませんよ？」

ぞくりと背筋を冷たい物が走った。
その表情を見て、デジタルがにんまりと笑う。

「ああー……だからこその気遣いだったんでしょうけどさ？
キミ自身がそうだからこそ『浮気の恐れがある』ってだけで心配になっちまったんでしょうけど？」

9
「俺はお前の浮気なんて疑ってない。」
「なのに自分の浮気は可能性があるってだけで怖がった。」
「ああそうだよ何が悪い。」
「相談しないのが悪い。あと『何が悪い』って言った時点で態度が悪い。」

こいつと口喧嘩になるともう俺には勝ち目はない。全ての非を認める以外に収め方がない。

「これからはちゃんと最新のウマ娘ちゃんのレースもチェックしてよ。暇な時でいいからさ。
それで、その……。デジたん以上に付き合いたいウマ娘ちゃんが出来たら、浮気する前に言って。」
「……お前もな。」
「勿論。」

勿論とは。

10
「お互い、より好きなパートナーと付き合う方がいいに決まってるじゃん？」

そう見下ろす彼女の笑顔は、『お互いにお互い以外いないだろ』と告げていた。割れ鍋に綴じ蓋、蓼食う虫も好き好きだと。

「そうだな。」

俺は苦笑いした。
アグネスデジタルなんて言うクセウマを選んで結婚しちまった俺なんだ。ロリコンなのかという声さえ押し切って。
全く何を心配してたんだか。

「悪かった、仲直りしよう。」
「そうだね、早速今夜シましょう。」

……長い夜になりそうだ。
長くて、熱い夜に。

--
ベルセルク

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
無事原稿も脱稿しましてっ！久々にサークル側で即売会に参加して来ましたっ！
ブランクがあるということで部数はあまり用意しなかったのもありめでたく完売、ありがとうございましたっ！
買えなかった人はごめんなさいっ！
余った時間でサークルを回って挨拶したり本やグッズを買ったりイベントに参加したり。
充実した時間でしたっ！！
お世話になった方々、誠にありがとうございますっ！

とてもとても素晴らしい日でしたね、帰りの電車で鞄がぶち壊れたこと以外は。

2
グリフィイイイイイス！！！！
あぎゃあと叫んで散らばった本を回収、両手で抱えて何とか保持、ほぼ直後に目的の駅に停車してしまったのでワタワタと降りまして。
手伝ってくださった方、ありがとうございます。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません。

「紙袋やらかしたか」
それがねぇ……革のバッグだったんですよ。
持ち手を縫い付けているところが千切れて落ちたんです。
結構高かったのに……。

「マジで？」「不良品では？」「買いすぎ」
はい。

久々に持ち出した鞄だったので、タンスの中で傷んでいたのかもです。

3
バッグはまあ、壊れたモノはしょうがないんですが本はこのまま抱えて帰る訳にもいきませんし。
駅ナカのコンビニに頼んで飲み物を買いつつ特大レジ袋を4枚頂戴しました。勿論お金払いましたよ！
凄いインパクトだったでしょうね？両手で本抱えた女がペットボトルの水一つ買ってレジ袋4下さいっ！て叫ぶ有様は。
壊れた鞄も片手に提げていましたし何が起こったのかはわかってもらえたらしく快く応じてもらえました。
恥ずかしかったぁ～！！

……しかもねえ、落とした時にどうも本が全部回収できてなかったらしくて、うちに帰ると幾つか無くなってて……。
皆さんも気をつけましょうね。何をどう気を付けるかわかんねーけど。

「今度から布のバッグで」「キャリーケースにしよう」
そうですねぇ～……。

「アウトドアメーカーのバッグ滅茶苦茶頑丈だよ。」「メーカード忘れしたけど海外製の布リュック、学生時代から10年以上使ってついぞ穴一つ空いてない」
はぁ～！！そんなのがあるんですね。それにすればよかったなあ、今度からそう言うの調べて買います。

4
今は戦利品は一旦本棚に収めてですね。
こうして配信をしております。

「本紹介してくれないの？」
サークルさんに迷惑掛かっちゃうかもなので……。
許可出た奴は後でSNSとかで紹介しようかなと。まだ読めてませんし。
折角買わせていただいたのに無くしてしまった本については、サークルさんに本当に申し訳なく。

「それもしかしたら拾ってるかも。」
……はい？

5
「京王線ですよね？」
ここから先は
慎重に 言葉を選べ

いいですか、どの駅で何時ごろという事は書かないでください。
拾った本のお名前やサークル名もダメですよ。

「わかりました何も言いません。今は鉄道警察さんに預けてます。」
わぁーありがとうー！！明日連絡してみる！！！

いやぁ捧げるグリフィスあれば転生するグリフィスありですねっ！

「どっちも同じ鷹では…？」
そうかもしれん。

6
おお、そんなこんなでお時間です。
いやぁ憂いが一つ取り除かれて晴れ晴れとした気分です。
ファンがいることに感謝。いや、いつも感謝してますけどっ！
こんなに具体的にお世話になることってなかなかありませんよっ！
何とか恩返しができたらいいんですが……。

「じゃあ一割ください」
どうやって……？

……わかった！本の一割は物理的に無理ですから愛をあげましょう！！
ん～～……ちゅっ♥ なんてでへへ。
……ウワーッ！？スパチャ止まらねえ待て待てお前たちじゃないやめろやめないでありがとうございますそれではっ！！！


[余談]話の中で出てきた「海外製の頑丈な布リュック」はAIGLEのものがモデルです
今はお役御免ですが信じられないぐらい長持ちしました
グリフィス
https://db.netkeiba.com/horse/2005102610/

--
眩いものにひれ伏したい

1
正直な話、俺はデジタルの小柄な体が好きだし、
ウマ娘の話をすると調子に乗り過ぎて止まらなくなってしまう所も好きだし、
それを指摘すると真っ赤になって恥じ入るところも好きだし、
競バが強いところも勿論好きだし、
行き過ぎた謙虚が卑屈になってしまう所も好きだ。

……正直に言ってしまおう。デジタルが「好き」という気持ちを発散するのを見るのが、とても好きなんだ。


2
俺はあまり人に好かれるような人生は送っていない。
にもかかわらず、誰にも嫌われたくないと思い続けていた。

嫌われないように努めることこそ好かれることだと勘違いしていたんだ。
ファンの多い人にこそアンチも多いという事実を知っていながら。

でもアイツはオタクだった。俺とは違う。
自分が『存在してはならない穢れ』であることを理解しつつ、『存在してはならない穢れ』であることを全うしようとしていた。


3
ウマ娘ヲタクとは、所謂『ナマモノ』のヲタクだ。
この世に存在することを知られてはいけない。ナマモノ側も認知してはならない。それは直接的に実社会に影響を与えるから。

だがアグネスデジタルはその難題を力技で解決する。

「ウマ娘が好きなウマ娘だっているのだ！」という抗い難い正論と、
「ウマ娘好きのウマ娘が競走バとして活躍しているぞ！」という事実で。

ウマ娘が強く美しいウマ娘に憧れ敬うのは当然のことだ。
ウマ娘に焦がれるウマ娘が競走バとして結果を残して何が悪い。
動機の不純さを非難する声など、それを上回る賞賛で覆してやる！！

4
『愛して何が悪い』と実力で捻じ伏せられる者は、ウマ娘にもヒトにも多くはない。
アグネスデジタルはそれが出来た。しかも自身すら半ば無自覚なままに。

デジタルは過剰なほどに他のウマ娘に惚れ込む。対面するたび赤面する程興奮し、しどろもどろになり昇天する。
だが対面していない所では文字通り血の滲むような鍛錬を繰り返している。
全ては、『ウマ娘』という種族そのものの瑕疵とならないように。

強迫観念で鍛え上げられたアグネスデジタルの脚が生半可な訳はない。
『強い』か『ウマ娘をやめる』かの二択の中で磨き上げられた足は、どこまでも鋭くなり続ける。
彼女はほとんど無意識で、自分の『好き』に命を賭け続けているのだ。

5
『嫌われたくない』『誰にでも好かれていたい』などとヌルく願っていた俺が彼女に惹かれたのは当然の成り行きだろう。
失敗しないことを信条にトレーナーをやっていた俺が、足裏から血をにじませて尚足りないと飢（かつ）え続けるデジタルの姿を見て嫉妬したのは言うまでもない。

コイツの本気に付き合えなければトレーナーじゃない。
アグネスデジタルこそ、競走バにもトレーナーにもなくてはならない『愛』の極北なのだ。
ウマ娘に憧れるが故に自信を高め、ウマ娘に満たないと思うが故に心身を削る。
努力する星の下に生まれたこの幸福で哀れなウマ娘を一刻も早く抱きしめてやらねばならない。
お前は一人じゃない。こんな老いぼれで良ければ傍に居させてくれと。半身を見つけた気にさえなったのだ。

6
デジタルの引退と同時に学園を辞め、結婚を前提にデジタルに交際を申しこんだ。
俺の愛バはアグネスデジタルだけだからな。
と告げると
バーカ。
と言ってはにかんで笑った。
いつまでも生きていける気がした。

これは多分、理解してもらえないことだとは思う。
だが……そうだな。
イカロスでなくとも太陽に焦がれ続けることだけはできるのだ、と。
言うに、留めておこうか。

--
晴れ空に虫鳴き競い秋湿り

1
「風が気持ちいいねぇ～。」

吹き抜ける風にアグネスデジタルが両腕を広げる。
公園に続くアスファルトの道を荷物片手に夫と共に歩いている。

「少し前までは大分蒸してたからな。」
「ねぇ～♪」

ウキウキとしたステップでデジタルが進む。
小柄な彼女のペタペタ地面を踏む大股歩きに、大柄な夫の落ち着いた足取りが並ぶ。
緩急のある風が絶えず毛をそよがせ、涼気と解放感を齎す。

「いい季節ですっ！」

2
公園に入るとデジタルは唐突に駆け出した。

「おいおい。」

あっという間に木々の向こうへと消えてしまった。
ヒトの脚で追いつけるはずもなく、夫は呆れながら歩いてその後を追う。

「わっはっは～！きんもちいぃ～♪」

木々の向こうに見つけた彼女は、芝生の上でゴロゴロと転がっていた。

「汚れるぞ。」
「平気でーす♪」

構わずゴロゴロ。夫はまた呆れた。

3
「ふぅ～っ。堪能しましたっ♪」「はいはい。」

鞄からタオルを取り出し、芝の切れ端だらけの背中を拭いてやる。

「ありがとっ！トイレ行きましょうっ！」

言うが早いか立ち上がり、広場の端に見えるトイレに向かって駆けていく。

「子供かよ……。」

引退してもう数年経つというのに、調子に乗ると手が付けられない所は変わらない。
と、トイレに駆け込んだデジタルはすぐに出てきて夫の元に戻って来た。

「使用中でした。」
「じゃあしょうがねえな。」

4
芝の上にシートを敷き、その上に座る。鞄からはサンドイッチと水筒。

「いただきまーす！」
「いただきます。」

野菜と卵とマヨネーズの、手間のかからないサンドイッチ。
今日の散歩は急に強請られたから、揚げ物などは用意できなかった。
それにこれからの運動を考えると、カツサンドは夫の胃には少々厳しい。

歯ごたえの無い素材ばかりで出来たサンドイッチをペロリと平らげると、デジタルは夫の口元をニコニコしながら見つめている。
早く食べて。食べ終わっちゃって。
わかったわかった。
口の中に無理くり押し込んだのを見届けて、デジタルは夫の手を取ってぐいぐいと引っ張った。

5
「よぉーし、やっるぞぉーーー！！」

デジタルが高々と腕を掲げて叫ぶと、茂みでがさがさと音がした。

「ネコかなっ！？」
「大きそうだな。」

二人が目線を向けた時には既に音は止んでいた。どこかへ行ったか、その場に留まったか。
夫が鞄から道具を取り出す。デジタルも一緒に手を突っ込んでボトルを取り出し、中身を手に取って塗りつけた。

「お肌は大切にしないとねっ！」
「芝生で転がってた奴が今更よく言うぜ。」
「それはそれ、これはこれです。」

6
―― 一時間後、二人はシートの上で大の字になっていた。
汗ばんだ体を並べて息を弾ませている。

「いやぁ～～、一杯動いたから気持ちいい～！」
「そりゃよかった。」
「現役時代を思い出しました！」
「そうか？」
「あの頃は皆してこうやって親睦を深めてたもんです。」
「今は？」
「今もあんまり……変わんないかな？」

気づけば辺りの草むらからは鳴き声が騒がしい。トレセン学園の息がかかっていればこそ、欲求体力有り余るウマ娘達もここで羽を伸ばせるのだ。

7
「じゃあ、帰るか。」
「はいっ！」

タオルで汗を拭うと鞄から取り出した衣服を着て、二人は公園を後にした。

「夜食食うだろ？」
「食べる食べるっ！」
「ご飯は冷凍がまだあるから、野菜炒め丼とかならすぐできるぞ。」
「それそれっ！それがいいのぉ♪」
「何で色っぽく言うんだ。」

二人の帰る道を啼声がいつまでも時雨れて、乾いた空気を濡らしていた。

--
行き止まり

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
すみません今日もノープランなんですよ許してくださいっ！

今日はねえ、ちょっと幸せなことがあって気持ちが高ぶってて皆にも共有したいなって！
そう思って配信を始めましたっ！

「世話してたウマ娘がG1取ったとか？」「そういや今日あのレースだっけ」
あ、ごめんその話題じゃないのそれも凄く大事なんだけど。
その子はアタシ関わってないんだよねえ顔は見たことあるし凄く凄くかっこよくて大好きだけど
凄いよねデビューして最短じゃないっけG1取るの滅茶苦茶かっこいいよね
デジたん後世畏るべしってコトワザが大好きでさ、
後から生まれて来るウマ娘ちゃんはどんな才能を持ってるかわかったもんじゃないって言う。

2
あれ？何の話だったっけ？G1取った子の話だったよね？
でも名前出せないから難しいなどこまで言っていいんだっけ？

「共有したいことあったんでしょ」「何で自分で言いだしたこと忘れるんだ……。」
ああ、そうだったそうでした。
今日セックスした。

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～


3
おかしくない！？！？
正式な婚姻関係を持つこのアグネスデジタルがっ！！！
夫と性交渉をしたと言っただけで

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

……。どうかと思うよそういうの。
そうやって繁殖の実情から遠ざけると――ああ『繁殖』はいいのね？――アタシ達はマジで何をどうしたらいいのかわからないんだから。
まあ今ある規則を今ひっくり返すことができないのは承知していますので。
今日は夫と愛し合いました。これぐらいならいいでしょ？
内容は明かしてないしキスかもしれないしペッティングかもしれないしおちんちんを

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

4
めんどくさいっ！！！！！！！！１
いいじゃないですか愛し方愛され方を素直に話すぐらい！？！？！？！？
お話が全然前に進まないんですけどおおおおおお！？！？！？！？！？！？
その間にチャット欄が凄いことになってるし！！！！

「夫婦生活はちょっと」「あけっぴろげすぎる」「デジたんファンには劇薬すぎる」

ん～～～～まあそうねぇ～～～……。
ファンを持つウマ娘としては軽率だったかもしれませんごめんなさい。
でも前に話をしたときは夫との性生活聞きたいってめっちゃ回答があったんですよ。
勿論赤裸々に話すつもりはありませんが、あったかなかったかぐらいはいいだろ、ぐらいの気持ちでしたっ！！

5
「いいよ」「やめてほしい」「聞きたい」「そんなこと聞くためにチャンネル登録してるわけじゃないんだけど……」
おお賛否両論。
これについてはデジたんがShallow Grave（浅墓）でした。

じゃあこうしましょう。デジたんのチャンネルで今後色っぽい事の話題がアリかナシか、アンケートを取ります！
いつもの投稿フォームからご意見をお願いします。
それを受けて、デジたんの鍵穴に夫の鍵が入った話をするかどうか

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

6
むむむ。なるほど、婉曲な表現かどうかは問題ではなく、このデジたんに性の匂いがするかどうかが問題なのですね？？
デジたん学びを得ましたっ！！
それを踏まえてメールの募集をいたしますので、ご意見ある方はお願いいたしますっ！！
文章書くの難しいなって思う方は「イイ」「イヤ」って一言書くだけでもいいですよ。
文章書き上げるのってハードル高いですもんねデジたんよく知ってますっ！
こういうのは多数決であって、文才の有る無しで決めちゃだめですもんねっ！！
では再来週ぐらいに締め切りしますんでよろしくお願いしますっ！

あれ？今日何の話したかったんだっけ？あ～そうそう、久々にめっちゃ旦那と
（この配信は終了しました）


--
引退バのナレッジ

1
「デジタルちゃん？旦那さんに電話かけてもいい？」

学園内の廊下で女性トレーナーに声を掛けられたアグネスデジタルは怪訝な顔をする。

「いいですけど……何で？」
「デジタルちゃん、女性からの電話って気にするかも、と思って。」
「……ああ～っ！」

言われてやっと懸念に気づく。
トレーナー同士なのだから別に自分は関係ないだろう、と考えていた己を恥じる。
婚姻関係とは単なる家族同士の繋がりではなく、それを公にすることでもあるのだ。

2
「いいですよいいですよっ！
浮気したかったら事前に書面にしろって言ってありますしっ！
それにアイツはアタシと結婚しちゃうようなウマ娘好きですからっ！」
「ありがとう。」

カラカラと笑うデジタルにホッと息をついて、トレーナーはスマホを取り出した。

「……もしもし？はい、相談したいことがありまして……。
実は担当が体調を崩しまして」

そこまで言った時点でデジタルが豹変した。

3
「どういう事ですか！？ウマ娘ちゃんに何かあったんですか！？！？
怪我！？！？！？病気！？！？！？
復帰可能な奴なんですか！？！？！？！？」
「待って待ってデジタルちゃん！大丈夫、大丈夫だからっ！！」

漏れ聞いた声から状況を察したのか、デジタルの夫は『一旦切るから、後でまたかけてくれ』と言ってくれた。

「本当に大丈夫なんですか！？！？」

涙ぐみながらトレーナーの胸倉を掴むデジタル。
その頭をトレーナーはそっと撫でながら説明する。

「大丈夫。足に炎症が出来たんだけど、回復の目途は立ってるから。」

4
「っっはぁ～～～～～……。」

デジタルが脱力してその場に膝をついた。

「よかった。それなら引退とかはなさそうですねっ！」
「ごめんね、初めから何を相談するか言っておけばよかったよね。」
「いえいえいえっ！こちらこそ慌ててしまってごめんなさいっ！！出過ぎた真似をしましたっ！！！」

深々と腰を曲げて頭を下げるデジタル。

「心配してくれてありがとう。」

トレーナーは微笑んでデジタルの頭を撫でた。


5
「折角だから、デジタルちゃんに相談しようかな。」
「……はい？」
「回復するとわかっていても、当の本人はどうしても不安らしくて。
治療している間は当然トレーニングも出来ないし、その間に追い抜かされるんじゃないかって心配なのね。
回復に専念することが一番の早道とわかっていても、気持ちは焦っちゃうみたいで……。」
「なるほど……。」

デジタルも脚の炎症に悩まされた経験がある。
トレーニングする訳にはいかないが、トレーニングしなければ競走バとしてやっていけなくなるかもしれない。
そのジレンマはよくわかる。

「……傍にいてあげるのがいいのかなって。」
「傍に？」

6
「受け売りなんですけどねっ？」

照れた笑いを見せながら話す。

「怪我とか病気とかは肉体の非常事態である。そして心も肉体の一部であるから、非常事態向けの対応が必要なんだ、って」
「それって、旦那さんの？」
「そです。」

にっこり笑って頷く。

「それに気づくまではウマ娘ちゃんと喧嘩したり怒鳴りつけたり酷い事をしたって言ってましたっ！」
「そんなことを……。」
「完全に安心させてやることは無理だけど、何かあったら自分が必ずフォローするぞって見せてやれば、少しは役に立てる、って。」

7
『少しは役に立てる』

その心許ない表現に、様々な思いがよぎる。
トレーナーはウマ娘をコントロールするものだと思っていた。けれどこの言い方からはそう言ったニュアンスは感じられない。

ウマ娘は自ら成長し、挫折し、回復するのであって、トレーナーはそれをコントロールなどできない。
ただ傍にいて、ウマ娘達の人生が少しでもマシになるようサポートすることしかできないのだ。
そんな思いが透けて見えた。

「ありがとう。そうしてみる。」
「はいっ！早く良くなるといいですねっ！！」
「うん。」

先達はあらまほしきことなり。
彼女は担当ウマ娘ののいる寮の部屋へと速足で歩いて行った。

8
「……尊い。」

デジタルはと言えば、その後姿をスマホで撮りながら悦に入っていたのであった。

--
恋愛経験とは

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
今日はリスナーさんからいただいたメールから始めさせていただきますっ！
ペンネーム「飛鳥の浪漫」さんから。
「デジたんの旦那さんはバツイチと聞きましたが前の奥さんがどんな方だったか教えてもらえますか？」
人のダンナに勝手に離婚歴を付けないでください！

初婚！初婚です！！確かに年の差ありますけども！

でもね、このメール読んで少し思い出したことがあるのでその話をします。

2
学園にいた頃、『自分の担当トレーナーに恋愛歴はあるのか』という話題が持ち上がったことがあります。
当時の自分はトレーナーの恋愛経験に興味ありませんでしたし、
デジたん自身もヲタクとして一生独身で過ごすのかな、ぐらいには自分の色事に疎かったので、話題には入れなかったんですけど。

でもそうやってやきもきしているウマ娘ちゃん達のお姿はとてもいいものでしたぁ～♪
自分は気にしないってツンとしている子もいれば、どうしようもないことだけど許せないっ！はっきり言っちゃう子もいたり。
中にはそれがきっかけでトレーナーといい仲になっちゃうウマ娘ちゃんもいたりしてねっ！
デジたんとてもとても捗ったものですっ！

……で。
メールを読んでそうしたことを思い出して。
じゃあ、ウチの夫はどうなのかしら、と。

3
ねえねえ恋人とかいたことあんの？って訊いたら、
そりゃ俺はモテなかったけどそんな言い方はねえだろって叱られました。
はい。親しさに甘え過ぎました。反省。
改めて、デジたんと付き合う前に誰かと交際経験はあったのか？と聞き直しました。

すると、学生時代に一度、と。長続きはしなかったそうですけど。
トレーナー時代は？と聞くと、ない、と。
でも担当バとイイ仲になるトレーナーって結構いるよね？というと、
俺はウマ娘に嫌われるタイプのトレーナーだったからな、って。

へぇーって。聞いてみるもんです。

4
トレーナー同士で付き合ったりもしなかったの？って訊いたらそんな暇なかったって。
デジたんと付き合い始めたのもデジたんが引退して本人もトレーナーやめてからでしたし、そこらへんあんまり器用に出来ない人なのかしら、とは思いました。

しかしね？デジたんちょっと思い出したことがあるんですよ。
休み明けのトレーニングで顔合わせると、シャンプーの匂いとか香水の匂いがほのかにしたんですよね。
当時はまあそんなもんかくらいに思ってましたが、あれってもしかして……と。

本人はそうだったっけ？ってとぼけるんですけど。
今結婚してるんだし当時誰かと付き合ってたって気にしないよ？って追求しても、いや、ほんとに誰とも付き合ってない、の一点張り。

デリケートなことですしこれ以上突っ込むのはやめようかな、って考えたところで、ふっとアイディアが頭をよぎったのです。
女性と過ごした形跡はあるのに付き合ってはいない……。

「……風俗？」
言い当てちゃったんですねー。

5
デジたん言っちゃうんですよ、思いついたことを。で夫も嘘が吐けないからそのままダンマリですよ。
アッハハハハハ！そりゃ担当に嫌われるわ！

ちなみにですね、デジたん以前に夫が担当していた先輩ウマ娘さんたちに聞いてみたところ、
かなり厳しく指導はされたしゾクフー行ってるのも気づいてたけど特に嫌いではなかった、とのこと。一応夫の名誉のためにねっ！

「ゾクフー行ってるのバラされた後に残る名誉とは」
うん。

「うんじゃないが。」「今も風俗通いしてんの？」
してたら流石のデジたんもここで話題にはしませんねっ！
今はもうそんな体力無いんですって。

6
体力あったら行ってるのかよ！つったら
お前が全部持ってくんだよ……ですって。
これからも浮気出来ないようにしっかり体力を奪っていくつもりですっ！

「ノロけやがったこいつ！」「お盛んなことで」「腰に気を付けてね」
はいっ！ありがとうございますっ！！

ではそろそろお時間ですっ！
樫本センセーのチャンネルではそろそろリングフィットアドベンチャー実況第二回が始まるそうですよっ！！
またへとへとに疲れ果てて汗まみれで荒い息を吐く姿を見せて欲しいですねっ！！
それではバイデジ～♪


--
神と贖罪

1
「おい風俗通い。」
「……悪かったって。」

胡坐をかいた俺の脚を座椅子代わりに座り、首を上に曲げて俺の顔を覗き込むデジタル。
当人の現役時代に俺が風俗の世話になっていたことを知られてからというもの、我が妻アグネスデジタルに対して肩身の狭い元トレーナーの俺である。

「聞きたいことがあるんだけど、いい？」
「……何なりと。」

休日の昼下がり、学園スタッフであるデジタルが撮影した生徒たちの練習風景のビデオを見ていた。
デジタルにとって至福の筈のこんな時にわざわざ声をかけて来るのだから、呼び方程には縁起の悪い話題ではないはず、と思う。
いや、祈る。

2
「デジたんの前にも担当してたウマ娘ちゃんいたじゃん？」
「ああ。」
「その子らには厳しく当たってたって本当？」

想定していたのとは別の急所を貫かれた。

「……。」
「どうなの？」
「厳しくしてたな。」
「どうして？」

どうしてと来たか。

3
「……。」
「……話しにくい？」
「いや、話しておかなくちゃな。」

デジタルの体を抱え上げて横のソファに据える。俺自身も背もたれ代わりにしていたソファに座る。
雰囲気を感じ取ったのかデジタルも居住まいを正しリモコンでビデオを止めてこちらを見た。

「お前以前のウマ娘には確かに厳しくしていた。」
「どうして？」
「どうして、というよりは、トレーナーはそういうもんだと思ってたんだよ。
ウマ娘の適性を見出して、そこを鍛えて。
勝てるレースに送り出す。
それが仕事だと思っていた。」
「うん。」

4
「想定したタイムが出なければ怒鳴りもしたし、追い込むトレーニングもした。
勿論体を壊さない程度にな。
俺はお前のポテンシャルを信じてるんだからお前もポテンシャルを発揮してくれよと。
幸い、俺の担当達はそれを理解してくれたのか、強く反発はされなかった。」
「うん。」
「実際にそれである程度実績も出てたしな。間違ってないと思っていたんだ。
でもお前に出会って変わったんだ。」

デジタルが目を丸くした。

「……アタシ？」
「そう、お前。」

デジタルの青い瞳を見つめ返す。

5
「お前のモチベーションはほかのウマ娘とは全然違った。
ウマ娘が好きだから走る。そんな奴は俺は今まで出会った事がない。
一目見て、こいつは絶対に強くなるぞと思った。」

初めて見たときの彼女は、おどおどとウマ娘に話しかけては赤面し興奮し、昇天していた。
その足には包帯が巻かれ、筋肉痛を抑えるための湿布が何枚も貼られていた。

ウマ娘を神格化しながら、そのウマ娘と並ぶために故障も顧みない過酷な鍛錬を己に課す。
走り競う事を本能とするはずのウマ娘としては異色の精神構造を持ちつつも、走り競う本能に忠実でもある、異形の存在。

ジレンマを抱える心には結末が二つある。諦めるか、どこまでも進み続けるか。
まるで並行する二本の直線のようだ。
決して交わらないと結論付けるか、無限の彼方では交わる奇跡があると信じるか。

6
「正直、俺が見たときからお前はほぼ完成されてた。
後は適切なトレーニングさえ……いや、適切な休みさえ与えれば強くなれると。」
「そうだったんだ……。」

はぁ～、とデジタルがため息を吐いた。

「でもぉ、」

そして会話を再開する。

「それにしたってデジたんにはかなり甘かった気がする。」
「ああ、それはな。」

ここから話すことは俺の恥だ。だが、相手は妻なのだからこのぐらいは背負ってもらってもいいだろう。

7
「トレーナーはウマ娘のモチベーションをコントロールできると思い込んでいたからだ。」
「え、どういうこと？」
「つまりだな、お前の前に担当したウマ娘たちは、確かにポテンシャルがあったがそれを生かせなかった。
俺をそれはメンタルの問題だと思って、
そしてメンタルの問題なら俺が道筋を示せば迷わず進めるようになるだろう、って思ってたんだ。」

思っていた。愚かにも。

「だがお前を見てわかったんだよ。メンタルもまたポテンシャルの一部だってことを。
ポテンシャルはトレーナーにはコントロールできない。
それを俺はコントロールしようとして、怒鳴った。ああしろこうしろと言った。メンタルトレーニングを押し付けた。
だがお前は、俺が今まで全く知らなかったモチベーションを持っていた。これは俺が口でどうこう言って何とかなるもんじゃない。
それで気づいたんだ。今まで俺が担当したウマ娘にも同じように、他人に制御されるべきじゃない心理領域があるんだと。」

8
「正直謝りたいが、謝罪してどうこうなるもんじゃない。彼女らの競走バとしての未来を潰したのは俺だし……おい？」

俺が苦しい告白をしている最中にデジタルはスマホを弄っている。

「聞いてんのか？」
「勿論。だから電話かけました。」
「電話？」
「前ご担当されていたウマ娘ちゃんにっ！」
「お前っ！？」
「もしもし？アグネスデジタルですっ！」

そういってデジタルは俺に電話を渡した。

「さあ。」

9
「……もしもし。久しぶり。」
『あ、お久しぶりですトレーナー！』

快活な、聞き覚えのある懐かしい声。
俺の心を抉る、残酷なほどに快活な声。俺が彼女の将来を潰した。俺の罪、俺の過去。取り返しのつかない俺の……

いや違う。そう思う事こそ烏滸がましい。
ウマ娘は自分で育つのだ。自分で育ち、自分で挫折し、自分で立ち直る。俺達トレーナーはそのそばで、ほんの少し手助けができるだけだ。
代わりに走ることも代わりに悩むことも、代わりに諦めることすらも出来ない俺たちができることは、本当に少しだけ。

「……久しぶりだな。」

それでも謝りたい気持ちがある。そんな俺についてきてくれたという感謝の気持ちがある。
伝えずにいられない。

10
ふと妻の顔を見る。
してやったり、存分に会話なさいと女王のような笑みを浮かべていた。
……Yes Your Majesty. トレーナーという生き物はどこまで言っても、ウマ娘の奴隷だ。
望んで奴隷になった者として相応しい振る舞いをしなくては。

「今更で本当に悪い。謝りたいことがある。」

重い筈の罪人の心は、何故か雲一つなく晴れ晴れとしていた。

--
ウマ娘童貞

1
「おい風俗通い。」
「何だよ……。」

当人の現役時代に俺が風俗の世話になっていたことを知られてからというもの、我が妻アグネスデジタルに対して未だ肩身の狭い元トレーナーの俺である。

「デジたんの前にも担当してたウマ娘ちゃんいたじゃん？」
「ああ。」
「その子らとはセックスしてないの？」
「してない。」

してないというか、そこまでの距離に至れていないし意識もしていないというか。

「即答か。なら許してあげよう。」

……俺は一生妻に勝てない気がする。

2
「おい風俗通い。」
「何だよ……。」

アタシの現役時代に夫が風俗の世話になっていたことを知ってからというもの、元トレーナーに対してマウントを取れるアグネスデジタルです。

「デジたんの前にも担当してたウマ娘ちゃんいたじゃん？」
「ああ。」
「その子らとはセックスしてないの？」
「してない。」
「即答か。なら許してあげよう。」

つまりウマ娘とセックスしたのはアタシとが初めて……そしてそれが最後でもあるっ！

3
「んふふっ！」
「何だよ、笑うなよ。」
「嬉しいんだもんっ♪」

デジタルは体ごと振り向くと、胡坐をかいた夫にがばっと縋り付いた。

--
alcohol alcohol わたしはげんき

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルれぇ～っす♪

「ベロベロじゃねえか」「どうなってるの？？」
はい～今日のお酒はでしゅねぇ、ワインですぅ。
ダークホースっていうブランドのビッグ レッド ブレンドって奴ですぅ。
https://www.suntory.co.jp/wine/special/darkhorse/

「おいしそう」「いや酒の種類じゃなくて」
ああ、そうですねぇ何でいきなり酔っぱらってんのかって話ですよねぇえへへへぇ。

今日はねえ、お散歩に行ってきたんですよお。
ほら暑さも収まって今日はいい天気でしたしっ。
荷物を持って夫と一緒にピクニックしたんです。

2
えへへ、何だか子供に戻ったみたいですよねピクニックって。
でも当時の自分はあんまり外でご飯食べてのんびりするって楽しいと思わなかったんですよね。
遊んだり走ったりする方がずっと楽しいじゃんって思ってて。

今になってやっとわかる感じです。
二人してご飯食べてお茶飲んで。風吹いてるねぇ～ってどうでもいいことを話すのが幸せなんですよ。
やっぱりデジたんも歳取っちゃったんですかねぇ。
（ぐびぐび）
っぷは。でも新しい幸せが見つけられるならさあ、歳取るのも悪い事ばかりじゃないよねえって。

でもデジたんもまだ若いのでっ！芝生の上でゴロゴロしちゃいましたっ！
夫も呆れちゃいましたよね。でも気持ちいいんですよチクチクして。
背中に芝の切れっぱしが付いたり湿気で濡れちゃったりしたから夫にタオルで拭いてもらって。

3
うっふふごめん今日はもうずっと惚気るかもしれない、げっふ♪

「げっぷ助かる」「げっぷ助かる」「汚い」
ごめんねぇ。（もぐもぐ）

「何食べてるの」
ん？視聴者さんからもらったカチョカヴァッロってチーズですぅ。
スモークしてある奴。アッフミカート？って言うんだってぇ。

何だっけそうそう芝生ゴロゴロしたんだぁ。
背中拭いてもらってすっきりしてさ。そしたら二人で遊びの時間です。

4
周りじゃもう虫なんかも鳴いててさ？
ああそんな季節かしらって思いながら鞄から棒とボール取り出してぇ。
えいっ！て。やあっ！て。それーっ！！て。
二人して若い頃みたいに思いっきり遊びましたぁ～♪
気持ちよかったぁ～。
シートの上にゴロンって寝そべってると同じ公園で遊んでるウマ娘ちゃん達の声が聞こえてくるのね。
皆ご家族連れだからご挨拶はしませんでしたけどぉ、デジたん勿論ホクホクでしたよぉ～。
ご家族で仲良くしているウマ娘ちゃん達……。レースの場では見られないお姿やお言葉の数々。
疲れた身がいきり立つような凄まじいエネルギィでしたぁ。

5
そんでお片付けして帰ってですねぇ。
まだ体が火照っているのでダウナー系のドラッグとして有名なお酒をこうして飲んでいるわけですぅ～♪

「余計火照るのでは？？？」「お酒ってダウナー系だったんだ。」
えへへぇ、そう火照っちゃってるのぉ。
だからなんかねえ皆にも幸せお裾分けしなくちゃって配信始めちゃった。
幸せになれたかなぁ？

「胸焼けしてる」「甘い」「棒とボール……来るぞ遊馬！」
リア充ですまんな！あはははは。
いやホント、デジたんみたいなヲタクがさあ、こんな人並みな幸せを得られるなんて学生時代は考えたこともなかったんですよぉ。
だってさあデジたんウマ娘ちゃんにさえドン引きされるぐらいのウマ娘ちゃんヲタクだったんだよ？
一生独身でもしょうがないやウマ娘ちゃんさえいれば幸せだしって思ってたの。

6
でもデジたん視野が狭かったっ！
どこでどんな人と出会うか本当にわかったもんじゃありませんっ！
（ぐびぐび）うぇーい。
偶然か必然か運命か知らないけど、今日はねえ、自慢したくなっちゃったっ！
ホントはさぁ、ヲタク代表としてもっとこう、ダメでポンコツなところを求められてるって知ってるのぉ。
「デジたんはしょうがねえなあ」ってある意味で見下されてるデジたんをさあ、求めてるんでしょ？
いいのいいのデジたんは見下すことも立派な娯楽だって知ってるしっ！
お笑いだって配信だって、「ほんとに此奴しょうがねえな」って気持ちがどうしてもあるモンじゃん！デジたんだってそうだよっ！
だからね、人を見下す気持ちってそれ自体を否定しちゃうといろんなものが成り立たなくなるというか、
凄く大事な感情だと思うのね？大事にしちゃいけないけどなくてはならないというか。
あれ？そんな真面目な話するつもりじゃなかったごめんなさい忘れて忘れてっ！デジたんげっぷするからっ！
……んんっっふっ！

7
「げっぷ助かる」「げっぷ助かる」「汚い」
アハハハハッ！そうそうっ！そうでなくちゃねっ！
ああもう配信時間オーバーしてるっ！

えーとああもう配信始まっちゃってますねっ！
ツインターボチャンネルで「今度こそクリアするもんっ！マインドシーカーリベンジッ！」配信中ですっ！
前回は6時間でギブアップされてましたが今回は果たして見事優勝できるのかっ！
楽しみですねっ！それでは、バイデ、うっ！？ぷっ！うぇ（バタバタバタバタ）
……

（バタバタバタ）はぁはぁ、ゴメンゴメン、それでは改めて、バイデジィ～♪

--
まだダークホース呑んでる

1
「メンタルもまた潜在能力（ポテンシャル）だ」

このアグネスデジタルの夫にして元トレーナーの言葉だ。
だがそれでは納得できない気持ちがある。
心も、体も、『持って生まれたもの（ポテンシャル）』ならば、アタシ達に出来る努力とは何なんだ。

鍛錬で伸びる能力が確かにある。
けれどもっと大きな視点で見れば、鍛錬したいと願う気持ちや鍛錬に耐えうるメンタル、どの程度のトレーニングで音を上げるさえも初めから与えられたものってことになっちゃう。

そんなの、受け入れられない。

2
だって、ウマ娘ちゃん達の輝きは生まれた時に決まってなんかいないはずだから。
寧ろ、生まれに反逆することにこそ輝きを増すものでもある。
過去なんか置き去りに。
今よりももっと。
未来を手に入れるために。
そんな努力が、ウマ娘ちゃん達の輝きだ。
それが単なる必然だなんて、そんなのそんなの……。
味気なさすぎるじゃないですかっ！！！

3
絶対の神に抗うことは不可能である。
そういう宗教があることは知っています。

神の啓示を知り己の行いを顧みることで、マシな未来を得ることができる。
そういう宗教があることも知っています。

ではどっちを信じるのか？
絶対の神とおぼろげな神と。
そして信じた末にどうするのか。

ああ、神様。我々の在りようを決めた挙句に信じ方すらお示しになられないのか。

4
つまりなぜ主婦ってムチムチに描かれるのだろうって事ですよ皆さんっ！！
デジたんは薄い本の上でしかデカパイデカケツでいられないしそれすらも少数派っ！！

それを求められてるからじゃないか？
夫はそういいます。まるで需要にこたえることこそ正義であるようにっ！！

じゃあデジたんがデカパイデカ尻腰回りキュキュッのナイスバディになっちゃいけないっていうんですかっ！！！
憧れる事すら許されないというんですかっ！！！！！
これが有名税と言う奴なのですかっ！？！？！？！？！？！？！？！？

5
「もうこうなったら整形外科に行くしかねえっ！」

TAKASUに電話を掛けたその手を夫が止めました。
俺は今のお前が好きなんだ。
キュンとなりました。
しかしアタシは今のアタシがアナタほど好きじゃないんですよぉっ！！！
ああ、何と言う悲劇。
目指す先が違うという事がこれほどの断絶を生むとはっ！
しかしデジたんもダイワスカーレットちゃん（の原案を描いたMEL氏が描く）みたいなダイナバイトボディに憧れてはいるのですっ！！
涙ながらにそう告げると夫も項垂れて黙りました。ごめんなさいごめんなさい。
我儘を言っているのはわかっていますしかししかしっ！
今ここにいない自分を夢見るのは、誰だってそうじゃないですかぁっ！！！

6
そんな訳でskebに「原型残らないくらいモリモリのアグネスデジタルを描いてくださいっ！！！！！」
って頼んだのですが今のところ一件も受理されなくて助けて欲しいんですけど。
……げっふ。

「げっぷ助かる」「げっぷ助かる」「汚い」
うぃーっ。ごめんねえ。

「しつこく頼め」「何でも巨乳巨尻にする絵師知ってる」
うん、実はデジたんも知ってるんだけどその手の絵師さんの絵柄がちょっと合わないかなーって。
デジたんを忠実に描いてくれる人に無理して巨乳にして欲しい

「厄介すぎるｗｗｗｗ」「面倒ｗｗｗｗｗ」
えへへ♪（媚び声）そんな訳で #デジアート ではエロ絵もOK！ ムチムチモリモリデジたん像をお待ちしておりまーす♪
それではバイデジ～♪


--
ウマ娘のことが大好きですっ

1
「ちょっとここ見てっ。」
「ん？」

寝間着姿のアグネスデジタルが、俺を呼んだ。
現役を引退した我が妻はコーチングスタッフとして学園に勤めている。
その際に記録したビデオをチェックしている最中の事であった。

「これは……。」
「やっぱりそうだよねえ。」

早戻ししたビデオを二人で見る。
そこにはターフを走る練習中の新バの姿。そのフォームには乱れが見えた。

2
「筋肉痛かな？」
「いや。」

動画に映るウマ娘は、右足を地面に付くのを嫌がっているように見えた。

「だとしたらこんなに横にヨレない。連絡先分かるか？」
「トレーナーの？本人の？」
「どっちでもいい。兎に角、明日医者に診てもらうよう手配させろ。」
「わかったっ。」

パタパタとデジタルが携帯電話を取りに行った。
その間に俺はビデオを戻して見直す。
フォームの乱れはどこからあったのか、痛みはどれほどなのか。

3
「トレーナーさんに連絡してきましたっ！」
「おう、ありがと。」
「トレーナーさんの方でも気づいてたって。明日本人に訊くつもりだったって言ってた。」
「流石だな。」

画面から目を離さないまま応えた。

「大きなお世話だったかな？」
「まさか。俺が同じ立場でも礼を言うよ。」
「だよね。あっちのトレーナーさんも『おかげで確信が持ててよかった』って言ってくれた。」

担当バの不調には早く気付くほどいい。『自分の方が先に気づくべきだったのに』という悔恨はあれど、『自分以外は気づくべきじゃない』なんて言い出したらそれは狂気の始まりだ。

4
「……大丈夫そう？」
「多分な。」

画面を見つめる俺に心配そうなデジタルの声がかかる。

「スタート時点では痛みはなさそうだったし、一応ゴールまで走り切ってるからそこまで深刻ではないと思う。
とは言え、医者の診断次第だけどな。」
「……それなら、ひとまずよかったぁ。」

はぁ、と息をついてデジタルが膝をついた。

「それにしても、一目で良く気付いたね。」
「そりゃここが怪しいってピックアップされたらな。」

5
「でもアタシは何度も見返してやっと気づいたのに……。」
「落ち込んでんのか？」
「少し。」
「生意気なんだよっ！」

髪と耳をぐしゃぐしゃと撫でる。

「もーっ！」
「そう簡単にプロ並みの目利きが出来てたまるか。」

デジタルがぶーっとむくれた。
とは言え、彼女のそれは既にプロに近い水準にはある。俺でもこのビデオをスタートからゴールまで通して見るだけでは見逃していたかもしれない。
一度で見抜ける眼力より、何度も見返して観察する。そっちの方がよほど大事だ。
そしてそれは、俺が言うまでもなく実践してくれている。
正トレーナーになったら一体どれほど活躍することか。

6
翌日。

「ただいまぁ～。」
「おう、お帰り。」

帰宅した妻を出迎える。その顔は見るからに気落ちしていた。

「一週間休みだってぇ……。」
「ああ、昨日のあの子か。」

とりあえず、飯にしよう。俺は妻をダイニングに招いた。

7
「一週間か……ごく軽い症状でよかった、って言うべきところだな。」
「だね……。足底腱膜炎だって。」
「そうか。」

足底腱膜炎。足指と踵を結ぶ足底腱膜と言う腱の炎症だ。練習のし過ぎで発症する典型的な炎症の一つである。
お好み焼きを切り分けてデジタルの皿に載せる。ホットプレートの空いたスペースに油を引いて、豚バラとエビとキャベツの鉄板焼きを始める。

「……見舞いには行くなよ。」
「なんでっ！？」

ガガッと音がしてデジタルの座っていた椅子が倒れた。俺の顔を立ち上がったデジタルが見下ろす。

「今のお前は、トレセン学園のスタッフだからだ。」

8
「一番身近にいるべきなのは、専属トレーナー。それと、家族と友人だ。今回は譲れ。」

デジタルの青い瞳を見返す。

「……わかった。」

10秒ほど見つめ合った後、彼女は椅子に戻った。

「アタシ早くトレーナーになりたい。」
「ああ、早く合格してくれ。」
「うん。」

9
デジタルのお好み焼きの上に肉エビキャベツ炒めを載せてやる。俺だってお前とウマ娘談議がしたいんだ。一緒に悩んで、一緒に笑って。一緒に歩みたい。
焦らなくてもいいけど……まあ俺がトレーナー復帰できるぐらいの歳の内にな。

「あっ、でもトレセン学園スタッフとして病人を見舞うのは当然なのではっ！？」
「お前はウマ娘の顔見たいだけだろ！」
「失礼なっ！純然たる憂慮、心配、懸念が故ですっ！！」
「猶更専属トレーナーより先んじちゃダメ。」
「はいっ！」

デジタルは苦い顔で頷いた。
気落ちしているであろうウマ娘に、専属トレーナーよりもアグネスデジタル先輩の方が心配してくれるなんて印象を与えてしまったら最悪だ。
そしてそれをデジタルも即座に吞み込んでくれた。お前は俺よりもずっと偉大なトレーナーになるよ。
だから、だからさあ。早くトレーナー試験、合格してくれねえかなぁ……。

--
やっぱり心配です

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
ねえねえ聞いてくださいよぉ～っ！
凄く言いにくいことがあったのぉ～っ！！

「それ本当に俺ら聞いていい奴？」「どういう導入だよ」
あのねえ、知り合いが怪我をしちゃったんですよぉ～。
ちょっとそれ以上は言えないんだけど。

「ついに殺ったかデジたん」「自首しな」
なんでだよっ！？
ついにってどういうことですかっ！
デジたんの事を何だと思ってるのっ？！

2
言いにくいってそういう意味じゃないんですよっ！
そうじゃなくてっ。

所謂一般の方なんで、どこの誰がどういう怪我をしたかは言いにくいって事ですっ。
プライバシーとかありますしっ！
いや、一般……一般かなあ。

「一般かどうかも怪しい人って何？」
ユーメージンでは無いって事です。
ほら、ユーメージンのお怪我だったらある程度公式で公表されるでしょ？そしたらその範囲でデジたんも喋れるんですけど。
だからかなり伏せた状態でお話することになるんですごめんなさい。
それでも話を聞いて欲しかったのよぉ。

3
「配信やってる場合か！」「友達は大切にしよう」
ああ～お怪我自体はごく軽い物なんですっ、ごめんなさい心配させちゃいましたね。
デジたんが薄情みたいな言い方はちょっと、『言い方っ！』ってなりますよっ！

一週間ぐらいで完治するらしいので。
ただその間やっぱり生活に支障は出るので、心配だなって。

「一週間で完治する軽傷で、生活に支障が出る？」
「デジたんがそこまで狼狽する事情があるの？」
おおッと探るな探るんじゃない。

「ウマ娘ちゃん？」
んぁあああ～～～～～っ！！！！

4
そうですよその通りですよっ！まったくデジたんのファンは察しがいいったらっ！！
ぶっちゃけデジたんも情報伏せながら話を展開するのに無理を感じてましたっ！！！

あのねえ、デジたんがトレセン学園で働いてるって話はしたと思うんだけど。
そこで新バちゃんがちょっと練習しすぎ系の怪我をしまして。怪我と言うか、傷めたというか。
さっき言った通り極軽傷なんですけど……脚ですよ。脚。ウマ娘ちゃんが傷めると言えば脚です。

で、『練習しすぎ系の怪我』って言ったじゃないですか。
走ったせいでできた傷って走ってたら絶対治らないんですよ当たり前だけど。
つまり完治するまで走るのは禁止、歩くのも最低限で、という事になります。

自分も同じ経験があるからわかるんですけど、ウマ娘ちゃんにとっては走れないのって超ストレスでして。
しかも周りの同級生たちが走って練習している間に自分は、ってなると、やっぱり不安になるだろうなって。

5
「練習メニューが行き過ぎてたとか？」「トレーナーさんはケアしてるの？」
トレーナーさんに非がある事ではない、です。少なくともデジたんはそう思います。
ケアも勿論してる。

……こういう話になるから伏せたかったんだよね。
そんな話題話したデジたんが悪いんですけど。
……ん～～～。練習とかで脚傷めるのって割と当たり前にあるんですよ。
あって良い事ではないんだけど、防ぐのはかなり難しいの。

トレーニングって肉体の限界に向き合う作業だから、ほんの少しのことで、それこそちょっとテンション上がったとか、バ場が少し崩れてたとか。
それだけのことで簡単に限界超えちゃうんです。
デジたんも関節炎をやらかして4か月くらいお休みしたことありますし。

6
「ああ、京都走った後の」「あれ何が原因だったの？」
そうそうっ！京都走ってダイちゃんに逆襲された後の奴。原因はわかんない。
疲労の蓄積だとは言われたけど、いつから疲れがたまってたかとかの追跡は無理でした。

だからさー、今回は軽く済んでよかったなあとは思いつつもさぁ。
どうにもならないけどどうにかならないかなーって。
思いながら配信始めたんですよ。

「元気出して。」「見舞いに行ってあげたら？」
ありがとありがと。
見舞いは行きたいですっ！ですが、そういうケアはまずはトレーナーさんのお仕事なのでっ！
行きたいけどっ！滅茶苦茶見舞いたいけどっ！！我慢してますっ！！

7
おっスパチャありがとうございますっ！！

「旦那とセックスしたら気分も晴れるよ」
バカバカっ！！
スパチャで何を言ってるんですかキミはっ！！しかも赤スパ！！！
お前スパチャでセクハラって！！デジたんだから許すんだぞっ！？他の子の配信だったら発言消されてますよっ！！

「デジたん普段からさんざっぱらセックスセックス言ってるじゃん……」「こっちこそデジたんのセクハラをどんな気持ちで聞かされてると思ってんだ」
ウゲェーッ！！因果が応報してしまったぁーっ！！
じゃあ仕方ない許します。

そんな訳でお時間です。見ていただいてありがとうございましたっ！
この後は安心沢先生のチャンネルで「瀉血は全てを癒す！刺々美のブラッドストリーム 第13回」が配信されます。
訴えられないといいですねっ！！ それではバイデジ～♪

[余談]ダイちゃんとはダイタクリーヴァの事です。
彼女（？）に負けた後原作では球節炎を発症して休養したそうで、そのエピソードを使いました。


--
世紀の一戦のある世界線の一線（※没ネタです）

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
今回はねぇ、アキテンの話をしようと思いますっ！
テイエムオペラオーさんとメイショウドトウさんと戦った時のエピソードについてめちゃめちゃ質問貰ってるので、ここで話しちまおうかなぁ～と。

二人が素晴らしいウマ娘であることにデジたんも異論はありませんっ！
けれども。けれどもあの秋のレースだけは。
アタシの外してはいけないネジが、外れる音がしたんです。

2
ゲートイン。
オペラオーさんはドトウさんを見ていました。
ドトウもオペラオーさんを見ていました。
お互いにお互いを意識し、何度も繰り返した一着二着の記憶を噛み締めていたんだとわかりました。

当時のお二人は、出走すればその時点で一着二着が確定するとまで言われた怪物です。
特にオペラオーさんは3000m以上の距離でも結果を残しており、当代のウマ娘最強と言っていい実績がありました。

彼女が唯一の懸念であるメイショウドトウを気にしていたのは当然ですし、
メイショウドトウもそんなオペラオーに視線を向けていたのは当然です。
そしてそれ以外のウマ娘ちゃんが、二人を見つめて闘志を燃やしていたのも当然の事です。
その当然の事実に、アタシの何かがプツリと切れたんですね。

3
違うだろうと。
ウマ娘ちゃんは誰もが等しく尊いはずだろうと。
ゲートに入れば誰もが同列、ウマ娘としての本能を競う、だからこそウマ娘は美しい。
優勝劣敗はその結果であって、目的じゃないんだと。

……いや、そうした言葉では説明しきれません。
あの風景の何がアタシの理性を飛ばしたのか、今でも説明が出来ません。
ただ……あそこに、美しくない何かがあったのだと。
アタシは感じたらしいのです。

4
レース中は自分でも意外なほど冷静でした。
ペースの遅いレースに焦（じ）れることなく、落ち着いて脚をためていました。
『観客席に向かって走れ』
その指示を反芻しながら。
最終コーナーを回ると自分の前には誰もいない。
ゴールへ、そしてその先へ延びるターフが続いていた。
あの先へ、走っていいんだって気になりました。

ダートダービーの頃とは違う。雨の中でも地平線まで走れる気持ちがあった。
地面を蹴る。前へ前へ。速く速く。楽しく走ろう。

5
気が付いたら、一着でした。

……今にして思うと、デジたんぶちキレてたんだと思うんですよ。
デジたんはウマ娘ちゃん大好きだから、ウマ娘ちゃんに対して怒る、っていう感情が理解できなかったんだと思う。
うん。オペラオーさんもドトウさんも、ほかのウマ娘を無視してたわけではないと思うの。
当時でも滅茶苦茶マークされてたし。ぶっちぎりで勝ち続けたって訳でもないし。
……でもデジたんの中では、それでは納得できなかったっぽいんですよね。
あのお二方の、ほかのウマ娘に対しての見くびりを、敏感に感じ取ったんだと思います。

実績を考えればデジたん含め他のウマ娘を軽んじるのはしょうがないと思います。
でもデジたんのウマソウルはそれを我慢できなかった。
大好きで最強の二人が、寄りにもよって油断だと？って。
あはははっ、慢心は強者の特権のはずなのに。デジたんの持って生まれた脳回路はそれを理解しなかったのです。

6
いやそれでも説明しきった気分になれないなあ……。
あの時のデジたんはオペラオーさんとドトウさんの在り方を尊く思いつつも、「違うだろっ！！！」って言わずにいられなかったっぽいんですよ。
すみません、これについてはもうちょっとまとまったら改めてお話します。
あのレースでのデジたんは、「絶対に一着を取ってこの二人をきゃん言わせたるっ！」って気持ちだったのは確かです。
何でそんな気合が入ったのかははっきりと説明できません。
ああーそういやトレーナーに言われましたね、「そろそろショーを終わらせてやれ」って。
ショーストッパーってのは本来、拍手が収まらなくてショーが止まってしまうほどの名演技をする名優、と言う意味です。
本当ならオペラオーさんの二つ名にこそ相応しい。
でもデジたんはオペドトウのダンスショウを止めて見せた。
オペラオーさんを倒した以上、ショウストッパーの異名は……。


--
誰が呼んだか変態勇者

1
あって欲しいと願うものがそこに無かった時。
いや、完全な筈の現実に対して「もっとこうだったら」と身の程弁えない欲を持ってしまった時。
神が我らに与えたもうはただ一つ。

「自分で描け」。

神ならぬ我が身故完璧を作り出すことは能わねど、
神ならぬ我らが身故不完全なものでも熱狂できる。
完璧には決して至れぬからこそ、無限の研鑽が出来、無尽の不完全を突き付け合い、好きだ嫌いだと言いあえる。
完璧なる一を得られない代わりに、不完全な媚薬を無尽蔵に味わえる。

このアグネスデジタルも、そんな無間地獄の住人の一人だ。

2
いつもはウマ娘のデータをノートパソコンで大っぴらに閲覧し、時に「ねえ見て見て！」と夫の腕を引いたりするのに、
今日は珍しく自室のデスクトップに向き合って、黙々とキーボードを叩いている。

競走バを引退してもアグネスデジタルの物語は終わらない。
ウマ娘と共にいたい、の一念のもと、トレーナー資格の取得を目指しながらトレセン学園のスタッフとして働いている。
表の顔がウマ娘と関わり続けているのと同じく、裏の顔もまた、まだまだ物語を続けている。
同人作家として。それも「ナマモノ」分野の第一人者として、『人知れず』『名を馳せる』という酷く脆い矛盾を今も保ち続けている。

ノックの音。
アグネスデジタルは三つのモニタの電源を全て落とすと、入って、と応えた。

「夜食をお持ちしました、先生。」

3
盆を持った男、デジタルの夫が入室する。
盆に乗せられているのは、箸。その横に湯気を放つ銀色の背の高いタンブラーと、たっぷりと氷水を湛えたロンググラス、そして緑色の液体が入ったショットグラスだ。

「どうぞ。」
デジタルの机の上に、盆の上の物を置いてゆく。

「ありがとう。」
言うが早いかデジタルはタンブラーを手に取り箸をその中に突っ込んだ。

ずぞぞぞ、と激しい音を立ててすすられるのは濃褐色の汁に彩られた太い麺。

タンブラーの中身はぶっかけうどんであった。

4
夜食のお供に麺類は定番である反面、丼がデスクの上のスペースを圧迫するという問題がある。
また麺類の宿命として、時間をかけると温度が下がり麺も伸びて味が落ちる。
これらの事情から、麺類の夜食は早々に食べきって片づけてしまいたい。
つまり『食べながら作業をする』のに全く向かないのだ。

その欠点を高水準で克服したのがこの『タンブラー入りぶっかけうどん』である。
これであればデスクの上のスペースを確保でき、時間をかけて食べても温度が下がりにくい。
また比較的汁が少ないため、麺の伸びも穏やかだ。
従来の麺類系夜食と比較して、かなり心理的負担の軽い食事となる。
タンブラーであるから残った汁が飲みやすいという側面もある。

ロンググラスの中身はただのお冷。食事のお供である。

しかしショットグラスの中身はただ物ではない。

5
これは『緑茶酒』である。
アグネスデジタルの稼いだ賞金で金に飽かせて買い付けた高級茶葉を蒸留酒に漬け、一か月以上置いたものだ。

うどんを啜った喉を水を煽って冷やしたところに、デジタルがショットグラスの中身を流し込んだ。

「……んんぃぃいーーっ！」

炭水化物、カフェイン、アルコール。
命を前借する組み合わせである。

「ではこれで。」
「待った。」

踵を返す夫にデジタルが声をかけた。

6
「どうした？」
「最後に許可を取らなくちゃいけないところが、あった。」

すっかり据わった目で、デジタルが夫の顔を見る。

「許可？」
「今プロットを書いてるんだけど。」

満を持してモニタの電源を一つオンにする。
そこには全画面表示のテキストエディタが表示されていた。

「キミをモデルにしたキャラクターが居るんだ。」

7
「何でそういう事を最初に言わねえんだよっ！」
執事然とした態度を完全に放り捨てて夫が怒鳴る。

「書き始めたときは想定してなかったんだよ。
でもさあ、キミが前担当してたウマ娘ちゃんとのことを思い出しちゃってさ。
……もしロマンスがあったらいいなあってさ、くふふふふっ♪」

モニタに映るエディタにはびっしりと文字が載っている。
筆が乗った、いや、キーが乗った、と言う奴だろう。
つまりは大枠は書ききっていて、後は夫の許可如何のみ。

「……許すと思ってるのか？」
「脚色するから大丈V！」

8
そういって机の上のケント紙を摘まんでボールペンでさらさらと男性像を描く。

「物語の中のキミはこんな感じですっ！」
「似てねえっ！」
「似てたらダメなんでしょ？」
「んぐ、そうだけど……ウマ娘の方はどうなんだよっ！？」
「デジタル先生に描いてもらえるなら是非って！」
「アイツ……アイツっ！！」
狼狽する夫をよそにデジタルは青い瞳を輝かせる。

「大好きな人とウマ娘ちゃんのロマンスだなんて……デジたんもう描かない訳にはいかないのですよっ！！一度思いついたらさっ！！！」
「……んん？」
何か聞き逃してはならないフレーズがあったような気がして、夫は顎に手を当てる。


9
そんな夫をよそにデジタルは再びキーボードを叩き始めた。

「さあ出て行ってください、まだネームどころかプロットの途中なんです。
下手すると作画は外注かも。
いやいやああしてこうして筆がノりまくっちゃったらぁ～……♪
デジたん久々に小説で同人誌を発行するかもしれませんっ！！」
言っていることの意味はほとんど理解できないが、タンブラー入りうどんを再び啜ったデジタルがもう止めようもないスパートに入ってしまったのは理解した。
既に最終コーナーは過ぎており、後はもう何着で着くかの問題だ。あるいは事故を起こして脱落するかだが……。

「……好きにしてくれ。」
どんな理由があれ、ラチにウマ娘を叩きつけるトレーナーなどいない。
増してアグネスデジタルは現役時代から『こう』だったのだ。本格化を過ぎても意欲だけはちっとも衰えない。
スタミナには劣る方ではあったが、もっと長い目で見た持久力は御覧の通り。

10
「……炎上だけはしないようにな。」
長年連れ添った仲だから、ヲタクという人種は理解できなくとも『ナマモノ』というジャンルの危うさぐらいは知っている。

「そん時は助けてねっ！」
ところが帰って来た返事は全く反省の気持ちの無い呆れるほど生き生きした言霊であった。

「お前っ……お前なあっ！」
「炎上したって死ぬわけじゃなしっ！好きなように走って結果は後から考えますっ！！
まあ見ててよ、このヒーローには君が嫉妬するほどのキレイな恋路を走らせてあげるからさっ！！！」
「……好きなように走って何度も凡走で終わったのはどこの誰だよ。」
「んがあああああっ！！！」

ボールペンを投げつけられた夫は、すごすごと退室した。
デジタルの大好きな人と、デジタルでない誰かとのロマンス……想像しかけて、やめながら。

--
幸せについて本気出して考えてみたCentury Loversは愛が呼ぶほうへGo Steady Go!

1
----始まり
「結婚を前提に俺と付き合って欲しい。」
「……うん、そういう事だと思ってた。」

担当バであるアグネスデジタルが引退し、トレセン学園のスタッフとして再就職してからしばらく後。
元トレーナーに呼び出されたデジタルは彼からの告白を受けた。

「でも大丈夫？新しい担当ウマ娘ちゃんとギクシャクしたりしない？」
「学園は辞めた。」

2
「トレーナー続けないの？引く手数多なのに。」

目を丸くするデジタルに、

「俺の愛バはアグネスデジタルだけだからな。」

と彼が告げると、アグネスデジタルは
バーカ。
と言ってはにかんで笑った。

3
「じゃあ……取り合えず三年契約でお試ししてあげましょう！」

----一年後
「うん、これにて料理は免許皆伝と致しますっ！」
「有難き幸せ。」

アジの南蛮漬けと味噌大根そぼろに、じゃがいもと玉ねぎの味噌汁のディナー。

「でもこれで終わりって訳じゃないからね？もっともっと色んなおいしい料理作れるようになってくれなきゃやだよ？」
「はい。」
「夕ご飯は一日の楽しみなんですからっ！」

仕事を終えて帰ってくるその時に、美味しそうな匂いがダイニングに招いてくれる幸せ。
アグネスデジタルは恋人に毎日それを提供するよう求めた。

4
----二年後
リビングのテーブルの上に裸足の足をでんっと置きながらアグネスデジタルが大画面でウマ娘の走る映像を見ている。

「ねぇ～。」
「ん？」

乾燥機から取り出した食器を棚に戻していた恋人がその手を止めてやって来た。

「この子どう思う？」
「どうとは？」
「キレイだと思う？」
「愛を試すのは禁止にしてたはずだ。」
「えっへへっ♪正解っ！覚えてたかぁ～。」

5
----三年後
「契約更新で。」
「有難き幸せ。」
「っていうかねぇ、ズルいんだよ告白した時点でこの物件用意してあるって言うのはっ！」

今二人が住んでいるのは、アグネスデジタルに交際を申し込んだときに同棲可能な引っ越し先として男が提案したものの一つである。
トレセン学園から程近く、互いのプライバシーが十分に保たれる部屋数があり、何よりデジタルの同人誌執筆、動画配信に向いた個室がある家。
月々の支払いはそれ相応だが、デジタルの獲得賞金と男の貯金を切り崩せば十分に足りる。

「では、これからもよろしく。」
「こちらこそ。」

ビールを湛えたグラスをチンと鳴らした。

6
何年目に結婚したのだか、二人とももうすぐには思い出せない。
でも籍を入れても別段何もなかったことは確かだ。
妻の親が夫の年齢に不審さを抱いたのも、夫の親が晩婚の彼とその妻を心から祝福したのも、もうずっと前の事のように思える。

「ただいまぁ～っ！」
「おかえり。風呂入ってきな、その間にチキンカツ揚げちまうから。」
「やったぁタルタルソースたっぷりお願いねっ！あそうだ、今日新バちゃん凄かったんだよ後でビデオ一緒に見よっ！」

--誰だってそれなりに人生を頑張ってる
--愛とは愛されたいと願う事
--キミにとっての全てだ
--膝を擦りむいたりして気にもならないのは
--君と

走っているからだよねっ！

--
おちんちん

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
トレセン学園のウマ娘たちの間でトレーナーのおちんちんの平均サイズが20センチであるという噂が広まったことがありました。

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

んぬゃっはっはっはっはっは（文字表現不能な音声）！！！！
（参考：https://www.youtube.com/watch?v=iq6JTHJna9U&t=2553s）

2
そうですよねそうなりますよねっ！

「何なのトレセン学園は思春期女子の集まりなの」
残念ながらその通りなんですよねぇー。

で、ですね。
その後ググったりなどして調べた結果、少なくともこの国の男子の勃起時の陰茎の長さは平均20センチに満たないと結論が出た訳です。

世の中には膣の深さのデータだってある訳ですから？男性器の統計データだって当然存在するわけですっ！
誰が統計してんだって話ですが、こんなふうに統計データ欲しがってる奴らがいる以上誰かが測定してる訳ですよねっ！！

3
さてさて。
トレーナーのおち……ハロン棒の長さが日本男児平均を超えているとなるとですね、2つの可能性が考えられるのですねっ！
1つは、ウマ娘のトレーナーになりたい男性集団に注目した視点です。
その素養の中にハロン棒が長い、という素養があると。
トレーナーになりたがるような男はそもそもハロン棒が長い男であると。

もう一つは、ハロン棒の長い男性集団に注目した視点です。
ハロン棒が20cm以上に育つほどの男性。
つまりテストステロンの強い男性は、女性的魅力に溢れたウマ娘と触れ合えるトレーナーという職業を志望する確率が高い。
従って、トレーナーになりたがるような男はそもそもハロン棒が長い男であると。

あっはっは、どっちにしろ生まれつきスケベな男がトレーナーになりたがるし生まれつきスケベな男はハロン棒も長いというお話にしかなりませんっ！！

4
仮にですよ？仮にこれが正しいとするとっ！
ウマ娘は大きなハロン棒を惹きつけるメスだとも言える訳ですっ！
これはヒト同士のロマンスを妨げる要素にすらなりうるっ！
そうなると歴史的統計データも取れそうですよねっ！ヒトオス×ヒトメスとヒトオス×ウマ娘の成婚率、或いは出産率っ！
そして大きなハロン棒を惹きつけることで寧ろヒトオス×ヒトメスの繁殖力を上げているって側面もありうるかもしれませんっ！
ヒトメスがでけえチンポを求めているとは限らないってことは色んな文献で明らかに

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

はい。

5
そう考えるとウマ娘というのはもしかしたら行き過ぎたヒトオスの欲望の受け皿として生まれたのかもしれませんだとしたらAV業界はウマ娘とその相手になりうるデカマラ男優の作品で占められているのでどこかの前提がおかしいですねっ！！！

～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

はい。

「ウマ娘ってそんなに発情してんの？」「どこから20センチって話が湧いたんだよ」
わっかりませんっ！！
だってデジたんはウマ娘であってヒトではありませんからっ！！！
あと当時のウマ娘ちゃん達の流行ってのは本当にちょっとした手がかり、ならぬ指がかり爪がかりからもりもりと湧いて！沸いて！そして消えたものなのでっ！！
理由はあんまり意味がないのですっ！！

6
「ウマ娘ってチンチン好きなの？」
うーん。
ウマ娘ちゃんって全体で見ると統計的には好きでしょう。何故ならウマ娘ちゃんには、ヒトにはない『フケ』という現象があるからです。
明確に発情するウマ娘と、雰囲気によって性交渉がありだったりなかったりするヒト娘では、全体で見ればウマ娘の方が男性器が好き、とは言えるでしょう。
でもそれは男性器が好きなのかそれとも男性器による行為が好きなのかどうか、そして男性器のデカさの好みがどうなのかについては、未だデータが足りません。

「デジたんのトレーナーはどうなの？」
そうですねえ……。測ってはいませんが、『デジたんにとっては十分に奥までずこずこしていただける長さ』と言っておきましょう。

「デジたんちっちゃいから基準にならない」
知るかぁっ！夫と他人のハロン棒の長さを比べる機会なんてないし、増してや長さによって気持ちよさが違うかどうかなんて体感する機会はないんですよっ！！

7
「結局愛があるかどうかが大事って事だね」
そうですねっ！
チンチン小さくてもでっかいディルドで愛してくれれば良い訳ですし、
そもそも小さいかどうかは挿入れられる側が決める事であって、20センチより短いから気持ちよくなかったとか20センチ以上だから超よかったとか、そんなの滅茶苦茶個人差ありますよっ！！

「でも20センチ以上無いとトレーナーになれないかもって思うし……」
平均は中央値ではありません。40センチとか50センチとかある異能チンチンに引っ張られている可能性もありますよっ！！
それにおちんちんの長さで夢を諦めるのって馬鹿らしいと思いませんかっ！！
性的満足させる方法はおちんちん以外にも色々あるのにっ！！
マネちゃんから電話が鳴りやまないのでこの辺にしときますそれではバイデ（この配信は終了しました）

--
HITACHI

1
「マッサージしてぇ～！」

ベッドに横たわりアグネスデジタルが足をバタバタさせている。

「何？マッサージがしたい？」
「してくれっ！見ればわかるでしょっ！！」

むくれるデジタルに、夫がやれやれと腰を上げて膝立ちでまたがった。
寝間着の上から腰に親指を当て、ゆっくり力を込めて押し込む。

「おぉほぉ～～♥」

快感の嘶きが漏れる。

2
「ふぅ、ふぅ～、いいよぉ、気持ちぃい～♥」
「かなり凝ってんなぁ。」

押す位置を少しずつ肩へと近づけながら、背中をもみほぐしていく。

「最近さぁうぅっぐふぅっ♥ 疲れがなかなかあぁっ♥ 取れないんだよねえんんっ♥トシかしらぁはあっ♥」

快感を口から漏らしながらデジタルがボヤいた。

「単に疲れ過ぎだと思うけどね。」
「疲れすぎぃ？いひぃっ♥」

振り向きかけた首が仰け反り、デジタルが愉悦の声を上げる。

3
「お前毎日走ってるだろ。」
「うんっ♥ うんっ♥」
「今のお前は、ある意味現役時代よりハードな事やってんだぞ。」
「うぐふぅっ♥ そーおっ？ほぉっ♥」
「そうだよ。お前現役時代合計で二年ぐらい休養してるんだぞ？」
「そうだっけぇええぇーーーー！！！♥♥♥」

快活そうなアグネスデジタルだが、その成績と同じく出走期間にもかなりのばらつきがある。
関節炎を発症した時は勿論、大敗を重ねた後や海外遠征後にも休暇期間を取っており、長い時では丸一年一切レースに出なかった時期もある。

「もともとお前は疲れが抜けにくいんだよ。そこを気力でカヴァーしちまうから余計に体に無理が出る。」
「そんなことおほぉっ♥ 言われてもぉーっ！！♥♥」

今の彼女はトレセン学園でコーチングスタッフとして働いている。トレーナーほどの責任はないとはいえ、複数のウマ娘の世話をする以上教え子ほどには休暇を取れない立場だ。

4
「単純に走り過ぎなんだよ。はい終わり。」
「んぐふぅ～……♥ ありがとござましたぁ～♥♥」

夫が体の上から退いて暫く余韻を味わった後、デジタルは徐に起き上がった。

「よーし、ではアタシも揉んであげよう！」
「お、いいのか？」

夫がベッドに伏せると、デジタルはその背に足をかけた。

「待った！乗る気かっ！それはいくら何でも」

重い、と言いかけて

「俺の背中には強すぎる。」

5
「今重いって言おうとしたね？」
「言わなかったんだから見逃してくれよっ！」
「結構憧れてたんだけどなぁ、お父さんの背中踏み踏みして気持ちいいって言ってもらうの。」
「……わからんでもないけど。あれ子供が乗るのでも本当はダメなんだぞ。」
「ダメなの？！」
「背中全体を押し込んで胴体を床と挟み込むから、背骨越しにあばらの関節にダメージが入るんだよ。足じゃ手みたいな細かい力加減も出来ないし。
お前のパワーで背中踏まれたら冗談じゃなく死にかねない。」
「そうだったのかぁ……。」
「めんどくせえけど手でやってくれや。」
「乗れないならいいや寝る。」
「お前っ……まあいいけどさ。」

いそいそと自分のベッドに戻る背中を見て、夫も仰向けに寝直す。

6
「それにしても、疲れすぎかぁ。」

デジタルが天井を見ながらぼやいた。

「好きなことを好きなようにしてただけなのになあ。」
「現役時代だってそうだろ？」
「そうだけど。でもでもレースもしてないのにっ。いつも普通に過ごしてるだけなんだよ？」
「お前の普通は、お前の体にとって普通じゃないんだよ。」
「なにそれ。」

天井を見るのをやめて、横のベッドの夫の顔を見る。

「自覚はあるだろうけど、お前は『ウマ娘が好きっ』って気力で動けちまうんだよ。
それはお前の長所だし凄い事だけど、それって本当は非常時にだけ出していいパワーなんだ。」

7
「呉一族秘伝、『外し』。」
「似たようなところはある。お前は呉の血筋じゃないから体が耐えられない。」
「わかりやすい例えだっ！」
「そうかぁ？
兎も角、短いスパンで休養を取るサイクルを探さなくちゃな。」
「休養を取るサイクルかぁ……。」
「トレーナー資格試験の勉強期間だと思えばいいさ。」

どうしたものか、と悩む妻に、夫はできる限り明るい声で言う。

「ウマ娘ちゃんの顔が見れなくなるのは嫌だなあ。」
「別に引きこもって過ごせって訳じゃないんだ。休むだけじゃなく、走る回数を減らすとか、寝る時間を早くするとか。色々合わせ技で疲れが取れればいい。」
「……ありがと。」

8
「おう。……何だい？妙にしおらしいじゃないか。」
「現役時代もこうしてアタシの事心配してくれてたのかな、って思ったらさ。
アタシ『休め』って言われるたびに不貞腐れてたけど……。ごめんね、今更だけど。」
「……やっぱり疲れてるよお前。」
「何？どゆこと？」

呆れ声の夫に起き上がって不機嫌な声を浴びせる。

「そんなに素直に昔の事を謝るなんて。」
「あのさぁ、」
「来週はどかーっと休んじまえよ。」
「そんなこと……」
「お前はさぁ、ウマ娘が好きな自分に本当に素直だけど。偶には裏切ったっていいんだぞ？自分なんだから。」

デジタルの目が見開かれる。

9
自分だからこそ自分の事を裏切れないのだ、などと青臭い反論はしない。
自分と言うものは移ろう。それを知っている。信念がいくつもあり、その間をふらふらとして、あっちで人類の平等を叫んだと思えばこっちで嫌いな人など死ねばいいと思う。
一貫性などない、それこそがヒトの強さだ。だからこそ、原理主義に陥らず妥協が出来、色んな人と内心はどうあれ手をつなぎ合えるのだから。

ウマ娘ちゃんを愛しているアグネスデジタルを裏切る自分が居てもいい。それは、競走バとして最初に休養を呑み込んだ時からわかっていたことだ。
ウマ娘ちゃんと同じぐらい、でも全く別の感情で愛する人と共に生きている今ならば、猶更に。
そんな夫にそう言われたら……妥協してあげるしかないかなぁ。

「わかった。掛け合ってみる。」
「俺も、いい休養になるよう工夫するよ。」
「絶対だからねっ！？」

眉を吊り上げる妻を見て、ああ、と優し気に夫が笑う。
それを見て、妻もなにがおかしいの、と言いながら苦く。しかし穏やかに笑った。

--
だからありったけを

1
「アグネスデジタルを、抱く。」
生温い風が吹いた。二人の心を吹き抜ける風だった。
「アグネスデジタル、を。」
「抱く。」
さっきよりも力強く、宣言した。
「……行くか。」
「行こう。」
そういうことになった。二人はアグネスデジタルを待ち受けるべく零式と名付けたハイエースに乗り込んだ。

こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
ラジオドラマ『風で勃ちぬ』第4話、「デジたんで抜かねば」をお送りしましたっ！

2
「？」「？？？」「なにこれ……。」
いいですねいいですね、良い反応ですっ！

「アグネスデジタルは頭がおかしい」
だからスパチャで罵倒するのはやめてくださいっ！

まあねぇー、あの。架空のラジオドラマを冒頭にぶつけてみようか、となって、ふと
『アグネスデジタルを抱く』というワードが浮かんだのです。
じゃあそれをフックにちょっと書いてみるか、となったのでこうなりました。

「？？？？？？？」「やっぱりアグネスデジタルは頭がおかしい」
アタシもそう思う。

「デジたんの描く同人誌っていっつもこんなバカみたいな展開なの？」
だはははははっ！流石にそんなことはないですねっ！！

3
皆さんリアクションに困っておられるようなのでその間にぶつけましょう。
デジたんの3Dモデルお披露目ぇ～～～！ドンドンパフパフ。

「？」「？」「？？？」
はーいこちらが今回お作り頂いたデジたん3Dモデルですっ！
立ってみるとほら、リアルデジたんと身長完全におんなじ！動きもシンクロしてますっ！！
増やしてみましょう。
I know, I know I've let you down I've been a fool to myself

「やめろ補完すんな」「？？？？」「何で増やすの……。」
世界の終わりという感じがするでしょう。

あ、それと来月の一週目は配信をお休みする予定です。

4
「情報量が、情報量が多いっ！」「今日は一段と訳が分からんぞ。」「やっぱりアグネスデジタルは頭がおかしい」
でへへ。
まあまずはお休みの話からしましょうかね。
お仕事の疲れがたまったのでちょっと長めの休暇を取るつもりなんです。
具体的にどこが悪いって事ではないのですが疲れが取れないので夫に相談したところ、疲れすぎだと。
現役時代も散々休んでたろと。いう事で、体力回復のために暫くお休みになります。

「ゆっくりやすんで。」「お大事に。」「大事になすってください。」
ありがとうデジたんは骨董品ではありませんよっ！

「3Dお披露目をサラッと流すな。」「今日マジで何なんだよ。」
ええーい！分身の術！！
ルミナスイリュージョンッ！！！

5
「キレキレだっ！」「ウマ娘ってすげえ、再現できるんだアレ。」「コメントを拾ったなら質問に応えてくれよ。」
ワハハハッ！今日はちょっとテンションがおかしいので色々ミックスしてぶつけております。
あのねえ、3Dモデル貰ってめっちゃっテンション上がってるし、次の休みも別の配信者の方とお泊りするんだぁ。
デジたんだって色々ミックスしてぶつけられちゃったんだからキミらだって受け入れてよ！
ここはデジたんの日記帳！！キミたちはデジたんのサンドバッグ！！！！

「酷い」「でもデジたんのパンチならちょっと浴びたいかも」
シュッシュッシュッ！
見よう見まねフリッカージャブですがいかがですかっ！

「何なんだよこの配信は…」「誰か説明してくれよぉおおーーーっ！！」
LONELY WAY こ～の～ぼ～くの～♪ LONELY WAY お～も～う～まま～♪
はし～れ～め～ろ～す～の～よ～お～にぃ～♪

6
そんな訳でこんな時間ですねえ。
架空のラジオドラマもぶつけられましたし3Dモデルお披露目も出来ましたしお休み告知もしましたし、これ以上デジたんに何を望むんだ君らは！？

「冷静」「クールダウン」「リラックス」
はい。

3Dお披露目は流石に雑だったと思いますね反省です。PRISMAみたいに設置してデジ民が間違って声掛けたらピンが立つようにします。

「シージやってんのデジたん」「シージ配信して。」
ごめん今はやってないんだよねえ。うわALIBI追加ってそんな前かぁ！！

「配信者とお泊りって、オフコラボって……ことっ！？」
そうだよぉでへへ今から楽しみですじゅるりら♪
誰とコラボするかは今は……あ、言っていいの？
うふふ、オフコラボのお相手様はっ！！スレンダーで凛々しい、樫も（この配信は終了しました）


--
水と油は熱して混ぜて乳化させるに限る

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですっ！
「パカライブ0期生、樫本理子です。よろしくお願いします。」

ということでねっ！
今回はオフコラボということで。初顔合わせですよねっ？
「そうですね。今はトレセン学園と契約しているある温泉旅館の一室で配信をさせていただいております。
都合上機材は余り豊富ではないため、映像や音声のクオリティは通常より下がってしまうこと、お詫び申し上げます。」

真面目ですねぇ樫本せんせぇ。
「現状の説明をするのは当然の事です。」

流石ですっ！
さて樫本せんせぇと言えば理事長代理時代の話ですが。
「いきなりですか……。」

2
やっぱり視聴者さんが一番気にしているところですのでっ！
「そうですね……。
かなり批判が多かったことは自覚しています。
しかし競走バ達に規律を求めたことについては間違ってはいなかったと今でも思います。ただ……。」

ただ？
「正しさは一つではなかった、ということです。
間違いとは競走バの力が発揮できない事、不平等がある事だと思っています。
しかしそれを打破する正しさは一つではなかったという事です。」

なるほど。では樫本せんせぇは別の正しさを見つけたと？
「そうです。いや、見つけた、という言い方は正しくありませんね。
わたしも嘗ては、ウマ娘の好きにさせる事こそ正しいと思っていました。
しかしその結果、担当していたウマ娘は故障してしまった。」

3
それは……公表されている話ではありますが、改めて聞くと重たい。
「この辺りの詳細は自分のチャンネルの方で動画にしているのでそちらを見てもらえればと思います。
ここでは概略を話すにとどめますが……怖かったのです。ウマ娘の故障が。」

それは当然の事です。
「だから恨まれてでもブレーキ役をやるべきだと考えました。デジタルさんのトレーナーさんもそうでしょう？」

うぐっ！確かにデジたんのトレーナーもブレーキ役をしてくれています。
「走ることが楽しいウマ娘にとって、ブレーキが不快な存在なのは理解しています。
しかし、好きなように走らせてはいけない。走るのが好きなアスリートが好きなように走るというのは、言い方は悪いのですが、自滅に近い。」

わかります。デジたんも今コーチングスタッフをやらせてもらっていますが、どこかでブレーキかけないと壊れますよね。
「トレーナーの仕事は正にブレーキだと思っています。走りたくないウマ娘はいない。でも走りたい気持ちとその気持ちに応じられるだけの肉体が伴っているかは別の事。
と言うより、ほとんどのウマ娘は、放っておくと壊れるまで走ってしまうんです。」

4
おっと問題発言？
「デジタルさんも現役時代、かなり休養を取っていましたよね？」

うぐぐっ！
はい。トレーナーに指示されて何か月か休養してました。
「走りたかったでしょう？」

うぐぐぐっ！
「そうなんですよ。アスリートは無理をしたがる。いや、無理をして自分の限界を超えていくのが仕事なのだから当然ではあります。
でもその意欲が旺盛すぎると、簡単に体を壊してしまう。実際にそれを目にしてきました。」

うーん……反論できません。
「ふふ、反論する必要はありません。わたしは『限界ギリギリを見極めるのはトレーナーの仕事』だと思っていました。
でも、それでメンタルに影響を出しては本末転倒ですよね。心身ともに健康であって欲しいからこそ管理するのに。」

5
せんせぇの笑顔可愛いですねっ！
「っっ！今はそんなことはいいでしょう？」

一番大事なことですよ、ほら笑って笑ってっ！？
「調子に乗らないでください！
話を続けます。
あの時に、ウマ娘のメンタルまでは完全に把握することは出来ない、と改めて思い知ったのです。
ヒト同士ですらできないことがウマ娘とトレーナー間でできるはずがない。
出来ないことを出来ると思い込んで、無理やり実行すれば当然歪みが出る。
わたしはそれを自覚していたつもりですが……。見事に敵役になってしまったという訳です。」

グロロロロ……心は正しくても力は暴走するということですね。
「心が正しくなかったという事だと思いますが？」

はい。あっ、もう配信時間ギリギリですねっ！


6
「愚痴に付き合わせてしまって申し訳ございません。最後に何か楽しみを提供できればと思います。」

リングフィットアドベンチャー持ってきましたけど。
「……うっ……。」

あははは、狼狽えてるっ♪
「いいでしょう、それが視聴者の望むことならば。」

おお、言いましたね？
「その代わり手伝ってくれますよね？」

そう来ましたか、当然です。ウマ娘の体力を改めてお教えして差し上げましょうっ！
「楽しみにしています。……あれ？このケーブルはどこに？」ええっとですね、これはここに、それだと本体が、あれそうですねどうするだろこれ？待ってくださいここがこれに繋がってるのでこの線は（フェードアウト）

--
代わっても変わらないもの

1
姿見の前に生まれたままの姿を見せる。
こんばんは、アグネスデジタルです。
はい、元六冠バのウマ娘ちゃんアグネスデジタルが自宅の姿見にすっぽんぽんの姿を見せているのです。
体全体を眺めても143cmの体にグラマラスさは全然無くて、お腹は現役時代よりちょっとぽっちゃり。
顔を鏡に近づけるとシワ……がまだありませんっ！ありませんけどっ！！お肌の弛み具合は油断するなと指先に感触で応えてくれます。

上から下までもう一度姿見を見直します。そこにはどうしようもなく『アタシ』がいました。
そりゃ他人よりちょっとかわいい自覚はありますけど？『アタシ』というのは『アタシ』の基準であって、イイとかワルイとかないのです。

『このアグネスデジタルというウマ娘は、デジたんにとって魅力的なのか？』
結論は『自意識』という強固な壁に阻まれて出せませんでした。『アタシ』は『アタシ』であってウマ娘でもヒトでもないのですお分かりいただけるだろうかこの辺り？

2
「お帰り。」
寝室に戻るとベッドに身を横たえた夫が目を覚ましていました。
「起きてたんだ。」
「寝付けなくてな。そっちは？」
「大丈夫。」
そう言って自分のベッドに入りました。
「アタシの事好き？」「急に怖いな。」
ベッドに寝そべりながらお互いの顔を向け合います。
「アタシ奇麗だと思う？」「お前は奇麗だよ」
「もしさあ、アタシがキミになってキミがアタシになったら変わらず愛してくれる？」
「どういうこと？」
ああ、当然の疑問ですよねえ。
「もしもキミがアタシみたいで、アタシがキミみたいだったら。」
「つまり、俺がお前みたいなウマ娘ヲタクで……？」
「アタシがキミみたいな頑固で不器用なウマ娘だったら。」

3
「お前みたいな性格のトレーナーなら、頑固で不器用なウマ娘にでも遠慮なく近づきそうだな。」
「キミみたいな頑固で不器用なウマ娘ちゃんは、ファンです好きですって言ってくるトレーナーを突っぱねられないだろうね。」
夫が苦笑いした。アタシも苦笑いした。
必然がそこにあるだけだった。例えアタシ達が正反対でも、出会っていればきっとこうなっていた。
こんな風になる配役みたいなものが予め決めてあって、そこにアタシ達がハマっただけだ。
しばらく前からそんな考えに取りつかれています。
イヤじゃない。
寧ろ嬉しい。
アタシ達は、アタシ達だから、出会い、一つになったのです。
自分から見た自分を好きになれなくても、その分だけ好きになってくれるあなたがいる。好きになってあげるアタシがいる。
まあいい歳こいてアオハルなコトで。まずいなぁ、ちょっと今日は寝付けないかも。
いいや、今日はもう少し、必然について考えていたいから。

4
――――さてご忠告申し上げます。ここから先は蛇に足を描いてしまいますっ。
もしもベッドとベッドの間の棚の、引き出しに、こんなものが入っていたら。
「何だいそれ。」
取り出したのは両端に端子らしきものが付いた白いコード。その真ん中にはこれまた白い、そして四角くて重たい何かが付いています。
「タキオンさんからもらった人格交換ケーブルですっ！」
「怖ぁっ！」
夫が跳ね起きました。
「真ん中の機械にお互いの記憶を保存して、そこから再現した人格が相手の脳の制御を一時的に奪うんだって。」
「精神隷属器じゃん……。」
「タキオンさんは『残酷な見世物』って呼んでた。」
「そんな名前の物を作るなタキオン！他人に渡すなタキオン！！」
「じゃあ首筋出して。」
「躊躇えよぉーっ！」
ウマ娘パワーで抑え込んだ夫の首と自分の首に、ケーブルの先をぐさり。ぐさり。
機械のボタンをスイッチョン。

5
「……はっ！」
意識が飛んでどのくらい経ったのでしょう。アタシは夫でした。
「おお、体がデカい。」
「やっと目覚めたか。」
アタシの声が上から聞こえてきました。ベッドの上から覗き込むアタシ。……アタシ？
「ウワーッ！」
若い！姿見の中のアタシと全く同じアタシの筈なのに、若く見える！可愛く美しく、そして気高く見えるっ！！
「キミッ、キミッ！ キミアタシの事好きすぎでしょっ！？！？」
「俺そんな声してたんだな、自分で聞くと変な感じだ。」
「アタシの声でそんな口調で喋られると脳がバグる……。」
「それにしてもお前から見た俺ってこんな感じなのか。」
「イヤーッ！グワーッ！！ヤメテェーッ！！！」
照れくさい！照れくさ爆弾！！顔を背けながら両手をバシバシと虚空に押し出して恥ずかしさを表現します。

6
暫くキャイキャイしてゲラゲラした後、どちらともなくｽﾝ……となって。ベッドに横たわり、二人して『残酷な見世物』のスイッチをオフに。
……そして目覚めるとアタシは1/1スケール等身大のアタシでした。
先ほどまで夫の体の中にいた感覚を反芻します。
「めっっっっちゃいい体験でしたっ！！！」
「いい体験……。」
夫の呆れ声が横のベッドから聞こえます。
「……お前は本当に凄いウマ娘だよ。」
「ふふーん♪」
勿論皮肉だってわかってますとも！
でもいいんだ、それは呆れてしまったキミの負け惜しみだから。呆れさせたら勝ちなのです。しょうがないなお前はって思わせたら勝利なのです。
呆れるとは飽きられるということ。諦めて受け入れられるということ。諸説ありますが。
昔っから道化役のアタシには、呆れられることは一番の許しでした。おっとしんみり警報！そんな話がしたい訳じゃない。
ベッドから飛び出しキッチンへ。冷蔵庫からビールを二缶取り出すとバタバタとまた寝室へ。
「ごめん今日飲みたい気分！」「……俺も。」
カシュっといい音が響いて、夜更かしの約束が交わされるのでした。

[余談]アドバイスを受け、改行を空けないようにしてみました。
テキストエディタで見ている自分は改行した方が読みやすいのですが、
スレだと弛んで見えるのかもしれません。
あと本文を6レスに収めるのめっちゃ楽になった。



--
夜の勇者アグネスデジタル 朝の皇帝樫本理子

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊の、アグネスデジタルですぅ～。
ひそひそ声で失礼します。
本日は樫本せんせぇと温泉旅館でオフコラボ、ということでお送りしておりますっ。
いやぁ凄かったですねえ樫本せんせぇのリングフィットアドベンチャー。
なかなかどうして動きは的確。そしてあっという間に逆噴射。
お陰で殆どデジたんがプレイすることになりましたねえ、まあアーカイブを見てくださいよ、デジたんの横でくたびれてるせんせぇが可愛いったら。

さて、あの後二人で温泉に入りまして、部屋に戻るとせんせぇはあっという間に眠ってしまわれたのです。

（カメラを動かす音）ほら、こちら♪
非常に姿勢良く気を付けの姿勢で眠っておりますね。
お陰で寝息に合わせてお布団が上下するのがおわかりいただけますでしょうか♪
よっ……（カメラを固定する音）と。
折角ですから皆様には樫本せんせぇの寝顔を堪能していただきつつ、デジたんおしゃべりさせていただこうと思いますよろしくお願いしますっ。

2
「リコちゃん可愛い」「リコちゃん可愛いな…」「リコちゃんはいつでも可愛いだろ」
あ～せんせぇのチャンネルのリスナーさんも見ておられますねえ。いいなぁ愛されてるなあせんせぇ。
さて何故オフコラボをすることになったのかと言うのをお話ししましょうかねえ。
前にもお伝えしましたが、デジたんは今、本業の学園スタッフの仕事をお休みしております。
疲れがたまっているので一週間ほどドカーンと休みを取ろうという事になりまして。
でもただじっとしてても心が塞ぎますし、デジ民（たみ）の皆さんとも交流したい。
で、どうせ休むんなら温泉行こうかと。
一人で行ってもつまらないなと。
じゃあ折角ならオフコラボしよう。
それなら今までオフコラボしてない人がいいよね、ということで樫本せんせぇに声をかけたのです。
意外性の人選だったと思いますっ！
でも仲はいいんですよっ！配信で特に触れなかっただけで、一緒にご飯食べに行ったりしてますっ。

3
「確かに意外性はあった」「理子ちゃんもデジたんも割と誰とでも仲良くできる人だよね」「理子さん俺はお堅いイメージあった」
ですよね、せんせぇは誰ともお付き合いできる人です。所謂『話の分かる人』なのかなって思いますね。
言葉を尽くして説明すればちゃんと聞いてくれるし、意見も返してくれる。
本人今寝てるから言っちゃいますけど、デジたん樫本せんせぇのそういうお話してて気持ちいいところが大好きですっ♪

「デジたんがヒトに興味を持った！」「ついにデジたんウマヲタを卒業か」
デジたんはウマヲタを、やめへんでぇーっ！！

「寝てるんだから静かに」
……ですねっ。
今はお仕事にも余裕が出来たのか、配信でもお優しい表情を見せる事も多いですよね。
競バの専門的な話もしてくれるのでデジたんもチェックしてます。
今日も配信外のところで色々トレーナーとしての経験談とか聞かせてもらいました。
ちなみにトレーナー試験は一発合格したそうです。何かそんな気がしてました。


4
「ごめん理子ちゃんの寝顔が可愛すぎてデジたんの話全然入ってこない」
うぐぐ、まあいいでしょう。この配信はせんせぇのリスナーさんも見ておられますし。
しかしせんせぇのリスナーさん達はデジたんに感謝してください？
リコちゃんせんせぇの寝顔だなんてご自身の配信では見ることなどでき……あっ、いや。

「たまに見てる」「よく寝落ちしてる」
そうなんですよね……。配信者がよく寝落ちしちゃダメだよっ。
デジたんも初めて見た時はおいおい大丈夫かと思ったんですけど、今日の寝付きっぷりをみて確信しました。
これはあの方の健康の証なのだなと。
最近は寝落ちする前にちゃんと配信切れるようなったみたいですしっ。ブツンッって。

「そうそう、ブツンって切るんだよね」「ねむねむで操作してるのがよくわかる」
ねー。器用なんだか不器用なんだか。このデジたんには出来ない感じの可愛さがねぇ、いいんですよ。
これで喋らせると理路整然としてるし、ウマ娘ちゃんへの愛にも満ちているし。急なお申し出でもこんな風に一緒にお泊りしてもらえるほど付き合いがいいし。
そりゃ人気にもなりますよねーって。

5
「喋り上手いよね理子ちゃん」「筋が通ってて説得力があるから聞いてて気持ちがいいよね」
そう！ホントそう。配信外でのお話もホント楽しいの。
さっき言ったみたいに打てば響くし、知識量凄いから好きな事喋ってもらうだけでもめっちゃ為になるし。ウマ娘ちゃん以外でこんなに好きになった女性は初めてかもしれません。

「おっ浮気か？」「不倫だ」「浮気する前に事前に書面にして配りなー」
きゃぁ危ない危ない！清いお付き合い！清いお付き合いですっ！いや清さは関係ありませんねっ！

「静かに…」
はい。

「デジたんも寝な」「こういうことしてるから疲れ溜まるんじゃないの？」
あはははっ。おっしゃる通りですね。大人しく寝ます。
そうだな、折角だし1時間ほどタイマーかけてこのまませんせぇの寝顔を配信しておきます。それではバイデジ～♪

6
おはようございます。モーニング樫本の時間です。
「おはリコ」「おはリコ」「おはリコ」
はいおはリコです。今は午前5時39分ですね。
先ほどアーカイブを見ましたが、昨夜はアグネスデジタルさんがわたしの寝顔を配信しながら好き勝手にお喋りされたようで。
なので本日は特別編としてアグネスデジタルさんの寝顔を配信していきます。

『やったぁあああああ』
『やったぁあああああ』
『じゅるりら』
『じゅるりら』
『じゅるりら』
『じゅるりら』
・
・
・


[余談]前回のこんデジのレスで「樫本先生は配信を頻繁に寝落ちしてそう」というレスがいくつかあったので使わせてもらいました。


--
愛の前には何もかもが当て馬になる

1
「たっだいまぁ～♪」
「おう、お帰り。」

時刻は15時20分を少し過ぎたところ。我が妻アグネスデジタルが休養の温泉旅行から戻って来た。

「休めたか？」
「いやぁ疲れちゃったかも？」
「バーカ。」
「うんむむむ……。キミも樫本せんせぇと一緒に過ごせば分かるよっ！」
「知ってる。」

引退後トレセン学園のスタッフとなった妻は、有難くも元担当トレーナーの俺と結婚してくれた。
で、ここ最近は疲れが目立っていたので、思い切って一週間の休暇を取ってもらった。
まさかその最後の2日を樫本理子元理事長代理との温泉旅行に費やすとは思っていなかったが。

2
「ああ～そう言えばキミも樫本せんせぇと温泉旅行行った事あるんだったね。」
「温泉旅行行ったのはキャロッツのトレーナーだよ。」
「あれ？そうだっけ。」

アオハル杯。
嘗てトレセン学園で行われていたチームレース。
その復刻にあたり、学園所属のあるトレーナーと当時理事長代理を務めていた樫本先生が激しく対立した。
……したのだが。
実際にはそのトレーナーと樫本先生はプライベートで接触を行い、ほぼ和解に近い所まで辿り着いていたそうだ。
とは言えそれは飽くまでプライベートでの話。育成方針まで曲げられるほど両トレーナーは軽薄でもなければ柔軟でもない。
清々しいほどの『それはそれ、これはこれ』の精神で、アオハル杯を堂々と戦った。
アグネスデジタルはその『あるトレーナー』側の助っ人として参加していた。
キャロッツのトレーナーはデジタルの能力に「本当にどこでも戦える」と舌を巻いていた。当時の俺はそう言われてそれなりに鼻が高かったもんだ。

3
兎も角、樫本理子というトレーナーは敵対している相手とでも親しくなれてしまう器の持ち主、ということだ。
デジタルから彼女と一緒に温泉に行きたいと言われた時には面食らったものだが、同時に樫本先生なら受け入れてしまうだろうなとも思っていた。

「まあいいや、これお土産っ。」
「おう、ありがとう。」

定番の温泉饅頭の箱を受け取り、キッチンへと向かう。
箱を棚に収めている間に、「ちょっとお昼寝してくる～。」と言う声が聞こえた。
何のために温泉に行ってきたんだか。だが、あの樫本先生と二人っきりとなれば仕方ない。
そもそも午前の便で帰ってくるはずだったのに「お昼樫本せんせーと一緒に食べて帰りたい」と連絡が入った時点で予感はしていた。

樫本理子はトレーナーとしては非凡も非凡である。
『徹底管理主義』を掲げる彼女の育成方針は一見するとガチガチに縛り上げて一切の自由を許さない管理体制に思える。
しかしアオハル杯で樫本率いるチーム・ファーストのウマ娘達が見せたパフォーマンスは途轍もない物だった。

4
チーム・ファースト所属のウマ娘は、誰もがその潜在能力を存分に発揮していた。しかもレースが進むにつれてその能力は右肩上がり。
樫本理子の掲げる『徹底管理主義』が、『絶対にウマ娘を故障させない事』を目的としていることが明らかになった今では、それがどれほど異常なことかがよくわかる。

トレーニングとは限界への挑戦だ。今よりも速く、今よりも力強く、今よりももっと長い時間走れるようになる為に肉体を痛めつける。
一方で樫本流の徹底管理主義はウマ娘の故障を許さない。
それはつまり、能力の限界を引き延ばしつつも肉体の限界は決して超えないギリギリのラインを見極める事を意味する。
そんな事が出来れば苦労はいらない。だが樫本理子はその不可能に近い難題に極めて高い水準で応えていた。

樫本理子がチーム・ファーストでそのトレーナーとしての手腕を発揮すればするほどに。
彼女の言う『徹底管理主義』が彼女にしか実現不可能な高過ぎる理想であることが浮き彫りになる。
その様はまるで、彼女の理想が拒絶した筈の、極限を超えて走り自滅するウマ娘そのものだった。

5
挫折を味わった天才トレーナーとの会食は値千金だろう。土産を棚に収めると、俺はデジタルの眠る寝室に向かった。
ノックはせず、ゆっくりと音を立てないように扉を開ける。

「お、何だい寝顔を見に来てくれたのかな？」
「ノックをするべきだったかな。」

デジタルはベッドに腰かけてスマホを弄っていた。

「いいさ、俺とお前の仲だ♪」
「寝るんじゃなかったのかよ。」
「せんせぇとの会話を反芻してると、メモりたいことが色々あってね。」
「無理もないな。」

その横に俺も座る。

6
「俺だってあの人の経験談は幾らでも聞きたいぐらいだ。」
「あっ浮気かな？浮気だよこれ！」
「バカ言うな。お前以上の女がこの世に居てたまるか。」
「……ホントそう言う歳に合わないこと言うのやめた方がいいよっ！」

そう言って耳をピコピコさせながら目を逸らす。

「浮気だなんだとシャレにならないこと言いだすからだ。」
「それでムキになって妻を口説いたってワケ？軽い冗談に重たいパンチ返してきやがって。」
「軽く無いからカウンターが有効なんだよ、この小娘が。」
「小娘じゃありません成人女性ですぅーっ！！ああーっもう！何メモするか忘れちゃったじゃんかっ！！」
「いいんだよ忘れちまえよ。」

俺はデジタルの軽い体を持ち上げて、放り投げるようにベッドに横たえる。

7
「ちょっとっ！」

抗議を無視してスマホを取り上げ、掛け布団を被せる。

「疲れ過ぎだって言っただろ？大人しく寝とけ。」「やぁーっだあぁーっ！！」
「やだじゃねえんだよ、温泉旅行から帰って来て昼寝がしたいって時点でおかしいんだよ。休めてねえじゃねえか。」
「掛かり気味なのは自分じゃどうしようもないんだもんっ！」
「うるせえっ！そんなんだから疲れ過ぎるんだよ！！」
「だからどうしようもないって言ってんじゃん！！！」
「じゃあトレーナーがどうにかするしかねえなあ……。」
「……っ。……っどうしてくれるんですかっ。」

あぁーー……。こんなどうでもいい一言で瞳を潤ませやがって……。
俺が何も言わずに押し入れから『汚れてもすぐ洗えるタオルケット』を取り出すと、妻もいそいそと掛け布団と枕を取っ払い準備を始めた。
寝るしかないぐらいに疲れ果てる準備を。








[余談]ここまでが育成実装前の作品になります。
以下は関連性のない新生アグネスデジタルとなります









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五回目ですよ五回目二人っきりで温泉旅館にっ！五回目っ！傍から見たら完全にそーゆー仲じゃないですかって気づいたら創作意欲止まりませんよねフヒヒ誰を当てはめて書いたらイイネタになるでしょうかとか考えてたところにこれなので誰か助けてください

1
「なっ、何を言っているのかっ、わかっているのですかっ！？」
「結婚を前提に、付き合って欲しい。」

正座で向き合う、真剣なトレーナーさんの目。
……っこっ。こんなっ……！！ こんなに緊張したレースは無いかもしれませんっ……！！

――――
五回目なんですよ。トレーナーさんと二人っきりで温泉旅館。
最初の時はね？「ちょっと怖いかも」って思ってました自分で誘っておきながら。
でもでも全然心配要りませんでしたっ！
トレーナーさんはあたしのウマ娘ちゃんへの愛をどこまでも聞き込んでくれて……。理解してくれました。
「会えてよかった」なんてドラマチックな事も言ってくれたんですっ！
あのトレーナーさんは言ってくれたんですっ！！
こんな……こんなあたしにですよっ！？

2
その後も大きなレースで勝ったり、時には酷い負け方をしたりと節目節目ごとに二人で温泉に行きました。
嬉しいことも悔しいことも楽しいことも悲しいことも、みんなみんな話して、スッキリ幸せになってチェックアウト。
……んでも。100％全く完全にハッピー♪なだけではなかったのです。
お風呂に浸かったりお布団に入ったりした時にふと考えちゃってました。
最初の時の気持ち。中等部とはいえ本格化してしまったウマ娘であるあたしと、大人の男性が二人で宿泊。
そんなのもうぴょいじゃん。そんなのもうぴょいじゃないんですかっ！？

いえいえこのアグネスデジタル自分が何者かはよぉ～っく存じておりますっ！
そもそもあたし自身、今まで温泉に泊まるたびに夜通しお話してそのまま寝ちゃっていたのですからっ！
トレーナーさんに万一、いや億が一、そんな気持ちがあったとしてもっ！
ロマンスにならないのはトレーナーさんではなくあたしが原因。
それで最高に幸せになれるあたしが原因ですっ！

3
大体あたしは学生でありトレーナーさんの担当ウマ娘。
トレーナーさんにとって色んな意味で恋愛対象にはなってはいけない存在です。
そういうのこそ美味しいんですけどっ♪
いやいやいやそれは飽くまでデジたんの頭の中や二次元の話でありましてぇ、
デジたんにはまだまだ走りたいレースがあり、叶えたい夢もあるのですっ！
……ん？だったらデジたんが全部走り切って夢を叶えたら？その後は？
受け入れちゃってもいいって、ことぉ！？

落ち着きなさいアグネスデジタル、Be cool, Be coolです。
いいですかデジたんあなたは学生で、まだまだレースが控えています。
トレーナーさんだってそんなこと合点承知乃介です。
ロマンスを夢見るのはいいですが、リアルとフィクションの区別はつけなさい。
ということは夢見るだけなら許される？いやいや違う違うっ！！

4
そんな感じで毎回温泉旅館では脳の栄養を使い尽くして眠ってしまっておりました。
で、五回目の今夜。デジたんのいつものウマ娘語りが一段落したところに、トレーナーさんから、「聞いて欲しいことがある」と。

ピシリ。空気が固まる音が確かに聞こえました。
ゴクリ。デジたんの喉から息を呑む音がしました。
真剣なお話。真剣に受け止めなくてはならない。
引退、辞職。あるいは億が一のロマンス。全部覚悟して、もう一度唾を呑んで、しっかりとお目を見据えます。

「……何でしょうか。トレーナーさん。」
「結婚を前提に付き合って欲しい。」

現実の言葉を前に、覚悟なんてターフの芝のように散りました。

5
思い返して見れば兆候は色々ありましたよ確かにっ！？
挨拶したいからってアタシの里帰りについてきてパパママに「お世話をさせていただいております」と頭を下げたりっ！
僕の親がファンだからと言って自分の里帰りにアタシを引き連れてご両親に引き合わせたりっ！！
「まるで結婚するみたいですねっ！」って茶化したら珍しく歯切れの悪い言葉で「……そうだね。」と応えたりっ！！！
ていうか何で気づかなかったんだデジたんっ！？

いやわかっています。わかっていて、気づかないふりをしていたのは、デジたんの方。
自分にはロマンスなんて似合わない。そう思っていた方が楽だったから。ヲタクのモテなさ、ヲタクのダサさこそをアイデンティティだと思っていたから。

そんなアタシのガラスの鎧を、愛と言う名の金槌が粉々に打ち砕いたのでした。

6
「けっ、けっ、結婚～～～～～～！？！？！？！？」
「勿論今すぐ返事をしなくてもいい。」
「いやいやいやいや、デジたんまだ学生ですけどっ！？」
「結婚は卒業してからの話だ。」
「競走バですけどっ！？！？」
「引退した後でいい。」
「そんなのいつになるか分かりませんよっ！？」
「五年でも十年でも待つ。」
「アタシじゃなくてもっと綺麗で、可愛いウマ娘ちゃん沢山いるじゃないですかっ！！」
「僕は君と生きていたい。」
「～～～～～～～っ！？！？」

強い……強すぎるっ！！
様々なロマンスやてぇてぇを思い描いては描き上げてきたあたしですがっ！！現実、そして我が身と言うエッセンスがここまでクリティカルなものだとはっ！！！！

7
ですがここで気絶してはトレーナーさんの本気に御無礼と言うもの。眩暈でぐらつく視界に必死で耐えつつ、言葉を探します。

「……もし、もし嫌だと言ったら？」
「君のトレーナーを降りる。」
「バカァーーーーッ！！！！」

今まで出したことの無い大声が胸から飛び出しました。

「デジたんを放り出す気ですかっ！唯一のっ！最高のっ！！理解者だと思っていたのにっ！！！
あなた以外の誰が、あたしのトレーナーをできると思っているんですかっ！？」

あれ、デジたん今致命的な事を口走りましたかっ！？そんなの知らないっ！！！

「トレーナーを降りるなんてっ！そんなのはデジたんを最後まで立派な競走バに育ててからにしてくださいこれからもよろしくお願いしますっ！！」

8
「……それは、オーケーって事かい？」
「オーケーもエヌジーも無いんですよっ！デジたんの返事次第で放り出すつもりだったとかどういう事ですかっ！！
脅しっ！脅迫ですこれはっ！！！
引退まで、卒業まで待ってくれるんなら何でそれまで黙っててくれなかったんですかっ！？！？！？」
「我慢が、できなかった。」
「……っ！！」
「アグネスデジタルのファンが増えた。キミの魅力を知る人が増えた。……焦る理由には十分だろ。」
「～～～～～～っ！！！！」

クソデカ感情ってぶつけられる側になると本当にとんでもない！！！
助けてこいつデジたんに首輪をつける気でいるっ！！！！！そしてその首輪が、あんまりイヤじゃないあたしが居ますぅう～～～っ！！！！！

「……時間をください……。」

そう言うのが、精一杯でした。

9
「それがママとパパの馴れ初めですねぇ～。」
「ママいま凄く可愛い顔してるっ！」

ヤマニンキングリーちゃんがスケッチブックにあたしの顔をデッサンします。

「上手だねぇ～♪」
「ママのご本沢山読んでるもんっ！」
「ママの本読むのはやめようねぇ～。」
「夕飯出来たよ。」

キッチンからの声。

「はい！じゃ、行こうか。」「はいっ！」

ああ……現実てぇてぇ。


-----
本格派女児

1
「こ、これがあたしの勝負服ですかぁ……？！」
https://umamusume.jp/app/wp-content/uploads/2021/01/a54adb203540e98efe832550a082a6d8.png
デザイナーの案を見たデジタルは顔を赤らめて耳を激しく動かしていた。

「どうかな。」
「片手袋にガーター網タイツ、ノースリーブでわ、脇が見えて……。ちょっとデジたんにはセクシー過ぎではありませんか？」
「そうかなあ？中学生相当の色気があっていいと思うけど。」
「トレーナーさん、ちょっと変態っぽいですぅ。」

非難めいた視線がトレーナーの顔を見上げる。

「まあ、もう一案あるから。」
「はい。」

トレーナーの視線に応じて、デザイナーがもう一枚バインダーを取り出した。

2
https://umamusume.jp/app/wp-content/uploads/2021/09/cdfc7f009b00acfc4d1dc6eba8c4ef75.png
「おお～～っ！！可愛いっ！いいじゃないですかぁっ！！！」

デジタルの反応は上々。
片手袋の代わりにシュシュ。網タイツの代わりに左右非対称のソックス。
ヘソ出しで露出度は先の案よりやや強めだが、その分JSファッションに寄せた、明るい色を散らした服。
勿論これも素晴らしい物であるし、本人が気に入るならいいのだが、と自分に言い聞かせつつもトレーナーの顔は曇っていた。

「トレーナーさん、好みじゃないんですか？」
「いや、これも凄く似合うと思うよ。」

しかし。アグネスデジタルの私服を見たことのある彼にとっては多少逡巡の種があった。

3
デジタルの私服は、思いっきりJS向けのファッションである。
ピンクを基調にした上着に、シンプルなスカートを縛るベルトにはハート型のバックルが付いている。
小物やアップリケも可愛いを重ねるコーディネート。
小柄なデジタルには似合っている服装ではあり、全体のバランスもとれている。恐らく本人も意図的にこのファッションを選んでいる。
身長143cmという小学生高学年相当の体格に小学生向けファッションを着る事自体は問題は無い。
しかし既に本格化を迎えたデジタルは、これ以上体型が大きく変わることはない。
つまり、体型に合わせたファッションを続ける限りこれから先もずっとJS向けファッションで押し通す可能性がある、という事だ。
それは流石にどうか、という事でトレーナーはセクシー路線の勝負服案もお願いしていたのだが。
本人にNGが出されたのなら仕方がない。

「……トレーナーさんのえっち。」
「誤解だ。」

4
劃して第二案のカワイイ路線を前面に押し出した勝負服が採用された。
トレーナー室に届いた服をいそいそと身に着け、姿見の前でくるくるとはしゃぐデジタル。
その様を見て、まあ焦らなくてもいいか、とトレーナーも笑った。

「どうですか、やっぱりいいでしょう！凄いですよこれ！！ディテールも凄いし生地も丈夫！！今すぐ走り出したいですっ！！！」
「それはよかった。」
「……やっぱりえっちな方の勝負服着て欲しかったんですね？」

トレーナーの気分を敏感に感じ取り、ぶーっとデジタルがむくれた。

「えっちな方って言い方はやめなよ。」
「じゃあトレーナーさん好みの方のっ！」

5
「だってデジタル、キミは私服も幼い路線じゃないか。」
「デジたんが好きで着てるんだからいいじゃないですかっ！」
「高校生や大学生になってもあの路線で行くつもりか？」
「そんなのその時にならないとわかりませんっ！
大体あたしはもう本格化してしまったので、似合う服が増えないんですっ！！
あたしには今の自分の好きなものを好きなだけ着る自由しかないんですよっ！！！」
「わかった。キミは正しい。」

開いた両手を翳し、抵抗の意思がないことを示す。

「大人っぽいのが好きなら……。勝負服のデザインにするとか回りくどいのじゃなくてですね。
その、一緒に服を選びに行くとか、そういう……。」
「いや、僕は単にキミのファッションが心配で、」
「……今割と最低な事言いましたよっ！？」

6
「あたしがっ！勇気を振り絞ってですねっ！男の人と一緒に服を選びに行こうって提案をしたんですっ！！」「うん、うん。」
「それをですね、デジたんのファッションが心配だなんて躱し方、酷くないですかっ！」「デリカシーに欠ける発言だった。」
「でも本音ですよねっ。」「はい。」

喋りでデジタルに適うトレーナーは全国で見ても一握りだろう。

「だからっ、そのっ……トレーナーさん好みのデジたんのファッションをですね。
見繕う機会を……差し上げてもいいというか……。」
「じゃあ次の日曜にしようか。予定空けるよ。」
「えっ、あっ、そんなスピード決済、あっ、はい、よろしくお願いしますぅっ！！」

先ほどまでの勢いはどこへやら、アグネスデジタルは顔面を真っ赤にしながらトレーナーに深々と頭を下げるのだった。

「きゃあトレーナーさん好みにされちゃうフヒヒそんなのちょっとした調教じゃないですか今度の新刊のネタに。」「漏れてる漏れてる。」
「ぎゃぁっ！しまったっ！」



[余談]公式サイトってWordpressで出来てるんですかねえ
https://www.youtube.com/watch?v=ABtT29S5dB8
かわいい
あと勝負服デザインをデジたん自身がやってるエピソードは後から知ったので許してください

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Finest Hour

1
「いやぁ～～～素晴らしい式でしたっ！」

後部座席のアグネスデジタルが満面の笑みを浮かべている。
それをルームミラーで見ながら元トレーナーが応えた。

「身内だけでやろうって案もあったけど、派手にやって正解だったね。」
「そうですともっ！」

身を乗り出そうとしたデジタルをシートベルトの緊急ロックが留めた。

「テイエムオペラオーさんにメイショウドトウさんヒシアマゾンさんにフジキセキさんそれとそれと……あああデジたんの結婚をあんなにも沢山のウマ娘に祝福してもらえるなんてぇっ！！！」

そう、今日は後部座席の彼女、アグネスデジタルと僕の結婚式だった。


2
アグネスデジタルはここ3年ほどにかけて活躍したウマ娘だ。
得意とする距離はマイルから中距離。ターフでもダートでも傑出した成績を誇るウマ娘。間違いなく時代を代表するウマ娘である。
だが彼女を特徴づけるのはその能力だけではない。

彼女は重度の『ウマ娘ヲタク』だった。

グッズを集め、同人誌を描き、それに飽き足らず自身が並んで走る事まで望み、そして実行して見せた。
特に当代最強と謳われたテイエムオペラオーに勝って見せたレースは今でも語り草だ。
ムラっけはあれども強さには誰も疑いを持たない。
それでいて、本人は揺るぎないヲタクでもある。
飽くまでウマ娘が大好きな女の子。それも日常や人生を捧げ尽くすほどに。
走って競って勝ちたいというウマ娘が持つはずの本能をウマ娘への愛で塗り潰してしまえる、異能のウマ娘。

3
そんなウマ娘を愛してしまった僕も相当の異能なのであろう。
彼女の気持ち、ウマ娘への愛を今でも完全には理解できていない。
ただ、理解できないなりに彼女の人生を全うさせたいと思った。

だってそうだろう。ウマ娘のトレーナーは、ウマ娘に惚れ込むのが仕事だ。
その『ウマ娘への惚れ込み』の化身を、僕はこの小柄なウマ娘に見出してしまった。
ウマ娘を愛しウマ娘の為に生きるという点で、彼女に敵うトレーナーが果たして地球上にいるかどうか。

そんな最高にウマ娘を愛するウマ娘ヲタクのウマ娘に、僕は惚れ込んでしまった。
当時中等部の、小娘と言っていい年頃のウマ娘。そんな彼女が不器用ながらも全身全霊でウマ娘全てを深く広く愛する態度。
僕はそれを見て、完全に屈服した。

4
競走バの世界は厳しい。最小5人、最大16人が競い、『勝った』と言われるのはたった一人。
それ以外の4～15人は、例えどんな記録を残そうと『負けた』ことになる。
3割打てれば名打者と呼ばれる野球より。一対一で闘い過半数勝てれば強者と言われる格闘技より。
レースという競技の勝敗の定義はずっとずっと厳しい。
だからトレーナーは死に物狂いで作戦を立てる。対戦相手の苦手を攻め立て、時には妨害行為を行ってでも一番人気の足を引っ張ろうとする。
それこそが『正々堂々としたレースへの参戦姿勢』だ。

そんな競走バ人生にあって、デジタルは飽くまでも敵を愛した。
全力で戦い、勝利も敗北も喜びとした。
勝てば素晴らしいウマ娘を下した喜びを、負ければ素晴らしいウマ娘と戦えた喜びを。噛み締める事の出来るウマ娘。

講釈はもういいだろう。僕はシンプルに。彼女に惚れてしまったのだ。
小学生高学年程度の体躯しか持たない、そしてもうそれ以上成長しない、アグネスデジタルというウマ娘に。

5
ロリコンの誹りは甘んじて受け入れた。
デジタルは成長しきってこの体型なのだから彼女と結婚する相手は誹られる運命にあるし、それは誰にもどうにもできないことだ。

「似合ってるよ、ドレス。」
「……えっへへぇ～♪」

照れた顔がルームミラーに映る。

「ありがとう、僕と結婚してくれて。」
「こちらこそですっ！」

身を乗り出そうとしたデジタルをシートベルトの緊急ロックがまた留めた。

「こんな、こんなアタシと一生……えっへっへぇ、一生添い遂げてくれる方が現れるなんてぇ……全然想像もしてませんでしたぁ……♪」
「うん。」

6
「……ありがとう、ございますっ……。」

ひっ、ひっ、とデジタルは涙を流す。僕も泣きそうになる。

「礼を言うのはこっちの方だよ。ありがとう。プロポーズ、受け入れてくれて。」
「ひぃぃいいいん……。」

デジタルは俯いて嘶いた。もう限界なのだろう。
僕なんかと結婚してそこまで反応してくれるなんて、冥利に尽きるじゃないか。

「家に帰ったらお風呂入ろうか。緊張で汗かいちゃってさ。」
「あたしもです。」

ミラー越しに見える目元を腫らした『妻』の顔に不覚ながら興奮してしまった。

7
「ごめん……お風呂だけじゃ済まないかも。」
「……えっち♥」

ミラー越しに見るデジタルの目には非難の色が全く無いのがわかった。


-----
愛ある限り戦いましょう

1
「行ってきまーっす！」

元気よくドアを飛び出したアグネスデジタルを見送り、僕は朝ご飯の片づけに取り掛かる。
食器を洗い終わったら洗濯に取り掛かる。
妻の下着を手に取るのは最初は緊張したものだが、今となっては慣れたものだ。
洗濯機が唸っている間にウマ娘の練習する風景を撮ったビデオを流しつつ競バ新聞をざっとチェック。
掃除機をかけ終わる頃には洗濯機が沈黙しているので絞り終わった衣服を取り出しベランダへ。
二人分の洗濯物を干し終わったらコーヒーを淹れて、パソコンに向かう。
正トレーナーに渡す為、預かったウマ娘のデータを分析してまとめるのだ。

今の僕の仕事はサブトレーナー。
と言いたいところだが、本当の仕事は、アグネスデジタルの夢の後見人である。

2
トレセン学園を卒業したアグネスデジタルは大学進学を志望した。
理由は「ウマ娘ちゃんとキャンパスライフを送りたいっ！」
が第一で、第二は「トレーナーになってウマ娘ちゃんハーレムを味わいたいっ！」
実に彼女らしい。

今の住まいに近く（※トレセン学園が近いので学園生徒と出会う機会が期待できるため）トレーナーになるための学科がある、
と言うアバウトな理由で選んだ大学は、当時の彼女の偏差値ではかなりの難関だった。
しかし挑まず諦めるのはデジタルの性に合わない。先のレースの大敗を機にたっぷり一年取った休養の間に、二人三脚で試験対策を実施。

合格掲示の前に二人で立つ。
「どうだ、デジタル……？」
「御無礼。一発です♪」

ニヤりと笑って振り向いたデジタルを僕は思わず抱き上げてぐるぐるとその場で回った。夕方のニュースに映像が流れた。

3
その後大学生活が落ち着くと、僕らは結婚した。
元々トレセン学園時代から婚約をしていたから、別に急に決めたことという訳でもない。
学生結婚という事で親や周りからは色々言われたが、
「この人をこれ以上待たせたくなかったので～♥」
と惚気るデジタルの会見映像が全ての話題を呑み込んで波の向こうに攫ってしまった。
競走バとしてのキャリアから、彼女はメディアをコントロールする強かさも身に付けていた。
我ながら、素晴らしい女性と結婚できたことが誇らしい。

尚、デジタルは大学に進学後はレースの成績があまりおぼつかなくなり、程なくして引退している。
引退レースでの素行は今でも競走バ史に残る珍事として語られているが……それは別の機会に話すことにしよう。

4
僕はと言うと彼女の引退後は仕事の量を減らした。
流石にパートナーのいる身でほかのウマ娘の専属トレーナーをするのは無理がある。

「え、トレーナー辞めるんですかっ！？」
「誰かの担当ってのはやらなくなるかな。」
「そんなっ！勿体ないっ！！あたしもアナタと一緒にウマ娘ちゃん育てたいのにいぃ～～～！」
「……担当トレーナーに『君を一人前のウマ娘に育てるけど、一番大切なウマ娘は妻だ』って言われたらどう思う？」
「惚気てんじゃねえって思いますっ！！納得しましたっ！！！」

なので今はこうしてサブトレーナーとしてデータ分析を主な仕事としている。
これなら家事とも何とか両立が出来る。
収入は減るが、デジタルが現役時代に稼いでくれた賞金があるので少なくともここ10年は生活に不安はない。

5
「ただいま帰りましたぁ～～！」
「おかえりなさい。」

驚くなかれ、デジタルは今でもいわゆる小学生向けファッションを押し通している。
体型に似合うからと言うのもあるが、彼女曰く『ナンパ避け』なんだそうだ。
「めんどくさい女に見てもらえるから男の人が避けてくれるんですっ！」
そんなに嬉しそうに言われると困ってしまうのだが。

「もうご飯食べる？」
「はいっ！終わったらレポート手伝ってくださいっ！」
「了解。」

6
「今日は随分甘えただね。」
「んっふふ～♪」

ベッドの中、左腕にデジタルが縋り付いて寝転んでいる。
それぞれの寝床は用意してあるのだが、今日の妻はこういう気分のようだ。尻尾がバタバタと暴れて掛け布団が起伏する。

「排卵期なんですっ！」
「そう……。」

もうちょっと何か言いようがないものかなぁ……。生理周期を隠す間柄ではないとは言え。
でもデジタルに甘えられるというのはやっぱり嬉しい。
腕から感じる高めの体温。嬉しそうな笑顔。長い髪から放たれる芳香。僕も幸せだ。

「いい匂いがする。」

7
「えっ。」
「あっごめん。」

口に出てしまっていたか。

「なんで謝ってるんですか。いい匂いって言われて嫌な妻はいませんよっ。」
「同人誌のネタに出来そうかい？」

我ながらいい躱し方だと思った。思ったんだけど。

「大好きな夫にぃ、いい匂いって言われてぇ……嫌な妻はいませんよ？……って言ったんですよぉ？」

デジタルが僕の体の上にのしかかった。軽い体重。でも放たれるプレッシャーはG1六冠バに相応しいそれだ。どんなバ場でもどんなポジションからでも勝ちに行ける、異能のウマ娘の……。

僕がどんなバ場でどんなポジションから負かされたのかは、詳述は避けさせて欲しい。


-----
第二の日の出

1
「あたしは今っ！太陽と一緒に戦っているーっ！！」
最後の直線であたしはウマ娘ちゃん達の様々なご尊像を幻視しました。
思い出の中に光る決して色褪せない美しい偶像（アイドル）達。
でもいまのあたしはそれだけじゃない。思い出だけじゃない。
トレーナーさんが。ファンのみなさんが。そして何より今ここで走っている全てのウマ娘ちゃんがぁ！
あたしに走れと言っているっ！！
輝きの中へ！尊みの中へっ！！飛びこめぇえーーーーっ！！！！

2
なぁんて熱く走った時代もありましたっ。
残念ながら今はもう、脚が付いていきません。
いやいや、怪我をしたとかではないんですよっ？！もう兎に角最近デビューしたウマ娘ちゃんが強くて強くてかっこよくてっ！！
衰えてしまったあたしでは勝負にならなくなった、という意味です。
いつかは必ず来ること、とは言え、やっぱり寂しかったですよねぇ。
だから引退会見でも泣いちゃいました。
もう二度と、あんな風にレースは出来ない。
ああ、だからそれを青春と呼ぶんだって、会見しながら気づいちゃって。
えへへ、あの時はお恥ずかしいところをお見せしました。

実は、もう競走バ生命が長く無いな、というのは大学進学前から気づいてはいまして。
トレーナーさんからも勧められて、がっつり休養とりまして。その後進学直後にダートで4着。
ショックでしたよねぇ。何の為に休んだんだっていう。
その後のG1で何とか勝ちまして、それが最後の勝ちになりましたねえ。
ああ～しんみりしちゃった。そういう話じゃないのですよ。

3
そうしてそのぉ。太陽？の話。
引退すると当然ファンの皆さんともウマ娘ちゃんともお別れになります。
明るい舞台からも遠ざかって。でも人生は続きます。ピッカピカに輝いていた舞台から降りた後のこれから人生数十年。
……実は進路は決めておりましたっ！
はい、ウマ娘ちゃんのトレーナーですっ！
あたしからレースを取ったら何が残るのか。ウマ娘ちゃんへの推しです。推しの心です。そこにある壁として、石ころとして、芝として土としてラチとして見つめ尊敬し支えていきたいこの気持ちですっ！
思い出したよ最初の気持ちって奴を、って事ですっ！
あたしの人生は元々、陰にあったのです。それが黄昏を経て、また陰に戻っただけ。
でも夜空には星がたくさん瞬いていますしっ！それを見ながら夜明けに向かってずんずん進むのはとっても楽しい事ですっ！

4
夜明けとは何か？勿論っ！トレーナーになることですっ！！
「トレーナーってウマ娘ちゃんのハーレムじゃないですかっ！」てね。
勿論、今こうしてトレーナーさんと結婚しているとそれがそんなに簡単じゃないことぐらいわかっています。
でも、でもっ！
夜空に輝くウマ娘ちゃんと言う星々。手が届かなくたって、見つめることは出来ます。天文学者になることは出来る。
そしてそれは、一生出来る事だと思うんです。
天文学者になれたなら、例えピカピカの青空の下でもどこにどんな星があるのかわかるでしょう。

そしたらワクワクしてきませんかっ！これから訪れる日の出は、昇ったらもう沈むことは無いんですっ！
あの日が戻らなくたって、あたしの未来には光が満ちている。それが分かったんです。

5
え？結婚した理由かぁ……。
ずっと支えるって約束してくれたからですね。感謝しかありませんよっ！
G1六冠バを育てたってキャリアがあれば、幾らでもトレーナー続けられる筈だったんですからっ！
それなのにデジたんと生きる道を選んでくれた。
「トレーナーさん自身の人生はどうなるの？」って思って、訊いたんですね。
そしたら「僕はキミにイキイキしていて欲しい」って。
人生全肯定っ！そんな事言われたらもうキュンじゃないですかっ！ラヴじゃないですかっ！！ぴょいじゃないですかっ！！！
まあ実はこれを言われた時は「よっしゃあ遠慮なく推し活してやるぜぇっ！」ぐらいの気持ちでしたけど、
その夜もう一度言葉を噛み締めて、愛だろ、愛。ってなって。
後日プロポーズされたんでぇ、受けました。あったりまえですよねっ！！

6
「今日はありがとうございました。」
「こちらこそですっ！」
インタビュアーさんにびしっと敬礼。こうしたあざといムーヴは現役時代に培ったものです。
幼いあたしの容姿には、あざとくて頭が悪くてその上で礼儀正しい、というのが好感度が高いと学んだのです。
ぶりっ子ってめっちゃ言われますけど、実際話したらおっさんだねとも言われるんでイーヴンです。
オフィスを出て地下駐車場に行くと夫が待っていました。
「お疲れ。」
「はいっ！」

時刻はもう夕方。助手席から見る西の空は絵の具で塗ったような奇麗なオレンジ色で、東の空はもう夜の色をしています。
「どうだった？」
「よかったですっ！」
「よかったって……インタビューが？」

7
「日が沈んでも……。」
「……日が沈んでも……？」

運転席の夫の顔を見ます。

「手をつないで、一緒に夜明けまで歩いて行けたら。」
「ロマンチックな事言うね。」
「えっへへ、これでもアイドルソング沢山歌ってきましたからっ！」
「夜明けまでか……。いいね。ありがとう。」
「あっ、いやっ、違いますっ！！」
「えっ？」

怪訝な顔のアナタに、追い討ちを。

「夜明けの後も、ずっとですっ！」


-----
ノットキャンパスライフ

1
扉をノックすると「どうぞー」と声が聞こえたので妻の部屋に入る。
アグネスデジタルはこちらに背を向けPCに向かったままで、動画を見ているようだった。
「何見てるの？」
「アグネスデジタルちゃんの配信ですっ！」
「は？」

画面を見るとデジタルの3Dモデルがひょこひょこと動きながらゲームの実況を行っている。

「何これ？」
「世の中には凄い人がいますねぇ～。このデジたんの3Dモデルが作られてて、色んな人がアバターに使ってるんですよっ！」
「許可出した覚えないんだけど。」
「こういうのはそういうもんですからっ！」

そういうもん……。

2
「中でもこの人は大分デジたんに似ててですねっ！イチオシですっ！」

そう言いながらデジタルはキーボードを叩いてチャット欄になにがしかを入力すると、画面にクレジットカード決済の画面が表示される。
彼女は躊躇わず\50,000を……振り込んだ！？

「ちょっと今何した？」
「赤スパ入れましたっ！」
「何で5万円も。」
「1万円だと『元六冠バのクセに赤スパギリギリの額入れるのケチ臭い』って叩かれるんで！」
「嫌な世界だな！それに身バレしてるじゃないか！」
「特に隠してませんからね。」
「……キミがいいならいいけどさ。」

ネットは広大だ。一応彼女自身のハンドルネームも覚えておくことにする。あとで検索しよう。
……それにしても。

3
「ぎゃひっ！？何するんですかぁっ！！」、

後ろからデジタルのお腹を両手でぎゅっと掴んだ。

「最近はインドアばかりで鈍ってるんじゃない？」
「離してくださいぃお腹揉まれるのイヤぁですぅっ！」
「トレーナーの目を誤魔化そうったってダメだぞ。」
「大学のレポートもあるしトレーナー試験対策もしててデスクワーク多めなんですから多少はその……なりますっ！
いいじゃないですか今はもう現役じゃないんだし！ギッチギチに絞り込まなくたって健康ですっ！」
「健康ねぇ？」

ゲーム実況配信動画に視線をやりながら、全盛期より僅かに、しかし確かに斤量の増えたお腹を責める。

「わっかりましたからっ！今は落ち着いて動画見せてくださいよぉ。」

4
「明日運動公園でも行く？」「やたっ！行きます行きますっ！」

デジタルが目の色を変えながら僕の腕を振りほどく。引退したとは言え、走りたい本能は絶えない。明日は土曜日だし、急だけどデートと洒落込もう。

――――そして土曜日。
「んっへへへへへ……ウマ娘ちゃんがいっぱい～♪」

ウマ娘用ランニングコースでは、トレーニングウェア姿のウマ娘達がそこかしこで走ったりストレッチをしたりしている。
ジャージ姿のデジタルも入念な準備運動をしながら首をぐるぐると動かして躍動するウマ娘の肢体に見入っている。

「集中しないと怪我するよ。」「あっはいっ！」

注意すると首を戻してストレッチに戻る。こういう所は変わらず真面目だ。真面目……。

「集中っ！」「はいっ！すみませんっ！」

5
「じゃあまずは軽く行きますかね。」

競バ場ほどには整備されていない踏み荒らされ気味のターフを、確かめるように走り出す。
程なくして足が馴染んだのか、少しずつ加速していく。ペースがゆったりとしている分、美しいフォームを鮮明に見ることができる。
長いターフをぐるりと回れば3000メートル。マイラーのデジタルでも全力疾走でなければこのくらいは走り切れる。
とは言え、息は荒い。

「お疲れ。」
「やっぱり走るっていいですねっ！」

キラキラと笑って見せる。惚れた贔屓を差し引いても、この笑顔は美しいと断言していいだろう。

「アグネスデジタルさんですよね？」

声に二人で振り返るとウマ娘達に囲まれていた。

6
「えっあっはいっ！ああウマ娘ちゃん達があたしを見てるぅ～♪」

涎を垂らしつつも手は滑らかにバッグに伸び、消毒ローションを塗りつけて握手に備えている。
きゃいきゃいとはしゃぐウマ娘ちゃんに写真を撮らせたりサインを描いてあげたり。実に楽しそうだ。

「とっくにハーレムじゃないかデジタル？」

そういうと彼女はううーん？と困ったような笑顔。
夢の途上だけど夢見るような瞬間。偶にはいいじゃないか。
太陽のような夢が叶う前に輝く月に見惚れたって。いつだってキミはそうやって美しいモノを愛でて来ただろう。

「トレーナーさんも一緒にお写真どうですか？」「え？僕？」

ウマ娘の子が僕に声をかけてきた。デジタルの顔を見ると嫉妬や焼きもちの混ざったような複雑な顔をしている。
正直ちょっと、ぐっと来てしまった。

-----
マニキュア

1
――――いつでも勝てるかどうか分からない。だが私には信仰がある。信仰が私をこれほどまでにした。

2
勝負服の中にメイクが含まれているウマ娘も存在する。
アグネスデジタルもその中の一人だ。

「……。」

自身の爪にメイクアップアーティストがマニキュアを塗る様をデジタルはじっと見つめている。

「よし！完成です。」
「いつもありがとうございますっ！」
「頑張ってきてください。」
「はいっ！」

デジタルが大きく頭を下げると、メイクアップアーティストは笑顔で頷いた。
真のプロはメンタルケアも一流だ、と傍にいたトレーナーは感心する。

3
振り向いた瞳に迷いはない。
レース前にはいろいろと悩ましい要因があった。
他人の枠を横取りするような形での出走登録。
そのウマ娘が走るのを楽しみにしていたファンや関係者のバッシング。
そうまでして走らなければならないのか？それが競走バの宿命だとしても、他にもやりようはあったのではないのか？

「じゃあ言い方を変えよう。」

心を曇らせているデジタルに、トレーナーは悪魔のように囁いた。

「テイエムオペラオーとメイショウドトウ相手に君の得意な2000mで戦えるチャンスが、この先来ると思うかい？」

戦いたい、以外の答えなどあるはずがなかった。

4
こんなに苦しく悲しいのならば愛などいらぬ、と帝王は言った。
こんなに苦しく悲しくとも、愛があれば乗り越えられると彼女は言う。
自分が押しのけたあのウマ娘も、きっとそれを乗り越えられる。そう信じる。だからこそ、走りたいでも勝ちたいでもなく、自分は、絶対に勝たなくてはならない。

「あの子は僕の囁きなんかで奮起した訳じゃありません。
一人の競走バとして、自分で向き合い、自分で克服し、自分で決意した。望んで重荷を背負い、それを力に変えられる本当の競走バに。あの時初めてなれたんです。」

出走前。手を開いて爪を見る。
衣装の色に合わせて指ごとに赤、黄、水色に塗り分けられたマニキュアが雨の中光っている。
メイクさんは頑張ってきてくださいと言ってくれた。
こんな、こんなあたしに。悪役のあたしに。4番人気20倍バ券のあたしにだぞ？
輝く爪を拳にして握りしめる。
ゲートオープン。

5
逃げを得意とするウマ娘が出遅れた事からレースはスローペースで進んだ。
全てのウマ娘がスタミナを温存できる状況。終盤で最高速を競う勝負になる。
3200mでも勝利した経験があるオペラオー相手にスタミナ勝負は分が悪い。デジタルにとってはお誂え向きの状況だった。
最終コーナーを外から回る。競り合いに強いオペラオーには付き合わず、外から伸び伸びと駆ける作戦だ。

当代最強と謳われるウマ娘ちゃんと得意の距離で戦える。
応援してくれるファンも、背中を支えてくれるトレーナーも、夢を奪った代わりに光を見せなきゃいけないウマ娘ちゃんもいる。
これで燃えないウマ娘はいない。
ここで萌え尽きなければアグネスデジタルじゃないっ！

最後の直線、観客席のファンを見る。思わず外に切れてしまう。そんな距離損などものともせず、アグネスデジタルの末脚が炸裂した。

6
「あの後割とすぐにオペラオーさんが引退したのは本当に残念でした……。」

悲しそうにアグネスデジタルは言う。

「枠を押しのけたウマ娘ちゃんもご存じの通り……余り長くは活躍できなくて。
あっ、今もオペラオーさんやその子とは仲いいんですよ？一緒にご飯食べたりしてますっ！
とは言え、あのレースの事を思い出すと考えちゃうんですよね。
自分がトレーナーになったら、こういう背負う事で湧き出て来る力の事をどう教えるか。
それと、背負ったからと言って必ずしも全てが報われる訳でもないって事も。」

「それはもう、ウマ娘ちゃんを信じるしかないのかなって。
デビュー前からあたしはウマ娘ちゃんを信仰し、崇拝していました。
きっと乗り越えてくれる、乗り越えた結果が例え報われなくても、その先にまた光を見つけられるはずだって。」

7
「ウマ娘は自分で育つものです。自分で育ち、自分で挫折し、自分で立ち直る。
僕達トレーナーはそのそばで、ほんの少し手助けができるだけ。
代わりに走ることも代わりに悩むことも、代わりに諦めることすらも出来ない僕達ができることは、本当に少しだけ。」
「ウマ娘ちゃん様はデジたんにとって会いに行ける神様ですっ！
神のお悩みを解決できるなんて烏滸がましい。御託宣としてお伺いし、祈りの言葉を捧げるのみです。
『きっと大丈夫ですウマ娘ちゃん様』って。……あたしなんかでも、それで勝てちゃったんですから。」

――――
「お～いおいおいおい……。」
「泣き方がレトロなんだよなあキミ……。」

僕達夫婦のインタビュー記事を読んで妻、アグネスデジタルが涙を滂沱と溢れさせていた。

「あだじ、ずごぐ良いごど言っでまずぅ～。」
「そりゃよかった。」

8
ふと、デジタルが自分の手の爪を見つめた。

「どうしたの？」
「あの時のメイクさん、頑張ってきてくださいって言ってくれたんですよねえ。」
「ああ、いい人だったね。」
「今ならプロとしてのリップサービスだったってわかるんですけど。
でもやっぱり嬉しかったんです。やる気出ました。」
「うん。」
「ああいう事が出来るトレーナーになりたいです。」
「うん。そうだね。キミならなれるよ。」
「……えっへへ♪」

歴戦の勇者は、少女のように照れてその耳を細かく動かした。

-----
最高にヤりたい時にヤるうまぴょいは最高に気持ちイイんですよっ！

1
「ただいまっ！」
「おかえり。」

大学から帰宅したアグネスデジタルは、ただならぬ意気を放っていた。
顔は紅潮し汗ばんで、目つきは鋭く、息が荒い。
走って帰って来たのだろうか。

「先にお風呂にするかい？」
「お風呂、お風呂っ！そうっそうですねっ！シャワー浴びてきますんで、アナタもシャワー浴びて来てくださいっ！」
「いや、うちお風呂一つしかないけど……？」
「あっそ、そう、そうですねっ！じゃあ一緒に浴びましょう！」
「ご飯の支度が、」
「そうっ！そうですともっ！そうですよねっ！ご飯食べましょうご飯っ！」
「シャワーはいいの？」
「あっあああぁぁーーー！！！……っごご飯にいたしますですっはいっ。」

2
……正直この時点で、デジタルに何が起こっているのかはある程度、いや、完全に察していた。いたけれど。

食卓に着いたデジタルはいつも以上に箸を素早く動かし、テーブルの上の料理を片づけていく。
今日の献立は白米ご飯にほうれん草の味噌汁、コンソメスープのロールキャベツ、豆腐とトマトのサラダ。
バキッ！

「あっ。」
「あっ、ごめ、ごめんなさいっ！す、すぐ拾いますぅっ！」

力加減を間違えたのか、デジタルが箸をへし折ってしまった。

「いいからいいから、座ってて。」
「はいぃ……。」

こんな事は同棲初日の食事以来だ。

3
折れた箸を拾い、新しい箸を手渡す。

「はい。」
「あ、ありがとござますぅ……。」

顔を赤くしてこちらの目を見ようともしない。……絶対おかしい。おかしいというか、その。

――――
二人して無言で手早くご飯をやっつけると、洗い物を食洗器に任せて二人してお風呂へ。
脱衣所で服を脱ぎ去るが早いかデジタルが首に飛びついてキスをしてきた。
慌てて身を屈めて応じる。

「んっ、んふっ、ふぅっ、んんっ！」

破裂しそうな吐息と一緒に舌をねじ込まれる。口の中をねろねろと舐められてねだられる。アナタも入れて、あたしに挿し込んでと。

4
唇同士で繋がりながら風呂の戸を開けるのはなかなか難儀した。
水栓のレバーをシャワーに切り替えてハンドルを捻る。二人して冷水を浴びる。
が、冷たっ、と悲鳴を上げたのは僕だけだった。デジタルは変わらず湯気でも立ちそうな情熱で僕の唇を味わっている。
その顎を両手で掴んで何とか引きはがすと、ぬとっと粘度の高い唾液が糸を引いた。

「いじわるぅ……。」

青い瞳の上目遣いに僕の下半身もぐっと反応する、が。

「お互いいい大人なんだからさ。」

フケ。ウマ娘の発情を示す言葉だ。こうなるともうレースどころではなくなる上、フェロモンを分泌するのか周りのウマ娘にも伝播してしまう厄介な症状。
勿論対策は存在する。身も蓋もなく発情を抑える薬がある。デジタルだって当然知っていて、お世話になったこともある。常に持ち歩いてもいるはずだ。

「いい大人だからこそですっ！」

5
「フケちゃった時の最高に興奮したフケぴょいがしたかったんですっ！
だってだって現役の時はいっつも薬で抑えられていましたっ！ほかのウマ娘ちゃんはトレーナーさんとたっぷりしっぽりずっぽりしてる最中にですよっ！？！？」
「ちょっと待て待て、ほかのウマ娘って、」
「例えば！」

ここでデジタルが挙げた名前については明かせない事を許してほしい。

「そうだったのか……いや、何となくそんな気はしてたけど。」
「だからあたしだって青春したいんです！青春の過ちぴょいを思いっきり取り戻したいんですぅっ！」
「過ちはダメだろっ！」
「過ちたいですぅ～～～！！！」

スクワットのように両手両足を上下にぐんぐん動かして駄々をこねる。
こんなセックスアピールがあったものか。
けれど、赤く充血したクリ鞘と小陰唇が膨らんで股間からちらちら見える様に、僕もすっかりと『フケ』てしまった。

6
「あ、大きくなってる♥」

陰茎の素直さを目ざとく見つけたデジタルが跪いて迷わず口に含んだ。
うぅ、と唸って僕はシャワーのハンドルを閉める。もう参った。参りました。担当としてキミのフケを解消しよう。
半勃ちの肉棒を飽くまで優しく、ゆっくりと労わるように妻の舌が舐め回す。
恥ずかしい話だが、女性経験の乏しい……つまりは自慰でばかり欲望を発散してきた僕の半身には変な癖がついていて、射精寸前の快感を維持し続けていないと勃起せず、かつ刺激を与えすぎると半勃起のまま達してしまう。要するに勃起力がズブいのだ。
妻はそんなデリケートな難物の扱いを知り尽くしている。
飽くまで優しく、撫でるような愛撫で僕の陰茎をじわじわと刺激し最高潮まで導いていく。そして僕はと言えば、幼い容姿のデジタルが僕の汚い欲棒にそんな心尽くしの奉仕をする様に刺激以上の興奮をしてしまう。

ちゅぽんっ、と音を立ててデジタルの唇が陰茎から離れた。半身はすっかりと肉槍の様相を呈していた。

「嬉しい……♥」

うっとりした顔でデジタルがソレを見つめる。

7
「じゃあ、あたしの番ですっ！」

そう言ってデジタルが浴室の壁に手をついて、秘部を露にする。
花弁は充血して綻び、ぬっとりとした蜜で濡れている。
全く。お互いに愛撫して愛撫され、ロマンティックに繋がるつもりだったのに。「細かい事は省いてください」と言わんばかりの開花に僕は膝を曲げて、雄蕊を雌蕊に突き刺す。

「おぉふぅっ♥」

嘶きが浴室に響く。秘肉は声よりも更に正直に僕の肉棒にしゃぶりつく。
普通の男ならその途端に漏らしかねない刺激だが、今の僕は平気で耐えられる。ウマ娘とセックスし続けると性的にも強くなるという噂は本当なのだろうか？
だとすると強く美しく淫らな彼女らはさながら悪魔かサキュバスか。

「あぁーっ！！」

8
強く縋りつく膣から無理やり陰茎を引き抜くと、デジタルはと悲鳴のような声を漏らした。

「おぉほぉーっ！！！」

そしてもっともっとと吸い付く膣に、引き込む蠕動以上の速度で肉槍を刺してやるとと喜悦に嘶く。

「もっとゆっくりが良かった？」
「い、意地悪ぅ……♥ す、好きにしてくださいぃ……♥」
「わかった、好きにするね。」

言質を取ったとばかりに腰を動かす。

「おっ？ おっ♥ おっ♥ あんっ♥ はぁっ♥ ぐふぅっ♥」

デジタルの秘部を肉棒で掻き毟ると、彼女の肺から甘い息が漏れる。

9
「あっあっあっあっあっだめっだめっ激しすぎぃっおん、あっうふぅっ♥」

その悲鳴を聞いて、僕は浅い膣の最奥に亀頭を押し当てたまま腰の動きを止める。

「だめ？優しくした方がいい？」
「い、い、意地悪、いじわうぅ……。」

もじもじぐりぐりとデジタルの腰が蠢いた。

「続きはベッドでしようか。その態勢辛いでしょ？」
「こ、この、調子に乗ってぇえええっ！？」

返事を待たずより長いストロークで膣肉にチンポを擦らせる。こっちも実は限界が近かった。ここで相手の絶頂度を把握していないと危ない所だった。

「ああ、出される、出されちゃう、種付けする勝手なピストンじゃんっ！学生なのにぃ、デジたんじょしだいせーなのにぃ、妊娠させちゃうのぉっ！？」

10
「そうだよ、人生滅茶苦茶にしてやるから！」
「してぇっ！滅茶苦茶にしてぇっ！！デジたんはもうアナタだけの牝バだからぁっ！！」
「ううっ！！」
「ああーーーんっ！！」

子宮を限界まで押し込むように突けば、締まった膣が肉棒の皮を引き延ばして亀頭の根元に刺激を集中させる。
どびゅうぅぅーーーっ、と快感が尿道を駆け抜けていく。
デジタルも全身をびくつかせてそれを受け入れる。
ああ、夫婦の最高の快感とはこれだ。脳が確信しているのが分かる。
熟していながら中学生平均にも満たない肢体が淫らに自分を求め、余裕のないその肉欲を自分の嗜虐欲で叩いて、捏ねて、注ぎ込んでやれる。
『幸福』ではない快感。『道徳的』ではない善行。『理知的』ではない合理性。
誰にも文句の言えない『正しい背徳』がここにある。

11
はあぁーっ。はあぁーっ。はぁーっ。はぁっ、はあぁーっ……。
長い息を何度もついて痙攣しながら余韻を味わい尽くすと、妻は振り向いて言った。

「……続きはベッドでって、言いましたよね♪」

言っていない。少なくとも二回戦の話じゃない。

けれど白濁を溢れさせる陰部。
妻のとろけた笑顔。
そして未だ萎れない剛直を視界に収めたら、反論は意味を成さない。

「うん。」

ウマ娘と言う存在は本当に、サキュバスなのかもしれない。



[余談]「淫魔とやりまくると精力が上昇する」という設定を作り出したサキュバステードライフに感謝します。

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ヘアー

1
「♪きみの愛バが～ ずきゅんどきゅんはしりだし～♪」

アヒル座りで楽し気に鼻歌を歌う僕の妻、アグネスデジタルの背後で胡坐をかいて、彼女の長い髪の毛にゆっくりとブラシを通す。
色素の薄さが示す通り、彼女の髪は細く柔らかい。
頭皮に軽く触れてからするりと毛先までブラシを通すたび、彼女の尻尾が嬉しそうにパタパタと揺れる。

「痒い所はありませんか？」
「ないでぇーっす♪」

片手を添えて、傷つけないようにゆっくりとブラシを通す。
本当は頭皮をマッサージするようにブラッシングした方がいいらしいけど、この奇麗な髪がぐしゃぐしゃになるのが嫌でそこまでは思いきれない。
つまりこれはヘアケアの為のブラッシングと言うよりは僕の為のグルーミングに近い。

2
梳られた髪がふわりと顔に近づくたび、シャンプーとリンスの香りがする。
桃色と茶色が混ざったような彼女の髪にはブロンドのような輝きと黒髪のような艶が同居している。
見つめる程に不思議な髪質だ。
手に取った髪束は細く、しかし指で擦ると柔らかくも強い存在感がある。

「……何ですか？もうおしまい？」

デジタルが振り返った。

「ごめん、つい見とれてた。」
「マジですかぁ。アナタあたしの事好きすぎですよぉ。」

困ったように笑いながらも、尻尾は嬉しそうにパタパタと振られている。

3
「あたしの髪、そんなに好き？」
「うん。」
「Oh……。即答。」

デジタルはまた困ったような笑顔で驚いて見せる。

「頼りないようで意外と強くて、キラキラ光って艶々と色気があって。
勿論毎日のトリートメントの賜物なんだろうけど、本当に綺麗でいい香りがして、」
「ちょちょちょちょちょーっとストップストップですっ！」

デジタルが両手を前に出して僕を止めた。

「何だかマニアックでフェティッシュですよぅ、それヨソで言ったら絶対引かれるやつですからねっ。」
「……わかってる。」

4
んもうっ、とぷりぷりしながらデジタルは立ち上がり寝室に向かった。
僕も明日の仕事に備えるため立ち上がり、自室に向かう。

溜まった仕事を終えると自分も寝室に入った。
隣のベッドの妻はすっかりと眠りに落ちて穏やかな寝息を立てている。

――何だかマニアックでフェティッシュですよぅ
妻の抗議が脳裏によぎった。布団の上に流れる髪の毛をそっと撫でる。
つるつるとした手入れの行き届いて生き生きとした手触り。
間近に近づけるとシャンプー、トリートメントに寝汗の匂いが微かに混じる。

「……僕も変態なのかな？」
「『も』ってどういう意味ですか？」

見るといつの間にか起きていた妻の青い瞳が、恨みがましくこちらを見上げていた。

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ファッション

1
「ウワーッ！カワイイッ！！」

妻から送られてきた自撮り写真を見て、らしからぬ声を上げてしまった。

アグネスデジタルは今日は大学のサークル仲間と一緒に服を買いに行っている。
女子小学生向けファッションを好む妻は大学にも「男避け」と称してその服装を押し通している。
しかし流石に親しい友人からはもう少し冒険した方がいいという意見もあったそうで、本日に至る。

2
どうかな？というコメントと共に送られたデジタルの装いは全体的にシックだ。
黒い短めのスキニーパンツで足首を見せて、裸足にスニーカー。
トップスは袖余りのダボッとしたニット、その上にさらに白いコートをこれもルーズに羽織っている。
この「着られている」感が幼い外見のデジタルに綺麗にフィットする。

「そんなアプローチがあったのか……。」

『大人の服を無理に着ている風の可愛らしさ』。ファッションに疎い自分は素直に感心した。

3
「凄く可愛い」
と返信するとテンションの高めなスタンプが返って来た。
僕は彼女の写真を待ち受けにして机に置くと、再びパソコンに向かい、サブトレーナーとしてのデータ解析の仕事に戻った。

暫くしてまた通知音。
見ると今度もシックだが、方向性はより大人っぽい。
革靴に黒のソックス、茶色いロングスカートのトップスはストライプのシャツに厚手の紺色のジャケット。

「奇麗だ……。」

思わず口に出てしまう。

「凄く綺麗」
と返信するとまたテンションの高めなスタンプが返って来た。

4
その後も不定期に自撮り画像が送られてくるのでその都度
「奇麗」「可愛い」「印象違って見える」「似合う」「今度それでデート行こう」などと返す。
いやはやウマ娘が美人なのは知っていたしアグネスデジタルが可愛いことは先刻承知のつもりだったけど、服装一つでここまで色んな魅力を引き出せるとは。
夫として、ファッションに疎いなどと言っていられない。本気で勉強する価値がある、と心から感じた。
サブトレーナーとしても正トレーナーに勝負服のデザインについて助けになれるかも。

――――
「ただいまっ！」

数時間後戻って来た妻は、玄関に紙袋を満載したカゴ付き台車を引きずっていた。

「アナタに褒められた奴全部買ってきちゃいました！」

満面の笑みで残虐な行為を告白する妻を前に、僕は、うん、と力無く応える事しかできなかった。
でも好き。

[余談]
参考：https://www.air-closet.com/share-style/8376/
https://folk-media.com/1943100

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ファッション2

1
こんにちはアグネスデジタルです。
今あたしはナウでヤングな喫茶店でレイコーをしばいています。
いやホントに何でこんなことになったのでしょうかサークルの女同志たちが
「デジ絶対服変えた方がいいって」
「アグっちマジ可愛いんだから冒険しなきゃだよ」
「気に入らなかったらそれでもいいからさぁ試すだけでも」
とか何とか言ってあたしにお出かけの約束を取り付けさせてまずは一緒にお昼ご飯食べようって事になってこんなイケてるカッフェエに入っておいしいコーヒーとサンドイッチを堪能している次第ですあたし何言ってるんだろ。

「いやでもホントデジって髪奇麗だよね。」
「え、そうですかぁ？」
「敬語やめなって。」

えい尻尾よ嬉しそうにパタパタするのをやめろっ！

2
見たこともない都会の街を彼女らの背中を追って進んでいくとそこは雪国（ブティック）でした。
店員さんもおしゃれで店内のお客様もおしゃれ。
小学生風のファッションを身に着けている自分は浮いていることこの上なし。帰りたい帰りたい。
けれど親愛なる同志たちは「この子に似合うコーディネイトをお願いできますか？」と店員にまるで10年来の知り合いのように話しかけます。

ああ、あたしは彼女らを同志たるヲタクと思っていたけれど所詮住む世界が違ったのです。
深い絶望に項垂れるあたしの手を取り、店員さんはズボンやニットを手に取ってアタシに優しく手渡し、フィッティングルームへと案内します。

――――
アタシは自分の見ている世界の狭さを思い知ったのでした。

3
「これがあたし……？」

フィッティングルームの鏡に映る自分は一人前の女性。
ヲタクらしさに縋り付かない、自分の容姿を諦めない、低身長であることを生かす大人の女。
黒い短めのスキニーパンツで足首を見せて、袖余りのダボッとしたニット、その上にはさらに白いコートをこれもルーズに羽織る。
完全に服に着られているけれど、寧ろその背伸びしている感覚を逆用して、背の低さを可愛さとして演出している。
そんな手があったのか……！
幼さゆえのあざとさではプロの端くれでいるつもりでしたがファッションの世界は奥深い。

カーテンを開くと同志たちがカワイー！カワイー！ヤッター！とはしゃいでくれます。
あたしも嬉しくて自撮りしちゃいます。そしてぽちぽち。

4
「誰に送ってるの？」
「相方。」
「おお、旦那さん？」

どうかな、と添えて送信ボタンをタッチ。
ドキドキしながら待つ時間は何十分にも感じられた。

「凄く可愛い」

そのレスはタイムスタンプによると2分未満らしいがとても信じられない。

「ウワーッ！ラブラブじゃんデジー！」
「やっぱアグっちめっちゃ可愛いんだって！！」
「え、そ、そうですかぁ……♪」

5
もうその後のあたしは同志の着せ替え人形と化しました。
店員さんの勧めるコーディネートを着るたびに夫に写真を送ります。
その都度に「奇麗」「可愛い」「印象違って見える」「似合う」「今度それでデート行こう」などと返してきやがって同志をキャアキャアと喜ばせます。
うう、慣れてないんですよぉ萌えられる側はぁ。
どうでしょう？と店員さんが言うたびに保留と返してきた服がレジ横のテーブルに山と積まれているのを見ると買わなければいけない気持ちになってしまいます。
しかも全部夫のお墨付きで、あたしも出来るなら着て歩きたいモノばかり。

「いやーホントなんでも似合うねデジ！」
「どうする？どれにするアグっち。」

あたしの心は決まっていました。
ポケットから引き出した革ケースから、悪魔のカードを取り出します。

6
「うわっ！ブラックカードだ！」
「無職の癖に！」
「引退バを無職呼ばわりは酷過ぎるよっ！」

気の置けない同志の言葉に大笑いしながら、これで、と店員さんにカードを差し出しました。

「たまったポイントどうしますか？」
「全部使いますっ！」

この手に渡ることなくスタンプが満たされたポイントカードがレジの向こうへ消えていきます。
而して我が物になった紙袋の山。配送サービスもございますが、という店員さんに一も二もなくYESYES!!

7
「ありがとうございましたっ！」

運転手さんに頭を下げ、荷台から紙袋を満載したカゴ付き台車を引っ張り出します。
それはこちらがやりますからと言う声が聞こえましたがごめんなさいもう我慢が出来ないのです。
ゴリゴリガタガタと台車で家の前のタイルを鳴らして我が家の扉を開けます。

「ただいまっ！アナタに褒められた奴全部買ってきちゃいました！」

あらら、アナタは何だか呆けたお顔。
大丈夫ですよっ！賞金を溜めた貯金残高に比べれば1割にも満たないお値段ですし、それにっ！！
明日からはアナタが褒めてくれた奇麗で可愛いデジたんのお姿をお見せできるのですっ！
アナタが手に持つ携帯電話の待ち受けはアタシが送った写真の一つ。なるほどなるほど、それがアナタの一番のお好みなのですね……♪

「早速着てお見せしましょうっ！」

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ヘアー2

1
「ズギャアァ！」

すわ風呂場にスタパ齋藤が？！と思ったらデジタルだった。

「ガジェットマニアの髭おやじみたいな声がしたけどどうした？」
「いえ、ガジェットマニアの髭おやじみたいな声を出しましたが何でもないですぅ。」

風呂の戸越しに様子を聞くも大事は無いようでよかった。
しかしガジェットマニアの髭おやじみたいな声を出しておいて何でもないという事があろうか？

「ガジェットマニアの髭おやじみたいな声を出しておいて何でもないという事はないだろう。」
「ガジェットマニアの髭おやじみたいな声を出しましたけど何でもないんですってばっ。」

しかし激しい転倒音も聞こえたし、夫としてももう少し状況を訊かないと安心できない。

2
「……でっ！そしたら転んだんですっ！」
「あらら。」

脚のムダ毛を慣れない安全カミソリで剃っていたら、ひっくり返ってしまったらしい。
いつもは電動シェーバーを使っているが、風呂場にあった僕のカミソリを見てチャレンジしたくなったそうだ。

「そりゃ大変だ。」
「何で入ってくるんですか？！」

話を聞きながら服を脱ぎ終えていた僕は躊躇なく戸を開けて闖入する。

「自分で剃るのが難しいんだろ？」
「手伝ってくれるんです？」

手を差し出すと、こちらに向かってカミソリと右脚を差し出した。

3
「……生えてないように見えるけど。」
「よく見てくださいよ……ひゃんっ。」

ふくらはぎに触れると確かに微かな毛の感触がある。
色素が薄く毛自体も非常に細いが、確かに至近距離で見ると気になるかもしれない。

「なるほど。」

僕はシェービングジェルを手に取ると彼女の脚にしっかりと塗り付ける。

「こそばゆいっ！変な感じっ！エロいっ！」
「エロいかぁ。」

まあ僕もエロいと思う。

4
ジェルは塗った後しばらく置いた方がいい。その間に左脚も伸ばしてもらい、そちらにもジェルを塗りたくる。

「うひゃあ両脚ヌルヌルしてるぅ、変な感じぃ～。」

劃して両脚つるつるてかてかのアグネスデジタルの出来上がりだ。
見慣れた脚もこうして演出するといつもと違った艶めかしさがある。光る太ももの間には大陰唇で縦一文字に固く閉じられた秘部が影の中に見える。

「何ジロジロ見てるんですかぁ？」

ジトっと抗議するデジタル。反論のしようがないので無視して先にジェルを塗った右脚からカミソリを滑らせていく。

「痛くない？」
「大丈夫でーす。」

洗面器に溜めたお湯で時々カミソリを濯（ゆす）ぎながら、妻の脚を剃っていく。

5
元々毛自体が細かく細いので、力は要らないが肌にしっかり密着させないと剃り残してしまう。
特に太ももの裏側なんかは、脚をしっかり持ちあげないと手も届かない。
足首を左手で持ち上げながら慎重に剃っていく。脚を上げることで彼女の肛門や、開脚によって少し開いた大陰唇の内側までも見えてしまうが不可抗力だろう。
じっと見つめても俺と貴様の仲なのだしいいだろう。

「すけべっ！」

よくなかった。剃り終えて足首から手を離した途端、足の裏で顔面を軽く蹴られた。

めげずに左脚だ。
学習したのか、デジタルは手で自分の股を隠しつつ脚を僕に委ねる。あの手の向こうにデジタルのおまんこがある……そう思うとどうしても視線を向けてしまう。

「すーけーべっ！」

左足の裏の感触も顔で味わうことになった。

6
けれど僕も、彼女の目が僕の股間に向いていることを見逃してはいない。

「やんっ！」

自分の顔から左足を持ち上げれば、両手で抑える股間の隙間から白い粘液が滴っているのが見える。
それに手の奥を中心としたぴくっ、ぴくっとした周期的な痙攣もある。

「どうする？続きする？」
「……お願い。」

デジタルはそう言って自分から左脚を高く上げて、太ももの裏側を晒した。

ふくらはぎから太ももへとカミソリを滑らせるたび、びくっ、びくっと脚が震える。

7
「じっとしてないと危ないよ。」
「だってぇ……。」

抗議する声と共に、視線は僕の充血しつつある股間に向く。

「僕は脚の毛を剃ってるだけだよ？」
「よく言うよぉ……。ん、んむっ、んんっ！」

顔を近づけるとデジタルも赤い顔でこちらを見つめる。どちらともなく唇を貪り合った。

「むひっ！？」

手が剥がれた股間にシェービングジェルを塗りたくるとデジタルが総身を震わせた。

「ちょっと、やめっ、ひどいよそんな、あはんっ♥すけべすけべぇっ♥」

8
ジェルを大陰唇に揉みこむと、掌に膣がパクパクと動くのを感じる。ねとついた粘液の中心に人差し指を差し込むとデジタルがのけぞった。

「あああぁっ♥もぉっ♥このバカァッ♥♥」

フェロモン交じりの白濁した尿を噴き出しつつ、デジタルの膣肉が僕の指をしゃぶり上げる。
まとわりつく愛液は粘度が高いなんてものではなく、糸をひくほどねばついてきた。

「ここも剃らなきゃだもんね。」

掌で肉鞘や大陰唇を押し揉むと生えかけのじょりじょりとした毛の感触と共に、膣奥から響くような震えの感触がある。

「ほんとっ♥バカっ♥なんだからぁっああぁぁんっ♥♥♥」

膣口や尿道から止めどなく発情液を垂れ流しながらデジタルが全身をわななかせる。

9
「……どうする？」

腰を抜かしたデジタルの前に、完全に準備が出来た僕の肉剣を見せる。
デジタルは頬を膨らませながら言った。

「……入れて。」

彼女の両脚を持ち上げて間に割り入ると、彼女自身の淫液で白く汚れた膣に慾棒を差し込んだ。

「んあっ！！」

ねとねとの粘液と絶頂寸前の激しい絞り上げが陰茎を襲う。

10
「えっ？おおっ？！」

僕は彼女を持ち上げ、マットに寝そべった。彼女に騎乗される形になった訳だ。

「これ、深く、入るうぅっ！？！？♥♥♥♥♥」

リアクションを待たずに下から突き上げてやる。子宮を激しく上下に揺さぶられてデジタルは目を白黒させる。

「やだっ♥激しいっ♥ 深いっ、深いからぁっ♥」

深いからもっとしてと言っているようにしか聞こえない。

「だめぇっ♥すぐ、すぐイっちゃうからっ！」
「いいよっ、イってっ！僕もすぐ出すからっ！」
「出しちゃダメだよ、あんあんっ♥ああん♥あん♥おふっ♥ふぅっ♥だめ、もうだめ、ダメッイク♥イク♥イク♥イク♥イク♥イク♥イくぅうーーーーーっ♥♥♥♥♥」

11
絶頂のうねりが僕の半身を締め上げ、絞り上げ、舐め上げた。柔らかくきつくヌルヌルの天国で地獄が僕のチンポを無理やり絶頂させる。

「うぅぅっ！」

どぴゅっ！どびゅーーっ！！びゅうぅぅーーーっ！！！

音がしそうなほどの射精がデジタルの胎内に撃ち込まれる。

「あひぃっ！熱いっ♥イってるのにまたイくぅっ♥♥」

そうして痙攣する膣がまた僕のチンポを啜り、僕にも更なる絶頂を味わわせる。
お互いがお互いを絶頂させ合って数分、いつの間にか握り合っていた手をほどいて、デジタルはゆっくりと後ろに倒れこんだ。

12
はぁ、はぁ。ふぅ、ふぅ。互いに仰向けに倒れる。彼女は僕の脚に背を乗せ、脚を僕の胸に載せる。

「……まだだよ。」

一足早く息を整えた僕は起き上がると彼女の両脚を持ち上げてそのまま押し込む。いわゆる「まんぐりがえし」の姿勢だ。

「こうすると、お尻の間もよく見えるよね。」

深い絶頂の疲労からまだ帰って来れていないデジタルは、やだ、やめてと力無く抵抗するばかり。
彼女の羞恥に反してパクパクと次を求める膣口に、僕はまだ収まらない勃起を押し込んだ。


-----
UP SIDE DOWN

1
「あっ？！はっ、はっ、はぁっ♥」

デジタルの両脚を抑え込みながらばすっばすっと腰をぶつける。
その度に粘つく膣がカリに縋り付いて、早く射精して射精してとせがんで来る。

「ううっ！」

でももう支配欲に頭を侵された僕はこのまま吐き出す訳にはいかない。
もうやめてと、気持ちよすぎてもういやと言わせるまで腰を止める訳にはいかない。
アスリート特有のお尻の弾力が僕の腰を強く跳ね返してくれる。
その度に僕はそれに応じた強さで腰を奥まで落として深く深く繋がる。

2
「ゆ♥床♥痛いか♥痛いかも♥……。」

けれどそんな妻の訴えについ体を持ち上げてしまう僕だ。鬼畜にはなり切れない。
所謂駅弁の態勢で、彼女の小さな体で僕のチンポを扱く。さながらアグネスデジタルをオナホール扱いだ。

「深っ♥これっ♥深いからぁっ♥♥」

けれどそんなに長くは腕の力が持たない。
彼女の背を壁に押し付けるとこんどはデジタルをグローリーホールに見立ててやる。

「強いっ♥強いってぇ♥勝手なピストンッ♥♥」

ドチュッ！腰と腰が限界まで密着する距離に陰茎を叩きこむ。

「♥おおほぉっ♥」

3
「優しい方がいい？」

耳元で囁くと、調子に乗らないでよねと囁き返され、膣肉の締りが増した。

「うっぐっ。」

ウマ娘の本気の腹筋。チンポが根元から千切られそうだ。
けどデジタルも息が荒い。
締め付けるという事は否応なく肉棒が強く食い込むという事でもある。

「じゃあそのままでいなよっ！？」
「うっ、うっそっ、や、やめてっ！？あひぃっ♥♥♥」

根限りの膣に根限りのピストンで応じてやる。抜くたび指すたび強烈な抵抗がチンポを襲い、デジタルもまたその刺激に全身を震わせて仰け反る。

4
パンパンパンパンパンパンパン！
おっ、おっ、おっ、おっ、おっ。

デジタルはいつしかすすり泣いていた。チンポを差し入れるたびに嗚咽を漏らす肉壺。
だが、それももう終わる。

「射精すぞデジタルっ！」
「あ、はっ、来て、出してください……いっぱい、いっぱいぃ……♥」

びゅうぅっ！どびゅぅっ！びゅうぅぅうーーーっ！！

「うう……。」「あはぁあああああ……♥」

互いに満たされているのが分かる。稲妻のような絶頂ではなく、大波のように寄せては返す快感。
お互いを愛しきったという満足と快楽が股間から全身に行き渡る。

5
「あ、あ、毛、毛を、剃、剃らなきゃぁ……。」

うわごとのように呟いて、デジタルはぐたりと僕に体重を預けた。僕も彼女を床に下ろし、そのままお互いに座り込んで、30分ほど抱き合っていた。

--
秋ですねぇ。

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
いやあすっかり肌寒い季節になりましたねぇ～。街を行くウマ娘ちゃん達もニットにコートにロングスカートとシックな装いになっておりますじゅるりら♪
そういうデジたんも同じように秋物を着てですね、今日はお買い物に行って来ました。
現役時代はお写真撮られて「私服も小学生並み」などと言われていましたがぁ、今はちゃんと年相応の恰好ができるのですよぅ。ふふん。
まあ買って来たのはウマ娘ちゃんグッズなんですけど。あははは、その辺りは現役時代とまるで変わっておりませんっ！
ウマ娘ちゃんの為に生き、ウマ娘ちゃんの為に死ぬ。
それがこのアグネスデジタルのザユーのメイでございます。

2
と言っても今日は控えめで。
ウスイホンが5冊にぱかプチ2つ、タペストリー1つに「日本バ具大鑑 3 中世」って本ですね。

「急に渋いアイテムが混ざったぞ」「何その本」
何その本と言われましても文字通り中世日本のバ具の資料集ですね。

「どうするのそんなの……」「ついにフェチに目覚めたかデジたん」「何で中世」
フェチって言われたらフェチかもですねえ。
古本屋で見かけたときにビビっと来たのですよ！ページをめくると見えたのですっ！！戦国時代を駆け抜けるウマ娘ちゃん達のお姿がっ！！！

あと戦国時代パロ描く時に使えそうだったので。

3
「調べたらこれ滅茶苦茶高い」
しーっ！値段の話はしーっ！！

店主さんもびっくりしたでしょうねえ、色褪せた古本をめくって目を輝かせて、ハスハス言いながらレジに持って行くちっちゃい女の子なんて見ちゃったら。
でも向こうも流石プロですよ。一つも表情を変えずに「ンン円です」と。
で現金取っ払いでお支払いしまして、傷まないようにとちょっと丁寧に包装してくれて。
にっこり笑って「大事にしてくださいね」って。そんなのキュンじゃないですか。勢いで「はいまた来ますっ！」って言っちゃいましたよ。

「丁寧にしてもらうと嬉しいよね」「いいお店だ」
ねー。客として丁寧に扱ってくれるとファンになっちゃう。
向こうにしてみたらあたしみたいなちょっと変な客なんて見慣れてるんだろうね。
だからそんなに動じなかったんだろうね。

4
「俺コンビニで常連ぽく扱われるといやだな……」「わかりたくないけどわかる＞常連ぽく扱われるといや」
わかる。それもわかる。
あのねえ、日常的に使ってるお店って多分、風景の一部なんだよね自分にとって。
だからそこに人間味が入ってくるとちょっとイヤって言うか。
勿論丁寧にしてくれる店員さんに悪い所はなんにもないんだけど、何ていうかなあ。
コンビニって結構だらしない物を買いに行くじゃん。
雑誌とか菓子パンとかアイスとか安いお酒とか。そういうのを買う行為って多分、プライベートに近いんだよね。
そこに他人が入ってきちゃう感じがイヤなのかなあ。

ほら、ネットやってるときに近いというか。自分の楽しみの為だけに動いてる感じ。
理性のハードルを下げて剥き出しの生き様になってる時というか。そういう時にその、他人の存在を感じちゃうとイヤなのかもしれない。

5
「流石デジたん話がわかる！」「オタクだなあ。」
うーん。
こういうのって大分コントラストがある気がするんだよねえ。
あたしはコンビニで「いつもありがとうございます」って言われたらありがたいなって気持ちの方が勝る人ではあるんです。
でも「話しかけないで欲しいな」ってのも何パーセントかくらいはあるって感じ。
それが10パーセントある人もいれば90パーセントの人もいるんじゃないかなあ。
あれ？こんな引っ込み思案の話をしたかったんだっけ？ウマ娘ちゃんのオータムファッションの話をしてなかった？

そうそう秋物ファッション買ったんです！
大学の友達に引っ張られてさぁ、着せ替え人形にされたの。あはははは！
あたしみたいなちんちくりんのオタクにファッションなんか似合わないよって思ってましたけどプロは凄いですね！
めーちゃめちゃかわいい服めーちゃめちゃ持って来てくれてっ！
全部買いました。はい。

6
「全部て。」「極端なんだよなあ。」「そういう所がオタクっぽい。」
あはははは、返す言葉もありません。

さてそろそろお別れのお時間です。
歯医者もブティックもドラッグストアも、勇気を出して店員さんに相談すると凄く安心できます。

「歯医者の店員？？？？」
皆さんも勇気を出すと得るものがあると思いますよ！過ごしやすい時期ですしねっ！

この後は樫本理子せんせぇのチャンネルでStarHorse4の実況第四回が始まりますよ。
前回は自分の育てたウマ娘で万バ券を取って複雑な顔をした挙句リクライニングシートの快適さに寝落ちしてましたが果たして今回はどうなるのかっ！？
デジたんもドキドキで視聴いたします。
それではバイデジ～♪


--
SKINSHIP

1
華奢、というのが第一印象だった。
線が細く、脂肪も薄いアグネスデジタルの、妻の体。
抱きしめる腕や掌にあばら骨の感触があるし、背中で感じる彼女の手は確かに細い。
けれど感覚を集中すると女性らしい柔らかさがあるのが分かる。
胸板で押し潰している乳房も密着しているからこその存在感がある。
汗ばんでいるのは僕か彼女か、それとも両方か。
この瞬間僕らは一つになっているのかもしれない。ひょっとしたら、セックスよりもずっと。
鼓動ももうどちらがどちらだかわからなくなっている。
肩越しに感じる吐息。
髪の匂い、肌の匂い。
デジタルって、女の子って。どうしてこんなに素敵な香りがするんだろう。
腕は飽くまで体を密着させるための留め具だから、力強く抱き締める必要はない。
僕の肩、背中にそっと添えられている、けれどしっかりとくっついてくれる妻の腕を、裏切らないように。

2
何でこんな事になったのかを語ることにあまり意味は無いので過程は取っ払ってただ今のお気持ちを表明させていただくと、ハグって凄いな、って事です。
今デジたんは夫と上半身裸で抱き合っております。
ちょっと胸が押さえつけられて苦しいのですがそれも何だか嬉しい感じ。
優しく添えられる夫の腕。大きな胸板。ワイルドなパパみたいな肌の匂い。
落ち着きながら興奮しています。ウマ娘ちゃんに萌える時の熱狂とは違う、焚火を眺める時のような気持ちです。
これ絶対エッチな事の筈なのになんだかとても落ち着くのです。
あたしも彼も鼓動は少し早め。そりゃ興奮しますよね。でもお互いに興奮しているってことに何だか安心してしまうんです。
ハグなのに恥ずかしくもえっちに感じちゃってるのはあたしだけじゃない。子供っぽさを分け合えると安心できるんです。
ウマ娘パワーでぎゅっとしちゃえば、苦しめてしまえる。そんな事しませんけどっ！
でもそんなことせずに。離れないように相手に腕を絡めるだけで後は何にも要らない。
……ウマ娘ちゃん達もパートナーとこういうことしてるんでしょうかっ！
あっ、腕に力が入っちゃったダメだダメだ集中しなきゃ何に？

3
切欠はどちらかが人肌恋しいからハグしようと言い出したことにあった。
恐らくはアグネスデジタルからだが、脱ぎ始めたのがどちらかはわからない。
互いに寝間着の上を脱いで抱き合った。そして想定以上の衝撃を感じ、二人で一つになったまま。
最初にギブアップしたのは夫。ベッドに横たわるように上半身を倒したので、デジタルもそのまま倒れた。

「……頭、載せられると重いかも。」

夫が不平を漏らす。

「じゃあ、どうします？」

妻が解決策を問う。

「……。」
「……。」

4
二人は同時に首を逸らし。同じ高さで戻した。
お互いの顔は当然に衝突。衝撃は互いの唇が受け止めた。
舌を入れるかどうかは二人とも悩み、二人ともやめておこうとなった。
その代わりお互いに顔を傾けて口の凸凹を咬み合わせる。
当然口を開ける事になる訳で、宙に浮いた舌は程なくして互いに先端で触れ合ってしまう。

――――これは……。
――――眠れないですよぉ……！

穏やかなハグなどありえない、と同時に悟った所で舌は情熱的に絡み合い、妻も夫も明日の朝を台無しにする覚悟を決めて、互いの腕の力を込めた。


--
錐は英語で

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
今日は作業配信という事でねっ！漫画描いてる場面で失礼いたしますっ！！
そろそろ冬の祭りも近い事ですし暫く作業に集中することになりそうです。

「ナマモノの配信っていいのか……？」「デジたんはいつもアウトを攻めるな」「大外大好きだよね」
ナマモノとは限りませんよ！少なくともそれが分かるような……そういうシーンは配信外で、ああいやいや。
兎も角配信でお見せする範囲では、何を描いているのかはわからないようにいたします。

で、ちょっと構図に困っているところがありまして。

ババーン。

2
キックです。いわゆるスーパーキックですね。

「おお～！」「上手い」「後ろ回し蹴り！」
回し蹴りではないんですね。こう、押し出すような蹴りに見せたいんですよ。後ろ向きヤクザキックというか。

「壊してるの柵？」
そう。
あのねっ！ウマ娘ちゃん同士で逢いたいけど逢えない、お互いの気持ちがわかっているのに近づくことが出来ない、
分かっているからこそ離れなければならない、って障害がゴリゴリにあってですねっ！
知るかーっ！！！って！
心の壁も物理の壁もぶち破るぜっ！って！！いうシーンなんです！！！

「新刊の見せ場をここで言うな」「面白そう」「ネタバレやめろ」
ダハハハハ、すみません盛り上がってしまいましたっ！
（ごくごく）

3
「何飲んでるの？」
七冠バ。https://ssl.web-sanin.jp/~shop-hikami/cgi-bin/shop/view.cgi?v=3&kjc=14&ctg=1200&page=1

「また七冠バ呑んでるの？！」「G1に未練があり過ぎない？」
未練とかじゃないんですよぉ。
ほら、ボトルがシンボリルドルフさんのお姿なんですよっ！
こんなのデジたんが買わない訳にはいかないじゃないですかっ！！

「キモい」「ストレートにキモい」
おいおいおい、キモいはダメですよ、謝ってください！蔵元に謝ってくださいっ！！

「蔵元ごめんなさい」「デジたんはキモい」
そうそう、キモいのはデジたんだけでいいんです。
……あのねえ、あたしもこれで結構傷つくんですからねっ！
お酒呑んでるだけでそんなに言われる筋合いありませんよ！！

4
そうそう作業ですね。
構図で悩んでてね、さっき見せたのが足裏側からの構図なんですけど。
（カチカチ）これが横から。漫画の右から左って流れに沿うとこれの方がいいのかなーって。

「おお～！」「1ページに何枚も構図作るんだ」「さっきの方が迫力ある」
そうそう、ネーム切ってるとプロットは出来ても見せ方にいくつか候補が出てきちゃって。
さっきの方が迫力はあるんだけど、よっと。（カチカチ）
ほら、こっちは横に長い構図だから見開きにできるんですよ。

「でも奥行きのある方が好きかな。」
そうねぇ～。（カチカチ）

5
んん～。（カリカリカリカリ）
こんなもんかな。右奥から左手前に向かって蹴とばす感じにしてみました。

「早ぇ！」「早っ！」「上手いなー。」「これいいわ。」
おお～。上々じゃないですか。
やっぱり印象的な場面は見開きの方がいいよねえ。
これだと後のページ全部ズレちゃうんでちょっと調整しないといけないんですけど。（カチカチ）

で、ちょっと試しに画面奥側に向かって蹴とばす構図も描いてみますかぁ～。（カリカリカリ）
こうかな。

「早い早い！」「パースってそんな簡単に描けるもんなの？！」
でへへ。簡単じゃあないですよぉ。それ用のお人形があるんでそれ見ながら、後は漫画っぽい嘘を交えてアタリを入れただけです。
やっぱりこっちに向かって蹴とばしてるさっきの方が好みかな。（カチカチ）

6
おかげさまで構図決まりそうです、ありがとうございますっ！
やっぱり色んな意見もらえると作業捗りますよっ！！

「デジたんめっちゃ素直に話聞いてくれるから好き」「デジタル先生アタリ描くの滅茶苦茶早い……」
でへへ♪褒めても何も出ませんよぉ♪（ごくごく）
げっぷ。

「出せたじゃねえか」「げっぷ助かる」「げっぷ助かる」「汚い」
フヒヒすみません♪

7
ウマ娘ちゃん描いてると走ってるシーンがどうしても多くなるんで、それで奥行き描くのは鍛えられた感じです。
でもまだまだですけどねっ！

「ギムレットには早すぎる」
おおっとぉ！それ以上はダメですよ。
そんなこんなでお時間です、あららスパチャ。ありがとうございます。

「冬コミ楽しみにしてます。」
ありがとうございます、谷野……なんて読むんだろ金偏に、進の中のやつ。ああ、キリ！
ん～～～～そうですかぁ……んぐぐぐぐ、デジたんの配信にはあまりお名前を出さないほうがいいと思いますぅ～～～！！
ではバイデジっ！！


--
凸凹合わせて仲直りを

1
「デジタルにおまんこって言って欲しい。」
「バッカじゃないですかっ！？」

土曜日の昼下がり。
二台のベッドにそれぞれ、昼食を終えて夫婦揃って午睡に入るというところ。
何やら世間話が拗れに拗れ、元トレーナーの夫の性癖の迷宮へと深く踏み込むことになって。
その果てに出た言葉がこれである。

2
「エロゲーとかでもさ、」
「ちょっと待ってください。エロゲーの話をデジたんに当てはめようとしてる？」

アグネスデジタルも昼食直後の重い胃を抱えてそんなツッコミを入れたくはない。
だが言わねばならないのだ。

「エロゲーはファンタジーです！ファンタジーはフィクションです！フィクションイズノットファクト！！オーケー？！」
「バットフィクションイズドリーム。」
「オーノー……。」

デジタルは起き上がりかけた上半身を再びどさりと横たえた。

「聞きたくないならいいよ。」
「話したいならどうぞ？」

3
「……聞きたくないんだよね？」
「話したいんでしょう？」

細めた目で『聞きたくありません』と非難を込めてデジタルが睨む。
それを見て夫は彼女に背を向けた。

「お、どうしました？あたしに聞いて欲しいことがあったんじゃないですか？」
「もういい。」
「本当ですかぁ？」
「もういいって。」
「でも何だか眠れなさそうですよねえ？」
「何だよ、聞きたくないんじゃないのかい？」
「ええ、でも話したいなら受け止めては差し上げますよぉ？」
「……。」
「……。」

4
「じゃあ、遠慮せず言うよ。」
「ええ、どうぞ。」

デジタルは密かに深呼吸をして覚悟を決めた。

「エロゲーというか漫画もアニメも大体所謂ロリコン文化の影響を受けていて少なくとも日本で公開されているアニメ系文化の女性像は多かれ少なかれ幼さが含まれている。
増してや海外から見れば日本人女性そのものが小柄に見えるし、世界的に見れば日本のアニメ絵文化は全体的にロリコンの気があるんだろう。つまりエロゲーに興奮するっていうのは多かれ少なかれロリコン趣味と言える。それが人妻物であったとしてもね。
受け止める側の男性もそこに描かれる女性像にナイーヴさ、幼さがあるのはある程度了解している。だからこそ隠語が映えるんだ。こんなに幼くて純粋そうな女性が汚らしい卑しい言葉を使う、その事に興奮してしまう。
デジタル、君は僕が言うのも何だけど魅力の中にそうした幼さや純粋さが大いに含まれている。夜のウマぴょいで興奮する要素の多くの部分を占めていると言っていい。そもそもウマ娘は全体的にアニメ絵チックでそうしたロリコン趣味を内包しているものではあると僕は考えるんだけど。
そんな可愛い女性がオマンコだのチンポだのと

5
「おまんこおおおぉぉぉーーーーーー！！！！！！」

デジタルが叫んだ。夫は目を剥く。

「どうですっ！アナタがロリっぽいと蔑むこのデジたんがおまんこと叫ぶ様子はっ！！
本当に男って奴はどうしようもないんだからっ！！！
そんなんだからウマ娘ちゃん全年齢オンリーイベントに男性がほとんど来ないんですよ、頭に精子が詰まってるんじゃないですか？！
それとも脳みそが金玉に支配されているのかな？？？
聞きたくないって拒絶して布団かぶってりゃよかったですよ自分の夫がこんな脳みそチンポ野郎だっただなんて初めて知りましたっ！！！
ああおかげで昼寝出来なさそうですもう外走ってきますねっ！！！」

妻は布団を飛び出す。寝室の扉に向かう彼女の手を夫の手が掴んだ。

「……何です、この手は。」

6
「仲直り、したい。」
「あたしは気分転換がしたいんですっ。」
「……わかった。」

夫がその手を離すと妻は部屋を出て行った。程なくして玄関で靴を履く音、玄関の扉の締まる音がして、夫は布団をかけ直して目を閉じた。

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ゆさゆさと揺らされる手ごたえに目を覚ますと、妻の悪戯っぽい笑顔が目の前にあった。

「『おまんこ』、しましょうか♪」

その手には0.01mmの鋼の意志が入った箱がカラカラと振られていた。


--
口に出して

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですぅ。
今日は久しぶりのFC2ライブですよっと。
FC2ということは……皆さんお分かりですね？

「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「デジたんでザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」
バカヤローーーーーッ！！

2
何がザー汁コキ捨てですかっ！
ちゅーぶの方だとBANになりかねない、ちょっとエッチな話をするだけですよぅ。

「ということは……？」
「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「デジたんでザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」
バーカバーカ！！
FC2はバカとすけべしかいないんですか？！？！？！
キミ達には罰としてノロケを聞いてもらいますいいですねっ！

元々話すつもりだったんですけど。
夫がですねえ、デジたんに卑猥な事を言わせるのが好きとか言い出しまして。
何言ってんのこの人って思ったんですけど。

二人して昼寝する予定だったんですけどデジたん呆れかえりまして。大声で怒っちゃって。眠気も醒めちゃって一人で出かけたんですよ。

3
キミに『おまんこ』って言って欲しいだなんていうんですよ。酷い話じゃないですか。
とは言え話の流れで夫のそういう好みを聞き出してしまった事にはデジたんにも責任があります。
外歩きながらね。「おまんこかあ。」「おまんこねえ。」「何がおまんこだよ。」
とか考えながら歩いてたら。

「歩いてたら……？」
「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「デジたんでザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」
うるせぇえーーー！！！
BANしますよキミらっ！！！！

声に出さないまま、口の形だけで「おまんこ」「おまんこ」って言ってみながら走る訳です。
そしたらですねえ、言霊の力と言うんですか？どうしてもその、自分のおまんこにですね、意識が集中する訳ですよ。

4
もうさっき怒鳴り散らしたことなんかどうでもよくなるというか。
そうやって醒めちゃうと流石に言い過ぎたよなあと思って。埋め合わせをしてやろうかとコンビニに寄る訳です。
で、さっきまでおまんこおまんこ言ってたので、買ったのはゴムですよゴム。

「ということは……？」
「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「ザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」「デジたんでザー汁コキ捨てだぁあああああ！！！！」
もうわかりましたよザー汁コキ捨てでいいですよ精一杯興奮してくださいよデジたんの夫婦生活でっ！！
それでファンの皆が幸せになれるんならいいですっ！！！

で、家に帰ってウマぴょいしましたとさ。おしまいっ！！！

5
もう何なんですかザー汁コキ捨てってぇ～～～！！！
ワードが強すぎるんですよぉ。
ちょっと夫婦生活の話をしてファンの心を乱してやろうかとトリックを構えていたらトンだトリートがお返しされましたよ。
アレですね、シモネタに対してそれを上回るドシモネタを叩きつけるのは封じ手としてとても有効ですね。
完全に今回はデジたんの負けです。
お陰で次にFC2で配信するときのハードルが爆上がりしましたよ。光る雲を突き抜けフライアウェイですよ。

「夫婦生活を披露して欲しい。」
……ライブで？

「ライブで。」
バカっ！
FC2は許しても世間が許しませんよっ！！

6
もう～～～、完全にリスナーさんのスケベに呑まれちゃいました。
本当にもう……。ザー汁コキ捨て許すまじ。
という訳でね、今日の配信はここまでです。
これからの時間は……特にほかのウマ娘ちゃんの配信は無いかな。

明日はマーベラスサンデーちゃんのチャンネルで「マーベラスチャージ！マキシマムボルテージ」の第三回の配信が行われますね。
何度見てもよくわからないんですけど何だかお胸を揺らしながらハイテンションでおしゃべりされる様が楽しくて何度も見てしまいます。
ありがたいですよね。

ではバイデジっ！！

--
And I felt as if the whole universe had given me a nudge!

1
折角の休日なのでちょっと遠出しまして、でっかいショッピングモールに来ました。
立体的な構造は見晴らしがよくて、通路の下の人たちや緩やかなカーブの向こうまで見渡せる景色は屋内にありながら屋外以上の奥行きを感じさせます。
店の数も半端ではなく、見通す限りの通路の側面にずらずらと並んでおります。
その中の好きな店を選んで入っていい！
ヒトが自由を求める気持ちを思い知った気持ちです。無数の選択肢がある、それはそれだけで快感なんです。

「ねえ、そうでしょうっ！」
「そうだね。」

流石夫です。このあたしの内心をすべて読み切って相槌を打ってくれましたいいえそんなはずはありません。
このめんどくさいアグネスデジタルのあしらい方を熟知しているだけです。
がっかりしたかって？ぜーんぜんっ！このデジたんのめんどくささを知り尽くしてくれていることにキュンキュン再確認ですよっ！

2
「あれ欲しい！」「これ気になる！！」
あたしが声を上げて店に入るたび、カートには購入済みの品物が積まれていきます。
現役時代以前からグッズを買いまくっていたデジたんですから『買う』楽しみはこの身に沁みついております。
服にお化粧にステーショナリーに、そして勿論ウマ娘ちゃんグッズに。モールを進んでいくごとにカートの中身は増えていきます。
ああっ、こんなに買って大丈夫かしらっ！？そんな懸念さえ背徳的な快楽に変わります。
でもでもデジたんは兎も角、夫をこんな退廃に巻き込んで大丈夫かしらっ？
身を縮めてちらりと上目遣いで確かめた夫の顔は、

「何？」

と言って不思議そうにしただけ。
ああああっもうっ。そんな顔を見せられては「こんなに買っちゃって心配じゃない？」なんて訊く方が野暮でしょうっ！

3
思い返せば現役時代からあたしの相方様はそうでした。
暴走しがちなあたしの事を受け止めてくれて、嫌な顔一つしません。
引け目を感じたあたしが「今日はトレーナーさんの好きなことに付き合います！」と言っても「デジタルにイキイキしててほしい」と返してくる始末。
その後はトレーナーさんの望むままにウマ娘ちゃんに愛を注ぎ、レースを走り、趣味のグッズを買い、創作活動にも精を出しっ！！
あまつさえ、引退したいという願いまで否定せず受け止めてくれました。

「ありがとうございますっ！」
「急に、何？」
「なんでもありませんっ！」

ああ、結婚してよかった。カートを押す手が、ステップを踏む脚が強くなってしまいます。
デジたんのワガママを当たり前のように受け入れてくれる、そんな相手が果たして世界中探し回って見つかるかどうかっ！？

4
……なんてデジタルは思っているんだろうなあ。
キラキラウキウキしながらカートを押していく彼女を見て僕はつい顔が綻んでしまう。

本人は自覚がないみたいだけど、デジタルはどんな我儘でも一線は超えないようにきっちりブレーキを踏めるウマ娘だ。
買い物にしろウマ娘の追っかけにしろ創作活動にしろ、他人に迷惑を掛けないという事をいつでも気にかけている。
「尊いウマ娘ちゃんの姿に自分が干渉してはならない」という戒めが強く効いているんだろうけど、そもそもそんな自戒を設定出来る事自体、彼女の育ちの良さに起因していると思う。
ご家族ともお会いしたことがあるけれど、彼らはどちらかと言うとバーベキューやフェスと言った外向きの趣味を持った方々だった。
彼女は自分を内向的なヲタクだと思っているけれど、実際には幼少期から育まれた外向的性格という土壌の上にウマ娘マニアというベクトルが乗ったものなのだろう。
そんな彼女の「ワガママ」が、実のところ他人との距離を十分に熟慮した物であるのは当然のことだ。だから僕は何も心配をしていない。
……それでもヲタクの何たるかを知らないウマ娘にとっては脅威の対象だったろうけれど。

5
「何がおかしいんですかぁ？」

どうやらニヤついていたらしい。いけないいけない。

「デジタルは可愛いなあと思って。」
「ええ～？妻を口説いても何も出ませんよぉ～～？？」

そういう割には嬉しそうに笑うじゃないか。

「カート、もう満杯だね。」
「そうですね、どうしましょうっ！」

話題を逸らしつつ、僕は手近なカート置き場からもう一台ショッピングカートを持って来た。

6
「……帰るのかと思っちゃいました。」
「キミがそんなに楽しそうにしてるんだもの。満足するまで付き合うよ。」

そう言って笑いかけると、

「そうですねぇ、あたしの旦那様はデジたんのイキイキした姿が大好きですもんねっ！！」

妻は満面の笑みで答えた。

「どうせあたしが稼いだ金ですしっ！」
「……そうだね。」

僕の曇った顔を目ざとく見つけてデジタルはデリカシーがありませんでしたと頭を下げたので、僕はその頭を優しく撫でた。
全宇宙が親しげに僕をこづいたような気がした

--
キミたちも幸せであって欲しいよ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
何ともうすぐ結婚記念日なんですよデジ民（たみ）の皆さんっ。
今年はどうしたらいいでしょうかねえ？

「配信。」「配信。」「デート配信。」「夜の配信。」
ですよねえ配信見に来てる人にとってはそれが一番ですよねえ。
ここで聞くからには、今見てくれている人たちにも益のあるものじゃないとねえ。

お、早速スパチャありがとうございます。

「夜の生活の生配信を希望します。」
スパチャはですねえ、依頼とかお願いを訊く為の料金では残念ながらないんですねぇ。

2
月並みなところでは、おデートした結果をここでお話するという所になるんでしょうけど。
でも「夫とデートして楽しかったです」とだけ話をしたって皆さん蚊帳の外の話ですしぃ～。
何よりデジたんが夫と仲良くしているところをノロけられるのは、デジ民にとって必ずしも気持ちの良い事じゃあないかもしれません。
ですからっ！
皆さんとも多少なりとも一緒に楽しめたらいいなあと思ったんです。

「デート配信して」「デート配信」「俺とデートして」
軽く仰いますけど、デートで訪れる先にもお世話をかけちゃうんでなかなかデジたんの一存で決められないんですよぉ。逆に配信しても問題ないデート先ってどこだろうな。

「無人島」「おうちデート」「空中」「宇宙」「スピードの向こう側」
おうち以外はデートじゃ済まないんですよねえ。そもそも行けないんですよねぇ。
あっスパチャだありがとうございます。

「俺んち」
だからさあ、スパチャはリスナーさんのお願いを聞く依頼料じゃないんですよ。

3
そうですねえ、思い付きを並べてブレインをストーミングしてみますか。
レストラン、映画、演劇、競バ場、温泉、プール、カラオケ、ゲームセンター、古本屋、ショッピング、グッズショップ。
渋い所で神社仏閣、割烹料理、焼肉、寿司、ステーキ、ラーメン、牛丼、中華、手づかみシーフード、ハンバーガー、カレー、グリル……。

「後半の食い意地よ」「おなか減ってんの？」「今日ご飯食べた？」「カラオケいいんじゃない？」
カラオケ。ああ、カラオケはいいですねぇ。カラオケボックスなら1部屋借り切りにするだけでオッケーですし、一般の方にも迷惑掛からなそう。
じゃあお歌の配信になりますかねっ。事務所とも相談します。
いやあ話してみるもんですねえ、こんなにすんなり話が決まるとはっ。
と言ってもお歌は権利関係があるんで、すんなりとはいかないかもですけど。
多分大丈夫だとは思うんですよ？

「権利ねえ」「そこはしょうがないよね」「カラオケもダメなの？」
そこはカラオケだからこそ多分大丈夫と言うか……ちょっとお話ししますか。

4
お歌の配信だとクリアする権利が二つありましてぇ。
一つは曲そのものの著作権、もう一つは演奏した人の権利です。
楽曲の著作権はJの団体に申請すればまず間違いなくクリアにできます。
問題はもう一つの演奏した人の権利なんですよ。
所謂オフボーカルバージョンのCD音源とかはまあ許可下りませんね。それに一つ一つ演奏者さんを訪ねて許可くださいとお願いすること自体、手間を考えるとあまり現実的ではありません。
カラオケだと寧ろ楽っていうのは、カラオケ音源を配信している業者さんとうちの事務所で合意できればオールオッケーになるからです。
いついつにどこどこのカラオケ屋であなたのところのカラオケ音源使ってうちのデジたんが配信するんでよろしくお願いします、
というお願いが通れば、そのカラオケ音源業者さんの持っている大量のオフボーカル音源が使えるようになる訳です。

「演奏者の権利があるってことは、オフボーカルに限らずCD音源まるまる流すのもダメってこと？」
ダメですねー！皆さんも配信するときは気を付けてくださいねっ。

5
ふふっ、真面目な話をしてしまいましたっ！
結婚記念日にカラオケボックス！

「そしてカラオケセックス！」
バカじゃないんですか。
あのですねえ、ボックスでセックスは大体バレますしぃ、汚すのも器物損壊に当たる可能性があるんですよぉ。

「何で知ってんの……？」
これでもデジたんは顔が広いのでっ！色んな業界の人の裏話を知っているのですっ！！
競走バをやっていますと競バ関係者は勿論、ウイニングライブで芸能関係者さん、音響さん照明さん大道具さん小道具さんメイクさん衣装さんと知り合いになるのですよ。
それだけ沢山の方と顔見知りになりますと、自然と入ってくるネタも相当な範囲に広がるのですっ。

「デジたんがボックスでセックスしてるのかと思った」
んもー！
ていうかセックスの話はしてないんだわ！！

6
「でも記念日ックスするでしょ？」
するでしょじゃないんですよ。
ノーコメントっ！ノーコメントですっ！！

さあそろそろ終わりの時間ですねっ！
パカライブENのトブーグちゃんのチャンネルでウマインクラフト配信してるそうなので、パカ鯖にお邪魔しようかなと思いますっ！！

「トブと仲いいよね」
そりゃいいですよっ！一緒に香港走った仲ですもんっ！！強いし奇麗だし可愛いしっ！！！
国家代表で出走したウマ娘ちゃんなんですから当たり前ですよねっ！！

「間接的に自讃してる」
違、デジたんそんなつもりじゃ……！ああっともうお時間ですねえ、それではバイデジっ！！またねぇ～！


--
ファイティングマンブルース

1
「あ、この子辞めるんだよね……。」
「何で知ってるんだ？」

夫が作業をしているPCのモニタを見て、妻のアグネスデジタルが呟いた。
画面には一人のウマ娘がダート練習場を走っていた。

「ムフフ、ウマ娘にはウマ娘の情報網があるのですっ。」
「羨ましいなぁ。」
「あー……、でも今回はその。嘘でして。」
「嘘？」

頬を掻くデジタルに夫が首を傾げた。

「直接言いに来てくれたんですよ、この子。」

2
「どういう事……？」
「大学にね、来てくれて。旦那さんにお世話になってるウマ娘です、って。
おうちを知らないので直接サブトレーナーに会えないから、代わりにお礼を言いたくてって。」

アグネスデジタルの引退後結婚した元専属トレーナーとデジタルは、それぞれ主夫兼リモートワークのサブトレーナーと大学生へと針路を変えた。
夫が見ていたのはメイントレーナーによるトレーニング時の光景だ。
彼はこれを見て気になるところ、出走予定レースを踏まえた今後の育成方針の提案などを行っていく。
データの収集と解析などの地味な作業も彼の仕事だ。

「そうだったのか。そう言えば連絡先も教えてなかったからな……。」
「あたしの入学はニュースになりましたからねぇ。他にアナタに繋がるヒントがないからってんでわざわざ足を運んでくれたんですよっ！くうーっ！泣かせるじゃないですかっ！！」

歓喜を噛み締めるデジタルを他所に、夫は画面へ向き直る。

3
「……引退レース、距離合ってないんですってね。」
「うん。」

モニターから目を離さないまま、夫は言った。

「勝てるレースに出さないんですか？」
「本人たっての希望だからね。」
「知ってます。聞きました。」
「……。」

デジタルも引退レースは距離の合わないG1に記念的な参加をした身だ。強く言えないのは十分わかっている。わかっているからこそ、負けが決まっているレースに向かって練習するウマ娘の気持ちを察して胸が痛むのだ。

4
「……難しいなあ……。」

デジタルが頭を振った。
『彼女』は、成績が振るわなかった。才能はあったが、もっと強烈な才能の持ち主たちが彼女の行く手を阻んだ。
レースとは、一着以外が全て『負け』となる競技だ。
勝つこと自体が困難で、勝ち続ける事は尚至難。だから、一回でも勝ったことのあるウマ娘より何も為せずに競バ場を去るウマ娘の方がずっと多い。
そして「強いウマ娘」と呼ばれるには一回勝った程度では話にもならない。それこそ、同じ距離同じバ場を得意とするライバル達を何度も何度も蹴落とさなければならない。
そうしてやっと『強い競走バ』と言って貰える、そんな世界だ。

モニタに映る『彼女』は、ウマ娘の最もよくある末路を進むというだけの事だ。いや、引退レースが選べるだけマシな方だ。上澄みと言ってもいい。
それでも。

「何とかならないんですか……？」

デジタルが目を潤ませながら、夫の顔を覗き込む。

5
「デジタル。」

夫がモニタから目を離し、彼女に向き直った。

「全てのウマ娘が、幸せになれたらいいと僕も思う。でも、全てのウマ娘を勝たせることは……できない。」
「……うん。」
「そして、僕たちも割り切れている訳じゃないんだ。実際に走って、負けて、悔しい思いをしているのは彼女たちなんだから。
僕らは何一つ、代わりになってやれない。
君が将来トレーナーを目指すのなら……彼女の選択、彼女のメイントレーナーの選択、そして僕の選択を、よく見ていてくれ。
ああそうだ。もし彼女と連絡先を交換しているなら、レースの後に声をかけてやってくれないか。
そうして……こうしていればもっとうまくやれたはずだと思ったなら、それを覚えておいて欲しい。それが多分、君の財産になるはずだ。」
「わかりました……。」

デジタルは俯いて、そのまま部屋を出て行った。

6
作業を終えて入浴後、夫が寝室に入ると妻は既に眠っていた。
常夜灯のオレンジの光の中夫が近づくと、その目元には涙の跡が見えた。
妻のベッドに腰かけ、その頭を撫でる。こうしてみると幼い女児のようだ。
中等部で本格化を迎えたデジタルは、今でも中高生、酷い時には小学生と誤解されるほど若い外見をしている。
内面も――――ある程度洗練されてきてはいるが――――ナイーヴな部分が色濃くある。
彼女が目指すトレーナーと言う職業は、彼女が望むようなハーレムでは決してない。
弱いウマ娘がどうすれば勝てるか頭を悩ませ、強いウマ娘がもっと強いウマ娘達相手にどうすれば勝てるか頭を悩ませる仕事だ。
そうした苦行の中で、育ててくれたウマ娘が勝ってくれれば心の底から嬉しい。救われたような気さえする。そしてその快感も、他のウマ娘を負かせた結果である。何の負い目も無く喜ぶことなど不可能。レースの残酷さに対して最前線から二番目に立つもの。それがトレーナーだ。
どこかの誰かのウマ娘の不幸を、敗北を喜ぶ。そんなことがこの子に出来るのだろうか？

「あたし、トレーナーになります。」

突然パチリと目を開いてデジタルはそう言った。

7
「起きてたのか。」
「ずっと考えていました。レースはほとんどのウマ娘ちゃんを不幸にしてしまうのに、どうしてそれでもウマ娘ちゃんは走りたがるのか。」

身を横たえたまま、泣きはらした目をしっかりと夫に向ける。

「負けるのは不幸ではないからです。走りを競えること自体が幸福だからです。
勿論勝てれば最高にハッピーですけどっ。負けたからって何もかも終わるワケじゃありません。凄いウマ娘と戦ったって幸せはずっと残ります。
あたし達は勝ち負けの世界で生きていたけれど、勝ち方だって負け方だって勝ち負け以外の生き様だって、幸せに繋がっているんです。
あたしがアナタと結婚したように。あたし以外のウマ娘ちゃん達がそれぞれ今も生きているように。
現役時代っていう太陽が落ちても、夜がその先に続いてる。
夜道を胸張って生きていけたら。もう一度別の太陽が昇ったら。そしたらそのウマ娘ちゃんの人生は報われるんじゃないですか？」
「うん。」
「トレーナーがウマ娘ちゃんの人生に関われるのはたった数年間ですよ。その数年でウマ娘ちゃんの人生全部の勝ち負けまで決まる訳ないじゃないですか。」
「そうだね。」

8
「だから……トレーナーになります。
ウマ娘ちゃんの人生を、ほんの少しでも幸せにできるなら。
いや、幸せなんて贅沢言いません。『いいレースが出来た』って喜べるお手伝いが出来るなら、それだけで価値がある。違いますかっ！？」
「違わないよ。キミは正しい。」
「ありがとうございますっ！」

夫は布団に手を入れて妻の手をぐっと握った。妻も強く握り返す。

「あたし、アナタを誇りに思います。」
「ありがとう。キミも僕の誇りだよ。」

デジタルが照れ臭そうに笑ったので夫は黙って頷いた。

--
「大きさは軽自動車くらい。全身が鱗に覆われていて、首は二つ。それぞれに意思があります。また、興奮すると濃硫酸を吐き出します。脚は六つあって、尻尾は針金のように固く、棘が無数についています。」

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
今日ねえ、またお酒飲みながら配信するんです。（ごく）ぷは。

「今日は何？」
神楽酒造の、くろうま天駆です。https://www.kagurashuzo.co.jp/brand/#bd05
薄目にソーダ割にしております。

「またげっぷ出るぞ」「げっぷ助かる」「げっぷ助からない」
あははは、焼酎はロックでいただくとね、ガツーンと酔っちゃうんで。
今回は長く楽しみたくてソーダ割にしました。
今日は焼酎ですけど日本酒をソーダ割にするのも結構好みです。
日本酒の楽しみ方については、デイリーポータルZの日本酒の記事がお勧めですよ。
https://dailyportalz.jp/kiji/170822200476

「好き嫌いに肩ひじを張らなくていい」という個人的にとても好きな記事です。

2
話が反れましたね。（ごく）ぷひゅーっ。
今日はですねえ、ちょっと悲しいことがあって。
吐き出したくて配信いたしました。
悲しい事と言っても誰かが亡くなった、と言う話ではないんですが……。
デジたん色々考えて複雑な気持ちになっちゃって。
こういう場で、レスポンス貰いながらアウトプットしていくと、楽になるのかなって。

「何だろ？」「よし聞いてやろう」「リアクション貰うと整理できるのわかる」
ありがとうございます興味持ってくれてっ。
あーーー。ファンの方のそういう、無償の愛に割と救われてるんですよねぇ。
デジたんがデジたんであるだけで受け入れてくれるデジ民（たみ）の皆さん。本当感謝してます。ぺこり。

3
整理、というと知人の言葉がちょっと頭をよぎるんですよねえ。
「感情って整理されている気持ち悪いじゃないですか」って。今そのブログ消滅してるんですけど。
結構含蓄のある言葉ですよね。人間の感情が理路整然としてるわけないだろ、理路整然と整えるようなもんじゃないだろ、という信念を感じます。
デジたんも感情優先なウマ娘ではあるのですが、こんな風に「整理されてるのは気持ち悪い」とまで言われるのは結構ショックではありました。

ああ、寄り道しちゃった、お酒が入ると話が遠回りしていけない（ごくごく）

今回お話したかったのは、競走バちゃんの引退についてです。
知り合いの……あーーーーーちょっと待って？
……（カチカチ、カチカチ）

んん、そうか。すみません、まだ公式発表無いみたいなんでどこの誰がいつってのがあんまり言えないんですごめんなさい。
そうですねぇ～～～。今年、いや、今年度中に引退レースを控えたウマ娘ちゃんが居まして。
ちょっとした縁で顔見知りになったのです。

4
変な言い方ですけど、引退が決まった後に実際に逢ったのですよ。
うちの旦那がサブトレーナーやらせてもらっているウマ娘ちゃんで……ちょっと待ってくださいね？（どたどた）……（ばたばた）
よかった。あのね、うちの旦那がどのウマ娘ちゃんのお世話をしているかは非公開だという事を確認しました。
旦那みんな知ってるでしょ？デジたんの元専属トレーナー。そんな人がサブトレについてるウマ娘、って事で絞り込まれたら大変だってんでぇ、確認しました（ごくごく）。ぷはぁ。
で、そういう縁で知り合ったウマ娘ちゃんが、「実はもうすぐ引退します」と。
競走成績を確認しても、まあしょうがないかな、と言う感じではありました。
でも～～～……。間近でお顔を見たウマ娘ちゃんが去っていくのは、やっぱり悲しいです（ごくごく）。ぷふっ。
なので旦那にですねえ、つい言っちゃったんですよ、何とかなりませんかって。
そしたら旦那は
「全てのウマ娘を勝たせてはあげられない、その代わり彼女の選択をよく見届けてくれ」って言いました。


5
デジたんも力の限界を感じて引退した身です。……引退する理由としては寧ろ幸せな方ですよね、怪我や病気で引退を余儀無くされたウマ娘ちゃんも沢山いる中で、「辞める」という選択を自分で出来たんですから。
でもねえ、やっぱり顔見知りになったウマ娘ちゃんの引退って結構メンタルに堪えちゃって。
ベッドに入って一人で悶々と考えてたのです。ウマ娘ちゃんが競バ場を去っていくのはどうしたって悲しいじゃないかと。
何ともならないのはわかってはいても、何とかならないのかなあって。
……そんでね？考えて考えて考えた結果。
引退って別に不幸じゃないよなって気づいたんです。

デジたんだって今こうして引退した後もみんなの前で話をしてるでしょう。
他のウマ娘ちゃんも引退した後の人生をそれぞれ歩んでいます。
競走バでいられなくなったからって人生というレースが終わる訳じゃない。その先にもずっとずっとバ場が続いてる。
だとしたら、競走バ引退は終わりじゃなくて、区切りと言うか。
うーん……。悲しい事ではあるけれど、避けられるものでもありませんし。
笑って拍手で見送る。そう、卒業っ！卒業ですっ！！競走バ卒業っ！！！！

6
「卒業いいね」「引退じゃなくて卒業」「これからそう呼ぶか」
うんうん、そうそう！競走バ卒業！いいじゃないですか！巣立ち旅立ちって感じがしますよっ！！
そういう話を旦那ともしまして。今に至ります。悲しくて泣いちゃって、すっきりして。さっきの結論をお話しして。
キミは僕の誇りだって言って貰いました。嬉しかった。

「引退する子をダシにしてイチャつくのはどうかと思う」
なんでだよ！？
いい話だったでしょー？！？！
それだとあたしがそのウマ娘ちゃんの引退を本当はなんとも思ってないみたいじゃないですかっ！！

おっとお時間ですねえ。次の配信は明後日かな、それではバイデジ、うっ。げぷ。
「げっぷ助かる」「げっぷ助かる」「汚い」「飲酒はほどほどにね＠夫」
おい最後のちょっと待って
（この配信は終了しました）

--
いつだってコースの上

1
夜明けよりも手前側 星空のインクの中
落として見失って 探し物
心は眠れないまま 太陽の下 夜の中
つぎはぎの願いを 灯りにして

何も要らない だってもう何も持てない
あまりにこの空っぽが 大き過ぎるから

たった一度だけでも頷いて欲しい
鏡の様に手を伸ばして欲しい
その一瞬の 一回のため それ以外の
時間の全部が 燃えて生きるよ

2
ウマ娘用ヘッドフォンを装着したまま、アグネスデジタルはモニタを前にずっと顎に手を当てて考えていた。
だからそっと差し出されたホットティーとクッキーに気づくと背筋を震わせてしまった。

「ひょえっ！？！？」
「ごめん、ノックしても返事がなかったから。」

返事が無かったなら入らないで欲しい、という言葉を飲み込んで、デジタルは「ありがとうございます」と元トレーナーの夫に対して頭を下げて、ストレートホットティーの入ったマグを両手で抱えた。

「集中しているところ邪魔したならごめん。」
「いえいえ、ちょうど気分転換したいところでしたからっ！！」

ヘッドフォンを外して改めて頭を下げる。モニタの電源は切らない。今更隠し立てをするような仲でもない。

3
「じゃ、あまり根を詰めないようにね。」
「……待……ってくださいっ！」

背を向けた夫に絞り出すように声をかけた。不思議そうに彼は振り向く。

「あ、ああーーー……実はデジたんネタ切れというか、ネタ詰まりを起こしておりましてぇ……。何かアイディアをいただけたらと。」
「僕がかい！？」
「無理は承知しております！でもこう……喉元まで出かかってつかえている感じなのでっ！
デジたんの事を一番近くで見ていてくれたアナタなら何か思いつくのではないかとっ！！」
「……よくわからないけど、力になれるなら協力するよ。」

その言葉に満面の笑みを浮かべたデジタルがヒト用ヘッドフォンを端子に繋ぎ直して夫に手渡す。

4
「この歌、何だかデジたんに重なるところがあるので形にしたいんですけど。どういうストーリーにしたらいいのか決めかねてまして！
何でもいいので思いついたことや感じたことを教えていただけるとヒントになるかとっ！！」
「わかった。」

夫が目を閉じるとデジタルは口を閉じる。
2分ほど経過してモニタ上のプレイヤーが曲の終了を示すと夫は目を閉じたまま指を一本立ててもう一度、と告げたので妻は頷いてそのままリピートした。

そのまま何周か聞いて、夫は徐にヘッドフォンを外した。

「……どうでした？」
「……これはどちらかと言うと、僕の曲かも。」
「へぇ！？！？」

5
「歌詞全体だと、特定の人物に対する執着を歌っているように感じる。
キミはこの歌に自分に重なるところがあるって言ったけど、だとすると、この歌詞が表現するような『特定の誰か一人に対する執着』って言うのが君の萌えと上手く嚙み合わないんじゃないかな？」
「……じゃあ、どうすればいいんでしょうか……？」
「ごめん、そこまでは……。」

申し訳なさそうに頭を下げる夫にデジタルはかぁっと顔を赤くして手をパタパタ振った。

「すみませんすみませんっ！そこまでは求めるつもりではなかったんですなかったんですけどっ！
分析が的をばっちり射ていたのでついおねだりしてしましましたっ！
貴重なご意見ありがとうございますっ！！
あの……『僕の曲』って？」
「ああ、僕がキミのトレーニングしてた頃の感じがした。」
「ヒョエッ！？！？」

6
「そ、そ、そ、それはアナタがデ、デジたんの事をその、大好きだという……。」
「そりゃ結婚してるんだから当然だよ。」
「そっそっそっそうですよねっ！やだなあもう付き合い長いのに不意打ちでそういう事言われるとあたしまだまだ照れちゃいますっ！」

デジタルが再び両手でマグを抱えて一口飲む。

「ヒントにはなったかな？」
「そうですねぇ、路線を変えてアナタ×デジたんでプロットを切るか、フィクションに舵を切って実はオペラオーさんの事を愛していたデジたんとか、この曲が合いそうな別のウマ娘ちゃんを見繕うとか色々やれるとは思うんですけどぉ……。」
「創作って難しいねえ。」
「そうなんですよぉ、答えなんてありませんからっ！コンセプト自体が不人気だったり理解されにくかったり、たとえメジャーな路線でも表現の仕方一つで台無しになったりっ！！
しかも人気が出るかどうかなんて事前に予測できるはずもありません。
だから好きなものを好きなように描いて、あとは天に、いや読者様にお任せするしかありませんっ！」

7
いつの間にか椅子から立ち上がっていたデジタルが胸を張っている。

「キミの好きなものって？」
「それはっ！勿論ウマ娘ちゃんですっ！ウマ娘ちゃんの友情、努力、勝利、敗北、喜び、悲しみっ！！強く美しいウマ娘ちゃんの生き様全てですっ！」
「キミだってウマ娘だろう？」
「自分と他人は違いますっ！でもウマ娘ちゃんの艶姿は間近で何度も見ています。デジたんはいつだって！過剰に！！満たされていますっ！！！
でもなぜかこの曲にデジたんの何かがシンクロしてしまったのですぅっ！！！」

夫が顎に手を当てて俯く。この曲はどちらかと言うと満たされない初期衝動を追い求める内容になっている。そこにシンクロした、という事はデジタルの中では何か満たされないものがあるという事だ。
デジタルの初期衝動、未だに満たされない望み、恐らくは一生追いかける事になる譲れないもの……。

「……デジタルがウマ娘を好きになった切欠って何だい？」

その言葉にデジタルが瞠目した。

8
デジタルの脳裏によぎる最も古い記憶。
テレビ越しに見たウマ娘のレースの姿。全身に汗をかき、土を蹴散らし、歯を食いしばって懸命に走るウマ娘達。
そしてその後のウイニングライブでさっきとは全く違う笑顔を向けながら歌い踊る彼女たち。
もう名前も思い出せないウマ娘達の全身全霊の輝き。

「ああ、そうか……。アグネスデジタルとは……ウマ娘ちゃんとは……宇宙とは……！」

そう呟いたかと思うとデジタルPCに向き直り猛然とペンを走らせ始めた。

「全は一、一は全！！あたしが萌える全てのウマ娘ちゃん達！全てのウマ娘ちゃんに萌えるあたし！このアグネスデジタルは！このアグネスデジタルがっ！！」
「落ち着いて。」

9
二週間後。
出来上がった本は、デジタルが好きだと思ったウマ娘の姿、エピソードを絵と共に綴ったフルカラーイラスト集であった。

「わかったんです！こうだったらいいかもとか、もしああだったらとか、そうじゃなくてっ！！あたしが好きだと思ったものを描けばいいんだって！！！」

脱稿直後のデジタルは夫にそう叫んでありがとうございました、と頭を下げながらそのまま倒れて眠り込んでしまった。

後書きにて。
『憧れに終わりはありません。あたしが満ち足りても萌え尽きても、ウマ娘ちゃんたちは夜空の星のように輝き続けている。
それを思い出したので、今回はストーリーとか取っ払ってとにかく思い出をぶちまける事にしました。
インスピレーションの元になった歌と、ヒントをくれた夫に感謝を。』
末尾には、『本当は夫も描きたかった』という文字が取り消し線で消されていた。


--
心のストレッチ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネス☆デジタルですっ！
ねえデジたんの子供の名前何がいいと思う？

「おめでとう。」「おめでとう。」「ありがとう。」「さようなら。」「ともだち。」
エヴァンゲリオンっ！あとみんなのうたっ！！

えっへへへへ、驚かせてしまいましたねえ～～。しかし残念ながらまだ妊娠はしておりませんっ！
引退して結婚している身ではありますが、まだ大学生ですからっ！
両親からは「大学卒業したらうちに戻ってもいいんだぞ？」ってゆる～く圧を受けておりますが、今のところ予定は未定でございます。
しかししかしですね。実際思い浮かべてみますと出産と育児は本当に大きなイベントでございましてぇ～……。
デジたんも将来的には家族を増やすつもりでは居るのですが、じゃあいつがいいタイミングなのか、というと難しいのですよぉ。

2
「なんだ嘘か」「俺の子産んで」
悲喜こもごものコメントをいただきつつお話させていただきますとですね。
デジたん大学卒業後はトレーナーとして働くつもりでおります。
勿論試験に通らないとトレーナーにはなれませんから予定は未定ではありますがっ。
例え試験に落ちても来年の試験に向けて勉強したり、あわよくばトレセン学園で就職の口がないかとか考えておりますです。
そうするとデジたんの人生設計の中でデジたんの子供が割って入る余地がないという事に気が付いたのですよ。

妊娠、出産、育児、ね？考える程に自分の為だけに何かする余地が見つからないのです。
そう考えたらパパママ凄いなーって！
どんな風にあたしを出産することを決意して、どんな気持ちで育てて、どうやってトレセン学園に送り出したのかっ！？
思い返せば親の生活のほぼ全てに無自覚に食い込んでいたと思い知る訳です。
お金も時間も精神も、どれほど頂いて、育（はぐく）んでもらったか！

デジたんに同じことができるのか！？！？全っ然想像もつかない訳ですよ！！

3
今すぐどうこうすることでも出来る事でもありませんよ？もしかしたら産みたくても産めないみたいなこともあるかもしれませんしっ！
親って凄いなって話ですっ！
反出生主義の存在も知っておりますが、パパママの苦労を思いやるとどうもデジたんは支持する気にはなれません。

さてさて悩んでいるばかりではラチもゲートも開かないとわかっているのがこのデジたんです。
スーパーギャップシステマティックカイテキナセイキマツ とても怪しい言葉だけれど 明るくはっきり言えたらバッチリ！ スーパーギャップシステマティックカイテキナセイキマツ！
アッカンベロベロアッカンベー！アッカンベロベロアッカンベー！

古の呪文を唱えて仮初の活力を得たらスマホでピポパ。実家にお電話しました。
こういう時は一次資料に当たるのが一番ですからねっ。プルルル～、プルルル～、ガチャ。

「もしもし？デジたんですけどぉ」
「あら久しぶり何の御用？」
「ママご無沙汰しておりますぅ。」って。
「あたし育てるのって、どんな感じだった」って。

4
「そんな質問ある？！？！」「どう答えたらいいんだよ」「行動力の化身」
あははは、流石にママも困惑してました。でもあーでこーで悩んでるの、子供を育てるのって実際どんな感じなのかしらって話したらマジで親身になって相談に乗ってくれてぇ。

それでママがぁ。
「案ずるより産むが易し！」って。
実のママにこれ言われたらもう、安心するしかないじゃないですかっ！

母は剛、父は慎吾とはよく言ったもので、子を持つ親には勝てません。増してや自分の親となれば頼り甲斐の化身。
いや、デジたんのパパママは頼り甲斐の化身……なんかじゃないんだ。
パパママ自身にもコントロールできない「頼り甲斐」そのもの……暖かな力そのものになってしまったんだ。

「いのる」「いのる」「いのる」「いのる」「いのる」「いのる」「いのる」「いのる」
やめろやめろ！あたしの両親を殺さないでっ！！

5
まあそんな訳でね、子供持つことに不安を感じていたデジたんにですね。そういう不安は子供持ってからにしなさいという非常にわかりやすいアドバイスをしていただいた訳です。
この言葉はガツーン！と来ましたっ！
ウマ娘ちゃんオタクであるデジたんにとってトレセン学園への入学は理想であると同時に地獄への入り口でもありました。
だってそこに居るのは一人残らずウマ娘ちゃん、デジたんにとっての天使たち。学園の中でただ一人デジたんだけが、ウマ娘じゃない……というとピンと来ないかもしれませんがぁ……。名バ居並ぶ中一人だけハリボテエレジーだったというか……。
デジたんみたいなものが肩を並べていいのかというか……。でも肩を並べられることは間違いなく最高の喜びでもあったりしましてぇ……。この気持ちは分かってもらえないかもですねぇ～……。

6
「いやわかるよ」「わかるとまではとてもいえないけど、察することはできる」「ハリボテエレジーは名バだろ」
ありがと、ありがと。あとハリボテエレジーさんごめんなさい。
ああ、何か締まらないままお時間が来てしまいましたねえ。
そういう訳でデジたんは子が出来る事に前向きではあります。その際にはおめでたい報告をこちらでもさせていただこうと思います。
それではエンディングテーマは山寺宏一で、
「HE SAID SHE SAID～2年目のDINKS～」です。
それではバイデジ～♪

--
態度で示そうよ

1
「おほぉおおお～～♥何度見てもディアドムスちゃんの最終コーナーの加速が巧みでかっこよくてヤバいっ♥♥」
「何度見てもサウンドキアラちゃん相手が悪かったね……。アイちゃんマジでめちゃくちゃ強い……。」
「シンボリクリスエスちゃんこっち見てぇ～～～～♥」
「カゼノコちゃんはデジっぽさあるよね。」

大学のサークル部屋で、アグネスデジタルは同志達と往年のレース、ウイニングライブを見返していた。

2
ウマ娘グッズが所狭しと置かれ、ウマ娘の歌う曲が流れ続けるサークル部屋。
講義の間の休み時間に人が出入りしていく。年次が高く単位に余裕のある先輩は朝から晩までずっと入り浸っている。
アグネスデジタルは入学当日この部屋を探し当て、そこに「自由」を感じた。
平日の昼間に堂々と趣味に耽る。それが背徳感も罪悪感もなく許される状況など、これまでの学生生活で想像したこともなかった。
そうした様子を外からじっくりしっかり観察し確認し、引退＋入籍後、抑えきれない鼓動に押されて扉を開いた。

「デ、デジたんっ！？」「アグネスデジタルちゃんっ！？！？！？」「えっ、マジで？マジで？？？」

そうした困惑と喜びの混ざったどよめきを捻じ伏せるようにアグネスデジタルのアイドルボイスが響き渡った。

「このサークルに、入れさせてくださいっ！！！」

3
一同は二つ返事で了承……と言いたいところなのだが。
ウマ娘ヲタクの基本はYes ウマ娘 No タッチ。ウマ娘の方から飛び込んでくるなど例外も例外。増してや相手はあのアグネスデジタルである。
芝もダートも海外も、バ場を選ばず走り抜け、重ねた結果がG1六冠。間違いなく時代を代表する名バである。
そんな天上人ならぬ天上ウマ娘のサークル参加希望を受けたメンバーの驚きようは一通りではなかった。
サイン頂戴、握手してください、お前ら触んなと散々の口論の末、副部長がデジタルに一旦の退室を促した。
ドアの外で待つこと10分、開かれた扉から件の副部長が泣きながら顔を出した。

「アグネスデジタルさんがウマ娘のファンであることは存じているし、入部希望は望外の喜び。しかし……。
私達は本質的には光のファンの心を持っているが、自分の意志では光の心、闇の心もコントロールできない……。」

デジタルはその言葉を聞いて顔を覆った。痛いほどに、わかり過ぎる程にその気持ちが分かったから。
『ファンとアイドルは距離を置かなければならない』この戒律が存在するのは、『距離を置きたくない』という欲望が絶えることが無いからだ。

4
『ねばならない』はいつだって、『したい』の反対側。デジタル自身がトレセン学園で懊悩したように、彼らも今、戦っている。

「いや、今のあたしはもう競走バではありませんっ！だから競走バとしてのアグネスデジタルとは別人として、扱っていただくことはできませんかっ！？」

それが無茶な要求なのは自分でもわかっていた。
引退したという事実がウマ娘の魅力を幾分か色褪せさせるのは確かだが、競走バとしての記録が消えるわけではない。ファンの目に焼き付いた記憶が薄れる訳ではない。副部長は啜り泣きながらデジタルの言葉を受けた。

「これは……決定だから……。」

アグネスデジタルは既婚者だ。ファンとアイドルとのロマンスという逃げ道も封じられている。絶対に愛してはならないアイドルが同じ部屋に居るなど耐えられるはずがない。

「わかりました……。」

デジタルも涙をこらえ、頭を下げ、背を向ける。
その手首を誰かの手が掴んだ。

5
「副部長、デジたん泣かせちゃだめですよ。」

それは部室から出てきた一人のサークルメンバーの手だった。

「あなたは……？」」
「初めましてっ！デジたん、ほら入ろっ！？」

もう一人のメンバーが飛び出して肩に手を回す。

「あたしらがウマ娘を泣かせちゃダメでしょ～？」
「大体デジたん入学ニュース見た時点でここに来るって予想できてたじゃんっ！！」
「お前らっ……！」

副部長を尻目に二人のメンバーに部室に引きずり込まれるデジタルの表情は、嬉しさに満ちた泣き笑いだった。

6
『ごめんアナタ、今日は朝帰りになります』

カラオケボックスの写真が添えられたメッセージを見て、夫が苦笑いする。

『いいよ、楽しんでおいで』

妻は今、本当の意味で気の置けない仲間を手に入れた。それは楽しいに違いない。
夫は自身の大学時代を思い出す。高校までの繋がりが絶たれて全く違う様相となった仲間たち。それなのに何故かウマが合う同じ学部、同じサークルの先輩後輩たち。
ずっと続けばいいとまで思った、豊富な時間と多彩な友情のキャンパスライフ。
デジタル、限りある時間を、貴重な絆を、どうか楽しんでおいで。それは心からの言葉だった。

――――
「ただいま帰りましたよぉ……。」
「お帰り。」

7
土曜日午前9時過ぎ。遠慮がちに玄関を開けた妻を抱き上げ、そのまま寝室まで運んでベッドに横たえた。

「わわわ、お風呂、先にお風呂がっ。」
「目が冴えちゃうだろ、先に寝てなよ。」
「あっ、そんな抱き締められると、匂いがっ。あっそのダメ、ダメですデジたん眠ってしまいます、臭いデジたんが服がシワシワの髪がくしゃくしゃのメイクがぐちゃぐちゃの、」
「いいから、目を閉じて。」

わたわたと力なく暴れる妻を優しく抱き締めると、程なくして夫の腕の中から穏やかな寝息が聞こえ始めた。

「……ズルいよなあ俺。」

妻を労わる振りをして、一番美味しい無防備な所を愛させてもらっているんだから。
妻のサークル仲間に罪悪感を抱えつつ、息をいっぱいに吸い込む。アルコール、食べ物、タバコの匂い。愛する妻のプライベートの付き合いを語る匂い。
ああ、どこで何をしてきたのか想像するだけで楽しくなる。マニアックでフェティッシュと言われたっていい。
だって俺の嫁は、アグネスデジタルだぜ？



--
過去が殺しにやってくる

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネス☆デジタルですっ！
冒頭の映像は皆さんご存じのデジたん勝利の舞ですねぇ～。
いやぁサークルの部屋に入ったらこれがエンドレスで流れててですね。
fu556279.mp4
「手足ほっそ……。」
「何で回るんだろう。」
「幼稚園児ってテンション上がると回るよね。」
とか好き勝手言われてまして。
何見てるんですかーっ！？って怒鳴りましたよね。ついね。

そしたらサークルの男子の同志は気まずそうに動画止めてそっぽ向いたりごめんって言ったりしたんだけど、
女子の同志はなんでー？かわいいじゃーん？やってみせてよー！と実に積極的。

ううぅ～～っと悩んだ挙句、
頭を抱えてどたどた一回転して「ありがたきしあわせぇ～～♪」をやって見せましたっ！

2
「見たい」「やって」
ええぇ～っ！？
うぅ～んわかったやります、やりますよっ！
え～と、この辺りかな？全身見える？大丈夫？OK？じゃあ行きますよっ？

（どたどたどた）ありがたきしあわせぇ～～♪

～～～～い、いかがでしたでしょうか、ブランクありますがっ！
うぉおおお！スパチャめっちゃ来てるぅ～！
うわわわ嬉し恥ずかしですよぉ～～～♪♪♪♪♪♪


3
「手足ほっそ」「何で回ってたの？」「スイスイってやるアピールがあざとい」
もう何とでも言ってくださいっ！
あの時はウマ娘ちゃんと走れた喜びと勝った嬉しさでもうめちゃくちゃになっていたのですよっ！！
ん～～あ～～～でも、萌えってそういうものかも。
演技や台本じゃない、その隙に垣間見える本音や素顔にあたし達は萌えるのです。
ああああ～萌えられてる側のデジたんが言うのはとても面映ゆいのですけどっ！

大体勝利ポーズはデジたん以上に可愛いウマ娘ちゃんがたくさんたくさんいますものっ！
個人的にはビワハヤヒデ様の「近いぞ」ってカメラを押しのけるのが第四の壁を触ってる感じで特徴的だと思いますっ！

4
デジたんに限らず一着を取ったウマ娘はテンションが上がって色々とねぇ、ほかでは見られない姿を見せたりしますよねえ。
嬉しそうにトレーナーと手を取り合ったり、はたまた2着以下のウマ娘ちゃんに高圧的な態度を取ったり。
今のあたしは引退してバ場を離れた身だからこそ、冷静に見ることが出来ます。
ちょっとほほえましかったりもします。
あ～調子に乗っちゃいますよねぇ～とか久しぶりの勝ちで感無量なんですねぇ～とかっ！
それを見た二着以下のウマ娘ちゃんのリアクションも美味しいんですよぉ～♥
悔しそうだったり、やっぱりねって感じで拍手してたり、早々に退場して次のレースに備えようとしてたり。
嬉しさ、悲しさ、冷静さ、その他もろもろ。レース一つ一つにそうしたウマ娘ちゃんの感情の宝石がポロポロと零れ落ちます。
それの何と美しい事かっ！

5
「デジたん現役で走ればいいのに」
うん。言いたいことはわかる。そうしたウマ娘ちゃんの美しい血と汗と涙を一番近くで見ることが出来るのは違いないのです。
でも現役でいるということは自分も血と汗を涙を流すという事です。どうしても心の余裕はなくなります。
引退して初めてわかるんですよね、レースごとに全てのウマ娘ちゃんがそれぞれに輝いてるって。
自分が実際に走ってると、自分は勝ったか負けたか、次はどうするのか、っていうのがどうしてもプライオリティ高い対象になっちゃいますので。
外からレースを見る立場になって初めてわかるものもあるのですよ。
寂しくもありますけどねぇ。一緒に走りたい気持ちだって当然あるのですっ。

6
そろそろお時間ですねえ。
皆さんもウマ娘ちゃんのレースを見て上げてくださいね。レースの後の勝利ポーズもね。
勿論負けたウマ娘ちゃんの表情もっ！
そして好きなウマ娘ちゃんが居たら、勝っても負けても応援してあげてください。
それが力になりますからっ！
負けてる時ほど、応援してくれてる人の存在って力になるんですよ。
負けたり嫌なことがあったりするとどうしても一人で抱え込んじゃうんですけど、そういう時に「一人じゃないよ」って伝えてあげるのが一番効くんですよっ！
これはマジのマジですよっ！ファンレター全部読んでますからねウマ娘ちゃんはっ！

さて今日のエンディングはこのデジたんの敗戦ダイジェストですっ！
皆さんはデジたんの勝利だけが好きなんですか？そうじゃないですよねっ！？ねっ！？！？
んっふっふっふ♪ ではバイデジ～♪

--
感謝の念は有り余るくらいでいい

1
「勤労感謝アァ～っ！！！」

座椅子の後ろから夫の背にアグネスデジタルが覆いかぶさった。

「ありがと。」
「こんなことしかできませんが。」
「……ズルいね。」
「ズルい？」

笑顔で振り向いた夫に、妻が間近の顔を傾けた。

2
「こうやってスキンシップされるだけで僕が嬉しいってわかってるんだもの。」
「でっへへ～♪
だってだってお休みならともかく、今々の今お仕事されてるんですものっ！」
「ごめんね、気を遣わせちゃって。」
「そうですともっ！ちゃんとお休みしてくれるんなら買い物でも遊園地でもおうちデートでもお付き合いしますのにっ！
お仕事とあっちゃあこうしてサプライズでお邪魔する以外に感謝の念を表せない訳ですよっ！！」
「お茶やおやつの差し入れとかは？」
「それよりこうして愛してあげる方が嬉しいでしょ。」
「ズルいなぁ。正解。」
「えっへっへぇ～♪」


3
「という事がありました。」

サークルの部屋にぎゃあぁああ～～～と嬌声の絶叫が響き渡った。

「ウマ娘のノロケとか劇薬に決まってるじゃんデジ～～～！！！」「ああ～～夫ちゃんマジでいいひとだなぁそんな人と結婚したいぃ～～！」
「奇麗だなあ……俺はどうしてデジたんのトレーナーじゃないんだ。」「先輩今からでもトレーナーを目指せますって！」
「ああ～わたしもトレーナー目指そうかなぁマジで！」「ウマ娘との同性婚ってできたっけ？」「法律か、じゃあまずは国会議員だねっ！勉強だっ！」

「……ごめんなさい。」

騒ぐサークルの同志達に、デジタルは声色低く謝る事しかできなかった。ウマ娘ファンサークルでウマ娘である自分自身のエピソードがタブーに近いのは十分にわかっていたが、

「それでも、どうしても自慢せずにはいられないほど嬉しかったから。」


4
「謝らなくていい」
「デジたんは悪くないっ！」
「アグっちは幸せになっていいんだよっ！」
「これからもプライベートをse・きららに語って欲しいっ！」

ずいずいと迫る同志の勢いに流石のデジタルも気圧されて後ずさる。
自信の決断が浅墓であったことを思い知る。

「……ズルいですよねえ、あたし。」
「え？」
「どういうことアグっち？」

伏し目がちになりながらデジタルが言葉を続ける。

5
「こうして、庇ってくれるだろうなって。半ば期待して話したんです。
……ひっどいですよねえ、ただのノロケ話で、でもみんなが好きなウマ娘の話だから嬉しがってくれるだろうし、それでプラスマイナスゼロになるだろうって。
でもそんな打算絶対良くない。あたしもっとみんなでウマ娘について語り合いたかったんです。
それなのに今日は自分の話したいことをただ話して、皆さんのウマ娘が好きな気持ちに漬け込んだ。……ごめんなさいっ！！」

サークル室に沈黙が満ちた。
その静寂を破ったのは、嘗て彼女の入部を否定した副部長であった。

「自惚れるなよ、邪悪な願い。」
「！！」

デジタルの背筋が震える。

「ここはウマ娘への愛で結びつくサークル。その程度の容易い悪意で崩れ去るものかよ。」

6
「だから、プライベートなエピソードを話してくれたことを心から感謝している。
考えて見なよ？ウマ娘の結婚後の幸せな生活を聞かせてもらえるなら、デジたん自身の打算なんて、何の障害にもならない。」
「そうだよそうだよ！だからデジの私生活もっと聞かせよぉ！」
「ねえねえアグっちハグしただけじゃないんでしょ？その後もっと聞かせてよ聞かせてよっ！……泣いてるの？」

アグネスデジタルの瞳から喜びと悔恨が澄んだ雫となって落ちていた。
同志のウマ娘好きに漬け込んだことよりももっと深い罪。それは同志のウマ娘への愛自体を甘く見た事。
涙を拭ったデジタルは、笑顔で彼らに向き直った。

「はいっ！
背中から抱き着いたあたしに夫はその腕を取って、パソコンのモニタを切って立ちあがると……」

涙目で同志に顛末を語る。「きゃあっ」と、「おおっ」と、聞き入ってくれる同志達に心臓が震えるほどの有難さを感じながら。


--
感謝の念は有り余るくらいでいい Remake

1
「勤労感謝アァ～っ！！！」

座椅子の後ろから夫の背にアグネスデジタルが覆いかぶさった。

「ありがと。」
「こんなことしかできませんが。」
「……ズルいね。」
「ズルい？」

笑顔で振り向いた夫に、妻が間近の顔を傾けた。

2
「こうやってスキンシップされるだけで僕が嬉しいってわかってるんだもの。」
「でっへへ～♪
だってだってお休みならともかく、今々の今お仕事されてるんですものっ！」
「ごめんね、気を遣わせちゃって。」
「そうですともっ！ちゃんとお休みしてくれるんなら買い物でも遊園地でもおうちデートでもお付き合いしますのにっ！
お仕事とあっちゃあこうしてサプライズでお邪魔する以外に感謝の念を表せない訳ですよっ！！」
「お茶やおやつの差し入れとかは？」
「それよりこうして愛してあげる方が嬉しいでしょ。」
「ズルいなぁ。正解。」
「えっへっへぇ～♪」


3
「という事がありました。」

サークルの部屋にぎゃあぁああ～～～と嬌声の絶叫が響き渡った。

「ウマ娘のノロケとか劇薬に決まってるじゃんデジ～～～！！！」「ああ～～夫ちゃんマジでいいひとだなぁそんな人と結婚したいぃ～～！」
「奇麗だなあ……俺はどうしてデジたんのトレーナーじゃないんだ。」「先輩今からでもトレーナーを目指せますって！」
「ああ～わたしもトレーナー目指そうかなぁマジで！」「ウマ娘との同性婚ってできたっけ？」「法律か、じゃあまずは国会議員だねっ！勉強だっ！」

沸き立つサークルの面々と裏腹に、デジタルの顔は曇っていた。

「……ごめんなさい。」

溜まりかねた様にデジタルが言う。驚く面々にデジタルが語る。
ウマ娘ファンサークルでウマ娘である自分自身のエピソードがタブーに近いのは十分にわかっていたが、それでも、どうしても自慢せずにはいられないほど嬉しかったから、と。
それでもきっと喜んでくれる、という打算だけで話をしてしまった、と。

4
「謝らなくていい」
「デジたんは悪くないっ！」
「アグっちは幸せになっていいんだよっ！」
「これからもプライベートをse・きららに語って欲しいっ！」

ずいずいと迫る同志の勢いに流石のデジタルも気圧されて後ずさる。彼女は自信の決断が浅墓であったことを思い知る。

「……ズルいですよねえ、あたし。」
「え？」
「どういうことアグっち？」


5
「こうして、庇ってくれるだろうなって。半ば期待して話したんです。
……ひっどいですよねえ、ただのノロケ話で、でもみんなが好きなウマ娘の話だから嬉しがってくれるだろうし、それでプラスマイナスゼロになるだろうって。
でもそんな打算絶対良くない。あたしもっとみんなでウマ娘について語り合いたかったんです。
それなのに今日は自分の話したいことをただ話して、皆さんのウマ娘が好きな気持ちに漬け込んだ。……ごめんなさいっ！！」

サークル室に沈黙が満ちた。
その静寂を破ったのは、嘗て彼女の入部を否定した副部長であった。

「自惚れるなよ、邪悪な願い。」
「！！」

デジタルの背筋が震える。

「ここはウマ娘への愛で結びつくサークル。その程度の容易い悪意で崩れ去るものかよ。」

6
「だから、プライベートなエピソードを話してくれたことを心から感謝している。
考えて見なよ？ウマ娘の結婚後の幸せな生活を聞かせてもらえるなんて、凄い事だ！
デジタル自身の打算なんて何の問題にもならない。」
「そうだよそうだよ！だからデジの私生活もっと聞かせよぉ！」
「ねえねえアグっちハグしただけじゃないんでしょ？その後もっと聞かせてよ聞かせてよっ！……泣いてるの？」

アグネスデジタルの瞳から喜びと悔恨が澄んだ雫となって落ちていた。
同志のウマ娘好きに漬け込んだことよりももっと深い罪。それは同志のウマ娘への愛自体を甘く見た事。
涙を拭ったデジタルは、笑顔で彼らに向き直った。

「はいっ！
背中から抱き着いたあたしに夫はその腕を取って、パソコンのモニタを切って立ちあがると……」

涙目で同志に続きを語る。「きゃあっ」と、「おおっ」と、聞き入ってくれる同志達に心臓が震えるほどの有難さを感じながら。





--
ありがとうありがとうこれからも

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネス☆デジタルですっ！
自他ともに押しも押されもせぬウマ娘ヲタクにして元競走バ、アグネスデジタルでございますよっ！ど・お・も♪ど・お・もぉ～～～♪
今きっついレポート書き終えて一息ついて午前3時ですよトレセン学園時代じゃ想像もつかなかった時間の使い方っ！
相方も寝ちゃったし寂しくて、配信始めちゃいましたすみませんがお付き合い願いますっ！どうぞよろしくお願いしますっ！！
さて今日のお供はですねぇ、オーファンバレルのギフテッドホースですっ！ https://www.orphanbarrel.com/our-whiskeys/gifted-horse
知り合いからもらったものでして、「ウマ娘をモデルにしたものだから」って。
度数が高いブツなので機会を窺っていたのですが思い切って開けちゃいますえええーい！！
うおおお凄いアルコールの匂い！
度数57.5は伊達ではありませんねっ！
流石のデジたんもこれをまともに飲むとぶっ倒れるのでまずはアイスクリームに垂らしていただきましょう！

2
ほーれマドラースプーンに沿わせてダッツバニラの上にたらたらと尿道球腺液のように垂らして……。
おお～見えますか？薫り高い茶色いストライプのバニラアイス！
スプーンを挿しますよ挿しましたっ！（ぱくっ）
～～～～！！！
強烈……！バッチバチのアルコールの痛みを甘々のバニラが癒してくれる……♪
癖になりそうですぅ～♪

「うまそう」「おいしそう」
おいしいですよっ！プレゼントしてくれた方、本当にありがとうございますっ！チビチビと頂きますねっ！
料理の調味料とかにもするかもです。

感謝と言えば先日は勤労感謝の日でしたねぇ。デジたんも勤労に感謝いたしましたよっ！

3
現在大学生のデジたんは当然ながら無収入！
その間の生活を支えてくれているのは夫でございます、知ってる人は知っているでしょうがデジたんの相方は現在リモートワークサブトレーナーをやっております。
それだけじゃなく炊事洗濯掃除と主夫としても活躍してくれておりますっ！
無理しないでねとはいつも言っているんですけれども、折角の勤労感謝の日でありますし、ここはドカーンと感謝の気持ちを捧げたいっ！！
てなわけでリモートワーク中の相方を無理やりデスクから引っぺがしまして、いつもありがとうございます、と花束を差し上げましたっ！
ピンクのバラとカスミソウのセットです花言葉はどちらも感謝で感謝感謝のダブル役満ですよ実は花屋さんに言われるままに注文しただけですけどっ！
ありがとう、なんて言ってくれちゃって、ダメですよそれはっ感謝に感謝で返すと感謝の無限ループが発生してジャッジ呼ばなきゃジャッジー！ジャッジぃー！！
引き分けっ！

そんな訳で対戦は次のゲームに突入です。
まずは無理やり引き留めてしまったお仕事へとダーリンを放流。
その間にデジたんはサイドボードをセットです。

4
「何でいちいちマジックで例えるの？」
最近アリーナ始めたのでっ！
現役時代の賞金ぶち込んでパック剥きまくってますっ楽しいですねガチャ！

「ほどほどにね……」「沼ってるわ」「シャドウバースやろうぜ」
えへへ、家計は旦那に握らせてるのでヤバくなったら止めてくれますよ多分っ！
そう言えばマジックのクリーチャータイプに馬/Horseっていうのがあって四足歩行の
～～しばらくおまちください（優しい音楽）～～

おっとぉ、どうやらデジたんデッドプールしちゃったようですねっ！シュマちゃんに「カオスというよりタブーでしゅ」って諫められちゃうっ！！
Arena（あれな）話は置いときまして、デジたん感謝祭は第二戦に突入ですっ！

5
「うまぴょいだ」「セックスですね」「デジたんをプレゼントしたんだ」
んん～～外れですっ！仕事の疲れを労うのに体力を使わせる訳には行きませんよっ！

「フェラだ」
バカっ！シンプルにバカっ！！
正解は勤労感謝ケーキですっ！家のキッチン使うとバレるので友人宅のお台所を借りて作りましたよっ！！
試行錯誤で失敗続き、お出しできないクオリティのものが出来上がったらその度デジたんの胃袋に捨てたので実はちょっと斤量がましてますえへへ。

「ぽよぽよお腹見せて」「むちむちデジたんいい……」
うるさいぃ！ぽよぽよじゃないですよ失礼なっ！
お仕事が終わったタイミングで「甘い物でもどうですか」ってお出ししました。
とっておきのお酒も開けて、二人で幸せなひと時を過ごしましたよえへへ。ああ、お酒は今日のこれとは違う奴ですよ？

6
感謝ってされるのも勿論ですけどするのも気持ちがいいもんですっ！
あのねえ……古参のファンなら知ってると思うけどデジたん自己肯定感低いんですよ。
だから誰かに何かしてもらうと、こんな自分に申し訳ないなぁってつい「ごめんなさい」って言っちゃう時期があったの。
でも「ごめんなさいよりありがとう」ってどっかで読んでから、それを心掛けるようにしてるんです。
それにね？感謝って相手を自分より上に持ち上げる言葉だからさぁ、何だろな、人を上下で見る、というか。他人と自分を比べちゃう人って口にするのに抵抗感あるんですよ、ピンとこない人もいるでしょうけど。
そう言ったしがらみを放り捨てて、「ありがとう」って素直に言えるようになるまではデジたん実は結構時間がかかりました。

……おっと真面目な話をしてしまったっ！デジたんはコンプレックスの話になるとしんみりしてしまうっ！！！
皆さんにはデジたんしょうがねえなあって思って欲しいのにっ！あ～この「しょうがない奴だなあ」って思ってもらう事の安心感については、またちょっと日を改めて話をしようと思います。

ではそろそろお時間なのでエンディングを……。

7
「うまぴょいした？」
……した。
しーまーしーたっ！これで満足ですかっ！？
では徳井（義実）さんのNEXT FRONTIER をどうぞ～♪バイデジ～♪

--
ゴドーを待ちきれない

1
「うん、今日ご飯いりませんから。ごめんなさい、先寝てていいですよ。」

アグネスデジタルが通話を切ると、向かいの席の女子大生が両手を合わせて頭を下げた。

「ごめんね付き合って貰っちゃって！」
「とんでもない！あたしもわからないところありますし！」

向かいの彼女がチキンナゲットを手に取るを見て、デジタルも山盛りのポテトを摘まむ。
ファーストフード店の二人用の席、広げられたのはナゲットにポテトにバーガー、そしてそして雑多なレジュメだ。

「じゃあ張り切ってやっていきましょうかぁ！」
「デジって数学得意？」
「うう～～～ん……詰まったらもう一人呼びましょう！」
「了解。」

2
ウマ娘ファンサークルで出会った同志に、偶然にも同じ学年で同じ講義を受ける仲間がいた。
今回の課題はかなりの難物という事でどちらともなく声をかけ、今回の勉強会と相成った訳だ。

「これは定理が使えますから……」
「あれ？それ自明でいいんだっけ？」
「違いましたっけ？ここでもう証明してると思ってましたけど。」
「いや、これは飽くまでその前提部分でしょ？」
「あれ？そう言われるとそんな気も……でもここは近似で押し通せません？」
「んん？いや、いけそうな気はするけどだめでしょ……？」
「うう～ん。」
「うぅぅ～～ん。」

ウマ娘とヒト娘がポテトとナゲットをぱくつきながら眉根を顰めている。
大学近くという特殊な立地ならではの光景だ。

3
「助っ人呼びますっ！」
「デジたんお願いっ！」

合掌する同志に気にするなとジェスチュアしつつスマホの履歴をプッシュ。

「あ、もしもし教授？」
「はっ！？」

驚く同志を尻目にデジタルは淡々と会話を進めていく。

「前貰った課題なんですけど、友人と意見の食い違う所がありましてぇ……。すみませんお忙しいのは重々承知しておりますはいぃ……。
え、今大学前の大通りのハンバーガー屋さんです。あ、そうですかそうですよね、じゃこれから向かいます。すみませんありがとうございますぅ、お時間頂戴してすみませんはい、では、では～♪」

あっけにとられる同志に「アポ取れました、行きましょう」と言うが早いかカウンターまで言って持ち帰り用の袋を店員に強請る。

4
「お待たせしました♪」
「デジ凄いね……。」
「？何がです？」
「まさか教授直撃とは思わなかったよ。」
「だって一番課題に詳しい人ですもの。ダメ元でもアタックする価値がありますっ！」
「それにしたって……。」
「こんなのも解けない奴は振り落とす！ってんなら話は違いますけどぉ、
出した課題に真摯に向き合ったけどわからないって言われたら、教える立場としてはむずむずして、ヒントぐらいは出したくなるでしょぉ？」
「そんなもんかぁ……。」

『先生』を直撃する、というのは学びを得る最短距離の一つだ。門前払いも往々にしてあるがそれでも特に損する訳で無し、試走しない理由にはならない。

「今日は教授もご機嫌よろしいみたいですし、お待たせしないうちに行きましょぉ！」
「そうだね！ありがとデジ！」
「いえいえっ！」

5
押しかけて来た女子大生二人を堅物そうな教授は普段見せないような朗らかな笑顔で迎え入れてくれた。
ナゲットやポテトを摘まむ二人に、今回の課題のキモや二人がそれぞれ誤解している点の解説、そして今回の課題の狙いなども饒舌に語ってくれた。
1時間だけ、というアポイントを大幅に超えて、気が付けば件の教授は二時間半も語りつくしてくれた。
何故今回の問題を課題としたか、何を学んでほしかったか、次回の講義で教えるべき内容、更にもっと大きな年間計画と数学の深淵について。

「ごめん、こんなにしゃべるつもりじゃなかったんだが。」

そんな教授の言葉が合図となり、三人だけの特別補講はお開きとなった。デジタルも同志も頭を下げ退室する。教授棟を出ると空はすっかりと黒に染まり、息は白く色づく。

「デジ、ありがとね、助かったよ。もやもやしてたところがすっきりした。教授があんなにおしゃべり好きだと思わなかった。」
「あたしもですっ！流石にデジたん一人じゃ断られてたかもしれませんしっ！」
「ええ？何？じゃあワタシは人数要員ってことだったのぉ？」
「あああ～～いえいえそんなことは全然全くありませんともっ！」

6
「わかってるって♪冗談冗談。いやあ為になったよ。固い人だと思ってたけど所謂ヲタクさんなんだね、喋らせると止まらないタイプ。」
「えっへへ、デジたんもヲタクなので、何となく匂いでわかるんですよね、『自分の好きなものを好きな人だけが近くに居て欲しい』っていうのが。」
「ああ～～わかるわぁ～～～。そっか、大学教授って学問ヲタクなんだ。」
「正直教授がそれじゃ困りますけどねっ！」
「あっははっは！それな！」

それから夜空の下、他愛もない話をして二人は別れた。

『わからないときは本人を訪ねてみる』
これはデジタルが競走バ時代に得た教訓だ。トレーニングの意図が分からない、勝負服の意匠に疑問がある、レースを辞退したウマ娘ちゃんの真意を知りたい。
それぞれ、トレーナーに、デザイナーに、ウマ娘ちゃんに直撃を試みて、大きな知見を得た経験がある。
話してみなければわからない事がある。叩いてみなければ開かない扉がある。たとえ当人が門戸が開かなくとも、裏口の開け方を教えてくれる人がいる。
世の中の人は皆、何かを語りたくて仕方がないのだ。

7
「ごめんなさい寝てました？起きてた！？よかった。今から帰りますっ。夕飯は食べて来たからいいですっ。ごめんなさい急な話でっ。その節は難しい課題がありましてぇ……。」

寒空の下、白い息を吐きながら電波越しに電話で伴侶と話をする。
この時間がたまらなく愛おしい。早く会いたくてたまらない。夕餉は要らないと唐突に告げたことを謝りたい。友人との課題に立ち向かっていたのだと言い訳したい。堅物だと思っていた教授の気さくさを話したい。

帰宅して。テーブルを挟んで。べらべらと喋り倒す自分に伴侶の少し面倒そうな顔が目に浮かぶ。今のデジタルにはそれさえも待ち遠しく愛おしい。

生きたというだけじゃ満足できない。
生きたってことを話さなければ。

----あなたに。

--
凄いぜ大学！

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
先日は久しぶりに競バを見に行きましたっ！
大学のテスト期間も終わりまして、久々に羽を伸ばしてきたのですよっ！いやぁ最近のステージのクオリティは凄いですねっ！
自分が舞台に立っていた頃とよりもずっとずっと設備もダンスも歌も進化してましたっ！
ウマ娘ちゃんも一層キラキラ輝いていて凄いっ！
ほへぇーっ！ときゃああーっと！あっけにとられたあっと言う間のお時間でした。
ああ……しあわせ……。

2
翌日は大学のサークルの同志に意見を開陳ですっ！
あそこが良かったあの娘が良かったあの演出凄かったもう一度聞きたい見たい！！
ああ、自分の好きなものを好きだと言ってくれる人の何とありがたいことかっ！デジたんもしかしたら今人生で一番幸せかも！？

大学って、本当にいろんなところから人が入ってくるんです。ここにしかないものを求めて、日本中からヒトもウマ娘もっ！
だから本当に色んな人が居るんですよっ！
あのねえ、今はそうじゃないかもしれないけど、ものの本にあったの。
「企業が大学生に求めるものはコネとコミュニケーション能力だ」って。
色んな人が集まる大学っていう場に居た、そこでいろんな人と交流できたって事実が大事なんだって！
特に有名な大学だと企業やら政治やらの上流階級もそういうすっごい大学を卒業してるから、
「自分もアナタの後輩なんですよ」「あらそうなのかい？」ってコネが出来るのが偉いんだって！
ねえ、身も蓋もないよねえ！でもそんなことを実感したんですよっ！

3
勿論中学卒業や高校卒業で就職する人も沢山いるし、そういう人たちが悪いって言うつもりは全然ないんだけど。
大学っていう場は学業や技術とはまた全然別に、全国規模の交流の場っていう事が言いたかったんですっ！
デジたんはトレーナーになるために大学に入ったんだけど、実際入学してみると全然最初の印象と違いましたねっ！
まず広いっ！キャンパス広いっ！！ウマ娘レーン走らないととても次の講義に間に合わない！！
あと自由っ！必要な単位さえとればほかの人が講義受けてる90分も好き勝手してていい！！
誰も生き急げなんて言ってくれないんですっ！その自由時間の間にキャンパスを歩き回ったりサークル室でだべったり。ここって本当に学び舎？！
この解放感の為だけに大学はあるのだ、という気さえします。
凄い人は休学して海外に飛んだり、自主退学して院に飛び級したり、講義を受けながら起業したりする人もいるんですよっ！！
ここって本当に学び舎？！（二回目）

4
勿論勉学方面でもベラボーですっ！あちらこちらに立つ棟には教授達が巣くっていますし、
図書館と言ったらもう滅茶苦茶にでかいです。歴史学社会学数学化学物理学人文科学裁判判例集生物植物写真集その他もろもろのもろもろのもろもろの……。
知識を食べて生きられるなら1万年は入り浸れるほどの知の殿堂っ！
はあっ！はあっ！はぁ～～～……（ぐびっ）。失礼しました。
ウマ娘ちゃんのライブの話をするはずだったのにいつの間にか全然違う話になってましたねえちょっと落ち着きますすみません。

5
そうそうウイニングライブですっ！後生畏るべしとは正にこの事で、自分が嘗てあの舞台で踊っていただなんて信じられないぐらい進化していましたねえ。
デジたんなんて所詮たまたま時代に乗れたからあそこに立てていたのであって、本来はこうして夢見心地でサイリウム振るのが本当の姿なのだと思い知りましたよ！
しかもインターネットで別途ライブ映像も配信するんですって！！いやあいい時代になったもんですっ！

6
おっともうお時間ですねえ。
この後はツインターボちゃんのチャンネルでスタミナチャレンジだもんっ！第23回の配信予定ですぅ。
逆噴射後はセクシー系ASMRに変貌すると専らの噂のスタミナチャレンジ、デジたんも勿論視聴させていただきますっ！

最後はデジたんとっておきのツインターボちゃん逆噴射セクシー吐息切り抜きメドレーでお別れですっ！
大学生のモラトリアム特有の時間を注ぎ込んで作り出したえっちターボ詰め合わせをどうぞ味わってくださりませそれではバイデジ～♪


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年末進行

1
12月初旬。
この時期は元競走馬現女子大生アグネスデジタルにとって嵐の季節である。
言わずと知れた、『冬の文化大章典』に向けて創作を行うためだ。
普段は休み時間ごとにサークル室に飛び込む彼女も、この時ばかりはできうる限り部屋に閉じこもりPCに向かい合う。
タブレットにスタイラスペンを走らせながら、己の妄想を具現化していくのだ。

2
今回のテーマは『ゴールの向こう側』。
ライバル同士の競走バ達の、第二の人生である。
エンディングはよくある、「人生は続く」というもの。
しかしこの平凡なエンディングを感動的に見せるためには相応の波乱が必要だ。
主役二人だけでなくそれを取り巻く友人や家族も、誰も悪い訳ではないのにどうにもなりそうもない波乱が起きてしまう。
その困難を乗り越え、そうして辿り着く「それでも人生は続く」。
プロットは出来ているはずだが、二次元へ描き起こして行くとどんどん収まりが悪くなっていくのは毎回の事だ。

3
元々デジタルは、もっとシンプルなウマ娘同士の愛や友情の交流の様子を描いた作品を主にしていた。
骨太のストーリーを主軸にするようになったのはここ数年の事だ。
「結婚してから作風変わった」「やはりあの本描く時に処女を失ったのか」
などという声もありつつ、『ストーリー同人誌のデジタル先生』の評判を少しずつ掴みつつある。

「……しっくりこないなぁ……。」

ネームとプロットのメモ書きを交互に見つつデジタルは頭を抱える。
序・破・急。起承転結。ストーリーである以上、それらはできうる限り必然でなければならない。
そして主人公たち自身の力で困難を乗り越えなければならない。
描きたいシーンはある。見せたい思いはある。
そこに辿り着く為の道筋を用意しようとすると、脇役のキャラクター設定や場面設定と言った前提条件までやり直さなければいけないこともしょっちゅうだ。
しかもそこまでしても読者に受けるとは限らない。

4
作風の変化は先の指摘の通り、デジタル自身の生活が変わってしまったからだろう。
競走バとして輝くウマ娘だけでなく、それを支える多くの人たちの存在を知った。そして彼らもまた尊く、そして何より、その末席に自分自身が居るという事を知ってしまった。
引退した今でも、『アグネスデジタルのようなオールラウンダーに』などと言う形容を時折耳にする。
バ場を降りても、競走バであったことからは逃れられない。そこにあたしが居なくとも、ウマ娘ちゃん達やファン達はそこにあたしを見たりすることがあるのだ。

「これじゃ動機が足りない……いっそ身内死なせるか……？」

瘴気を漂わせながらプロットと向き合うデジタルの耳に、ノックの音が聞こえた。

「……どうぞっ！」
「お疲れ。」

ハーブティー入りのマグと、クッキーの乗った皿を盆に乗せて夫が入って来た。

5
「すみません、毎年この時期は心配かけて。」
「言いっこなしだって毎年言ってるよ。」

頭を下げてマグを手に取るデジタルに、夫は穏やかに笑った。

「……意見貰ってもいいですか？」
「僕でよければ。」
「ではですねえ……。今書こうとしているのが2年前にG1取ったあの二人のウマ娘ちゃんなんですけど……。」
「ふんふん。」

劃して、夜は更けゆく。

6
「終わったぁ～～～～！（ネームが）」

某日未明、家中に響く大音量でデジタルが嘶いた。後はリモートでアシスタントに手伝ってもらいながらペン入れとクオリティアップに専念するだけだ。
早割入稿にも間に合う目がある。
椅子を降りてクッションの上にダイブし意識を手放す……直前に。
彼女はガバリと起き上がり再びPCに向き合うと先ほどネームを切った主人公二人のヤまなしオちなしイみなしのイチャイチャアフターエピソード4P描き殴りストレスを昇華させ、もう一度クッションに頭を委ね、今度こそ間違いなく、甘美な眠りに落ちた。

明日以降はアシスタントへのボイチャ指示で今までとは違った騒がしい作業が始まる。
闘いはまだまだこれから、締め切りに負けるな、こだわりに潰されるな、がんばれデジタル先生。

夫は既にノイズキャンセリングイヤホンを購入済みだ。

[余談]東方の作品で神主結婚発表直後「シリーズのこれこれは様子が違ったからやはり神主はあの時に童貞を失ったんだな」みたいな感想があったので参考にしました


--
神様は何にも禁止してない遊び

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
久々のFC2ライブですよっと。
あのねえ、現役時代から知ってはいたんだけど触れなかった話題でね？
匿名掲示板で「デジたんに歪んだ性欲をぶつけたい」ってスレッドが度々立っててぇ。
知ってますよっ！見てますよっ！！デジたん舐めんなっ！！！
でね、デジたんとしてはやっぱり怖くはある訳です。
力づくでとか、痴漢でとか、脅されて、とか望まぬ相手に迫られるのは。
でもそれが正直な欲望なのもよおぉ～っく分かるんですよ。
やっちゃいけないことってとっても刺激的なスパイスですものねっ！
現実じゃありえない事だからこそ理想なのですものっ！！

2
男の人のそういう欲望をですね、全部理解できるとは言いません。
受け入れて上げる事もできません。バツ！バツですっ！！デジたん既婚者ですしっ！！！
でも何というか、そういう、強引に抱きたい、支配したいって欲望を向けられるの、怖いけど、光栄でもあるって気持ちもあるんですよ。
あ、誤解しないでくださいよ！？痴漢や合意の無い行為がOKって訳じゃありませんからねっ！？！？
気持ちはわからないでもないよ、ってだけの話です。
何故かというと、デジたんはナマモノヲタクだからですね。
ウマ娘ちゃんの素晴らしいお姿を見るだけでなく、どうしても色々と妄想してしまう生き物なのです。
現実ではなくフィクションを、ファンタジーをっ！
甘々スウィートだけでなく苦みのあるビターな関係性も、スパイシーでホットなライバル関係もっ！！
「もしもこうだったら」を何度も何度も思い浮かべては噛み締めてきたデジたんですからっ！

3
だからねぇ……。
このリアルデジたんの身を皆様に捧げる事は当然できないんですけどぉ……。
でもでもそういう皆様の剥き出しでバキバキのガチガチでトロトロに溢れる欲望を否定する資格は無いのです。
そういう人にも幸せになってもらいたいと思って。
だってその人たちにまだデジたん襲われていませんしっ！
デジたんをそのぉ……乱暴に抱きたくて仕方ない人たちがいることをですね。知ってしまった以上……「いやぁん来ないでぇ♪」なんてカマトト言えないのですよっ！

……で、これ事務所とも相談して色々考えたんですけど。
デジたんのセンシティブ二次創作については、『黙認』ではなくて『許可』の方向で行こうと。
これ本当に危険な決断だったんですけどね。

4
やっぱり、ほかのウマ娘ちゃんで散々妄想して本描いてるデジたんが、自分は描かれるのヤだなんて言えないなって言うか。
それにそれにっ！デジたんは許可してるぜっ！って事が広まればほかのウマ娘ちゃんももしかしたらそれに倣ってオープンになってくれるかも……いやいやもしかしたらですよ？
そういうほのかな期待もありつつっ！

それにね？どこまでが名誉棄損なのかってやっぱり線が曖昧じゃないですかっ！
ヌードは？オナニーは？ぶっかけは？セックスは？ボテ腹は？苗床は？惨殺は？食肉は？スカトロは？
どれがダメでどれがいいのかわからない、ってなったら、一番厳しいラインで自粛するしかなくなりますよね。
谷間やおパンツを描くのも恐る恐るになる訳です。そんなのデジたんも正直窮屈です。
だから、デジたんを描いてくれる人に対してぐらいは自由になって欲しいなって。

「ゴアあり？」
表現としてはありだと思いますっ！デジたんをぐちゃぐちゃにぶち殺したい人もきっとこの世には居るでしょうしねっ！
その思いを否定することはできませんっ！！

5
「見て見ぬふりの方がマシなのでは？」
デジたんが描く側じゃなければねぇ……。
ぶっちゃけデジたんがエゴサーチしてないなんて言ったって絶対信じないでしょ？デジたんは絶対自分が描かれた作品チェックしてるってみんな思ってるでしょ？
過激な表現で「これは流石にデジたん怒るんじゃない？」「黙認してるからってやめたほうがいいよ」みたいな空気が形成されるのが嫌なのですよ。
『まず全部許す！』
それを一旦宣言しておけばみんな胸のつかえが降りるんじゃないかと思ってさ。

「デジたんフリー素材化宣言」
そうそう。少なくともデジたんを扱った作品に関しては「やめて」とかは言わないようにしようって決めたのです。
公式サイトの方にも後で方針書くんで、参考にしてくださいねっ！

6
さあ許してあげましたから、皆さんっ！
デジたんを乱暴に抱いたり脅迫して抱いたりお薬で虜にしたり暴力を振るったり排泄物に塗れさせたりみじん切りにして殺したりしていいですよっ！
何かね、正直言うと。そうして剥き出しの欲望に弄ばれる事で、デジたん自身のナマモノの創作に対する償いになる気もしてるんです。
つまり自己満足の部分も多いのね。

凄く難しい所ではあるんだけど。一先ずはそんな感じですっ！
そろそろお時間ですねぇ。
今夜は以下のURLの、デジたん3Dモデルを使ったセックス動画をご紹介してでお別れですっ！
見てますからねっチェックしてますからねっ！！バレてないなんてタカをククっちゃだめですよっ！

……ファンの方を題材に二次創作描くのもいいかもですねえ、じゅるりら♪うふふぅ♪


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雨降って夜更け過ぎに

1
「脱稿のお祝いに。」
「有馬記念の健闘を祈って。」

アグネスデジタルと元トレーナーであるその夫が、グラスを鳴らした。
今日は12月3週目の金曜日。何の祝日でもない。
だが彼女らはこの日を自分たちのクリスマスと定めた。
まだ空席の目立つ高層階のレストランに、気の早いイルミネーション。
これが二人だけの、特別な降誕祭だ。

2
二人が結婚を前提の同棲を始めて初の12月。テーブルの上の夕餉を挟んでその戦争は勃発した。

「クリスマス近辺だってアナタ仕事あるでしょ？！一番大事な時期じゃないですか！！」
「それでもキミと一緒に過ごしたいから無理を言って来たんだよ！」
「ウマ娘ちゃんの調子を見る以上の無理がありますかっ！？」
「大事な日ぐらいボクはキミと過ごしたいんだよっ！」
「大事な日なんていくらでもありますっ！大事なウマ娘ちゃんのレースを等閑にしていい理由なんてありませんっ！！」
「キミだって年末無理だって言うけどそれはキミの希望だろ！？同人誌即売会だって！？それはいいよ行って来なよ！！だから僕の希望も聴いてくれよ！！」
「話を逸らさないでくださいっ！！アタシはアナタに、ウマ娘ちゃんの世話をちゃんと全うしてくださいって言ってるんですっ！」
「ボクにとって一番大事なウマ娘はデジタルだっ！」
「ああああああ～～～～！？！？！？それは言っちゃダメでしょおっ！？ウマ娘ちゃんはみんな平等に尊くて素晴らしい、」
「ボクがキミを愛しちゃダメなのかよっ！？」
「～～～～～～～～っっっつつつ！？！？！？！？！？」

3
クリスマスや年末年始こそこそプライベートを大切にすべきだ。
だが、二人にとってそのプライべートの意味は全く違っていた。

感情と理屈をぶつけあい気力も言葉も尽くして、お互い青息吐息しか出ないほど真っ平になった先の先。
どちらが言い出したか。

「時期をずらそう。」

クリスマスにクリスマスをやる必要はない。
年末年始に年末年始らしいことをする必要はない。

海の向こうでは旧正月なんて風習もあるのだ。アグネスデジタル家で特有のカレンダーを使ったって、誰が困る訳でもあるまい。

4
そんな訳で、和平条約の条件として、
『クリスマスは12月3週目、有馬記念の前週に執り行う』
『年末年始の行事や里帰りは、1月2週目に執り行う』
と決定した。

競バはショーだ。ショーである以上、クリスマスから年始まではびっちりスケジュールが詰まっている。ウマ娘のサブトレーナーとしてショーマンシップの一端に居る夫がこの日程から一人逃れるのは土台無理な話だ。

年末には大規模な同人誌即売会がある。創作者の一端に居る妻がこの日程から一人逃れるのは、到底無理な話だ。

それに、実際イベントをズラしてみると、こんな風にニッチな余裕を味わえるという僥倖もあった。

神様は何も禁止なんかしてないと誰かが歌った。神様はきっと何も強制なんかしていない。
ぶつかって考えた果てに辿り着いた知恵に、ちゃんと報いを用意してくれている。

5
「ん～～一年ぶりのシャンパンです♪」
「気に入ってもらえたかな？」
「はい♪」

デジタルは頷いて、目の前の料理にナイフを入れる。フォークに刺すのは炙った鮪。滴りそうに旨味を湛えた肉片を口に入れる。

「ん～～～～♥美味しいっ♥」

両手を頬に当ててカマトトぶる妻に苦笑いしつつ、夫も同じく口にする。
絶句。

「これは……凄いな。」
「でしょぉお～♪」

自分で作った訳でもない癖に、妻が得意げに笑って見せた。

6
一口ごとに。一言交わすごとに。お互いにとってこの時間が特別だと分かる。
クリスマスなんて口実だ。年末年始なんて暦の都合だ。
特別な予約で特別な時間を用意して特別な料理を食べる。これ以上のスペシャルなんてあるものか。

主張としては全面的に夫がデジタルに負けた形になるが、悔いは無い。
クリスマスと年末年始はお互いのプライベートに専念。二人の大事な時間は、二人の都合のいい時に取ればいい。
ああ、デジタルは何てロジカルでデジタルなウマ娘なんだろう。

デザートを平らげてドリンクで飲み干した夫が、熱を帯びた視線で妻を見た。二人は今日、このビルのホテルに宿泊する。
妻もそれを見てグラスを一気に干し……。
ウインクで、ゲートインを知らせた。


--
神を細部に宿す

1
はい、これで作業終了ですっ！皆さんお疲れさまでしたっ！
アシスタントを務めてくれた、
マルさん
デュアルさん
セーフティさん
ミノルさん
三月さん
リコリコさん
九尾さん
皆さんありがとうございましたっ！

アシスタント料はいつも通りスイス銀行の口座に振り込んでおきますっ！

2
「ターボが一番役に立ったもんっ！」
「デュアルさん、名前を言ったら安心できなくなりますよっ！？」
「期待していますよ、デジタル先生♪」
「完了っ！健闘を祈るっ！」
「コンディションは乱さないように。目指す理想を正確無比に実現してください。」
「後は根性決めてくだけや！しっかりな、デジタル！」

ありがとうございますっ！
では、皆さんの音声は一旦ミュートにさせていただきます。
おかげさまで早割入稿間に合いそうです！特殊加工も欲張れるかな？

……さてここからはデジたんの独り舞台でございます。
先ほどまで配信で見ていただいた共同作業に加えて、更なるクオリティアップをしていきます。

3
まずベテランのマルさんにお願いした影のトーンですねぇ～。
流石マルさんよくわかっていらっしゃる！えいえいMoonなデジたん好みの陰影をいくつもパターンで用意してくれております。
今回は2番を採用して……トーンはもうちょっと削るかな……。シャッシャッと。

「削りに迷いがないっ！」「何で一発で決められるの？！」

まあこれはマルさんとデジたんの付き合いの長さもありますのでぇ～♪
次にデュアルさんにお願いしたベタの微調整ですね。

「ター……デュアルさんのベタめちゃ早かった」「塗りつぶしツール使うだけじゃないんだね」

そうそう。塗りつぶしクリック一発ならわざわざ人に頼んだりしませんっ！
ラフだとどうしても隙間ができてそこから漏れちゃったりするんですけど、デュアルちゃんはそこをちゃんとわかってくれてですね。
最短の手順でベタっとするのが得意なのですっ！

4
感覚型の天才って奴ですねっ！言わなくても意思疎通が出来るところがあるのですよっ！
で、ちょっとはみ出ちゃった所はこうして……こうして……。
ねっ！消しゴムで処理完了ですっ！

んん～～ちょっと気になったところは、こうして、こうしてぇぇ……（カチカチカチカチ）


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セーフティさん、ミノルさん、三月さん、リコリコさん、九尾さんの修正もマージします。
ドーン！

5
うひゃあ見てくださいクオリティがぐぐんとアップしましたよねっ！
競合してる奴はこれを……（カチカチ）こっちは陰影が欲しいのでこっちを……（カチカチ）。

ああああ～～～～凄い……。
すみませんデジたん少し感動してましたぁ。
あのね？指示した作業って言ってもやっぱり個人ごとの特色って出るんですよっ！
ただベタ塗りして欲しいってだけでも、デジたんの想像を超えたところが生み出されたりするのですマジマジホントっ！
見てくださいこのデュアルちゃんの塗ったベタ！デジたんじゃ絶対こんな風に境界線を切りませんっ！でもこの大胆さが作品に不思議にマッチしているんですよっ！！
マルさん、セーフティさん、ミノルさん、三月さん、リコリコさん、九尾さんにやってもらった部分も、それぞれデジたんの想定とは違うんですけど、それがデジたんの想定以上にいい味を出しているところもあるっ！

はぁあああ～～～♥ 創作活動って何故こんなにも甘美で楽しいのでしょう……♥

6
なんて浸っている時間はありませんっ！
ベタとトーンや細部の調整の作業に入ります、解説しながら作業するつもりですが黙ってたらすみませんっ！

「うわ、それで凹凸出せるんだ！」
「アシの描いた奴がっつり消した！」
「ああ確かにその線で事足りるのか！」
「動と静の演出上手いな」
「アーカイブ残してほしい」
「ツインターボって手先器用なんだな」

おいおいっ！ デュアルちゃん！デュアルちゃんですっ！！ウマ娘ツインターボちゃんとは何の関係もないアシスタントですよっ！
ちょっと作業に集中したいのでミュートにしますっ！意見は大歓迎なのでガンガンコメントくださいっ！！それでは一先ず、バイデジ～♪


--
関係ねえ戦いてえ

1
「繰り言になってしまうが、やはり秋の天皇賞のデジタル君は見事だったな。」

ボイスチャットでテイエムオペラオーが言う。

「え、えっへへ、ありがとうございますっ！本当、ただ必死で！」
「凄い末脚でしたぁ～。」

照れるアグネスデジタルにメイショウドトウが続く。
それを聞いて、オペラオーが切り出す。

「あのレースについては、文句をつけるつもりはない。キミが強かった。
だがね？僕とドトウ君がライバルと呼ばれていたことは君も知っているだろう？」

2
「は、はい！存じておりますっ！」

画面越しに背筋を伸ばすデジタル。

「その後はこの三人で戦う事はなかった。
……未練と笑ってくれていいよ。ボクは実は、キミと、ドトウと。もう一度戦いたいんだ。」
「ヒョエ？！」
「わたしも、オペラオーさんのライバルとしてもう一度走りたいんですぅ！」
「ヒョエェ！？！？」

お互い既に現役を引退した身。走行能力は当時に到底及ばない。
それでも。アグネスデジタルにライバルという関係そのものを切り裂かれた二人は雌伏していた。二人とも、そんな「萌える」関係性のレースをデジタルが断るはずがないとわかっていた。
言わばこれは二人からのリベンジマッチの日程調整連絡だったのだ。
そう、お誘いではなく日程調整。デジタルが断るはずは、無いのだから。

3
1枠1番、アグネスデジタル。
2枠2番、テイエムオペラオー。
3枠3番、メイショウドトウ。
2か月後のトレセン学園ターフレース場には、伝説の三人がゲートインしていた。
芝・ダートと国内海外で上げた勝利は数知れず、バ場を選ばぬ変態勇者アグネスデジタル。
G1七冠、中距離から長距離まで勝って見せた距離を選ばぬ覇王テイエムオペラオー。
そのオペラオーに挑戦し続け2着へと阻まれ続けたメイショウドトウ。

3人とも既に現役を離れて長い。今から行われるエキシビジョンマッチが何の格付けにもならないことは、誰もが分かっている。
だがそれでも。
「あの秋」の再現が見られるのなら、値千金。

それぞれのゲートの中で気炎を吐く三者三葉の様子に、観客席のウマ娘達や関係者は息を呑む。
真剣な表情を湛える三人の姿は、それぞれに黄色、桃色、青色の炎を幻視させた。

4
ゲートオープン。
オペラオーとメイショウドトウが飛び出した。二人とも2500mでの勝利経験がある。スタミナではデジタルが一歩劣る。
まずはハイペース展開で体力を削り邪魔者を排除しようという作戦だ。
だがデジタルはほくそ笑む。夫、元専属トレーナーが想定した通りだったと。
スタミナで勝てないのならば瞬発力で勝てばよい。
デジタルは自分より先にコーナーを曲がる二人を見送りながら、じっくりと脚を矯めていた。

一方オペラオーとドトウは第一コーナーから第二コーナーまで視線を交わして蜜月を味わう。
――――やはり僕のライバルはキミだ、ドトウ！
――――あなたに勝ちます、オペラオーさん！！

その様を見てアドレナリンを噴出させるデジタルに、誰も気が付くことはなかった。


5
第三コーナー。最早並ぶオペラオーとドトウのどちらが勝つかの勝負と誰もが思った。
最終コーナー。外から捲り上げて来る悪夢の足音に誰もが恐怖した。

「やはり来たかデジタル君っ！」
「デジタルさん、凄い末脚ですぅ」
「オペラオーさぁん♥ドトウさぁぁん♥♥」

ここに至ってスタミナの温存に意味はない。
オペラオーもドトウも勿論デジタルも、最高速にギアを入れる。
後はもう、持って生まれた脚の速さの勝負。2か月の特訓の成果の勝負。
次の一歩を今より速く。それ以外は考えない。
ゴールの時に鼻だけでも出ていればいいと賢く加速と態勢をコントロールできるオペラオー。
そのオペラオーを常に追い続けたメイショウドトウ。
そんな二人をまとめて抜き去ったアグネスデジタル。
その勝負の結果は……。

6
3人でターフに仰向けに寝転がり、息を荒げる。
その風景に観客席から地響きのような歓声が反響する。
それが全てだろう。

「……すまなかったねデジタル君。無理を言って。」

絶え絶えの域でオペラオーが言う。

「とんでもないとんでもない！こんな幸せな時間はありまげほっげほっ！」

慌てて応答しようとしてむせ返るデジタル。

「大丈夫ですかぁ、はぁ、はぁ……デジタルさん……？」
豊満な胸を上下させながら呼吸するドトウ。

7
皆既に現役を引退した身。走行能力は当時に到底及ばない。
それでもウマソウルが。記憶が。脚が。
白黒つけろと疼くのだ。
只で済ますなと喚くのだ。
オペラオーはそれを制御できずデジタルにぶつけたことを恥じ、
ドトウはその恥を請け負ってくれたオペラオーに恥じ入った。
そしてデジタルはその全てを光栄として受け入れた。

「もしあの時ああだったなら」
それは全ての生命の夢だ。その夢をたった今この三人は叶えた。
望む結末でなかったにしろ、寿ぐべきこと。
それは草塗れになりながら、笑顔で大の字にのびる三人を見れば分かる。


--
過去が今を支え、思い出が未来を紡ぐ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
すみません、寝てましたっ！1時間遅れでスタートですおまたせしましたぁ……ふわぁ……。

「何か言い訳は？」「お疲れさまでした。」「いいレースだった。」
えっへっへっへ。
えーとですね、今日はトレセン学園でっ。あのテイエムオペラオーさんとメイショウドトウさんと。
エキシビジョンマッチをやって来たのですっ！で、萌え萌えに燃え尽きまして。今まで寝てましたすみませんっ！

今回はその話をしようかなと思いますっ！

2
切欠はオペラオーさんドトウさんとのビデオチャットですね。2か月前かな。
お二人とはよくチャットで話すことが多いんですけど、オペラオーさんから切り出されたんですよ。
「この三人でもう一回走らないか」って。
そんなもん受けるに決まってるじゃないですかっ！！
で、色々話をしていくうちにですね、実はもう外堀がガチガチに埋まってることが分かったんですよっ！
オペラオーさんが所属してるテイエム芸能事務所と、うちのパカライブ運営と、あとドトウさんとでもう話進んでたんですって。

元々オペラオーさんが「ドトウさんともっと戦いたかったなー」って事務所の人に漏らしたのが発端だそうで。
それを聞いたマネージャーさんが、デジたんとドトウさんのスケジュール取れるかどうか走り回ったそうです。
で、テイエムさんとこの偉い人が「その三人がやるんなら金が取れるようにやろう」とデジたんの方の事務所に相談したそうで。
うちの事務所も二つ返事で受けまして。

3
実はね？その切欠になるチャットの前に。前々からウチの事務所から予定は聞かされてて、まだ走れる？とは言われてたんですよ。
具体的な話はまだだけど、2000m走ってもらうかもだから仕上げて欲しいって。誰と何を走るのかは「まだ予定だからはっきり言えない」って言われて。
とりあえずトレーニングはしてたんですよ、大学の勉強に影響しない範囲で。

で、さっきのオペラオーさんとのチャットで初めて聞かされたのですよ。三人で走りたいって。
話終わってすぐマネちゃんに電話しましたよ、言えよ！！！っつって！
元競走バ配信者として走るのとオペラオーさんドトウさんとのリベンジマッチで走るのとじゃ話が全然違うわ！って。

そしたらデジたんいつも配信しまくってるから一番捕まりにくかったんですって！あはは、マジですか！
その間にオペラオーさんドトウさんや事務所同士の話は進んでて、後はデジたんに伝えるだけだったんだって！デジたんは絶対断らないからやるって事だけ言えばいいだろって！
わははひっどい！ほぼドッキリ！

ていうかガチ芸能人のオペラオーさんより捕まらないペースで配信してるデジたんは何なんだろう？

4
「そんなバタバタしてたの……？」「オペドトウと戦うなら言って欲しいよね」
ねぇーっ！
リスナーさんはご存じでしょうけどオペラオーさんって凄い人なんですよ？
確かにデジたんはオペラオーさんに一度勝ちはしましたけど、デジたんがオペラオーさん以上の名バとはとてもとても……。
3000mで勝てちゃうスタミナとか、獲得賞金総額とか、6着以下には入ったことがないとか、本っっ当ぉーにメチャクチャなんですよあの人っ！！よく勝てたなデジたんマジで。

その話を夫にしたら一も二もなく休学届を出せと。あと2か月で世紀末覇王と戦うにはそのぐらいやらんとダメだと。僕も一旦仕事減らすと。
その後2か月は夫と共に特訓をしまして。皆さんには「配信休止します」とだけお伝えしましたがその真相はトレーニング専念でした。当時は心配させちゃって申し訳ありません。

「学業を疎かにして大丈夫なのか？」「休学してたのは初めて知った」
デジたんだってオペラオーさんドトウさんと本気で走りたかったんですものぉ。
アキテンの事を考えれば二人が手を抜くことなんて絶対ありえませんし、人に見せるレースにする以上肉体改造は必須でしたからぁ。

5
「いいレースだった」「デジたんやっぱり末脚凄かった」
おお、見てくれたリスナーさんもいらっしゃるんですねありがとうございますっ！
練習した甲斐あって、恥ずかしくないレースにはできたと思いますっ！
お二人も見るからに今回の為に体を仕上げて来てて。デジたんちょっと涎出そうになりました。嘘。出た。
チケットも無事完売しまして、よく整備されたターフで思いっきり走れました！
走るのって気持ちいいなって。エキシビションマッチみたいなこと、これからもずっとやって行きたいなあって。思っちゃいました。

とは言え、色んな人に無理を言ってやってもらった事でもあるので、なかなかねぇ～……。毎年一回ぐらいのペースで走れたら、いや、二年に一回ぐらいでも走りたいなぁって。

んでね。実は困ったことが一つ起きまして。
今回のレースを受けて、
「わたしだってオペラオーさんと戦いたい！」
「わたしにも白黒つけたい相手がいるっ！！」って話がわっと出てきまして……。
気持ちは凄くわかる。

6
この放送を見てくださっている引退バの方々が居たら言っておきます。
段取りはメチャクチャめんどくさいですっ！デジたんの場合はたまたま自分が最後のピースだったからそれほどでもなかっただけですっ！
レース場の予約やスケジュールのすり合わせだけじゃなく、特訓の為の期間もあります。その間の健康管理も当然必要っ！
テイエム事務所が「金取れるイベントにしよう」って言ったのがよくわかります。そうでもしなきゃとても出来ませんもの。

でもねえ、引退バのエキシビジョンマッチとか競走バじゃないウマ娘ちゃんの草レースとか、もっともっとやって欲しいし見たいって気持ちがあります。
いや、地方ではもうやってるのかな？
「だね、地方だと割と草競バもあるよ」「でも地方ってダートばっかりなんだよな」
そっか、そうだよね。さすがのデジタンも草競バまではチェックできてなかった。
それに障害走ウマ娘ちゃんとかばんえいウマ娘ちゃんとかもまだまだデジたんよく知りませんしねえ。
ばんえいウマ娘ちゃんはウマ娘ちゃんって言うよりはウマ娘さんっウマ娘様って感じですけどっ！

7
「ばんえいウマ娘の迫力凄いよね」「陸上競技で言うとハンマー投が近いのかな？」「地上最強の生物同士が戦ってる感ある」
うわぁあ～～っ♥デジたんも配信終わったら動画見ます見ますぅっ！
そんな訳でそろそろお時間ですっ！
この後23時からはタイキシャトルさんのチャンネルで
「シャトル式ブートキャンプ第8回 メリハリボディの為のパワーフードとジムナスティクスデース！」が配信予定です。
ちなみにデジタンは第1回からずっと実践してますが一向にメリハリが出ませんねっ！
個人差がありますっ！個人差がありますっ！！個人的感想ですっ！！！！

それではバイデジ～♪

--
大学生はモラトリアムが仕事

1
「おはよう。」
「おはようございますっ！もっと寝ててもよかったんですよっ？」

ダイニングルームに入ってきた夫に、エプロン姿のアグネスデジタルが振り返る。

「今朝はご飯か。」
「えへへ、実はこういうの憧れてたんですよねぇ～♪」
「こういうの？」
「『古き良き日本の奥さん』って感じのっ。」
「君らしいや。」

そう言って席に着くと、間もなく白ご飯、味噌汁、卵焼き、刻み葱の乗った冷や奴、そしてお漬物がてきぱきと配膳された。

2
「流石に漬物は出来合いのものですけど。」
「僕だってこんな綺麗な香の物は作れないよ。」

苦笑いしながら味噌汁を一口。じっくり味わう夫を緊張の面持ちで見つめるデジタル。

「うん、うまい。」
「よかったぁ～♪」
「卒業したら本格的に家事分業してもらおうかなあ。」
「ちょっと考えましょうかねえ。」

向かいの食卓に座りながらデジタルが首を傾げた。
いつもは学業に専念し家事を夫に任せているデジタルだが、今日はちょっとした切欠があり役割を交代している。

3
昨晩。夫は料理中に一休みしている間眠り込んでしまい煮物を焦がしてしまった。
煮詰めただけならともかく焦げてしまってはもうリカバリーは不可能だ。
デジタルと二人して合掌しつつ鍋の中身をコンポストへ。

「最近疲れ過ぎなんじゃありませんか？」
「一晩寝れば治るよ。」
「眠り切れない一晩が積み重なっての居眠りじゃありませんか？」
「ううーん……。」
「わっかりました！明日はアナタはお仕事も家事も休んでくださいっ！家の事はあたしがやりますからっ！！」
「しかしキミ、大学は、」
「家族の健康の方が大事に決まってますっ！それにあたしの単位にはまだまだがっぽり余裕があるし頼りになる学友も居るのです、一日ぐらいどうってことありませんっ！」
「……参った。キミの言うとおりにしよう。」

という訳で、本日の夫は急遽「体調不良」という事でテレワークによるサブトレーナー業務も休暇をもらい、体力回復に努めることなった。

4
朝ご飯を平らげて寝室に引っ込んだ夫を見送り食器を食洗器に並べてスイッチを押すと、今度は洗濯を開始する。
もともと寮住まいだった彼女にとって特段悩むところもない作業である。が。

「久しぶりだなあ、二人分の洗濯。」

同棲当時、まだちゃんと家事の分担が出来ていた頃の懐かしい衣服の重みを感じる。
自分の下着と夫の下着が水流の中で一つになる様を見送り蓋を閉じると、今度は掃除だ。
掃除機を、と思い直してまずはハタキを取りに踵を返す。はて、どこに置いていたっけ、日頃使うものだからすぐわかるところにはあるはずだが。

「……あそこかあ。」

果たしてハタキは棚の上に合った。夫には取れるが自分には取れない高さ。
溜息をついて長らく開けていなかった押し入れの扉を開ける。そこには埃を被った踏み台があった。
同棲当初から暫く、デジタルの家事の相棒であった踏み台である。

5
「本当に任せっぱなしだったんですねえ……。」

自分も手伝うと息巻いていた家事の分担は、デジタルが大学に合格して早々夫がほとんどを請け負う事になった。
大学の一年次二年次は所謂共通教養の講義が多く、平日は朝から晩まで学内に居るほかない。妻が物理的に家にいない以上、済し崩しに家事は夫の領分となった。
テレワークで働きつつ炊事洗濯掃除に買い出し。ウマ娘ならぬ人の身でよくぞそこまで……。
二秒ほど悲しみとも喜びともつかない顔をした後、デジタルは取り出した踏み台に乗ってはたきを取り、高所の埃を落とし始めた。
落ちた埃を掃除機で纏めて吸い上げる。ノズルを使い分けて隅の隅までキッチリと掃除していく。
一部屋ごとにそれを繰り返していくと、この家は本当に広く奥深いと思い知らされる。
普段当たり前のように通り過ぎる棚の隙間。部屋と部屋の段差。天井の照明の裏側。確かにそこは存在するのだ。手入れを必要としているのだ。

夫の眠る寝室以外を一通りやっつけると、洗濯機はとっくに業務を完了していた。

「毎日お疲れ様です。」

一礼して、冷たい布束を引きずり出す。

6
「冷たっ！」

濡れた衣服を干し終えると、デジタルは手指の冷えに驚いた。ヒトより頑強なウマ娘とは言え、小柄で細いデジタルの体は冷えやすい。改めて夫の苦労に痛み入る、

「あっ、お昼ご飯！」

間もなく次のタスクがやってくる。献立すら考えていない。デジタルは昼食をほぼ学内で済ませているので夫が普段昼に何を食べているのか知らない。
それで夫婦と言えるのですか？！割とお互いラヴラヴなつもりでしたけど？！
ショックを受けつつ寝室越しに夫のリクエストを窺うと、「あったかいうどん」とのこと。
本当に疲れているのだな、と察したデジタルは「ゆっくり寝ててくださいね」と返して冷蔵庫を確認した。うどん玉、残量0。至急補給を要する。財布を握って玄関を飛び出す。

久しぶりの一人きりで訪れるスーパーマーケット。生うどん麺と冷凍うどん麺をカゴに入れて一先ずは安堵。さて何うどんにするか。
胃腸が悪い訳ではないから多少の油ものも許容できるだろうが、疲れた所にトッピングてんこ盛りを出されても辟易するだろう。
さりとて朝が軽めだったのだからそれなりに滋養になる具は欲しい所だ。卵、魚、豚肉……野菜は？うどんに合う野菜ってなんだ？

7
「ごめんなさい、考え過ぎて迷走しちゃいました……。」
「いや、嬉しいよ。おいしそうだ。」

昼ご飯は卵と豚肉野菜炒め中華風あんかけを載せたうどん。結局トッピングてんこ盛りである。

「重かったら残してもいいですからね……？」
「病人じゃないんだから、大丈夫だよ。うん、美味い。」
「本当に？」
「本当だよ、食べて見なよ。」
「味見はしましたよっ！……うん、ちゃんと美味しい！」
「だろ？」
「なんでアナタが得意そうな顔するんですか。」

二人して笑う。

8
午睡の後。橙色の日光が降る寝室でそれぞれのベッドに横たわっている。

「今日は助かったよ。久しぶりにのんびりできた。」
「ならよかったです。」
「全く、トレーナーをやってるのに体調管理も出来ないんじゃ笑われちゃうなあ。」
「本当ですよ。アナタ一人の身じゃないんですからっ！」
「……まるで妊娠したみたいな言い方だね？」
「残念でしたっ！あたしと、アナタがお世話してるウマ娘ちゃん達の事ですよーだっ！」
「そっか。」
「そっかとは何ですか。」
「いや、まあ、光栄ではあるんだけども。」
「……赤ちゃん、欲しいですか？」
「おいおい今のでフケたんじゃないだろうね？！」
「今日と言う日はまだたっぷりありますしぃ……。」
「待ってくれよ今日は僕の休日だろ？！」

9
「はいっ！久しぶりの家事でアナタが普段どれだけ大変かわかりましたっ！本当にありがとうございますっ！
……なのでそのお礼をですねえ……。」

既にデジタルは自分のベッドから起き出している。

「お礼じゃないだろ、お礼じゃないよっ！
その目は、お礼をする目じゃないっ！！」
「たっぷり休んだ後はぁ、今夜ぐっすり眠るためにぃ、運動しましょうよう♥」
「……本ッ当にキミのムラっけは、予想ができないなっ！」

枕元から手に取った『鋼の意志』を夫の手から払い除け、デジタルは本日最後の渾身の『ご休憩』を提供すべく、笑顔で乗りかかった。

--
もっと走れウマ娘

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
いやぁ～～～年明けましたねっ！明けましてウマでとうございますっ！！年末年始の大忙しも一段落しまして、こうして相方お手製の七草粥を頂きながら配信しておりますっ！

「コミケどうだった？」
そっち？！まあそうでしょうね。うん、サークル参加は恙なく終了いたしました。
お買い上げいただいた皆さんありがとうございましたっ！
同人的にはお買い上げって言い方良くないのですけど、「受け取っていただいた」……？「頒布させていただいた」……？
上手な表現がみつかりませんっ！
実際問題お安くないお金をかけて訪れていらした方に、その『リソースを使ってくれてありがとう』的なことは言いたいのですよわかれわかってくれ！

「デジたん、運営のブースにいなかったの……？」
うん。

「うんじゃないが」「個人参加するから企業参加ブッチって豪胆過ぎる」
これは運営さんとも合意済みなので。ていうか前の配信で言いませんでしたっけ？自分は本出すから企業ブースにはいませんよって。

2
まあ売り切った後は義理立てに企業ブース見に行ったんですけど。

「さらっと完売宣言」「義理立てとか言うなや」
あははははっ！ちょぉーっと調子に乗ってしまったかもしれませんすみませんっ！
企業ブースの方もね、沢山の方が来ていただいて。売れ行きも上々でした！改めてお礼申し上げますっ！！

さて年末でデジたんと言えばコミケもそうですがその前にっ！
阪神カップ！！有馬記念！！！ホープフルステークスっ！！！！
そして年始の中山と京都の金杯っ！！
今年は京都の金杯行って来ましたっ！！！

いやぁ～～やっぱりウマ娘ちゃんを生で見るとエナジーを頂けますねぇ～～！！
皆かっこよかった、可愛かった、美しかったぁ、そして……尊かった……。
脱稿したばっかりなのにイマジネーション沸いちゃいますぅっ！

3
「有馬よかったね」「凄い末脚だった」
ねえぇ～～っ！！
あのバ群をじりじり引き千切っていく感じ見ました？それに食らいついていったウマ娘ちゃん達もかっこよかったぁ……。

「阪神カップ見た？」
見ました見ました見ました見ました！！！
こっちも末脚が凄かった。有馬のとは違って、何と言うか格が違うんだぞっ！という凄みを感じましたっ！！直線一本で10人ぶち抜きは凄すぎますっ！
ホープフルはその二つとは違って、逆転勝利と言うよりは、地力を十分に見せつけたぞって勝ち方だったように思えましたっ！！！

やっぱりかっこいいんですよウマ娘ちゃんはっ！

4
京都金杯もねぇ、またこれがよかった、おっと？ごめんなさいマネちゃんから電話だ。ちょっとミュートしますね？
～～～（BGM : 「走れウマ娘」）～～～
「BGM何でそれ選んだ？」「元ネタ古いんだよね」「走れマキバオー」
マキバオーは色んな意味で違います。
はい、戻ってきました、すみません。公開録音の日程決まったって！やったね！皆さんに逢えますよ！！
あ、またマネちゃんから。うわ、今言っちゃダメだって！聞かなかったことにしてくださいね！

「無茶言うなよ」
お詫びにデジたんの特技お見せしますから許してくださいっ！
すうぅーーーっ……。
『エーこのたび、公営ギャンブルを、どのように廃止するか、という問題につきまして、慎重に検討を重ねてまいりました結果、
本日の第4レース、本命はホタルノヒカリ、穴馬はアッと驚く大三元という結論に達したのであります。』

5
『各馬ゲートインからいっせいにスタート第2コーナーをまわったところで先頭は予想どおりホタルノヒカリさらに各馬一団となって、
タメゴロー、ヒカルゲンジ、リンシャンカイホー、メンタンピンドライチ、コイコイ、ソルティーシュガー、オッペケペ、
コウタローとつづいております第3コーナーをまわって第4コーナーにかかったところで、先頭は予想どおりホタルノヒカリ、
コウタローは大きくぐっとあいてさあ、最後の直線コースに入ったあっ、コウタローがぐんぐん出て来たコウタロー速いコウタロー速い
トップのホタルノヒカリけんめいのしっ走これをコウタローがひっ死に追っかけるコウタローが追いつくか、
ホタルノヒカリが逃げきるかコウタローかホタルノヒカリ、ホタルノヒカリかマドノユキ、あけてぞけさは別れゆくぅ～～～～っ！！！』

「88888888」「8888888」
えへんおほん♪それではお時間です、明日のこの時間はシーキングザパールさんのチャンネルで「ワールドクラスの肌の作り方」が配信されます。お楽しみにっ！
それではバイデジ～♪


[余談]
2021年有馬記念のエフフォーリアとディープボンド、
同年阪神カップのグレナディアガーズ、
同年ホープフルステークスのキラーアビリティをモデルにしています。


--
わたしたちは今日が元旦だと決めましたのでっ！

1
「お義母様、お義父様、あけましておめでとうございます。」
「はい、あけましておめでとうございます。今年もよろしくね。」
「あけましておめでとう。お年玉あげたくなっちゃうな。」

晴れ着姿のアグネスデジタルが炬燵を挟んで夫の両親に頭を下げると、義母義父が笑顔で応じた。
隣の夫がもう成人だってば、と言うと父はいつまで経っても子は子なんだよ、と歯を見せた。

1月2週目、少し遅めの新年の挨拶。
同人作家アグネスデジタルもサブトレーナー業の夫も、12月下旬にはパワーを使い切る。
そこでクリスマスは前倒しに、正月は後ろ倒しに祝う事にしている。
夫妻の両親もそれを了承して、挨拶と初詣に付き合ってくれる。
流石に雑煮とおせちは、残っていないけれど。

2
「デジタルちゃん今年は何をお願いした？」

石段を下りながら義母が話しかける。

「ウマ娘ちゃんが皆幸せでありますようにっ！ですっ！」
「キミは変わらんなあ。」

先を歩く義父が笑った。

「お父さん、笑っちゃダメだよ。」
「いやいやそうじゃないよ母さん、娘が出来たみたいでさ、嬉しいんだよ。」
「お父さん毎年言ってる。」

義父義母が自分の事で楽しそうにしていると、デジタルは何だか嬉しく、照れ臭くなってしまう。

3
「じゃ、慌ただしくて悪いけど。」

運転席の夫が両親に申し訳なさそうに告げる。

「ああ、向こうの親御さんにもよろしくな。」
「お土産口に合うといいけど。」
「大丈夫です！うちの親、甘い物もお酒も大好きですからっ！」

助手席のデジタルが義父義母に持たされた土産袋を持ち上げて見せる。中身は有名なメーカーの焼き菓子と日本酒だ。

「お盆にはまた帰ってくるから。元気にしてなよ。」
「おう。そっちも無理するなよ。」
「健康が一番だからね。」

両親の言葉に頷き、夫はサイドブレーキを解除した。

4
「おおよく来たな！デジタルもお帰り！」
「おかえりなさいデジタル。晴れ着新しく買ったの？」
「パパママただいまですっ！これ、レンタル！」

デジタルは玄関先でくるりと回って見せる。

「お義父さん、お義母さん、あけましておめでとうございます。」
「ああおめでとおめでとう。さあ入った入った！メシの準備も出来てるし、去年の話をたっぷり聞かせてもらうよ。」

夫を引きずるようにして家に入っていく父を、デジタルとその母が呆れ笑いで眺めていた。

5
「ああ、見た見た！オペラオーとドトウとの3人勝負な！！休学するって聞いたときはびっくりしたよ。」

手土産の酒を早速飲み、デジタルの父が豪快に笑う。

「すみません、勝手なことをして。」
「怒っちゃいないって！いいレースを見せてもらった。デジタルも頑張ったな！いーぃ走りだった。」
「えへへへ♪パパに走り褒めてもらったの久しぶりですっ。」
「勉強はちゃんと出来てるんでしょうね？」
「勿論！一緒に勉強してくれる友達も沢山いますっ！」

母の言葉にブイサインを返す。その楽しそうな横顔を夫は目で追う。

「……ニヤニヤしてるぞ。」
「おっと、すみません。」

6
「……娘を貰ってくれて、ありがとな。」

デジタルの父が声を抑えて言った。

「そんなとんでもない。」
「今の目線で確信したよ。あんた、まだデジタルにきっちり惚れてくれてんだな♪」
「と、義父さんっ、」

呑みかけたアルコールが気管に入って咽た。大丈夫？と顔を寄せるデジタルに涙目で頷く。

「何の話？」
「何でもないよママ。」

悪戯っぽくデジタルの父が笑った。

7
そして今、デジタルとトレーナーは自宅のソファでぐったりとしている。
背もたれに手を回し体重を預ける夫の太腿に、デジタルが頭を載せて横になっている。
テーブルの上がそれぞれの実家から賜った土産物が袋のまま載せられている。

「疲れた……。」「……はい。」

デジタルは夫の太腿に顔を埋めたまま力無く応えた。

どちらの両親もいい人だし、会って話すのもとても楽しい。それなのに、それだから、毎年こんな風にエネルギー切れになってしまう。
正月だからと大晦日直後に挨拶周りなどしようものなら、帰りの車で居眠りをしてしまいそうだ。

「今年もよろしく……。」「……はい。」

デジタルは太腿に顔を埋めたまま力無く応えた。

--
愛されるなんて考えたこともない人生だった

1
「うぅ……デジたん結婚して……」
「あっ！？えっ！！はいっ！！」

サークル部室の部長とアグネスデジタルの額をそれぞれ、女性のサークルメンバーがバシっとたたいた。

「部長、デジたんはすでに結婚しています。」
「知ってる……。」

パイプ椅子の上に正座する部長。

「はいじゃないんだよデジたん。」
「はいぃ……。」

パイプ椅子の上に正座するアグネスデジタル。

2
「アグっちチョロ過ぎない？」
「んぐぐぐぐ、仕方ないじゃないですかあ！
生まれてこの方ウマ娘ちゃんを愛するばかりで自分が愛されるなんてトレーナーに告白されるまで味わったこともなかったんですものぉっ！」
「いやっ！それは違うぞデジタル君っ！！」
「部長は黙ってて。」
「はい。」

気力を取り戻した部長が即座に封印された。

「あたしだってデジの事好きだったよ。」
「えっ？」

別のサークルメンバー女子の言葉に、デジタルが目を丸くする。

3
「勿論ウマ娘としてね？芝とダートを訳分からないローテーションで走らされて、大負けもして……。
でも勝つときは本当に格好よくズバ抜いて、凌いで、勝ち切るデジたんが好きだったんだ。」
「先輩……。」
「それで本人はウマ娘大好きなオタクだって。正直悔しかったよ。
だってあたしよりずっとウマ娘ちゃんの近くに居て、あたしよりずっとウマ娘ちゃんの事を好きで。」
「それは、」
「いいんだ、何も言わないでデジ。
あたしがあんたほど情熱を持てないのはデジのせいじゃない。
それをさあ！我慢してる横でさあ！！この部長はさあっ！！！
『結婚して』じゃないんですよっ！！！！」
「悪かったと思ってるよ！」
「うるさいっ！」

部長とデジタルがそろって頭を振り下げた。

4
「デジたんが結婚したってニュースを聞いたときあたしは（中略）
そのデジたんがここに入学するってニュースを見てあたしは（中略）
男と結婚しててでも大好きなデジたんがこのサークルにやってきて（中略）
大体この日本において同性婚は（中略）
それを、それを部長は結婚したいなんて気軽に口にしやがって許せるわけがないじゃないですかっ！」

そこまで叫んだ同胞を盟友が羽交い絞めにしてサークル室の外へとひきずった。

「おい放せっ！あたしはまだ言いたいことが沢山あるんだっ！」
「わかった、わかったから一旦落ち着こ？ね？」

猛獣が宥められながら退室していく様を、部長始めほかのサークルメンバーも、勿論アグネスデジタルも呆然と見つめていた。

5
「……申し訳ない。」
「え、あ、はい……。」

深々と頭を下げる部長に、反射的にデジタルも頭を下げてしまう。

「他のメンバーは兎も角僕はシスジェンダーだから、キミに性的な魅力を感じている。それはキミが既婚であるからと言って収まるものではない。」
「……はい。」

現役時代から、性の対象とされる目線は感じていた。それを知った当初は嫌悪感もあったが、結婚した今となってはそれこそが男性の愛だという事もよくわかっている。

「だからと言って表に出していいかどうかは別だ。既婚者相手に結婚したいなどと漏らすべきではないのは当然だ。」
「あっでもでもっ！そう言って貰えてちょっとあたし嬉しかったというかっ！」
「だからちょろいってんだよアグっち。」

いつの間にか戻ってきていた猛獣使いが呆れた声で言った。

6
「アグっち、自分が思ってるよりもっとずっと魅力的なんだからね？G1六冠とか、海外で勝ったとか、そういうのよりずっと。アグっちに限って言えば、謙虚は全部卑屈と皮肉に見えるって覚えときな。」
「そんな、あたしは……。」
「覚えときなね。」

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「という事があったんですよぅ旦那様ぁ。」

胡坐をかく夫に向かい合ってぎゅっとハグをするデジタル。

「そうか、そうかぁ。うん、そうだね。」

そんな気の無い返事も意に介さず、デジタルは伴侶の胸板に頭をぐりぐりと押し付ける。傷ついたから慰めて？幸せにして？無自覚か自覚的かは分からないがサークルメンバーの言った通りの魅力で媚びる。
その魅力に誰よりも早く誰よりも無様に負けて結婚したのだから、夫の対応はもう甘やかす以外にあり得ないのである。

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over two months

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
年末年始の慌ただしさも一段落しましてっ！なんと冬をかっ飛ばして3月ですよどうですか皆さんっ！ねえ！！
デジたんは暇さえあればサークル室に入り浸ってたんであんまり実感ないですねっ！

「勉強しろ」「休んでた理由を説明して」「旦那大事にして」
えへへ♪夫からはキャンパスライフって大事だから楽しんで来なって言われてるんで、思いっきり甘えてますっ！
だってねえ、留年しまくっても10年と居られないんですものっ！

「留年するな」「留年するデジたんはちょっと嫌かな」
はいっ！

「何のはいだよ」「何を了承したんだ」
はいっ！


2
いやー夫から言われた通り、大学のサークル活動と言うのは中等部高等部の部活動とは一線を画しておりましてっ。
トレセン学園よりももっとずっといろんな所から同志がやってきている訳ですっ。
何ならサークルに入る為だけに大学に通っても意味があるくらい。
これは本当に冗談で言ってるんじゃなくてですね、大学のサークルって本当に範囲が広くて。
範囲が広いって言うか、サークル勧誘活動に紛れて、全然大学と関係ないサークル活動の勧誘なんかもあるんです。
「どうして大学ならそれが許されるのか」ってのは正直よくわかりませんが、そういう事があるんですっ！
恐らくあれですね、大学からしてみれば、「勝手に単位を取れ、それ以外は知らん」という態度から来ているんだと思いますっ！
大学は高校までとは違って、教育機関ではなくで研究機関なんですねっ！
片手間で教育もやってあげてるっていう！デジたんの個人の感想ですけどっ！！

だからバイトしてもいいしサークル活動も緩いし、夜遅くまで建物に残っててもいい！
社会人と学生のちょうど中間にある期間なのかなーって思いますっ！


3
さて節分バレンタイン雛祭りを過ごしまして。
うちでは豆まきもしなければお雛様も飾りませんでしたよ賃貸ですし。
バレンタインはその、えへへ♪惚気てもいいですかぁ～？

「いいよ」「いいよ」「だめ」「許さない」「合体したの？」

だはは、3月にもなってねえ！
バレンタインに夫婦で何したかなんて！！
それこそあたしたちのファンでもなければ興味の無い出来事ではございますがっ！

このアグネスデジタルのファンでおられる皆さんにとっては、そのー……やっぱり特定の相手とのイチャイチャより、皆さん自身と親しくしている想像ができる方がよいのでしょうかっ！？
その辺りの加減が今でもよくわからないのですがっ！

4
「結婚してるから今更だろ」「結婚してるデジたんを略奪したい」

おわーお。
コメント欄では平和にね？お願いしますよ？コメント同士で盛り上がるとそのあれです。あたしが配信している意味やら価値やらがなくなるのでっ！
そーゆーのはSNSでお願いしますっ！

「デジたん未だにネットリテラシー危ういよね」「でも幼な妻ウマ娘が配信してたらそういうのはしょうがないって気もする」

お世話掛けますすみませんすみません。
何の話でしたっけバレンタインの惚気話をしていいかどうかで止まってるんでしたね。一先ずしないでおきましょう、皆さんの為にっ！
まあね、デジたんもウマ娘オタクですからそういうのわかりますよっ、特定のパートナーが出来ると想像の余地がなくなって神経が苛立つっ！てのはっ！！
カップリング論争デジたん苦手ではあるんですけどぉ、そもそも！そもそもの論争のベースになる現実っ！！
現実の方が確定してしまうとですね、気持ちのやり場が無くなって！憎しみしか残らなくなるのは、理解していますぅ……。

5
「デジたんも憎まれる気持ちが分かったか」「デジたん幸せになって」「デジたんを幸せにしたい」

うわああ今日のコメント欄がバチクソ重い！ありがとうございます！
話したい事があったんですけど今日は話さないほうがよさそうですねっ！
その代わりに3月以降のイベントの話をしますねっ！
3月末ぐらいから4月にかけてはフレッシャーズを応援しようっ！てことで企画がありますっ！
詳しくはまだ言えないんですけど、結構大きめのコラボになる予定ですっ！
学校や職場、住まいなど、大きな変化でテンション上がっている人たち向けにアゲアゲな内容を予定しておりますのでご期待くださいっ！！

6
さてお時間です。次の配信についてはSNS媒体でまた発表するのでチェック！よろしくお願いしますっ！！

「結局バレンタイン何があったの？」

何があったといいますか……お互いその、大好きだよと言い合いましてぇ、贈り物を渡し合いましてぇ、美味しくいただき合いましてぇ……。
あ、その美味しくいただき合ったというのはお互いデザートの類、あたしはチョコレートのバームクーヘンを、夫はホワイトチョコレ－トのトリュフをですね、それぞれ渡し合って食べたという事ですよ？

「ラブラブじゃん」「砂糖吐いてる」「末永く死ね」

えへへ、恥ずかしいなあ。

「合体した？」

した！しました！そりゃしましたよだってバレンタインですしお互い愛し合ってるって贈り物で確認し合った日の夜ですしそりゃもうウマっ気も限界突破であ、マネちゃんからDiscordだ、え、何？（この配信は終了しました）


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夏へのゲート

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
いやぁ～～6月ですよ奥さんっ！
つい先日は夏日があったりして、いよいよ暑いシーズンに入って来たって感じですっ！！！
今月のG1はその夏日に開催された安田記念と、26日の宝塚記念ですね～。
デジ民（たみ）はもう誰を推すか決めましたか？！

「デジたんは決めたの？」

秘密ですっ！
敢えて言えば全員ですっ！！

2
「ブレねえなデジたんは」

そりゃそうですとも！頑張るウマ娘は美しい！！何なら今からでも出走登録してその横を走りたいっ！
勿論引退してブランクもあるあたしが今を時めくプロの競走バちゃんに並べる訳もありません。ただそう妄想するだけです。

「宝塚誰が勝ちそう？」

ん～～～むずかしいですねぇ～～～。
宝塚はデジたんも一度走ったことがありますが、目も当てられない惨敗だったので、自分の感覚は当てにはなりませんね。

「安田記念勝った後あれは酷かった」
「デジたん2000メートル超えるとダメなんだよね」

お恥ずかしぃ～。

3
自分の感覚は当てになりませんが、誰が勝ちそうかな、って予測はあります。
そりゃもうあたしもトレーナーを目指す大学生ですから、データの収集はぬかりありませんっ！旦那から流してもらったりもしてます。
でもその予測を言うのはやめておきたいんですよね。
勝ちそうだから応援する、負けそうだからやめておく、ってあんまり馴染まなくて。
ウマ娘ちゃんは誰だって、勝つために全身全霊全力で取り組んでいるのですからっ！！

「だよねー」
「でも推しはいるでしょ？」

まあまあまあまあ推しはいますけどぉ～～～！？
事務所の方からもね、言われてるんで。「誰が勝ちそう」とかあんまりレース前に言うなって。それを聞いたウマ娘のメンタルに影響出るかもだからって。
え～？今の若い世代はデジたん如きの言葉なんか気にしませんよぉ、好きなウマ娘ちゃんの推しポイントを喋らせてくださいよぉ、って言ったんですけど。
「お前は芝とダートでG1合計六冠とってるウマ娘だって事を自覚してくれ」とマネちゃんにきつぅ～～く言われまして。えっへっへ♪

4
G1取った数ならまだ上がいるじゃないですかぁ、と食い下がったんですけど、
「ほとんどのウマ娘はG1挑戦までたどり着けないんです」と言われて。もうそれを言われたら黙るしかないじゃないですか。はいっ！て。

そんな感じで宝塚記念楽しみなんですけど立場上あんまり喋れなくてストレスがマッハですよ。

「デジたんが走った感じはどうだったの？」

2200はデジたんには長かったですねっ！でもそこでクリスエスちゃんと走れたのはとても良かったです！
クリちゃんとは同じ有馬記念で同時引退という事もあって、今から思えばあそこで縁があったのはよかったなぁって！

「クリちゃん言うな」

あははははは！！！別にぃ？デジたんは友人の名前を略して読んでるだけでぇ？変な意味なんてありませんけどぉ？

5
「デジたんのクリちゃん…」

どういう意味ですかっ？

「デジたんのクリちゃんをデジたんの旦那が今夜も」

今夜もじゃないんですよぉっ！

「デジたんのクリちゃんとデジたんの旦那のダンナが今夜も兜合わせ」

ストォオーーーップ！！何で宝塚記念の話からそうなっちゃうんですか！？

「デジたんが猥談ばっかりするからじゃねーの？」

はい。

6
はいじゃないっての。という訳でお時間ですねえ。
デジたんそんなに猥談ばっかりしてませんよっ！
旦那と仲良くした日にはちょっと浮かれちゃったりするだけでっ！
大体愛の確かめ愛を猥談とか卑猥とかそういう表現をするのって良くないと思いますっ！
一方で純愛でありながらも剥き出しのケモノの欲望に直結しちゃって思い悩むのもまた萌えるシチュですよねえじゅるりら、夏コミはこれで行ってみましょうか。

本日は早速夏コミ本の作業を垂れ流しながらお別れと行きましょう。ネーム切るまでいけたらいいなっ！
チャンネルはこのまま！
それではバイデジ～♪

--
グットクルサマー

1
「海に行きたい。」

ヲタサーの姫が望まば、すなわちそれは実現するのである。
あれよあれよという間にウマ娘同好会サークル一同は夏季休暇中の二泊三日の海水浴旅行の手筈を整えてしまったのであった。

「はい、姫様。」

と旅行のしおりを手渡されたデジタルは目を丸くするほかなかった。

「いや……言ってくださいよぉー！そういうことはさぁー！！！！」

2
「みんなであーでもないこーでもないってやいのやいの言いたいじゃないですかー！！！」
「それはしたり、姫を煩わせてはならぬと余計なお世話を焼いてしまいました。」
「姫じゃないですって。」

恭しく頭を下げる女性部員に苦笑いで返答する。と同時に、自身の持つ「元URA競走バ」という箔の力に空恐ろしさも覚えたりする。
が、それはやはり、卑屈が過ぎるのだろう。
引退して数年、ウマ娘の世界を外から見るようになって、中央競バで実績を持つウマ娘が世間においてどれほどの傑物であるか、客観的に改めて思い知るには十分な期間だった。
その一席を占めるものとしてやはり胸は張らなければならないのだ。自分の為ではなく、ほかのウマ娘ちゃんの名誉の為に。

とは言え、気心の知れた仲間であるはずのサークル構成員達に半ば冗談とは言えそうした態度を取られるのはこそばゆい物であるのも事実。

「姫ではないので！この……自由時間に何をするかとかは皆で話して決めたいですっ！」
「「「御意！」」」

御意じゃないんですよ。と心の中で突っ込みつつ。

3
ともあれ、それからはサークル一同でフランクな話し合いに移った。
夜は花火だ、泳ぐ時間はどうしよう、釣りは出来るか、秘宝館があるぞ、夜更かししたいけど夜食は買えるかそれとも持ち込みになるか。

自由度の高い遊びの計画を立てるこの高揚感は、トレセン学園の頃の友達付き合いと似て非なるもの。
あの頃を青春と呼ぶなら今は正に朱夏。芽吹きの初々しさを離れて、自由に枝葉を伸ばす夏の友情だ。
だからこそ、姫などと呼ばれたくなかったのだし。

「島の安宿だからコンビニは近くに無い」
「受信可能なテレビ局は」
「食事は主に外食になりそう」
「お風呂は個室と大浴場と両方ある」
「部屋割り今から変えられる？」
「夜見るビデオは何持って行こう？」

しおりをめくりながら仔細を確認して、デジタルの目がまた点になった。

4
「……この『王子様』ってのは？」
「勿論デジたんの旦那だよ。」

しおりの中でちらちらと出てきたワード、何となく数えていた参加人数、察してはいたが訊いてみたところやはり。

「何時根回ししたんです？」
「最初。」

悪びれず同性のサークルメンバーが応える。

「……何でですか？」
「そりゃ、人妻と男を同じ閨には置けないもの。」
「そうですか、そうですね、そうですけどさ。」

付き合いは、長いのだ。本当の狙いぐらい想像がつく。

5
「……悪趣味ですよぉ。」
「何のことかな？」
「最大限配慮した結果ですが？」

デジタルと夫とサークルメンバーは大部屋の一つにごちゃっと雑魚寝する配置にはなっている。
だがその部屋は襖で細かく仕切りができる。
そして婚姻している二人を切り離すようなことはウマ娘同好会の名に懸けて決してすまい。
もっと踏み込めば、「大部屋に大人数で眠る」は建前で、襖を隔てて「デジたん夫婦とそれ以外」を切り分ける準備は出来ている。
人数に比して妙に大きな部屋空間もその推察を後押しする。

「あたしは皆と一緒に夜更かししたいんですっ！」
「勿論わたしたちも同じ気持ちだよ。」
「俺も。」
「俺もっ。」

6
「じゃあなんでこんな……。」
「こんな、何だい？」
「何かご不満ですかな、姫？」
「何かって、これ……！」

デジたんは そうデジたんは 詰んでいたのだ 初めから

『不貞の疑いを持たせぬための夫同伴』
それを提示された時点でアグネスデジタルに拒否権は無く、サークルメンバーにウマ娘とトレーナー夫妻という極上のご馳走を提供することは回避しえない。
夜更かしして全員一緒に過ごすにしろ、夫と二人で過ごすにしろ、彼らにとってはまたとない好餌。
ここに来て、気の置けぬ仲間に『ウマ娘としての』アグネスデジタルを貪られる事になろうとは……！

……じゅるりら。
悔しさの彼方に、もう一人のアグネスデジタルがいやらしく笑んだ。

7
「……いいでしょう！！」
「何がですか？」

ここで退いて何のウマ娘か。ファンサが出来なくて元URA所属バと言えるか。何より。
あたしが同じ立場でも同じ罠を仕掛けた！！！

「皆さんにとって、楽しい旅行にしたいですねっ！」

居並ぶウママニアにウインクして布石となる積極策を早仕掛けするデジタルの姿は、かつての瑞々しいアイドルウマ娘のようにも、年季を経て益々狡猾さを増した女優ウマ娘のようにも見えた。

--
トロフィーコンプ

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
先ほどのSEKIRO配信見ていただいた方、ありがとうございますぅ～。
あの後あたしはお風呂に入ってですね。汗を流して！一休みさせていただきましたっ。
んぐんぐっぷは。
今日はですねぇ、細川酒造様の上ウマ（あげうま）ビールを頂いております。
こないだのお仕事の際に貰ったものでして、有難い事です♪
味が3種類ありましてぇ、ヘレス、ドゥンケル、ボックって言うんだって。
今飲んでいるのはヘレスですね。所謂普通の琥珀色のビールです。
味は勿論美味しいんですけど、なんて言うんでしょう？水の味がするの！
薄いって意味じゃなくて、美味しい水を飲んでる時みたいな風味があります！不思議！！

2
「飲み過ぎないでね」
うんっ！んぐんぐ。
やばいなあ、味わって飲みたいのにするする入っちゃうぞ。これはいけない酔い方をする奴だ。
ちょっと横に置いときましょう。
スパチャ読みしていきましょうかね。

「鉤爪遣いが上手いですね」
これは怨嗟の鬼と戦ってる時ですかね。これは練習した。
先人の動画で、攻撃を避けると同時に飛んで懐に入ってダメージ稼いでるの見て目から鱗が落ちたのでパクりました。
アクションゲームで余りにでかい敵は至近戦闘だと割と攻撃が当たらない、ってのが此奴にも当てはまるんだなあ、って。
でも皆さんにお見せできるようになるまで数えきれない数の狼殿が死に申した。

3
「何故今更SEKIRO」
そういえばゲームプレイ配信してないなーって思って。
今正に流行しているゲームをやると未プレイの人へのネタバレになるし、かと言ってレトロに振り過ぎるとそもそも入手困難だったり操作感覚がよろしくなかったりしますし、という事である程度擦られた、というとアレですがっ！
配信者をきりきり舞いさせた実績があり、UIが洗練されてて、ネタバレもおよそ出尽くしたゲームとしてSEKIROを選択しました。
我ながらよいチョイスだったと思います。

「あの茶色い四足歩行の生き物は何だったんだろう？」
奇蹄目の生き物がモデルだそうですが詳しい事はわかりませんね！まあSEKIRO世界の事は深く考えてもしょうがありませんっ！

「何時間やったの……」
えー数えてなーい。
でもまあ夜通し弦一郎殿に殺されたり過去の親父殿に殺されたりはしました。過去の親父殿マジでズルいですよ！！梟を操るのは忍術で説明するの無理があります！

4
んぐっ、ぷは。げぇーっぷ
「げっぷ助かる」
えっへへへぇ♪
「汚い」
くしゃみ助かるとかもそうですけど、苦手な人がいるとは訊いています。
でもデジたん自身、そういう生っぽさ、俗っぽさが見える瞬間が好きだったりするので、自分の配信では肯定的にやっていこうかなと。
身近に降りて来る瞬間って言うか、隙を見せた瞬間というか。
下世話だ、汚らしいって言われたら否定はできないんですけどっ！
でもねえ、インターネットでこうして動画を見ている時って、皆さんプライベートじゃないですか。
プライベートって事は、外面を取っ払ってリラックスして楽しいことないかなって、嫌な事は嫌だなって素直に感じるモードでしょう。
楽しい事や嫌な事を率直にこうしてコメントするのって、正に下世話じゃありません？
インターネットで楽しんでいる人に対して下世話だ下品だっていう糾弾は、デジたんは「そりゃそうですけど何か？」って感じなんですよね。
デジたんも現役時代は色々とその、思いが行き過ぎたファン様から色々なプレゼントやサプライズを頂きましたので……。
理性薄目になった時の気持ちや行動については、人一倍認識があるつもりですっ。


5
えーと、「もっと苦戦するかと思った」
えへへぇ、いや、そういう様を見せるのこそがいいよね、とは思った！思ったんだけど、後の配信予定とかが押すかもと思って一旦ロケハンプレイしました。
でもね、これはマジでロケハンしてないと酷い事になったと思う。
んぐんっぐっぷは。
酷いのこそ見たいんだってのも解るんだけど、ちょっと予定を大きくズラせない理由がありまして。

「ほんとは配信でプレイをみせびらかしたかったんじゃないの？正体みたりって感じだな」
そう！公開配信の日程が決まったのです！！
いえーいっ！
ぐびぐびぐびっ！げほげほ気管に入った！
「おのが欲望に忠実で非常に猥褻」
「絶景かな」
「モナリザ」

猥褻？！

6
（カメラを引いて）
こんな感じの環境をガラス張りのスタジオに領域展開してですね、皆さんに見てもらいつつやる感じです！
「生デジたん見つつスマホでスパチャするのか……」
そこらへんは会場に来た人限定のインタラクティヴなイベントで埋め合わせようかなと！

日付は、夏真っ盛りのえ？もうお時間？じゃあSNSの方で改めてご連絡いたしますのでっ！

「デジたん大好き切り抜きチャンネル」さんの「デジたんの泥酔配信纏めその2」を見ながらお別れですっ！
その2て。

それではバイデジ～～♪

参考：http://www.ji-beer.co.jp/category/1/



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身に付けた技はすぐ使いたいものです。

1
「ひゃっ！」
「根を詰めすぎですよぉ。」

不意の冷たい刺激に男が振り向くと、妻であるアグネスデジタルが結露したペットボトルを持って頬を膨らませていた。

「ノックを、」
「しーまーしーたー。ぶー。」

時刻は夜の21時。複数のウマ娘のサブトレーナーを務めている夫は、パソコンのモニタに向かい、データの分析と次なるトレーニング案に頭を働かせていた。

「あと少しだから。」
「あのですねえ、世の中ではこの時間のお仕事は普通、『残業』と言われているんです。」
「いやあ、昼間は休んでたしそれは当てはまらないでしょ。」

夫がチェアを回してデジタルに向き合う。大学に通う妻に代わり家事も努める彼にとって、テンションの上がる夜は寧ろ仕事のゴールデンタイム。

2
「家事をするのを休んでたとはいいませんよぅ……。」

その家事を任せている張本人である妻は聊か申し訳なさそうに言った。

「んー……でも他のトレーナーとも今まさに話し合いしてるところだから……。」
「わかりましたっ！それが終わったら今日はもう締めにしてください、今日は何と、夏日だったんですからねっ！」

そう言われて、洗濯物を干していた時の熱気を思い出す。
それ以外の時間はずっと冷房の効いた室内で過ごしていたが……それが体に良いと思うほど夫も無神経ではない。

「わかったよ。いま仲間の連絡待ちだから、それに応えたら今日はおしまいにする。」
「絶対ですよ？30分経っても出てこなかったらメイントレーナーに電話しますからねっ？『うちの相方を壊さないで』って！」
「わかった、わかったからそれは勘弁して。」

妻のこの所業には前科がある。夫の背に冷たい汗が流れた。

3
25分後、何とか仕事を畳んだ夫は部屋から出てシャワーを浴び、思い出したように妻から渡されたペットボトルを手に取った。
中身はただのミネラルウォーターだが、汗をかいた体には深く沁みた。
ここ数日の仕事ぶりを思い返し、思えば自分の身を削っていたと反省する。
買い出しのたびに汗だくになったし、冷房と外の温度差湿度差には毎日参っていた。
妻でさえ、体調管理と鍛錬が生業であった全盛期にも度々不調を抱えたのだ。況やデスクワーカーの自分をや。

「全く、何がトレーナーだってんだ。」

皮肉気に笑って溜息をつく。
自室の電気を消し、寝室の戸を開ける。

4
「いらっしゃいませぇ～♪」

白いエステユニフォームに身を包んだ妻が満面の笑みで夫を迎えた。しっぽは元気よく左右にぶんぶんと振られ、歓迎の意を示している。

「え、どういうこと？」
「はいはいこちらにうつ伏せになってください～♪」

手を引かれるまま自分のベッドに寝かされる。

「いやいや、ど、どういう、」
「はい、リラックスしてくださいねぇ～♪」

言うが早いか寝巻の上から細い親指が優しく力強く夫の背中を衝いた。


5
「お、おおおお……。」
「凝ってますねえお客様ぁ、ずっと同じ姿勢でいるとねえ、腰に負担がかかっちゃうんですよぉ。」
「な、なるほど確かに……。」

ぐいぃぃ、ぐいぃぃ、と少しずつウマ娘のバ力（バリキ）を沁み込ませるような指圧に、思わず夫は声を漏らす。

「両手を上に挙げてもらえますかぁ？」

言われるままに腕を体の側面から上へと投げ出すと、覿面に肩が痛んだ。
仕事を片付けシャワーを浴びリラックスしてこれである。『根を詰めすぎ』と宣った妻の眼力は驚嘆に値する。

「では肩をほぐしていきますねえ、痛い時は声を出してくださいねぇ。」

やめませんけど。
夫はまるで生まれたての子のような悲鳴を上げ続ける事になった。


6
その後また腰、脚、腕と全身を強烈に揉み解され、夫の体はすっかり汗だくになってしまった。
体中が痛い。幾ら妻の心づくしのサーヴィスとは言え、ヒトの身にウマ娘パワーは強すぎる。最早悲鳴を上げる気にもなれず、はぁはぁと力無い息を漏らすばかり。

「では立ってみてくださぁい♪」

萎えかけた気力を奮い立たせ、半身を起こしスリッパを履いて立ち上がる。
軽い。
まるで体の材質が全部別物になったようだ。腕をぐるぐる回す。脚を屈伸させる。首を回す。そこに何の違和感もない。完全な自分自身の体だけがある。

「……すっごい……。」
「えっへへぇ～♪」

思わず漏れた感想に、妻が満足げに笑った。安心沢先生のお師匠様に習ったのです！とピースサインを見せるデジタルに、今度僕にも教えてよ。と言うと、そういうとこですよっ！とワーカホリックを指摘され頭をはたかれるのであった。

余談：「達人の指圧」については実は元ネタがあるのですが、そのブログはもう消失してしまいました。残念です。

--
さあ―――――…共に夏をブッ殺そう…!!

1
「こっちは任せろ。」

僕の妻は帰りが遅くなるととても心配するんだ。だから

「手短に終わらせる。」

領域展開 『無量厩舎』

走るという行為に無限回の鍛錬を強要する、トレーナー技能の極致。

2
「こちらは任せてくださいっ！」

人の思いは呪いだと聞きました。
ならば多くのファンに見られ憧れられ妬まれ憎まれ嫌われるアイドルウマ娘は呪いの中心っ！
現役を退いたとて、その感覚がまだこの魂に刻まれております、忘れもしない！ファン心理という名の呪い、今この場でお返しいたしますっ！！

「領ォ域展開ィっ！ 『フケウマ御厨子』ぃぃ！！」

必中効果の範囲内でウマソウルがあるものには「鞭」を、無いものには「戒告」が無尽蔵に降り注ぐ。
結界を閉じないという縛りを付与することで、効果範囲と威力を大幅に増大させている。

3
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
はぁ～い❤︎
はぁ～い♥

ねぇねぇどっちの方がイイ？
あんまり変わらない？あ、そう。
という訳でねっ！
ラジオドラマ『馬術ハ銜（み）戦』第801回『座殺博徒』いかがでしたでしょうかっ！！
久しぶりに架空のラジオドラマやりましたっ！あのねえあたし背中を任せ合う展開好きすぎてこんな脚本書いちゃったのごめんねっ！
あっスパチャありがとうございますっ！

「バカじゃないの」

スパチャによる罵倒を今日ばかりは受け入れますっ！！

4
もうバカにされても仕方ないと思ったものっ！スタッフも苦笑いしてたものっ！！
さて宝塚記念いかがでしたかっ！？タイトルがホルダーされましたねぇっ！！
プボっちやエフフォちゃんも惜しかったのですがっ！
それでも序盤から上位のまま、最後は前のウマ娘を抜き去ってサヨウナラは地力の強さですよねぇ～っ！！！
なかなか無いんですけどね、特に重賞のレースで最初から前を維持したまま上位に居座るというのは。
勿論理想的なレース運びではあるんです、トップのウマ娘を射程に捕らえたままレースを運んで、最後にぶっこ抜くってのはね？
でも理想を現実に出来るヒトやウマ娘はそうはいません。理想と現実はいつだってギャップがある。だからこそ理想は理想で現実は現実の筈なのですがっ
今回は凄いの一言に尽きます。現実を理想に引きずり寄せてそのまま勝ってしまったって感じ。
いやぁ～～後世おそるべしっ！
デジたんだって残した功績にそれなりに誇りはありますが、この調子だといつ埃が積もって忘れ去られるかって感じですよっ！
そしてそんな素晴らしいウマ娘タャンの姿をこうしてみる事が出来る現実っ！！デジたん情緒どっか行っちゃいそうっ！！！

5
「おらデジ公タャンて発音してみろや」

うるせえっ！！テャン！タャン！チィアン！！！これで満足ですかっ！？！？！？！？
さて6月も終わりという事で祝日も祭日もない月はひとまず終了、来月の話をしていきましょうっ！
7月、夏本番っ！下旬は夏休みですねぇうふふふデジたんも旅行の準備がございますえへへへっ！
その時は配信途絶えちまうので、事前に日程お話しますねぇ。
予約投稿でお茶を濁せるようにはするつもりですが、何を公開するかはお楽しみ、ですっ！

6
「旦那と旅行？」

旦那プラス大学の友達とですねぇ。ウマ娘愛好家サークルの皆さんとのリョテイとなります。今からとっても楽しみですっ！！
船旅になるそうですよ、旅の内容は色々ネタに出来そうなのでまたその後で話しますねぇ、さあお時間ですっ！
この後23時からはキタサンブラックさんの「ASMR兼おのろけ？トレーナーさんとわたしのほろ酔い本音トーク」が始まります。
デジたんも呑みながら聴きますよっ！

「何吞むの？」

よく訊いてくれました今回も簸上清酒合名会社様の『七冠バ 純米大吟醸 ウマ娘 シンボリルドルフ 限定醸造』です！
https://shop.sake-hikami.co.jp/products/nanakanba-umamusume-symbolirudolf
残念ながらもう予約も売り切れてまして、皆さんにご紹介するのが遅くなって申し訳ない。
これはぶっちゃけコネでいただきました。


7
「それぶっちゃけちゃだめだろ」

予約すらできないお酒を呑める以上、所謂普通のルートでないのはどうあってもバレるので。えへへぇ……。

はぁ～い❤︎はぁ～い♥

ねぇねぇどっちの方がイイ？あんまり変わらない？

「はぁ～い❤︎がいい」
「はぁ～い♥がいい」

げっふ❤

「そこは♥だろ」「おいもう呑んでるじゃねえか」
喧嘩すんな喧嘩すんんぬぁ～♪それでゃばいぢぇじ～～♪ぐえっふ。

--
理解（わか）らなくても納得（わか）ってあげたい

1
1か月ほど前、僕はスタジオに呼ばれセリフの収録をお願いされた。

「こっちは任せろ。僕の妻は帰りが遅くなるととても心配するんだ。だから 手短に終わらせる。 領域展開 『無量厩舎』」

ごく短いこれだけのセリフ。
その為だけに、妻アグネスデジタルが所属する事務所の社長、デジタルのマネージャー、音響監督、その他諸々のスタッフさん達にお会いし、10回以上のリテイクの末にOKを頂いた。
僕がセリフを口にしたのはそれでも5分もない。
その5分足らずの為だけに、どれほどのお金がかかっているか想像もしたくないような立派で正統で丁寧な収録が実施された。
それは、妻が動画配信者としてどれほどの支持を得ているかの片鱗を味わう体験でもあった。

そうした事を踏まえたうえで。
全く理解を越えたことが起こっている。

2
ありのまま起こったことを話そう。
『妻のスタジオ入りを許可した翌日に僕の手元に3時間ラジオドラマの脚本が届いていた』。
何を言っているのかわからないと思う。自分も何をされたのかまだ呑み込めていない。
だが今の僕はそうした理解とは全く関係なしに、先日訪れた妻の事務所の会議室で今を時めく声優さん達と台本読みをしている。

『デジタル、君は本当にそれでいいのかい？』
『え、何がですか？』

僕の棒読みに対して妻は女優のような綽綽の演技で応えてくれる。
夢のような時間、だが夢ではない。
僕は、この元ウマ娘トレーナーであるだけのただの男は、妻の為に、居並ぶ声優さん達と張り合わなければならないのだ。

3
事の起こりは6月中旬、旅行に行こうと妻が言い出した時に遡る。
大学のサークル仲間と海に行きたい、あなたも一緒に来て欲しい、と。
邪魔ではないのか？と一応訊いたが、デジたんの事が大好きなサークルメンバーに囲まれて、『良からぬ事』があったら大変じゃないですか、
それにうちのサークルメンバーは貪欲でして、あたしがあなたとイチャイチャしてるところも見たいんですって♪

二つの観点からの同行要請。ここで断る選択肢はあり得ない。少なくとも僕のチャチな頭には思い浮かばなかった。

「そうと決まれば配信は暫くお休みです！その間に企画を練らねばっ！！」

どうやら動画配信サイトには『予約投稿』なるシステムがあるらしく、予め動画を登録しておくと予定した日付日時で公開してくれるそうだ。

『リアルタイムでの配信ではない代わりに凝った事をしたい。今まで配信でちょくちょくやっていた架空のラジオドラマを、映像付きでやってみるのはどうかと考えていた。』

妻はそう言った。

4
映像付きラジオドラマ、つまりはアニメーションである。しかも決定は6月中旬、そして今は同月下旬。
たかが半月で、と甘く見ていた。妻はとっくに根回しを済ませていたのだ。
というより、架空のラジオドラマ改めアニメーションの企画はかなり前から進んでいて、収録の切欠がたまたまこのタイミングになったというのが正しいらしい。
つまりは僕以外皆準備が出来ていて、後は僕が声優として参加するか否か意思決定をするだけの事、という所まで計画は進んでいたのである。
先日のジュジュツカイセンめいたセリフの収録は言わばパドックのようなもので、僕に最低限の声優としての能力があるかどうかを見る為の布石だったのだ。
その証拠に台本読みは僕の言い損ないを全く意に介さず進んでいるし、顔を上げてちらと見た声優さん達や妻はもう台本を殆ど見てすらいない。
恐らくアニメは完成していて、アフレコも終わり切っているのだろう。その中に『アグネスデジタルの夫』というブランドを持っただけの素人が入って大丈夫かどうか？
大丈夫であればそこだけ収録して、『僕』役の声優さんの音声と入れ替えて終了。

スケジュール的にそれ以外は考えられなかった。

5
「ではおつかれさまでしたぁ～♪」
「「「「「お疲れさまでした～！！」」」」」

デジタルが深々と頭を下げると、声優さん達も挨拶を返した。僕も遅れてお疲れさまでしたと言った。

「大丈夫でしたか？」

僕の顔を覗き込む妻。悪気など欠片もないと言わんばかりの心配顔。でも僕は知っている、ああ誰より知っている。
ウマ娘を崇拝するウマ娘ファンでありながら、自身もまた尊敬されるに足るウマ娘であるというジレンマ。
そのジレンマを噛み締め、飲み込み、乗り越え、開眼し手に入れた『ウママニア』『トップランナー』『一番星』『強攻策』『くじけぬ精神』『好転一息』と言ったスキルの数々を。

心の中まで心配しようと見つめる色素の薄いその瞳に、僕は恋をしてしまったのだから。

6
「大丈夫。」

頭を撫でると、デジタルは嬉しそうに目を閉じて尻尾を振った。

「でも演技するのって慣れてないから、教えてくれると嬉しいな。」

その言葉にデジタルの尻尾の振りはより強くなった。
僕もまた、強かになったのだ。キミに相応しい伴侶であるために。

「勿論ですっ！っていうかすみませんいきなりこんな状況に巻き込んでっ！でもあなたはデジたんのダンナってだけで価値があるのでぶっちゃけ演技力は無くてもいいって言うか無い方が素人らしくていいというかいやいやすみません貶めるつもりは一切なくですね、あのっ！！経験の無い人をいきなり巻き込むのはやっぱりよくないなと」

うるさい唇は塞ぐに限る。

翌日のSNSは入念に検索したが、その場にいたのは流石に皆プロだけあって、誰もが「とても仲が良かった」と言うに留めてくれていた。

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第1話！ 女性がおそわれている。 3発蹴って暴漢をKOせよ!

1
近未来犯罪都市府中市。警察の業務を請け負う民間企業コウライ社は引退したウマ娘達をサイボーグ化し、町の治安を守るUMAMUSUを産み出した。

「へへへ、いいじゃないですかおねえさん、童貞を捨てさせてくださいぃ。」
「いやぁ、童貞捨てさせてなんて縋り付いてくる情けない男にセックスを許すのはいやああああ！！！」

カプコンめいた悲鳴に機械化ウマ娘達が駆け付けた。その時速は80kmを越え、踏み荒らしたアスファルトが煙となって周囲に劇的な被害を齎している。

「ピンクロボUMAMUSUアグネスデジタル参上！その女性を放しなさい！！」

大体ミホノブルボンの姿をしたアグネスデジタルが仁王立ちするも、有害な煙幕に二人は咳き込むばかり。そして望まぬ交尾❤をせがまれていたヒト娘の

「……わたし男です、あの、一応生物学上は、ですけど。」

の言葉に時は止まった。

2
「話は全て聞かせてもらったよ！！」

BGMと共に舞い降りたるはテイエムオペラオー。
彼女は特別に足裏にジェットエンジンを装着することを許されており、それゆえハリアーの如き垂直離着陸を可能としている。

「女性器を持たぬとは言え、肛門性交は可能！故に貴殿は暴力と恐喝により童貞を捨てる事が可能と判断したっ！」
「あっ、いや、俺はそんなの、知らなくて、」
「知らぬ存ぜぬは～……」

間延びした声がドップラー効果を伴い接近する。

「刑法の知らぬところですぅ～。」

螺旋を描く瞳が乙女の心を守ろうと光り輝いたとき、悪逆な強姦未遂犯は踏み砕かれて爆発四散したのであった。

3
「きゃああああああ！！！」
「……あれ？」

心が壊れるような悲鳴を上げる被害者の姿に、メイショウドトウはただ首を傾げるのみであった。
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「今日も君たちの見事な働きにより、いたいけな女性（心が）の肛門が守られた。感謝する。」
「「「はいっ！」」」

コウライ総司令の言葉にアグネスデジタル、テイエムオペラオー、メイショウドトウが規律正しく敬礼をする。

「被害者については既に記憶改竄の見得をいい感じに10代目幸四郎がやってくれているはずだ。」
「よかったぁ～。」「何よりだね。」「お世話になりますぅ～。」

アキテン三姉妹が胸をなでおろすと、総司令は油断するなとばかりに咳払いした。

4
「今回は1個人の犯行で済んだが、組織的犯罪の気配もある。」

その言葉に、3匹は居住まいを正す。

「サイボーグ化、雑穀とライスの融合、遺伝子操作……。我々の力を上回ろうとする悪意は増すばかりだ。
決して油断するな。そして、手に負えぬと知れたら即座に戻れ。退却は恥ではない。成果を得られぬことこそが恥だと知れ。」
「「「はいっ！！」」」
「では、いよぉ～～～～～１４００００」

人の口から発せられたとは思えぬ芸術的な音響が指令の口から発せられ石投げの見得が切られると、3闘神はそれぞれ投石の如く自身の居室へと飛来していった。

闘いは終わらない。終わって欲しいと願いながら、決してその日が来ないことを知りつつ戦うしかないのだ。

5
司令がモニタのスイッチを押すと、そこには美しい流線形の、しかし人でもウマでもありえない生命体の姿が映っていた。
火炎に包まれる映像の中で、その生命体は熱を意に介さず立ち、独り言ちる。

---
誰が産めと頼んだ
誰が造ってくれと願った
わたしはわたしを産んだ全てを恨む……！
だからこれは、攻撃でも宣戦布告でもなく
わたしを産み出したお前たちへの……逆襲だ……！
---

6
キャスト
アグネスデジタル：アグネスデジタル
テイエムオペラオー：テイエムオペラオー
メイショウドトウ：メイショウドトウ
オナベ：和氣あず未
童貞：ほうでん亭デジトレ（特別出演）
コウライ総司令：松本白鸚
ミュウツー：市村正親

「という訳でねっ！7月中旬からはこのラジオドラマを展開していく予定ですのでっ！どうぞよろしくお願いします！
それではバイデジぃ～～～♪」


--
夏の夢は儚くしかし眩しい

1
「強い～！めちゃめちゃ強い～～！」
テツかおばあはんにしばき倒されたヤクザみたいな声を上げてデジタルがひっくり返っている。
モニターに映っているのは今年の宝塚記念のURA公式配信映像である。

見返すたびに
「どっひゃあ～！」
「めちゃくちゃなんですよ！」
「どうなってるんですかっ！！」
「かっこよすぎでしょ！」
「こんなことが、こんなことが許されていいのか……！」
とバラエティ豊かなリアクションで悶えている。

何が起こったのか。
時間を少し遡り、妻アグネスデジタルが僕と一緒に宝塚記念を見に行った時の話をするとしよう。

2
第10R花のみちSの興奮が収まり、パドックを歩くウマ娘達が客席に手を振ったり、胸に手を当てて深呼吸したりと、それぞれの方法で精神を整えている。

「アナタ、誰が勝つと思います？！」
「わからないよ、強いて言えばエフフォーリアが勝つと嬉しいけどね。」

エフフォーリアは前走の約3か月前の大阪杯で9位に甘んじており、大きく調子を崩しているように見えた。復活を祈る客が多いのかこの11R宝塚記念では1番人気だ。

「そうですねえ、復活してくれると嬉しいですっ！でも……。」
「うん……。」

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
大阪杯の敗北はピーク越えの兆候と見る事も出来る。
実際に宝塚記念を走った経験がある妻も走らせた僕も、甘い期待はあまり抱いていなかった。抱いていたのはただの願望である。

「おっとしんみりしてはいけません！これは華のG1なのですからっ！」

3
ペットボトルの水を飲む妻。雲が多めで最高気温は30度を超える真夏日、湿度も高くアスリートには厳しい天候だ。
続々にゲートに入る各バにも汗が滲んでいる。タフなレースになりそうだ。二人して双眼鏡を手にゲートを見る。
特にトラブルもなく、ゲートインが完了するとすぐにスタートした。直後客席の横山トレーナーの合図を見て、頷いたタイトルホルダーが飛び出した。

「えっ」
「もう！？」

妻と同時に声を漏らした。横山氏にもタイトルホルダー自身にも迷いは見えない。初めから先行策で行くと決めていたようだ。
タイトルホルダーの前走は前月春の天皇賞3200mを1着。その実績を考えればスタミナで擂り潰すのは確かに理には適っている。
しかしこれはG1レース、先ほどのエフフォーリアを始め、居並ぶのはデアリングタクト、ディープボンド、ヒシイグアス、パンサラッサ等々押しも押されもせぬ名バばかり。
その中で様子見もせずスタミナ勝負をしかけるのは余程の覚悟と自信が無ければ無理だ。
当然負けじと食いついたのはヒシイグアスとパンサラッサ。
パンサラッサはタイトルホルダーの前に出て逃げを選択、ヒシイグアスはタイトルホルダーの後ろに付く。

4
第一コーナーを最初に通過したのはパンサラッサ。その後に3バ身ほど離されてタイトルホルダー、その更に2バ身離れ内側にアフリカンゴールド、外側にディープボンド。
ウインマリリンが更にその2、3バ身ほど後ろを走る。1000m通過タイムは57.6、相当なハイペース。

「……。」

横のデジタルに目線を向けると、妻は流れる汗も意に介さずじっとレースを見ていた。
タイトルホルダーの逃げの強さは既に先のレースで実証済み。好きに走られたらそのままレースが終わる。
今は先頭をパンサラッサが引っ張って居るが、その展開に持ち込んだのはタイトルホルダーとトレーナーの策略。妻もそう見ていたようだ。

「……いや、いやいやいやいやいやいやそんなっ！」

妻が声を上げたのはパンサラッサが最終コーナーに差し掛かった時。タイトルホルダーが仕掛けたのだ。

5
「噓でしょ嘘でしょ嘘でしょ！マジ！？マジ！？マジですかぁっ！？！？」

策略を理解したとは言え、目の前の情景はとても納得できたものではない。
先行策でハイペース展開に持ち込んだ張本人が、1位のウマ娘を最後の直線で引き千切っていく。
逃げていたパンサラッサは後続のスパートに吞まれバ群に埋まる。
差しウマも脚を使うが時既に遅し。後続をぐんぐんと引き離して、タイトルホルダーが1着でゴールした。
タイムは2:09.7。宝塚記念のレコード更新である。

「はぁああああ～～～～……。」

湧き上がる歓声の中、妻は膝から崩れ落ちた。

「だ、大丈夫かい！？」
「す、す、す、凄い物を見ました……。」
「奇遇だね、僕も見た。」

6
最初からずっと上位に付き続けて最後に前に居るライバルを抜けば1着が取れる。

言うのは簡単だが実現するのは至難の業だ。それが困難だからこそ、ウマ娘は脚を貯めたりブロックしたりと、自身の能力を最大限に生かしつつ想定ライバルの長所を抑え込むために戦略を練るのだから。
いや、先述の通りタイトルホルダーには明確な戦略があり、そしてそれを完璧に遂行した。
ハイペース展開でスタミナ勝負に持ち込み、他のウマ娘のスタミナを擂り潰しつつ、得意の逃げで勝つ。正に策通りの展開で勝ち切った。

「ステイヤーが2200でスタミナを使い切ったらこうなるっ！ていうお手本みたいなレースでしたからね。」

という妻の感想に、僕は完全に同意する。
3200mを勝てるスタミナがあるのなら2200mもスタミナで勝負する。中距離レースを選んで出走するウマ娘よりスタミナに優れるのだから、擂り潰しに行くのは大正解、王道と言っていい。
何も不思議な事はしていないのだ。実現できてしまう実力と自負がある、という1点を除いて。

7
「アーネストリーちゃんを思い出しました。」

アーネストリーとは2011年度の宝塚記念で勝利したウマ娘である。
今回のタイトルホルダーと同じく、上位につけたままレースを進め、最後の直線で先頭に躍り出て1位を搔っ攫った。レコードを更新した点でもタイトルホルダーと共通する。
ちなみにそのタイムは2:10.1。

一方今回の宝塚記念では1着タイトルホルダーは勿論、
2着 ヒシイグアス 2:10.0
3着 デアリングタクト 2:10.3
4着 ディープボンド 2:10.3
と、誰もがレコードに迫る激走であった。そんな傑物たちを相手に「作戦通りに勝ち切った」タイトルホルダーの実力はずば抜けている。

「いや、本当に凄いレースだったよ。」
「ですよねぇ～～～！！！」

8
輝く妻の瞳に、現役時代の『ウママニア』っぷりを思い出して少し笑ってしまった。
そう、アグネスデジタルは自分が勝つよりもウマ娘という存在が輝くことの方が大好きな、稀有な存在なのである。

「あたしもスタミナがあればなぁ～！」

キラキラした目でタイトルホルダーを見つめる妻の横顔に「ステイヤーになりたい」と彼女が零したことを思い出す。

――マックイーンさんやライスシャワーさんも言ってました、「自分は長距離も走り切ることが出来るというだけで、短距離だろうと中距離だろうと負けるつもりはない」って。

ステイヤーとそれ以外のウマ娘ではスタミナの意味が異なる。
ステイヤーにとってのスタミナとは勝つための力であるが、マイラー、スプリンターにとってスタミナとは「出走できるレースに対する制限」である。
思えばメイショウドトウやテイエムオペラオーもステイヤーの素質を持っていた。
秋の天皇賞でこの二人に勝てたのは、距離適性が非常に大きい。……そして、この二人を始めとしたステイヤーウマ娘には距離適性という概念自体が存在しない。
どんな距離でも走り切ることが出来るなら、勝負を決めるのは最高速度だけだからだ。

9
デジタルが時代を代表する強敵二人を倒せたのは、末脚一点で勝負したからだ。
中距離レースのラストスパート。
ステイヤー相手にデジタルが勝ちうるのはその数十秒だけ。そのゴールデンタイムに全霊を注いで、何とか一矢を報いた。

だが、今回のレースを見てそれが奇蹟に近い事だったのだと改めて思い知った。
勿論デジタルは類稀なウマ娘ではあるが、2000mを越えたレースの戦績については言い訳ができない。
あの時、ほんの僅かでもスタミナを奪われる要素があったなら…… 想像するだけで怖気が走る。実際デジタルは重馬場でスタミナ切れを起こした前例もある。
スタミナで勝てない相手に勝負を仕掛けるのは、博打だ。どれほどの策を巡らせても結局は一点突破しかありえないのだから。

「……何ですかぁ？」

デジタルが不満そうに声を漏らした。

10
「え、何が？」
「何がじゃありませんよ、そんなふうに見つめられたら気になるじゃありませんか。」

無意識だった。無意識のうちに僕は彼女の見ながらステイヤーの恐ろしさと彼女の過不足ない実力の在りように思いを馳せていた。

「もしかしてオペラオーさんとドトウさんとのレースを思い出してたんですかぁ？」
「正解……何で分かるの？」
「ステイヤーとデジたんとの関わりでアナタが気にする事ってそれぐらいしかありませんものぉ。」

そりゃそうだ。

「あのですねえ、これは宝塚記念で、デジたんとアナタは観客で！アキテンとは何のカンケーも無いんですっ！ですから！見事に勝ち切ったタイトルホルダーちゃんと掲示板に残ったウマ娘ちゃん達のアフターライブ以外に考える事なんてないんですよっ！」

そういうと妻は僕の手を引いてずんずんとライブ会場まで歩いて行った。スマホのカシャカシャ言う撮影音やデジたんだデジトレだという声の一切を振り切って。
何時だって妻は正しい。ウマ娘を真正面から見つめ続けているから。サブとは言えトレーナーたる自分も、そうあらねば。

--
アナタだけ見つめてる

1
前走の名古屋でGIIIを勝ったアグネスデジタルはしかし、その一か月後のGIで14着に沈んだ。
勝ったのは先の名古屋で2着に下したマイネルコンバットだったが、雪辱と言うには余りにも情けないライバルの姿に、勝利者インタビューには彼女の名前を一切出さなかった。

次行こうか。

僕はそう言って、項垂れる彼女の肩を支えて退場した。

その日は久しぶりにタバコを吸った。
入念に消臭したつもりだが、翌日合った彼女のほんの少しの鼻の動きで悟られたことを悟った。

2
気を取り直したのか、9月末のGIIIは一着、10月末のGIIIは二着。
今度こそ勢いづいたと挑戦した11月GIマイルチャンピオンシップでは、最後の直線で何もかもを薙ぎ払って勝利した。
噛み合えば強いと知ってはいたが、ここまでとは。
多分僕は、ここで本格的に彼女に恋をしたのだと思う。

「やりましたよトレーナーさんっ！」

汗まみれ芝まみれの彼女を抱きとめ頭を撫でる。強く可憐な彼女を独り占めしたい、が、程なくライヴの時間だ。
よくやった、凄いスパートだったと褒めてシャワー室へと送り出す。

「……凄いよ。」

誰にも聞こえないように、呟いた。

3
その後は凸凹ありつつも、芝もダートも走れるマイラーとして偉大にして奇特なGI六冠馬として名を馳せる中、僕は彼女を温泉に誘った。
四度も通ったよく知った宿。彼女も覚悟を決めてくれていたはずだ、と勝手な期待をしていた。

「なっ、何を言っているのかっ、わかっているのですかっ！？」

意外な驚愕に怯むことなく、息を吸って繰り返した。

「結婚を前提に、付き合って欲しい。」

何やらワタワタと言い訳をしたが捻じ伏せた。

「……時間をください……。」

その場におけるデジタルの最終的な回答は、それだった。

4
先手のアドバンテージというのは侮れないものだ。
こうなってしまった以上、デジタルは答えを出さざるを得ない。僕と別れるか、一生を共にするか、それとももっと別の解決策を思いつくか。
僕はそれを待つだけでいい。
学生にプロポーズをした以上、断られる事だって当然想定内だ。ダメージは計り知れないが、不意打ちよりはずっといい。
ちょっと卑怯が過ぎたかと気が引けもしたが、今の彼女はファンを多く持つ名マイラー。惚れた以上半歩でもハナ差でも早く踏み出すのは当然の仕儀。

いつの間にかタバコを吸わなくなった。
女友達とも縁を切った。
派手な服も捨てて、料理もするようになった。彼女との生活を夢見て。笑ってくれていい。ヤバいハイテンション。
でもこれが、恋なんだ。

5
「走り切るまで、一緒に住んであげてもいいですぅ……。」

顔を真っ赤にして、俯きながらの返事。温泉で告白した日から数週間は経ったと思う。それだけの選択と重圧を迫ったのだ。何故かそれすら誇らしい。モラハラ気質の端緒かもしれない。

「嬉しいよ。」

飛び上がりそうな気持をこらえて、精一杯抑制した声で何とか返せたのはこれだけだった。

程なくして彼女は（僕には都合よく（！））調子を崩し、自ら引退を口にした。
ああ、愛する人の凋落を喜ぶなんておかしいだろう、でもそれが正直な気持ちなのだ。こんな不安定な愛が長く続くのか？

「トレーナーになる方法、教えてくださいっ！！」

許嫁の言葉がこれほど僕を勇気づけるなんて初めて知った。

6
夫としては失格もいい所だ、彼女の凋落を悦び、同じ道を歩くという妥協を喜ぶなど。
それでもこれは、僕が得るべき報酬であり罰なのだ。
僕は彼女にありったけを教える。
今の彼女は大学生ウマ娘。引退を表明した会見では、僕を待たせたくないとまで語ってくれた。

主夫としての家事、テレワークのみの仕事で減った収入。それが何の重荷になるだろう、愛するウマ娘と一緒になる幸せに比べたら。
このウマ娘に一生ついて行こうと決めた。その為なら愛するデジタル自身をさえ騙していいと思ったのだ。

キミだけを見つめてる。苦手だったキミの両親、今ではお茶してる。

キミだけを見つめてる。一人で待つ二人だけの部屋。
キミの微笑みを縛るのは僕の薔薇色の鎖。

精一杯の家事と仕事で迎えるから、どうか笑って。それが僕の罪悪感を消してくれる。
もう、タバコを吸う事もないだろう。

--
「2022-07-10のバーチャルぱかチューバーアグネスデジタルの配信より」

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
夏っ！ホンバンっ！！
本番と言ってもエロい意味です。
皆さんいかがお過ごしですか？？？

「エロい意味？！」「エロい意味じゃねえか！！」

今月行われる重賞は全てGIIIですね。
先日は福島競バ場のラジオNIKKEI賞見に行きました。

フェーングロッテンちゃんおめでとうございますっ！素晴らしい粘り勝ちでしたっ！！
アフターライブも歌声がとてもよかったですぅ……♪

2
前走は大逃げ、今回は差しと、勝ち方にバリエーションがあるのは色々と期待させてくれますよねっ！
重賞初勝利、改めておめでとうございまーす！

「テイエム系が出るからCBC賞見に行くかと思った」

流石に九州は日帰りするにはキツいんでぇ～、えへへ♪ごめんなさい。
今年は去年と同じく小倉競バ場ということでパスしました。
でも動画ではちゃんと見ましたよぉっ！
ぶっちぎりのレコード勝ちっ！テイエムスパーダちゃんおめでとうございますっ！！嬉しくなっちゃいますよねああいうの見るとねっ！！！

勝ち方に貴賤はありませんが、それぞれ感動のポイントはやっぱり違って来ます。
ギリギリで競り合って勝つのよくやったーーーーーーーっ！！！！！ってなりますし
ぶっちぎって力の差を見せつける勝ち方も、うひょおおおお～～～！ってなりますっ！
いやー競バって本当にいいもんですね。

3
「締めに入ろうとしてる？」

ダイジョブダイジョブまだ話題はありますよ？
夏休みに予約投稿でお茶濁すって言ったじゃないですか？あれのレコーディング今やってますっ！

「今からで間に合うの？」

間に合わせるしかないんですよ。何しろ旅行するって決まったのがほんの一か月前でさ、だから折角なら温めてた企画をここで出そうぜ、ってなって！
実はレコーディング自体は大体終わってるというか、デジたんとシークレットゲストの録音と、あとは編集だけなんですよ。

「シークレットゲストって何？」「オペラオー？」「オペドトウ？」「クリスエス？」

シークレットだって言ってるでしょっ！言う訳ないじゃないですかっ！！
兎に角準備にちょっと忙しい感じなので、配信のペースもちょっと落ちますごめんね。

4
「マジかよデジたんにスパチャするのが生き甲斐なのに」

もっと別の生き甲斐を見つけましょう、嬉しいですけどっ！嬉しいけどっ！！愛される方にも都合ってもんがあってさっ！！

「ディアマンティーナを解体するな」

あはははは通じたっ！いやでもディアマンティーナの依存ぶりはもうぶっ壊す以外にどうしようもないでしょうあれは……。
残虐ではあるんですけどねえ、自分に惚れさせることで従属させたはずなのに、自分からは愛さない事で限界を迎えた、って言うのは……。
でも愛に報いがない、っていうのは割りと普遍的なテーマではありますし、普遍的ってことは、解決方法が見つかってない、って事でもあります。
ディアマンティーナがまた強いのがねぇ……。最古の四人で同じ位置を占めていたと思われるコロンビーヌを倒せるぐらいに強くて、その上で報われないってのが。

「何の配信なのこれ」

うるせえ好きにしゃべらせろよあてどもなくよぉ。

5
何の話だったかな、そうそう、夏休みの間の予約投稿っ！
ラジオドラマを展開する予定でした。前回のパイロット版はあまり評判が良くなかった、という事を踏まえた上で、シナリオ全面書き直しですご期待くださいっ！

「ドラマよりデジたんの喋りが聞きたい」

あり、ありがとうございます……っ！！いや本当に有難い事ですっ！！！今ちょっと泣いてる。
ぐすっ……ただ旅行中は物理的に配信不可能な状況になっちゃうので、そこは、そこはご理解いただければっ！！

「デジたん泣かすな」

喧嘩しなーい喧嘩しなーい！嬉し涙だから！随喜の涙だからっ！

「ずいき？」

ググってっ！

6
そんな訳でお時間じゃないですかっ！
えっとぉ、パイロット版のラジオドラマでは
「近未来犯罪都市府中市。警察の業務を請け負う民間企業コウライ社は引退したウマ娘達をサイボーグ化し、町の治安を守るUMAMUSUを産み出した。」
っていう冒頭から始まって色々滅茶苦茶してたんですけど、だいぶ路線変更するつもりですっ！
でも流石に松本白鸚様や市村正親様といった重鎮のボイスを無駄には出来ないので、それを更にカオスにまぜこぜにして皆さんの脳味噌を破壊しようと思っているんですよっ！

「リスナーの脳を破壊しようとするな」

これから15:00からはツインターボチャンネルで、「BLOOD初見挑戦一番難しいExtra Crispyだもんっ！！」が配信予定ですっ。「Show Yourself！」って英語はデジたんこれで初めてしりましたっ！
まあ絶対脳壊されると思うんで乞うご期待ですうふふ♪

「悪魔かお前は」

やだなあ悪魔なんてゲームの中にしかいませんよう。悪魔に挑めと提案したのが誰かは知りませんけどね？それじゃあバイデジ～～♪

参考：
ラジオNIKKEI賞2022 https://www.youtube.com/watch?v=txcCO9ZtgYQ
CBC賞2022 https://www.youtube.com/watch?v=qi5NMaGGzDg


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トランキライザー

1
必要なのは興奮剤だったが、医者が処方したのは鎮静剤だった。
不調の原因は取り除かなければならない。マッサージ店を尋ね、栄養ドリンクを飲み、病院にも行った。
誰もが「休め」と言った。そうじゃない。望むものはそれじゃない。

薬とビールのカクテルを呑むと何も怖くなくなった。
そう、これだよ、これが欲しかったんだ。スタイラスペンが走る。ネームがどんどんと進む。
これは省略しすぎて伝わらないかも？知った事か、それは感想を聞いてから判断すればいい。読んでもらわなきゃ良し悪しなんてわからない。面白いかつまらないか決めるのはあたしじゃないんだから。
兎に角お見せして、お出しして、反省して改良して。サイクルを回さなきゃ先に進まないんだ。
行くぞ行くぞ、鎮静剤よ我が理性までも鎮静させてくれてありがとう！！！
イラストSNSに描き切ったものを投稿して、朦朧とした意識のままベッドに飛び込んだ。

「……何これ。」

ログインして見る自分の作品は、殆ど記憶に残っていなかった。
お酒は控えめにしましょう。アグネスデジタルでした。

--
全部夏のせいですよっ！

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
いやーラジオドラマいかがだったでしょうかっ！？
あたしはサークル仲間との旅行も終えまして色々と準備がばっちりですようふふ沢山語らせていただきますね♪

まず長らくお待たせしてすみませんでしたっ！
物理的に配信できる環境にはいなかったので致し方無いのですがっ、それでも楽しみにされていた方々に置かれましては申し訳なくおもっておりますっ！
ライヴって特有の楽しさありますしねわかりますわかりますっ！

2
「ドラマめちゃくちゃだった」

あっはっはっは！
あれはねぇ、パカライブの方々に色々協力いただいて、且つ松本白鸚さんや市村正親さんという大御所からいただいたボイスも生かさなきゃ、だったので、結果的に滅茶苦茶になってしまったのは、はい、すみませんっ！
でも滅茶苦茶なりに勢いで楽しめる構成にはしたつもりですっ！
あのゴールドシップさんに金色の箱舟の役をやってもらって、狂言回しに徹していただきつつも色々とツッコミに徹していていただき、
その上でフクキタルさんオペラオーさんやドトウさんやクリスエスちゃんに宇宙船ディープインパクト号のクルーをやってもらう、というのは、それなりに自身の有る脚本だったのですよ？

楽しんでいただけた方はありがとうございます、使えなかった方はごめんなさいっ！

3
むっ、うっ……！ぐえーぷ。

「げっぷ助かる。」

すみません今飲んでいるのはレッドホース https://www.nipponbeer.jp/lineup/red-horse/ ですえへへ。
あ、旅行の話をしなくちゃあ。
大学のサークルでこの夏に旅行に繰り出そうぜという話になりまして。
夫と共にまんまと小さな島へ海水浴と花火とMTGのドラフト戦を目当てに行っちゃいましたよ。

やっぱり海はいいですねえ、小さな島とは言え同じことを考える人は沢山いるもので、ビーチはむはむはで萌え萌えのウマ娘ちゃんだらけ♪
写メ撮りまくってたらウマ娘ちゃんにデジたんだーデジたんじゃんーと囲まれてわっしょいわっしょい、意識が飛んで気が付いたら宿でした。
いやーウマ娘ちゃん達はねー。自分たちが可愛くて綺麗で、ついでにいま水着着てるんだってことをわすれちゃうからよくないっ！

4
「ブーメランやんけ」

はいっ！
こんな変態ウマ娘を好んでくれるウマ娘ちゃんがいるっ！その事を十分に知っていたつもりでしたのに、実際に夏の熱気とわっしょいわっしょいの熱意に包まれるといやあどうにもなりませんわ。
はぁ～～～～～ウマ娘ちゃんがあたしを担いで、讃えて、愛でてくれているぅ～～～！！！！！
こんな承認欲求の満たされはそうはない訳ですよっ！デジたんだって気絶の一つや二つはしますさそりゃあっ！

宿に戻って火照った体を覚ましたら花火タイムですねえ。
バ蹄型花火。知ってます皆さん？半円形の花火。そこにロケット花火の柄をぶすぶすとさして先輩部員が着火。
わひゃひゃひゃひゃひゃひゃ！
花のように放散する花火の火花に着火してロケット花火がビュンビュン飛ぶっ！全然まっすぐ上とかに飛ばないんですよ真横に飛んだりする飛んだ当たった痛いっ！！

5
てなわけで夏の海を好きなだけ炭素で汚し回った後はピローのトークですよセッのクスはしてないのにっ！

「デジたんいつも夜は何をしてるの」
「トレーナーさん一番厳しかったレースは」
「デジたんの一番自慢できるレース教えて欲しい」
「結婚の切欠は？」

ハラスメント！ハラスメントですよっ！でもデジたんちょいMなんで少し気持ちよかったです！
旦那はこういうの慣れてないせいか、応答に困って度々もごもごしてましたっ！
沈黙は金ですが単なる喋りベタは鉛にも劣りますよ！！
と言ったところでどうにもなりませんわ。

6
若いと自覚している人に言っておきます。
友人は大事にしましょうマジで！
環境が変わればあっさりと接点は無くなりますっ！
そして今接点がある友人も大事にしましょうっ！具体的には年賀状とか時節の挨拶とかちゃんと物理的に残しましょうっ！
それが最後の連絡先になることも、あるんでね……。

えっへへしんみりしちゃいましたあぁげっふぅ。

夏はまだ始まったばかり！
しかし終わりは思ったより早く訪れますっ！！
「暑くて辛かった」だけじゃもったいないのでっ！思い出を残しませんかっ！
この後はマルゼンスキーさんのチャンネルで70～90年代ヒット曲一挙放送をやるそうですよっ！夜更かしする価値はあると思いますっ！それでは、バイデジ～♪


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運命複雑骨折

1
「……。」

アグネスデジタル先生は悩んでいた。
早割で原稿を叩き込めてしまうと、それから開会までの時間に熱が冷めきらない。
勢いでもう一冊描いてしまいたくなるのだが……。

「何故、何故あたしのデータベースは応えてくれないのですか……。」

ネームの一枚も切れないまま、モニタの前で頭を抱えていた。

2
新刊一冊は既に試し刷りからの微調整も終わり早割入稿済み。
だからそれ一冊と既刊本のセットでお出しして全く問題ない。

だが、描きたい事が無くても描くべき事が何もなくても、描かないと気が狂いそうになることがある。
この胸にあるのは描き上げて尚止まないただの燻ぶりの火。
けれど燻ぶりがある以上、薪をくべたくなるのがクリエイターというものだ。

ネタがないなんて甘えだ。ウマ娘ちゃんは誰もが美しい。このアグネスデジタルさえも。
描ける題材は幾らもあるだろう。愛なんてこの魂に収まりきらないほどあるはずだ。
それなのに、「しっくりこない」。
カップリングのストーリー、単なる一枚イラスト、あれやこれやとアイディアが浮かんでは消える。それら全てが尊い物なのに、描きたくならない。
描かなきゃ気が狂いそうなのに、この脳は贅沢にも選り好みをしている。

3
ノックの音に返事をすると、夫が冷えた水と暖かいハーブティーを両手に持って入って来た。

「どっちにする？」
「ありがとうございます。両方で。」

頷いた夫がテーブルの空きに汗をかいたコップと湯気を立てるマグカップを置いた。

「……手伝えること、ある？」
「……もう少し自分で粘ってみます。」
「そう、頑張って。」

言い置いて夫は出て行った。
熱いハーブティーを啜りクーラーに冷えた体を落ち着かせると、氷水を飲み込んでリラックスを一挙に吹き飛ばした。

するべきことを終えても、まだやりたい事がある。けれどそれが何だかわからない……。

4
「するべきことを終えても、まだやりたい事がある。けれどそれが何だかわからない……。」

口にする。ふと頭によぎったイメージ。イメージと呼べるほど具体的ですらない幻。それが自分の心の底で渦巻いていた不安を引きずり出した。

「……引退、納得、将来、空白……。」

抽象的なイメージを口にしながら、デジタルの手がスタイラスペンを走らせ始めた。
音声通話でアシスタントグループチャットに話しかける。

「聞かせて欲しいこと、あります。」

5
夏の祭典。
アグネスデジタルのサークルのブースには、既刊二種類に新刊二種類が並んでいた。
新刊の一方はいつも通り、萌えを全面に押し出したもの。
もう一つはしっとりとした雰囲気の表紙。

「これ、読んでみてもいいですか？」
「どうぞどうぞ！」

いつもの彼女の作風と異なる新刊は彼女のファンの興味を引き、手に取ったヒトの半数は買い上げて言ってくれた。

それは自伝的作品だった。
競争バとして走り切り、専属トレーナーとも良好な関係を築き、人生のゴールを迎えた一人のウマ娘。
けれど生涯を終えるには余りにも若い。
ターフを走るにはもう力がない。後輩の育成は狭き門。
自分に残されたものは何か。残されたもので満足していいのか。

6
やがてそのウマ娘は、「まだ走りたいんだ」と気づく。ウマソウルの疼き。ウマとして生まれたなら当たり前の事。けれど今から地方競バに殴り込みをかけるのか？
それも一つの答えだが、中央で敵わないからと地方を荒らしに行くのはプライドが許さない。そもそもそれは地方のウマを侮ったとても失礼な考えだ。
走らなきゃ生きていけない。けれどゲートから自分で背を向けたのだ。ならばどうすれば？あの選択は間違いだったのか体が滅びるまで走り続けるのが正解だったのか？

「どんな選択をしても、きっと後悔する。」

悲しく優しく笑う夫の顔。それを慈悲というのだろう。
彼女は結局、地方を荒らすことを選んだ。ウマソウルが灰になるまで走りたい、ほかのウマ娘の将来を踏み躙って構わないと。
彼女が更なる栄光を手にしたかどうかは描かれていない。その代わり長い後書きに作者の思いがしたためられていた。

「後悔ってのは選択に対する税金みたいなものだから、というのは実は別の漫画の引き写しです。でもそれって凄く大事な事だと思ったので。」

賛否は別れたが、完売という結果だけは嘘を吐かなかった。少なくともデジタルはそう信じることにした。

補足：「後悔やら失望やらは全ての行動に課される税金みたいなもんだからさ」とは、うめざわ しゅん 著「えれほん」収録の「もう人間」より引き写したものです。

--
One Vision

1
「ダーク・アグネスデジタルは本質的には家事と仕事を担う夫を労う心を持っているが、自分の意思ではくたびれた夫の汗ばんだうなじの匂いを嗅ぎたい心も大人しく休ませてあげたい心もコントロールできない…。」
「……うなじを嗅ぎながら休ませてくれればいいのでは？」
「アタックビーム！」

鞄を放り出したデジタルはキッチンで夕餉をこさえる夫の背に抱き着き息を荒げつつも片手でコンロのガスを器用に全て消し、夫を引きずって寝室へと入っていった。

2
「……フケてる？」
「半フケですっ！」
「半とかあるんだ……。」

ベッドにうつ伏せに寝かされ、その上に更にうつ伏せに乗りかかられた夫は、デジタルの深呼吸音を首から聞いている。

「嫌な事とかあった？」
「別にっ！ありませんっ！」

興奮しているのか強がっているのか判断が難しい。
デジタルの大学入学後の学生結婚。年数的にはまだまだ新婚ゆえ、ツーカーの中とは言い難い。
少なくともお互いがお互いを愛していることだけは、互いに信じていると信じ合っている、と信じているのだけど。

「……パパみたいな匂い♪」
「ふくざつ。」

3
10分近くのしかかられたところで、夫が切り出す。

「おなか減ってないの？」
「減ってます！」
「じゃあ降りてくれないかな？」
「もう少しだけ……。」

そう言って一層深く呼吸するデジタル。

「やっぱり今日何かあったろ？」
「多分っ！」
「多分？！」
「今日はアナタの匂い嗅ぎたくなったのですっ！」

4
ウマ娘の愛情表現は人間より少し野生動物に近い、と聞いたことがある。
それに付き合う内に、相手もまた野生的な愛し方をするようになっていく、と。
夫は不意に寝返りを打ち、デジタルに正面を向けた。

「！！！」

向かい合ってぎゅっとハグをすると、驚きに固まったデジタルの体が見る見るうちにほぐれていく。

「キミの事、今日はよくわからないよ。」

でも。

「僕がどうしたいかはわかったから。」

デジタルの顔が分かりやすく紅潮した。

5
「ご飯食べたら、イチャイチャしよっか。」
「イチャイチャ！いやいや、今日はアナタお疲れの筈ですし、マッサージでも何でも労って差し上げますっ！」
「それは楽しみだけどっ。」

細い妻の体を持ち上げ、広いベッドの横に置く。

「まずはご飯を食べよう。食べながらどうするか話そうよ。キミだって課題あるんだろ？」
「あはは、はい、実は今日の課題キツくて、現実逃避をしたくてですねえ……。」
「じゃあ今日貰ったウマ娘のトレーニング動画一緒に見る？」
「見ます見ます見まいでか！！」

クスりと笑い、夫は起きてキッチンに戻る。

6
「それでですねえ、サークル室がもう盛り上がって……」
「今日映像貰ったウマ娘で伸び盛りな子がいてさ……」
「先日のGIIIを振り返りで動画見たんですけど……」
「やっぱり成長が感じられるのっていいよね……」

今日のメニューはサーモンとナッツたっぷりのパワーサラダにシンプルながらスパイシーなカレーライス。
汗をかきかきおしゃべりしながら笑顔の食卓。互いに口を拭き合いしょうがないなと笑い合う。
溢れる力を感じ合う。戦うためじゃなく、分かり合うために一つになったんだと分かる。
互いがどうしようもなく違うと思い知るけれど、その度に重ねてきた時間の粒が二人の扉を開いていく。

「御馳走様でーす！」
「お粗末様でした。」

7
戦うためじゃなくても。
愛し合うためですらなくても。
互いに見つめ合っていなくても。
全然違う自分たちは、二人で一つになって未来を選べるとわかってしまう。

「今日はどんなマッサージがいいですかぁ？ア・ナ・タ♪」
「キミこそ、まだまだ話し足りないって感じだよ？」

食器を片付けながら全く嚙み合わない会話に、二人して笑う。

「あ、そう言えば半フケでしたっ！」
「思い出さなくていいのに。」

笑う夫に妻は頬を膨らませ。それなのに一心同体を感じてしまう。ただの新婚気分でもいい。今だけは二人で一つのビジョンを確かに見ているのだから。

--
スメル女

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
昨日旦那のうなじ嗅いだ。

「何言ってんの？？」
「何で？」
「臭かった？」

パパよりもマイルドな匂いだったね。

「何を聞かされてるんだ俺達は」

あははは、昨日はちょっとフケてたんですよね。

2
「ちょっとフケるとかあるの？」

デジ民（たみ）のみんなは無い？
こう、セルフプレジャーするほどではないけど、ちょっとえっちなことしたい気持ちとか。
乳首の一つも出さねえグラビアでも見たい時あるじゃん。

「おっさん」
「おっさんだ」
「出たデジおっさん」

デジおっさんんんんっはっはっはっは！
おっさんじゃありませんよっ！ちょっと甘えたかったんです昨日はっ！

3
「全部差し引いても冒頭からノロケ聞かされてるんだよなあ」

そうだね。
まあ7月も終わりまして、今月は重賞レースも少ないし、偶には家庭のお話もしようかとおもいましてぇ。

「喧嘩しろ」
「別れろ」
「結婚して」

だはははははは！！！あのねえ、あたしの配信ダンナも見てるんですからね時々っ！

「ダンナデジたんと喧嘩しろ」
「ダンナデジたんと別れろ」
「デジたんダンナと離婚してから俺と結婚して」

4
怖いー！あっははははは！
怖いって言うか怖いもの知らず過ぎでしょキミたちぃ！

匂いの話続けてもいい？昨日は旦那に甘えたかったから旦那吸ったんですけど、ウマ娘ちゃんの匂いがやっぱりあたし一番好き。
重賞走った後のライブの控室でさ、バックダンサーは更衣室がひとまとめにされる訳。
そん時のウマ娘の獣臭……。夢枕獏センセーに書かせたら多分それだけで1ページぐらい使う奴。
みんなデオドラントとか使ってるんですけどやっぱり全力で走った後だし何なら掲示板にも載らなかった悔しさもあるしさ、こう、只事じゃない訳ですよ、熱気と湿度が。
切り替えていこう！って子も居ればちょっと泣きながらメイクしてる子もいる訳。デジたんも急がないといけないんだけど、こんなウマ娘ちゃんの剥き出しの姿を見られる機会なんてないから、つい見とれちゃうわけ。
そんで時々「デジ早くしなよ」って言われたりするの。

5
「厄介ヲタ…」

うん。マジでそうだったと思う。だってそこに居るって事は自分も負けてるんですよ、ボロボロに。そんで悔しがってる子達に混じって萌え萌えしてるんだもんね。失礼なんてもんじゃないですよ。あの頃は本当にすみませんでした。
でもわかっててもさっ！ウマ娘ちゃんの汗と涙と、そしてその挫折を乗り越えようとする姿、おまけに匂いまでしたらもうデジたんにとってそこはもう……んん～～～～っ！！！！

「デジたんもしかしてそれを味わうためにボロ負けしたりしたことある？」

それは誓ってないです。まあ引退レースになった有マ記念だけは、勝てないだろうな、という気持ちではありましたけど、それ以外で勝ちにいかないレースは無かった。
なのでボロ負けは素直にただのボロ負けです、あはははは！バ券買ってくれた人ごめんなさいっ！！

「なんだかんだ言ってデジたんはウマ娘泣かせた側だしね」

はい、と言っていいんでしょうかね？言うべきなんでしょうね、GI取ったからには、強いウマ娘として胸を張らないといけないんだと思います。

6
こうやって引退して、素直に愛でることが出来る立場になっても、あの時負かしたウマ娘ちゃんについてだけは「あたしが強かったのだ」というのが義務だと勝手に思っています。まああの頃一緒に走った同期はスーパーカー様以外皆引退してますけど。
……おっとしんみりの気配？いけないいけないっ！

という訳で少しフェティッシュなお話でしたっ！この後少し時間をおいてスパチャ読みしていきますんで、よろしければ匂いに限らず、拘りを語ってもらえると助かりますっ！

「ぴょいした？」

もーデジ民はもー。まあ、久しぶりに二人でスキンシップして、ツヤツヤに満たされたとだけ言っておきます！その時だけじゃなくて、今まで重ねてきた時間の粒を感じて幸せになりましたよーだ！

「MATRIX EVOLUTIONしたんだ…」
「光を放つ身体が溶け合ったんだ…」
「ゼロへと変わる心が溶け合ったんだ…」
「ふたり出逢えた意味わかったんだ…」

はいはい！もうおしまいでーす！スパチャ読みは30分後ぐらいね！ではそれまで～？バイデジ～♪

--
嗅ぎたいの

1
「カメラオフになってるけど」
「キャプチャソフトが調子悪くて、再インストールしてるんです。」

そうか、わかったという声をインカムで聞くテレワークサブトレーナーは対面座位で胸の間の汗を妻に嗅がれている。

「……デジタル。」
「んふー……。」

妻は抗議の声を聴く気もなく、夫の腕を持ち上げて脇を嗅いだり、シャツを捲り上げて腹を嗅いだり、ズボンの膝を嗅いだりしている。

「今仕事中なんだけど。」

同僚にこんな愛撫を見せる訳にもいかないので映像はオフにしているが、それはそれとして仕事が進まない。

2
夫の抗議の声も意に介さず、脛を嗅ぎ、足先を嗅ぎ、そして仰け反る。

「流石に、足は誰も臭いんですねえぇ……。」
「わかったら離れておくれよ、今仕事中なのはわかるよね？」

構わず股間に顔を埋める妻は全くわかっていないようだ。
短パンをアンダーパンツ事ずらして男の芯に鼻を突っ込もうとしたデジタルの顎に膝蹴りを食らわすと、改めてキーボードを指で叩く。

「蹴らなくてもいいじゃないですかぁっ！」
「今仕事中っ！！」
「仕事とあたしとどっちが」
「キミが大事だけど今の君は尊重に値しないっ！」
「ムキーッ！」

3
その後もアグネスデジタルはめげる事なく夫の体を這いまわり、左肩の少し上の耳裏に鼻腔を定住させた。

「今日もラブラブだねえ。」
「恐れ入ります。」

ボイスチャット先のメイントレーナーに気恥ずかしい声を返す。
モニタに移る担当ウマ娘のトレーニング姿に彼も妻も目を見開いて注目する。

「デジたんも早く資格とれるといいね。」
「恐れ入ります。」

メイントレーナーの世辞に対し彼は定型的な返事しか返せなかった。
耳裏を嗅ぐ妻の鼻息がどんどん荒くなるのを感じ取っていたから。

補足：オジたんに野性的に愛されたいだけの人生でした。


--
オールドガール

1
デジタル先輩って苦手なコースとかあるんですかって訊かれたのでGII以下の芝って答えたら首を傾げられました！
という訳でね！トレセン学園にOGとしてイキり散らしに行って来ましたよっ！厄介な先輩っ！だって講義無くて暇だったからっ！！
まあみんな授業やトレーニングで忙しいし、最悪不法侵入で摘まみ出されてもいいやぁ～とテコテコ歩いていたら、視線を感じた訳ですよ。
視線って言うか、明らかに遠巻きにしてこちらの様子を窺っているウマ娘ちゃん達。
あちゃあそりゃあ知らないウマ娘が制服もジャージも着ずにうろついてたらそういうふうに見られますよねえ。
怪しい者じゃないんですよ～、あたしここの卒業生なんですよ～気まぐれで来ただけなんですぅ～って近づいて説明したら、
あのぉ、そのぉ……もしかして、アグネスデジタル先輩ですか？って。
シュナージー、おまえには聞こえまい！おまえの望む地球にはない、最高の……音楽（ミュージック）だ……！

2
あ、そうですよぉ、お邪魔してますぅって言ったらもうワーキャーですよこれがGI六冠バの実力ですよ見たか皆さん！
サインください握手してくださいって言われたから応じまして、ごめんねオペラオーさんじゃなくてって小粋なデジたんジョークを言って場を凍らせたりしましたよね。
困ったな雪のバ場はデジたんも初体験だぞ？
そしたら騒ぎを聞きつけた先生がやってきまして。
迷惑だから大人しくしてて、とやんわりと遠回しに言われまして来賓室に案内されました。
お紅茶出してもらいました！凄い！嗅いだことない香り！知らないティーだ……。
暫くするとなんと理事長がやってきまして！
皆さんご存じのあの調子で
歓迎！しかしノンアポは少々困るな！と。
不法侵入ごめんなさいと頭を下げると
許可！しかし名目は必要ゆえ、これから併せウマをお願いしたい！
シュナージー、おまえには聞こえまい！おまえの望む地球にはない、最高の……音楽（ミュージック）だ……！

3
だってだって綺羅や星の如く輝くピチピチのウマ娘ちゃんと走っていいんですよっ！
これはもうセックス以上の快楽だっ！
そんな訳で1200や1600や2000をウマ娘ちゃんの横顔ガン見しながら走って来ました！
若干迷惑な顔をする子も、逆に照れまくって顔を赤くする子もいました！併せウマでしか得られない栄養素を過剰に浴びたデジたんは熱が出て倒れました。起きたら知ってる天井。こんな時間。

こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
8月も上旬が終わりかけ、皆さんいかがお過ごしでしょうかっ！
デジたんは熱い熱い青春を楽しんでおりますよっ！

「デジたんの早い口上久しぶりに聞いたわ」
「卒業校にイキりに行くな」
「はい、今日のご飯はイキり散らし寿司」

えへへへ、ちょっと水のみます。んぐ、ぷは。げぇーっぷ。

4
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「本当に水？」

水ですよお、ほら原材料名は麦芽、ホップって書いてあります。

「ビールじゃねえか！」
「ビールじゃん！」
「晩酌配信なら事前にそう言ってよ」

あっはっはっは！おじタルは最近図々しくなってきたのですっ！生活の中で色々他人に甘えてみたらさ、割と受け入れられたりして。それがなんだか楽しいの。

5
サークルの仲間にさ、今日はレースじゃなくてライブの動画見たいんだけど、どうかなって訊いたらいいよいいよ見よう見ようってなったり。
夫に体の匂い嗅ぎたいって言ったら怪しまれはしたけど、いいよいいよって言われたり。
そうやってワガママが許されるのって、気持ちが良くて。勿論ワガママ言うばかりじゃダメなんだけど、「そのくらいなら全然オッケーだよ！」って言われるのがいちいち嬉しくてさ。

「夫の体の匂い……？」

ふふん、あたしは最近男性の体の匂いの良さがわかって来たのですっ！

「胸張っていう事ではないよ……？」

あははははそうだね、ほんとそうっ！でもねえ、皆もさあ、女の子の匂い好きじゃん？あれと一緒。

6
「好きじゃんと言われても」
「嗅がせてくれる彼女を屏風から出してください」
「デジたん嗅ぎたい」
「オジたん」
「デジオジ」
「アグネスオジタル出たな」

滅相もない、あたしなどただのウマ娘ヲタクで、こうしてチャンネル登録数もこの通りたった……
おおっともうお時間ですっ！
この後22時からはワンダーアキュートさんのスターホースポケット+実況ですっ！
今度こそスマートファルコンさんを倒せるダートホースを育成することが出来るのかっ！？
それでは、バイデジ～♪  ……ぐぇっぷ。


--
スペースデジたん

1
「ちょっとぉ不思議なぁ、夢見たのぉ～♪
あなたは宇宙飛行士でっ、あたしは農夫♪」
「逆逆。」

ぼんやりと赤い顔をして帰って来た妻、アグネスデジタルの鞄を受け取り、肩を貸してキッチンまで誘導する。
大学のサークルの飲み会とは聞いていた。時刻は0時を回っている。ウマ娘専用レーンをふらふらと走って帰って来たのだろう。
冷蔵庫のミネラルウォーターをコップに注いで渡すと、デジタルはちびちびと飲み始めた。
チェイサーをちびちび。最早口に入る液体なら何でもいいという状況というわけだ。
或いは喉や食道や胃がアルコールで荒らされて呑むのが辛いのかもしれない。
単に気まぐれでちびちび飲んでいるだけかもしれない。

「……ビールください。」
「だめ。」

気まぐれが正解。

2
「何ですかぉあたし今とてもいい気分なんですぅ、もっともっと気持ちよくなりたいんですうお酒をくださいぃ。」
「だめ。」

軽い彼女の体を無理やりにお姫様だっこして脱衣所まで運ぶ。
脱力しきった彼女から服をはぎ取り、自分も服を脱いで一緒に浴室に入る。
酔っているが故に現状認識が疎かになっているのが幸いした。十分に温度調節をしたぬるま湯のシャワーを二人で浴びる。

「ふにゃぁああああ～～～～～。」

なんだその声は。酔っぱらってぬるま湯浴びるとそんなに気持ちいいのか。それなら僕もやってみたいぞ。

「ああ、はっきりしてきましたぁ。」
「ならよかった。」

3
「裸ですねえ。」
「お風呂だからね。」
「二人とも裸ですねえ。」
「そりゃ、お風呂だからね。」
「アナタとあたしが裸なんですねえ。」
「見ての通りだよ？」

……。

「あの……。なんていうかその……下品なんですが…フフ……フケちゃいまして……。」
「……。」

酒の勢いでのセックスは倫理的に良くない事はわかっている。断るべきだ。問題は、ウマ娘であるアグネスデジタルのフケを。妻の発情を。
薬や我慢で受け流すのは、夫としてどうかというのと……。
僕の僕自身も、倫理的でない反応を示していたので……。夫婦らしい行動を取るべきだと決断した次第である。

--
昼から酒飲みグーグー眠る 決定有罪絞首刑

1
アッルッコールッ♪ アッルッコールでっ♪ あたしはぁ～げぇんきぃ～♪

「ひっでえ歌！」

あれ、音程違いましたっけ？

「そういう意味じゃねえんだよなあ。」
「上手いから余計酷い」

あははははっ！すみまへぇん♪
というわけでぇ、すぅ～～～（吸気音）……こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスれジタルれしゅっ！

「もうダメだねこの配信」

2
さてさて8月の話題と言えばやっぱりこの暑さ！あちゅい！あちゅいよほぉ！！
皆さんはねっ、チュウしよ❤対策ちゃんとしてまふかぁ？

「酔っ払いに言われたくねえ！」
「今日はマジで酷いぞ」
「いつも酷いだろ」

デジたんはねえ、さっきまで運動公園で走ってましてゃぁ。
8月はレースも少ないので観戦スケジュールによゆうがありましゅ。でもクーラー効いた部屋でじっとしてると、元アスリートとして、「動かないとこのまま不健康になるぞ！」とおうちを飛び出したんよ。
同じような考えのウマ娘ちゃん達が結構いたらしくてぇ、公園のコースでは色んなウマ娘ちゃんがめいめいに走っておりましたぁ。
コースの横ではストレッチをしたり、走り終わった後らしく汗を拭いて水を飲んだりしてるウマ娘ちゃんも居て、ああ、これは絶対健康にいい奴～♪
ウマンチッドが溢れていましたよぉ。
見惚れてるばかりではのぼせてひまふのれぇ、（ごくっ）水飲んで柔軟して、レッツゴーれすっ！（ぐびっぐびっ）けぷっ。

3
「呑むのやめろ」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」

最初は軽く走り出しれぇ、少しずつペースを上げながら3600メートル走りまひたぁ。（ごくごくっ）えへへ、デジたん長距離適性無い無い言われてますけど、ただ軽く走るだけならできるんでふよぉ。
でもやっぱり3600走ると息が上がりまひて。一旦芝に座ってお水を飲んでましら。（ごくっごくっ）

「だから呑むのをやめろ」
「もしかして公園でも酒飲んでた？」

まさかぁ、流石に走るときはちゃんとただのお水でふ、原材料「水」かっこ鉱水、ね、安心したれしょぉ？

「安心は出来ねえな」
「飲酒走行してなくて偉いっ！」

4
えへへぇ、褒められたっ！
れね、やっぱれジたんゆーめーじんらからぁ、ウマ娘ちゃん達が寄って来てくれるわけぇ、むふふ❤ んふふ❤ ありがてえありがてえこちらこそ素敵なお姿を見せてもらって勿体ないぃ。
皆さんの練習を邪魔してもよくないし、コースからちょっと離れて、こんな変態ウマ娘にですよ、ファンですと言ってくれるウマ娘ちゃん達やヒト娘ちゃん達やヒト息子ちゃん達やウマ息子ちゃん達とちょっとしたファンミーティングを開催しちゃいまひらぁ。

「いいなあ」
「生デジ見てぇ」
「今ウマ息子って」

そんでさあ、やっぱファンってありがてえなあって。幸せな気分で家に帰ってシャワー浴びて一杯かっくらって今ですよ。

「かっくらうって言うな」
「おっさんなんだわ」

5
（ごくっごくっ）そんれさあ、幸せになったよーってのを配信したくなってぇ、配信してますぅ。幸せいいねえ。幸せはいいよぉ。ファンですって言われたらパワーが溢れちゃうよ。現役時代おもいらひまひた。
ファンと言えば3兆人という地球史上空前絶後のファン人数を誇るスマートファルコンしゃまですよね、3兆人ファンのパワーがあればそりゃあんな魔王みたいな強さになるわぁ、とかおもいましゅ（ぐびっ）。

「呑むのをやめろ！！」「ぐっだぐだなんだわ」

ああ、そうそう、ファル子さんの話は始めるとおわりゃなくなるかりゃ置いといて。
皆さんありがとうございます。
ファンでいてくれて、ありがとうございます。
こんなあたしを、引退後も、こんなバカな配信を、ぐすっ、して、自己満足してる、課題もほっぽって、嬉しいな配信しよーっつって突発的に配信して、見てくれて、コメントしてくれてる皆さん、ありがとうございま、うえーん！！！

「情緒めちゃくちゃだよー！」「泣き上戸だったのか…」「まあ酒はダウナードラッグだから…」「そうかこれバッドトリップか」
「今すぐ呑むのをやめろ」

（ぐびぐびっつ）んぐ、げっぷ。

6
「やめろっつってんだろ！」
「礼を言いながら酒を呑むな！」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」

コメントの通りバッドトリップに入ったっぽいので寝ます、まとまらなくてしゅみまへん。
ええーっと、この後パカライブの配信は……今夜れしゅね、20時から、樫本先生のりこりこチャンネルで、「ウマリオカート5位以下になったら即終了」配信がありまふ。
体力が少ないという定評がある先生でしゅがダンスゲームちゃんと一曲踊り切ったり、そもそも過酷なトレーナー業務を完ぺきにこなすなど、体力というよりはその使い方が不器用なんじゃないかという分析結果を昨年あたしがだしまひた。
論文は動画の概要欄にリンク貼っておきましゅのれ、興味のありゅ方は是非～♪それでは、ばいれじぃ～♪

……。（ぐびっぐびっぐびっぐびっ）

「おいっ！」


--
琥珀色の夜

1
別に何の記念日でもないけれど、互いの暇が重なったから。
折角だからいつもはしないことをしましょうと妻がいい、それはいい、ちょっと奮発しようかと夫も財布を手に取る。

「いらっしゃいませ。」

カランと低く響く音を立ててドアベルが鳴った。

「二人なんですが、いけますか？」
「テーブルとカウンターとどちらにしますか？」
「カウンターで。」

どうぞ、と促された席に夫は妻の手を取り歩み。
背の低い妻はカウンターチェアに背伸びして飛び乗った。

2
「御注文がお決まりでしたら、お伺いいたします。」
「実はこういう所は初めてなんです。お手数ですが、お勧めを教えていただけると。」
「かしこまりました。」

薄暗い照明によくあった、抑制的な声でバーテンダーが応えた。
妻は未成年に見られないようにとマイナンバーカードをカードホルダーから取り出してテーブルに置く。それを見てすかさず、もう一人の店員がはい、成年である事を確認させていただきました、ごゆっくりお楽しみくださいと微笑みかけた。

「サービスが行き届いてますねえ。」
「それが売りだからね。」

蒸留酒主体のバー。濃いアルコールの匂いと刺激の中から己の好みを探し出そうとする、一癖も二癖もある客を日々相手にしているのだ。そう考えれば、初心者の相手など朝飯前だろう。時刻は夕飯後であるけれど。

「お待たせいたしました。」

3
差し出されたのはナッツとチーズの盛り合わせに、水割りのウイスキーが二つ。

「お口に合わなければお申し出ください。」

丁寧な言葉に夫も妻も頭を下げる。

「あ、凄い！燻製の香りがします！」
「そうだね。樽の香りか……。」

耳をピコピコと動かす妻に、夫もしばし香りを楽しむ。そして、酔いすぎないように慎重に口に含む。アルコール特有の刺激を警戒していたが、案外すんなりと喉の奥まで流し込んでしまった。そして胸の奥からかぁっと熱が広がる。隣の妻も恐る恐る口をつけてから、口の中で転がそうとして呑み込んでしまい、驚き、そして全身を走るアルコールに震える。

「こんなお酒初めてですっ。」
「僕も。」

夫はカシューナッツを、妻は色の濃いチーズをそれぞれ摘まんで口に運んだ。

4
呑みやすく、しかし確かな重みをもつ琥珀色の液体を少しずつ口に含む。なるほど、これがウイスキーの味わい方か。
ロックやストレートならもっと味や香りは濃密になるのだろう。その代わりアルコールの刺激も増すから、単に味や香りだけを多く感じるとは限らない。
蒸留酒は割って呑むのが自分に合っているのかな、と思いつつ、夫は店の奥に首を向ける。
小さなテーブルで喋り合っている客、一人で黙々と飲んでいる客、スマホを弄りながらカクテルグラスを傾ける客と様々。
この店を紹介してくれたのは彼の仕事仲間。確かにその者の言う通り、気取らず入れる初心者向けの店だ。
マスターもよく話しかけられる。が、よく見ると二言三言で会話を打ち切って、店内全域に目線をゆったり泳がせている。
バーとしての雰囲気を損なわないよう常連を贔屓しすぎることなく、しかし堅苦しくなり過ぎないよう対応しつつ、その上でサービスレベルは保つ。
その為の努力を何十年としてきた佇まい。これが一つの店を長く保って来た店主のふるまいと言うものか……。

「浮気は事前に文書にしろって約束しましたよ？」

妻が視界に割り込んできた。

「な、へぇっ！？」

5
「マスターの事ばっかり見て。ふふ、注文したいものでもあるんですか？」
「御注文でしょうか？」

妻の言葉に白髪のマスターの微笑んでこちらにやってきた。

「あ、ああ、いや。とても気遣いなされているんだな、と思いまして。」
「恐れ入ります。チェイサーをご用意してもよろしいでしょうか？」
「チェイサー？」
「失礼しました、ただの水です。」

夫もチェイサーの意味は知っていたが、如何せん混乱していて必要以上の無知を晒してしまった。どうぞ、と二人に差し出された氷水を二人同時に口にする。

「何かあれば、お申し付けください。」

そう言ってマスターはゆったりと二人から距離を取った。

6
「……プロだなぁ……。」
「はい？」

漏れ出た夫の声に妻が食いついた。
店について既に1時間ほど。チェイサーとツマミを補充しつつ、喉を焼くようなバーボンや度数を隠した甘く危険なカクテル、シンプルなビールを二人して味わう。大脳新皮質が自覚もないほど麻痺し、口から出る言葉もコントロールできない。

「マスターがさ、あの……。凄く店全体の様子に気を配ってるのが分かって。」
「ああ……。」

当のマスターは聞こえぬふり。

「かと言ってピリピリする訳でも無いし。常連さんっぽい人たちに構い続ける事もしないし。僕らみたいな初心者にもあれこれ勧めてくれるし。でもごり押しって訳でも無いし。」
「なるほどぉ、トレーナーとしてはそういうの気になる訳ですねえ。」
「そうだねえ、どうしても人と向き合う仕事だから。勉強になるって言うか、負けた気持ちになるって言うか。」

7
「GI六冠馬育てておいて誰に負けるって言うんです♪」
「オペラオーのトレーナーさんとか？」
「あーそりゃ駄目ですね、確かにアナタでは敵いません♪」
「何だよ、もうちょっとフォローしてくれてもいいじゃん。」
「ん～？珍しいですね、甘えたい声ですよぉ。」

マスターは変わらず聞こえぬふり。
そうしてもうこれ以上は酔い切れぬという所まで呑んでしまった。カウンターチェアから降りれば足はふらふら視線もゆらゆら。

「御心配かけてすみません、大丈夫です、帰りはタクシーに頼るので。」

定まらぬ指先で何とか会計を済ませると、デジタルと夫は店を出た。

8
タクシーの後部座席に並んで座り、家の近くのコンビニを指定。

「……いい夜でした。」
「何よりだ。」

デジタルの言葉に、夫が微笑む、が。

「……ああーっ！今日ウマ娘ちゃんの話全然してないぃっ！！」
「そういう店を選んだからね。」

ウマ娘とは全く縁のない店を教えて欲しい。そういう前提で同僚に訊いて探し当てた店なのだから。

「悔しいぃ～～！たかがお酒の事でウマ娘ちゃんの事を忘れてこんなにも夢中になってしまうなんてぇ～～！！！」

9
「たかがは失礼だろ。」
「確かに失礼でしたすみませんっ！しかし、あたしでもウマ娘ちゃん以外の物に集中できる瞬間があるとは、驚きですっ！」
「たまになら、いいんじゃない？自分はこういう人間なんだって決めつけるより、色々味わった方が……そうだね、人生に深みが出る。」
「樽仕込みのウイスキーのように？」
「そうそう。」
「シングルモルトよりブレンデッドのように？」
「どっちも味わった上で好みを判断する方がいいのは確かだね。」
「ウマ娘ちゃんだけじゃなく、ウマ娘ちゃん以外の……。」

妻は夫の目を見つめ、そう言って……眠ってしまった。夫は妻の耳を撫でながら運転手に問うた。

「急がなくていいですよ。できればその……ゆっくり回り道して欲しいんですが。」
「停車でも構いませんよ？2分で100円になりますが、駐車場を探しますか？」

此処にもプロがいたか、と夫は世の深さを知るのであった。

--
非実在当て馬

1
「はいこれ。」
「何です？」

何らかのカードを差し出されたアグネスデジタル。夫の手からそれを受け取りまじまじと見つめると。

「ついにやりましたね！あれほど浮気は事前に書面にしろと言ったのにっ！」
「待って待って、まだ行ってない。」
「まだとはまだとはっ！」

千切れんばかりにデジタルがカードを握りしめる。そこには『むちウマ居酒屋』の文字があった。

「一緒に行かない？」
「頭おかしくなったんですかぁ！？」

2
むちウマ居酒屋。居酒屋とは名ばかりでその実態は風俗1号営業キャバレークラブ。
それもセクキャバに限りなく近い男性向けのキャバクラである。
ダイナマイトボディからちょっぴりお腹に脂の乗ったふくよかボディまで、所謂「むちむちとした」体型のウマ娘だけがキャストを勤める。
キャスト達は寄り添って談笑するだけでなく、膝の上に対面でまたがってうまぴょい伝説を踊ったり、うっかりうまだっちした客のハロン棒を服の上から触ったりして『接待』を実施する。

アグネスデジタルの現役時代、この店の存在はトレセン学園に波乱を巻き起こした。
恋に恋するお年頃の乙女たちにとって、自分の相棒にして模範たる専属トレーナーが風俗通いをしているという事実は、その疑いがあるだけでも劇薬に過ぎる。

あの頃は他人事と思っていたのに今頃になって。
……いや、実は他人事ではない。デジタルは当時「ウマ娘ちゃんに接待してもらえる」という情報だけを頼りにむちウマ居酒屋に突撃し、入店拒否を食らった経験がある。これは夫にも明かせないアグネスデジタル最高機密の一つ。
その災厄が時を経て目の前に顕現したのである。

3
「どこのおバカさんがキャバクラに妻を誘うんですか！」
「ウマ娘に接待されたくない？」

だから！あたしは接待してもらえなかったんですよ！！
とは言えない。

「アナタが接待されるのが嫌なんです！ほかのウマ娘ちゃん見て鼻の下伸ばすところなんてみたくありませんっ！」
「見るだけならいつも一緒にトレーニングの映像みてるじゃないか。」

夫はサブ専門のトレーナー。主夫業の傍らでテレワークで複数人のメイントレーナーの助手を行っている。映像データを解析する夫の横で、自分もそれを見てうはうはするのがデジタルの日課だ。

「そうじゃなくってっ！あたし知ってるんですよっ！！このお店の『接待』はそんな生易しいものじゃないって！！」
「そうだね。」
「そうだねって……。」

4
「でも隠し立てしてもよくないかなって。」
「それはまあ、はい。」
「キミがゴミ箱からこれを見つけたら絶対揉めるでしょ。」
「それはそう。」
「だから一緒に行った方がいいかなって。」
「行かないって選択肢は無いんですか！」
「そりゃ興味はあるもの。」
「自分に正直ぃー！」

考えてみれば結婚する前からちょいちょい変なところはありましたよこの人。芝走らせたりダート走らせたり。でも結果が着いてきたから、変な選択はあたしの事をよくわかった上で判断した結果であって、決してこの人自身がおかしいのではないと信じていたのです。
それを、その期待を、こんな紙切れ一枚を切欠に裏切られるとはっ！！

5
「いいですか！」

椅子に座る夫の腿の上に、対面するようにデジタルが座る。

「ね！こうして！キャストウマ娘ちゃんがブルンボルン走り出し～♪するんですよっ！！」

上下に体を揺さぶりながら、自分にはない仮想の乳房を両手でゆさゆさと弾ませて見せる。

「うん。」
「うんじゃないんですよ！満更でもない顔をしてんじゃないっ！！」
「続けて？」
「続けて！？」

6
「だってキミにこんなことされたらこっちだって収まらないよ。」
「……！こんの……脳味噌チンポ直結野郎！」

顔を真っ赤にしたデジタルが夫の膝から飛び降りた。ウマ娘渾身のパワーで握り潰したカードをゴミ箱に放り捨ててズンズンと歩き去る。

「シャワー！浴びてきますっ！！」
「うん。」
「あたしが出た後で！シャワー！！浴びて！！！寝室に来てくださいっ！！！！」
「わかった。」

わかったじゃないんですよっ！！
ドバンっ！ 叩きつけるように夫の私室の扉が閉じられた。
夫は携帯電話を手に取ると、明日午前休を取ることとむちウマ居酒屋の名刺を渡してくれたことの感謝を認（したた）め、同僚へとダイレクトメッセージで送った。

--
耳からあなたへ

1
はい、寝る前にデジたんのお話聞こうね
トレセン学戦時代にヒシアマゾンさんに頼まれてシンコウウインディちゃんにお仕置きをして欲しいと頼まれたの
ウインディちゃんを噛むなんてできませんよっ と一度は断ったのですが、実際に噛まなくてもいい、噛まれる側の気持ちをわかってもらえればと頭を下げられたのでこれはもうやるっきゃ★ナイト
ヒシアマ姐さんを隠れ蓑に様子を観察 姐さんのお説教にも全く悪びれないウインディちゃん
これは出番ですねと糸切り歯の裏を舌で舐めて唾液を出すと涎が床に落ちましたわぁ
デジたんとっくに先走りしてたのね 恐怖を与える行き過ぎたヲタクを演じるつもりがとっくに堕ちていたんですわ
ヒシアマ姐さんという隠れ蓑からｽｲと出たあたしはもう舞台の上のウマドル
「いや～ウマ娘ちゃんを傷つける行為は本当はNGなんですけどぉ～❤❤❤」と全力全開で理性を外してウインディちゃん味わい隊を演じたのです
「噛んでごめんなさいなのだ」
素直に謝るシンコウウインディちゃんの虚無の表情を見て縁が切れたのを感じましたわぁ

デジたんのお話終わり 寝ていいですよ

2
という訳でこんデジ～。今日はですねえ、寝る前のASMRですよぉ～❤

「うまよんに苦い背景を付けるな」
「実話なの？」
「俺も小学生の頃女の子ビンタして半泣きにさせたの思い出した」

いい感じにざわついてますねぇ～。そんな皆さんの夜のテンションを、デジたんがゆっくり鎮めて、あげますねっ♪

「ちんこ立った」

繊細過ぎる……

3
今日のASMRは、少し切ないシチュエーションです。
まずは目を閉じて深呼吸をしてくださいぃ。
はい吐いてぇ～…
吸ってぇ…
吐いてぇ…
吸ってぇ…
吐いて♪
……どうでしょうか？胸に手を当てて、鼓動を、聴いてみてくださぁい。
早い人はもう一度深呼吸。焦らずにゆっくりと、心臓の鼓動が落ち着くまで待ってくださいねぇ…。

落ち着けましたか？

4
では目を閉じて。想像してください。あなたの横にあたしが居ますよ？
左耳にぃ…… ふぅ、すぅ、ふぅ、すぅ、

すき♪

すき♪

大好きです♪

5
今度は右耳にぃ…… ふぅ、すぅ、ふぅ、すぅ…

すき♪

すぅき♪

だぁい好きですっ♪

ふふっ♪今夜はぁ、一緒にぃ、お休み、しましょうねぇ……❤

「勃起した」
「眠れんわ」
「デジたん向いてねえ」
「最高」
「デジたんの旦那デジたんを俺にくださいっ！！！！！」

6
だはははははっ！！！！！
向いてないわデジたんっ！ここで勃起したってコメントを拾う当たりが向いてない！ASMR上手い人はそういうのちゃんとスルーするんですよねえ、いやあデジたんはやっぱり会話がしたいかなーって、なりますっ！

「おい待てよ続きは」
「パンツ脱いで待ってるんだけど」

眠れない奴やん！寝るの意味が違って来ちゃいますよっ！！

「切なさはどこに行ったの」

いや、この後デジたんが死んで、幼馴染に慰めてもらうっていう構成だったんですけど。

「死ぬな」
「なんで！？」
「幼馴染役もデジたんとか脳壊れる」

7
おっともうお時間ですねえ、どうしてもリアクションが嬉しくてコメント拾っちゃうんですよねえ、これも絵描きのサガ、か…

「よろしい　しぬまえに」
「かみのちから」
「とくと　めに」
「やきつけておけ！！」

こういう団結力好きよ。ヲタク特有のムーヴですよね。好き好き大好きっ！
ヲタクが間口の狭い言葉を時に投げるのは、仲良くしたいからというよりは仲良く出来ない人に遠ざかってもらうための方便というか双いう側面がありますよね、あ、しまった今日はその幼馴染が実はキャバ嬢やってル設定で、それをてこにこの前旦那を相手にキャバ嬢プレイしたことを話すつもりだったのに全然そこまでたどり着けない。

「おいちょっと待て」「待て」「どういう事？」「本編でそれをやって」「まだ終わるな」

午前1時からはライトハローさんとマルゼンスキーさんとシーキングザパールさんの新トーク企画、「オトナの証明」が始まりますよっ！初回のテーマはなんと「愛」！
初回からブレーキ無しのフルスロットルをどうぞご堪能くださいっ！それではバイデジぃ～♪（EDテーマ）


--
きょうのまんこ

1
「そう言えばこういう事、結婚してからしてませんでしたねえ♪」

ぷは❤
と粘度の高い唾液を伸ばしながら妻が言うと。

「そう言えばそうかもね、こうした後は大体セックスまで行っちゃうから。」

唾液の片端を担いながら、夫の唇が告げる。

「パコパコずぼすぼしなくたって、愛を確かめられるんですよね♪」
「結婚してからキミは随分あけっぴろげになったね。」

アグネスデジタルがにんまりと笑むと、元トレーナーは苦笑いをした。

2
時刻は20時を回り妻の学業も夫の家事とテレワークも落ち着いた頃合い。妻の賞金で買った高価で快適なゲーミングチェアに座り、夫は小柄な妻の全力全体重を受け止めている。

「でもいいの？デジタル。まだ今日の分のトレーニング動画を、」

夫の気遣いを強引に唇で塞ぐ。
分かっている。ウマ娘に萌える奇矯なウマ娘アグネスデジタルにとって、夫が仕事の資料としている新鮮な動画を自分が欲していることを。
けれどこの身はただ一つ。ウマ娘ちゃんに萌えながら恋人への愛に燃える方法は有史以来未だ発明されていない。
ならば悩む時間は無駄だ。どちらか片方しか手に入らないのならとっとと決断して、残った時間は「選んだ選択肢がより良くなるように」費やす。
ウマ娘でもないただの男性にここまで惚れ込むのは自分でも意外だったけれど、結婚までしちゃったのだから今更考えるだけ無駄。
ウマ娘ちゃんに向けるはずだった愛を、アナタにっ！
より深くより激しく！
舌の感触を、
溶け合うほどの唾液と汗の混じり合いを、
愛の証を、
一緒に味わって！！！

3
というあたしの純愛は、下から突き上げて来る物体にさえぎられた。
適度な弾力を持つ棒状の身体器官。それは まぎれもなく ヤツさ
……オスという生き物は本当に脳みそを金玉に乗っ取られているのかしら、と感じる瞬間です。

「あの……。」
「すまない、こいつはチャンスと見るとすぐに態勢を整えようとする癖があって……。」

何とか収められないんですか、という言葉をぐっと飲みこむ。夫の夫自身が反応したのは生理的なものだ。意識してどうにかなるものではない。自分がフケるのと同じくやめろと言われてやめられるものではないのだ。
それはわかる。わかるけれども、プラトニックを求めているときにこんなに分かりやすく性欲の高ぶりを自己主張されると興醒めするのも事実。

「……パイプカット「勘弁してっ！」

冗談だよ。でも……男の人って本当に、しょうがないですよねぇ……。
夫の舌への愛撫に、いつもの夫婦の営みでのテクニックが思わず混じってしまう。股下で素直にびくびく反応する「もう一人の夫」を感じて呆れかえる、アグネスデジタルなのでした。

--
愛と夢に向かって走れ

1
「ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」
「エネルギーが凄い。」

ウイニングライブで気炎を吐く妻アグネスデジタルに、思わず熱が冷めてしまう夫である。

「何してるんですか！アナタの娘の舞台なんですよ！？声を出して！！！」
「ボクの娘ではないよ。」
「娘みたいなもんですっ！！」
「まあそれはそう。」

けど横でそんなに盛り上がられると、自分は正気を保っていなきゃな、という気分を禁じ得ないのであった。

2
某日Jpn3ダートレース。
1400mのスプリントを制したのは、デジタルの夫がサブトレーナーを務めるウマ娘の一人。
大外11番のゲートに鷹揚に収まった後は、順当にスタート、高い順位をキープしたまま最終コーナーに突入し、直線で足を使って一着を攫った。
圧勝とまでは言えないまでもレース運びは盤石かつ理想的で、若いウマ娘ながら貫禄を感じさせる戦いであった。

「おめでとう！」
「ありがとうございます！！」

レース後、手を挙げるデジタルの夫にメイントレーナーが笑顔で応じた。

「強かったね。」
「お陰様で！」
「いやいや。僕はお手伝いをしただけで。」
「GIを六つも制したトレーナーがサブに居るのは誰だって心強いですよ。」
「GIを勝ったのはデジタルだ、僕じゃない。」

3
「そうかもしれませんが、アドバイス本当に頼りになりました！」
「そう言って貰えると有難いよ。」
「ダート本当に強いねあの娘。」
「はい……。」

そういう二人の顔に笑みはない。
URAにおいてダート競走は絶対数が少なく、その分重賞レースや賞金額総計もまた少ない。
これは日本の気候によるもので、水捌けの悪いダートコースは雨の多いこの国には馴染まないのだ。
一方ターフのコースは水捌けこそいいものの手入れにコストがかかるという都合上、資金に余裕の少ない地方競馬場ではほぼ全てのコースがダートとなっている。
ダートの才能のあるウマ娘は日本と言う枠に収まりきらない。一方で世界の壁は余りに厚い。
そのため『ダートが得意な日本のウマ娘』というのは結果を残しにくいのが現状だ。
それこそ地方競馬を蹂躙して回り魔王と謳われたスマートファルコン、ジーワン（GI/JpnI）競走合計最多勝記録を持つコパノリッキー、その好敵手ホッコータルマエほどの突出した実力が無くては。

4
「やりましたねー！！」
「わーデジタル先輩だー！！」

一方デジタルの夫の妻は当のウマ娘と熱いハグを交わしていた。

「スンスン。」
「匂い嗅がないでください！」
「芳醇な勝利の匂いがします……。」
「結婚してからいよいよ変態になりましたね先輩。」

その言葉にバッ！と両腕を上げ間合いを取ると、デジタルは眼光を鋭くする。

「言うようになりましたねえ、ところで、これからどうするおつもりですか？」
「これから、とは……？」

5
「芝の重賞も考えてるんですけどね……。」
「うん……。」

トレーナー同士視線を逸らしつつ、今後を考える。
ダートとターフの大きな違いは地面の固さだ。ダートは地面が柔らかい分、しっかりと踏みしめる脚力がないと十分にスピードが出せない。
一方芝は地面が固いのでスピードは出しやすいが、その分反動が強く故障が発生しやすい。
ダートと芝では、別方向のタフさが要求されるのだ。
これから彼女が行くべき道はどちらなのか。
実績あるダートを粛々と極めていくのか、ライバル多きフロンティアである芝か。
それはトレーナーが決める事ではない。ウマ娘本人の身体能力と意志にかかっている。
けれど、どちらに向かって背を押すべきなのか。彼女が芝で走りたいと言った時に本当に背を押せるのか。ダートで勝ち続けたいと言った時に保身無しに肯定できるのか。
それは、未知である。

6
「出たいレースに出ますっ！」

その言葉にデジタルはどっひゃー！と仰け反った。

「芝とかダートとか関係ないですっ！走りたいところで走る！！そういうワガママを言ってももいい位には、勝ったつもりですっ！」
「……アタシもそれを言えてたらなあぁ～～……。」

デジタル自身はトレーナーに勧められるままダートや芝や国外を走って来た。客観的に自分を見てくれるトレーナーの判断の方が正しいと信じていたから。
でも思い返せばその結果負けたレースだって幾つもあるのだ。当時は自分の力不足だと思っていたけど、今はわかる。夫の見込み違いだって多分にあったのだと。
そして自分はウマ娘に萌える余り、「どのレースに出たいか」という気持ちをそもそもあんまり持っていなかったのだと。
後生畏るべし。『出たいレースに出る』。『出たいレースがある』。そう断言できるウマ娘は、自分の同期にはいなかった気がする。
けれど。デジタルは少し考えてにんまりと笑った。

7
彼女は実は、魔王スマートファルコンの親戚であり、またアグネスデジタル自身の遠縁でもあるのだ。
魔王と勇者の血を引く新世代。こんな萌え萌え要素を積載したウマ娘の行く手を案じ可能性を塞ぐなど、このデジたん一生の不覚！かける言葉はただ一つ！！
「……グッドラック！！！！！！！」

自分でもびっくりするほど大きな声が出てしまった。彼女が目を丸くしてこっちを見ている。
周りを見渡すと彼女のトレーナーと自分の夫もこちらを見ている。

テヘペロ。とごまかすと横の彼女も同じ仕草をしていた。
血は争えない。

「……グッドラック。」
「はいっ！」

改めて親指を立てたデジタルに、遠い親戚は強い眼差しで応えた。

モデル：シャマル https://www.jbis.or.jp/race/horse/0001270574/

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万聖節まだ遠く

1
今どきの洗濯機は蓋を閉めないと運転しないため、今水の中で揉まれているピンクの衣装を見る事はできない。
だがアグネスデジタルは蓋の上にじっと視点を落とし、勝負服が洗われて行く様を幻視していた。
寝不足で体がだるい。夫はまだ起きてこない。
これを洗い終わったら靴や小物もまとめてクリーニングに出さないと。

……ふわぁ、と欠伸が出る。
時計は既に9時を回っている。夜更かしの代償は今日と言う日全てになりそうだった。

「……喜んでくれてたし、いっかぁ……」

未だ熱が残る下腹を撫でて微笑んだ。

2
昨夜は酒の悪戯か、ハロウィン仕様の勝負服の話題になった。

「あれ可愛かったね。」
「えへへやり過ぎじゃないかとも思いましたけどウケは凄くよかったですよねっ！」

キョンシーをモチーフとしてチャイナ服をロリータ風にアレンジ、ピンクをベースにロリータ風な甘々とした模様やレースをふんだんにあしらった……と言う説明では到底言葉が足りない。
ハロウィンだからお化け！すぐ尊死するのでキョンシー！というコンセプトを定めた後は、それ以外の全てを可愛いに振り切ったデザインである。
久しぶりに見たくなっちゃったなあ、ええ～？あれ着るのなかなか手間なんですよぉ～？ボクも手伝うからさ、ホラホラ。
と言った感じで二人してクローゼットを開ける。
奥にしまい込まれた箱から『それ』を取り出す。
これどこのパーツだっけ？お腹きついかもです……！！ソックスも結構危ないなあでもこういうムチっとしたのも好きだ。バカバカ！
やんややんやしながら何とか着付け終わったキョンシー衣装。

3
「できましたー！どうですかー！？それぴょーんぴょーん❤」

両手を突き出しジャンプして見せる。
夫はすかさずお札を取り出し帽子にペタリ。目の光を失ったデジタルはベッドに倒れて瞑目した。

ふーっ……ふーっ……。

「……結構フケちゃってます？」

片目を開けたデジタルの前には、夫が覆いかぶさりゲートインを待っていた。

「……いいよね？デジタル。」
「……スケベっ❤」

4
そんなこんなで迎えた朝である。
夫は勢いのまま出す物を出し尽くし、妻はそれを全身で受け止め。
大マン足の後にはどうしても、後始末が待っている。
まあ普段家事は夫に任せているんでこのくらいいいですけど。クリーニング出しに行ったら眠気冷めちゃうだろうなあ……。
それならいっそ。

「アナタ、あたし大学行って来ますね。サークル室に顔出してきます。」
「あ、うん。わかった。」

遅くなるなら連絡してね、とだけ告げて夫はまた夢の中へと舞い戻る。
妻が手にするのは帽子や靴と言った家では洗えない衣装と、いつもの鞄と、そして。

「行って来まーす。」

5
「「「「ワーッ！！ハロウィンデジたんダーッ！！！！」」」」

ハロウィン勝負服を着たデジタルがウマ娘同好会の扉を開くと、案の定の黄色い悲鳴が彼女を包んだ。
ちなみに本物の勝負服はURAが所蔵しており、デジタルが持っているのはレプリカである。今着ているのは3着持っているうちの2着目だ。

サークル室からは事件性のある悲鳴が絶えなかったため警察を呼ばれたりしたとか。しなかったとか。
どっとはらい。

--
万聖節まだ遠く2

1
「ただいま帰りましたぁ～。」
「おかえり。」

時刻は午後20時を大きく過ぎたころ。玄関にへたり込むアグネスデジタルを夫が出迎える。

「冷たいのとあったかいのとどっちがいい？」
「え、まだ作ってないんですか！？」

帰宅時間は伝えた筈だ、それに夫のエプロンからも既に揚げ物の匂いがするのに。

「両方用意できるよ。」
「え、じゃあ、あったかいので……。」

2
9月下旬、湿度も温度も気まぐれなこの時期にあって、今日の気候は寒さに下振れした。
デジタルの願いを聴いてテーブルに載ったのは釜揚げうどんと各種天ぷらにフライにカツレツ。
手元の椀に熱々のうどんを引き入れ、生醤油を注いでずずっと啜る。
口の中に行き渡る熱と炭水化物の甘みと生醤油の塩味旨味に笑みがこぼれる。
蓮根の天ぷら、大葉の天ぷら、鶏肉の唐揚げを噛み締め、再度椀にうどんを注ぐ。
出汁醤油で、擦り生姜で、七味唐辛子で。彩られた小麦の風が脂分をコーティングして炸裂する度、素晴らしい幸せが押し寄せる。

やがて腹一杯になるころには大皿からはうどんも空になり、揚げ物も夫の手によって冷蔵庫へと仕舞われていた。
ああ、この後片付けをしなくてもいい幸せと来たら。

「洗い物終わったらトレーニングビデオ見るけど、一緒に見るかい？」

主夫業を主にするデジタルの夫の副業はテレワークによるサブトレーナー。その為様々なデータがメイントレーナーから渡される。
デジタルの返事は当然YES。

3
夫の膝の上でウマ娘のトレーニング風景を見るデジタル。
しかし今日は気もそぞろ。何故なら視界にはモニタの外のアレも見えてしまうから。

「ここ、少し踏み込みが甘く見えるけどどう思う？」
「あ、はい、そうですねえ……。」

と言いつつも目線はあらぬ方へと向かう。ピンクに彩られたマネキン人形に。
自分が現役の頃来ていたハロウィン仕様勝負服、キョンシー衣装を着せられたマネキン像へに。
チャイナ服をベースに、帽子、胴体、両袖、ソックス、靴に分かれたパーツ。
ピンクを基調に黄色と白で彩られたバリバリのロリータ風味。
……そして、つい先日夫と激しく萌えたその記憶。

4
「あ、あの。あれは、何ですかあ？」

我慢しきれず、デジタルは指差して口にした。

「クリーニングから返って来たから。」
「来たから？」
「飾ってる。」
「バカっ！」

つい先日うまぴょいに使った衣装をこんなに堂々と飾るとは、やっぱりこの人はあたしとは別方面で凄いHENTAIだ！

「それより此処の踏み込みなんだけど……」
「あたしはそれどころじゃないんですよ！」
「仕事の後にしてよ。」
「仕事にならないんですってばよ！」

5
「ウマ娘の雄姿を見るよりもあれが気になる？」

夫の表情に、ほんの僅か笑みの成分が混ざった事を見逃さない。あ、ダメだ。このすけべ。

「……仕事場に置いとくもんじゃないですよね。」
「仕事が捗るし。」
「本当に！？」
「今も凄くやる気出てるし。」
「だとしたらそれ大分おかしいんですよね！？デジたんの勝負服でほかの若手のウマ娘育てるやる気出てるの不純が過ぎますよ！」
「キミの現役時代の強さが思いやられて」
「絶対嘘だぁ！だったらもっと前からあたしの衣装仕事場に置いてたはずですもん！昨日のアレコレを思い浮かべながら仕事のエネルギーにしてるんでしょう！？不純っ！不純ですよっ！！ウマ娘ちゃんと向き合っていないっ！！！欲望から得られるエナジーをほかのウマ娘に向けちゃっているっ！！！」
「……もう、煩いなあ……。」

え、とわずかに後ずさるデジタルの唇に夫の人差し指が当てられた。

6
「後は一人で仕事するから。衣装が気になるなら片づけておいてよ。」
「……。」

逡巡の後、デジタルはマネキンごとゴトゴトと夫の仕事部屋を退場し、扉を閉めた。

--
二時間後。仕事を終え風呂で疲れを癒した夫が寝室の扉を開けるとベッドにキョンシー姿のデジタルが目を閉じて横たわっていた。
夫が袖を開くと、緊張性の発汗による濃い匂いが香る。

「一手目がサイテーなんですよっ！」

札の封印を破りデジタルがツッコミを入れると、ごめんごめんと夫の手がノースリーブの服の脇から乳房へと侵入する。
劃して今夜も導師による同志の調伏が始まるのであった。

--
パリは萌えているか

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
今日はですねえ、少し早いハロウィンデジたんですよーっ！
それっ！ぴょーんぴょーん❤

「カワイイ」
「カワイイ」
「カワイイ」

えへへ、ありがとうございます♪

「まだ着れるんだ」

スゴイシツレイ！
……まあ確かにお腹とか太腿とか、少しピチパツしてますけども。

2
「ムチたん好き」

誰ですかムチたんって。原型が残ってませんっ！

「アグネスムチたん」
「ムチムチたん」

だからっ！だから原型が、あ、赤スパありがとうございますっ！

「デブ」

おいっ！わざわざ赤スパでっ！！BANするぞ！！わははははは！
はーぁっ！全くもうっ！デジ民（たみ）はさあ、デジたんになら何を言ってもいいと思ってる節がありますよねっ！！

3
ほらお腹こんな感じです。見えるぅ？

「ちょっと張ってる」

言うな言うな。流石に現役時代ほど運動してませんもの許してくださいっ！
で太腿がこんな感じ。

「ハァハァ」
「ハァハァ」

デジたんの体ってそんなにセクシーじゃないと毎度思うんですけどねぇ。こういう反応結構あって不思議。あ、赤スパだっありがとうございますっ！

「カメラもうちょっと下から覗き込む形で」

お前！さっきデブって言った奴じゃないですかっ！！悪口言う上にパンツが見たいなんてお前は酷い奴だっ！！あっはっはっは！

4
もぉー。ちょっとエロくするとすーぐ盛り上がっちゃうんですから。
さてさて今日はスプリンターズステークスでしたよっ！ジャンダルムちゃんおめでとうございますっ！！
いやーウインマーベルちゃんもホント惜しかったんですけどねえ。トップスピードでは捕らえられそうに見えましたが、キャリアの差が出ましたかねぇ。
ジャンダルムちゃんはもう30戦以上戦っているでぇべてらんですからね。

「その割に浮き沈み激しいよねダルちゃん」

まあそうですねえ……。でもデジたんも戦績の凸凹ぶりについてはヒトの事言えないので……。
本人に訊いてみないと正確なところはわかりませんが、デリケートな性分なのかもしれません。それでも今回はGIを勝利したんですっ！素晴らしいっ！！（拍手）
改めておめでとうございますっ！
ウイニングライブもキレキレでしたよっ！GI初勝利の嬉しさが滲み出てるのもわかってデジたんホクホクでしたっ！ごちそうさまですっ！

「見に行ったのかよ」

勿論ですともっ！

5
ダルちゃんもこれで勢いがつくといいですよね。

「俺のメイケイエールが……」

気持ちはわかりますが次、次ですっ！どんなウマ娘ちゃんだって浮き沈みはありますよっ。
特にスプリントはマジでスパートのタイミング一つで着順変わるんで。長距離とはまた別の意味でスタミナの使い方が試されるレースなんです。
だからエールちゃんが調子を落としたとは限らない訳です。それにファンなら、負けた時こそ応援してあげてくださいっ！ファンの声援は本当にエネルギーになるんですよっ！！

「ステイヤーがスプリントの距離を全力疾走すれば無敵……ってこと！？」

そううまくはいきません……と言いたいところですが、今年それに近い事を中距離でやってのけたウマ娘ちゃんがいるんですよねえ。タイトルホルダーちゃんって言うんですけど。

6
「あー、宝塚か」
「宝塚滅茶苦茶だったよね」

めっっっちゃくちゃでしたよっ！！
初めっから最後までレースをコントロールしてましたからね。いきなりハナに飛び出した後は、逃げの勝ちパターンを確立させたいパンサラッサちゃんに先を行かせて、潰れた所で脚を使って抜き去って。
あれは上位に着いたウマ娘ちゃん皆めちゃめちゃ強いんですよっ！タイトルホルダーちゃんがちょっとパーフェクト過ぎました。

「凱旋門賞今日だっけ」

そうそうっ！流石にパリには行けませんが、中継は見るつもりですっ！

「勝って欲しいよねー」

是非是非っ！間違いなく今の日本最強馬の一角ですからっ！タイホちゃんで勝てなかったらまた何年かとんでもないウマ娘ちゃんの出現を待たなきゃいけないレベルです。

7
「プレッシャー……」

おっとっと。勝って欲しいのは勿論ですが、勝たなきゃだめだぞ！って言い方はよくありませんでしたっ！精一杯頑張ってくださいっ！！デジたんの思いロンシャン競馬場のタイホちゃんに届けっ！！

「中継の同時視聴とかやらないの？」

あ、あーーーーっ！それ、それやりましょうっ！マネちゃんに連絡しますっ！！
ああ、袖が邪魔だっ！えいっ！アーマーパージっ！（ぽいっ）

「脇見えた」
「脇…」
「シコシコ」

BANするぞ！？

8
んーーー……。流石に今すぐは判断は難しいそうです。また追ってSNSで連絡しますねっ。お楽しみという事で。
袖装着っ！この袖、可愛いんですけど細かい操作に向かなくてですねえ。それと蒸れるんですよねえ。

「くんくん」
「くんくん」
「くんくん」

キミらはぁ……。んっふっふっふ。
夫も匂いが好きなんですよねえ、なんででしょう。困ったもんです。

「ダンナも……？」
「袖の中の匂いを……？」
「という事はその恰好で旦那と一緒に居たんだ」

ん、ん～～？ど、どうでしょうかねぇ～？

9
「霊幻道士したんだ…」
「幽幻道士したんだ…」
「おテンテンしたんだ…」

あはははははっ！もうっ！キミらはっ！！！

さて予定時刻を大幅に過ぎましたが今日はここまでっ！
既にエアグルーヴさんのチャンネルで「女帝が読むっ！凱旋門賞予想2022」が配信されております。
此方は既に凱旋門賞中継の同時視聴予定もあるそうなので、デジたんより副会長が好きな人はそっちで見ましょうっ！

「両方好き」

スパチャありがとうございます。少し泣く。本当、そういうファンに支えられていますよ。
それではバイデジ～♪


--
死してなお盛ん

1
「んぷはっ！！はっ！はっ……！」

目を覚ますと見知った天井でした。
往年のキョンシーコスのあたしと、全裸で横たわる夫。
本能的に股間に手をやると、ずれたパンツからどろりとしたなじみ深い粘液の感触がしました。

……ああ、今日もしてしまったのですね。

気の迷いでデジたんがハロウィン勝負服を着て見せてから夫の求めは多くなりました。
求められれば応じてしまうのがヲタク気質と言うもの、気絶するほど気を遣られる日々が続いております。

2
「んひえぇ～……。」

あたしの口から洩れる声も物ともせず、夫の顔がすぐ近くで寝息を立てております。小憎らしいと思わなくもありませんが、あたしを気絶するほど……その……懸命に責め立ててくれた証だと思えば、愛しさもまた募ると言うもの。
頭を撫でてあげたところ、べちゃりと粘着質な体液が夫の髪にまとわりついただけでした。
……んまあ思い知るといいんですよ、体液をシャンプーで落とすのがどれだけ大変かを。

んひぇ、袖の中までべっちょべちょ。靄がかった記憶を辿ると夫が袖射精をしたような映像が思い浮かびます。うへぇ、ド変態じゃないですか。
そんな無駄撃ちをした上であたしの赤ちゃん宮殿を跡形もなく陥落させたかと思うと、背筋が凍ります。
ヒトミミのオスはウマ娘と種付けするたびに精力を増していく、という都市伝説は本当なのでしょうか……。

そんなあたしの思惑も知らずに、暢気な寝顔ですやすやの夫。
まあなんて可愛らしい。ぐちゃぐちゃにしてあげたい。

3
そう思ったのでシーツと一緒に風呂場に引きずって水シャワーを浴びせました。
冷たいっ！冷たいっ！！と暴れる夫に洗剤を塗りつけてシーツやあたしの服、そしてあたし自身と共にごしごし容赦なく洗ってあげます。

「いや悪かった現役当時からピンク色のキョンシー衣装は好みでさ、天真爛漫な笑顔とそれに相反するような脇の露出、レイレイを思わせる大きな袖余り。
レイレイっていうのは昔の格闘ゲームのキャラクターなんだけど自分にとってはセックスシンボルの一角でもあってそんな存在が目の前に実体を伴って現れたかと思うとやっぱり興奮を禁じえなくて、ああやっぱりデジタルって可愛いなあ、可愛いウマ娘には無限の可能性があるんだ、キョンシー衣装でもこんなに可愛いし抜け目なく脇の露出もあるし、現役当時はとても言えなかったけど正直君みたいなどちらかと言うと幼い体系で且つ自分の性的魅力に鈍感なウマ娘がそんな服で好き放題に動き回る様と来たら」

急所を優しく握ると、掛かりは収まったようです。


--
夜道は長いが悪くない

1
ドアガラスの向こうからは確かに明かりが漏れているが、いつもの賑やかな音は聞こえてこない。
「ウマ娘同好会」の看板の下、副部長は聊かの違和感を覚えつつノブを捻った。

「あ、副部長、お邪魔してます。」
「デジタル君か。」

そこには机に向かって何やらノートに書きつけているアグネスデジタルの姿があった。
何故今日は音楽もレース映像も無しに、と言いかけた所で副部長は答えを見つけた。
彼女のノートの傍に開かれている分厚い書物。それは紛れもなく、ウマ娘トレーナー試験過去問題集である。

「丁度講義の隙間だったんで。」

そう言ってデジタルは照れ臭く笑った。

2
「お邪魔してます。」
「とんでもない。」

副部長はドアを静かに閉じると本棚からウマ娘名鑑を取り出し、デジタルから少し離れて腰かけた。ウマ娘グッズが所狭しと彩る室内で昼下がりの少し傾いた日差しの中、紙の音だけが静かに響いている。

「……あの。」

沈黙を破ったのはデジタルである。

「ん？」
「気を遣わせてすみません。」
「気にしなくていいよ。俺は元々静かな方が好きだ。」
「そうなんですか！？それなら猶更普段はすみません！！」
「気にしなくていいって。」

3
「賑やかなのが嫌いな訳じゃないよ。俺だってあのパープリン部長と同類なんだから。」

それを聴いデジタルは思わず笑みを漏らす。パープリンと言われた部長は、デジタルの前で「うぅ……デジたん結婚して……」と無意識に（！）声に出してしまった剛の者である。

「だから元競走バのアグネスデジタルが此処に居て、好きに過ごしてくれてるってだけで嬉しい。」
「イケメンのセリフですねっ！」
「顔に似合わずね。」
「いや、そういう意味ではっ！」

わたわたと否定のジェスチュアをするデジタルに副部長は苦笑いを返す。

「キミのお陰で奇蹟みたいな時を過ごさせてもらってる。だからキミも好きなように過ごしてよ。」
「……はいっ！」

そしてまた部室を紙擦れの音が支配した。

4
「……あの。」

沈黙を破ったのはまたもデジタルだった。

「ん？邪魔なら出ようか？」
「違くてっ！さっき凄くありがたい事言ってくれてありがとうございますっ！……あたしがいうのも何ですが、先輩ってモテる方なんじゃって思って。」
「俺が？」
「あいっ。」
「残念ながらそうではないんだよなあ。」

ウマ娘名鑑に目線を戻そうとした副部長にデジタルが畳みかけた。

「本当ですか？」
「ヲタクだからね。」
「ヲタクだから。」

5
「ん、そう。あのパープリン部長と違って俺の卒業した高校はヲタクに優しくなかった。」
「部長はヲタクに優しい高校出身なんですか？」
「幸せな事に中高とずっとウマ娘同好会所属だとさ。でも俺はそうじゃなかった。同じ趣味の友達はいたが、みんなで背を丸めて教室の端で話をしてばかりだった。」
「そうですか……。」
「だから、今はとても幸せなんだ。俺の事は何も気にしないでいい。」

会話を切り上げたがっているのはデジタルにも分かった。けど、今ここで聞かないと副部長は一生……少なくともこの大学にいる間は……誰にも本心を話せずに終わるんじゃないか？そんな予感が彼女にはあった。

「あたしも、今幸せです。」

副部長が目を見開いてデジタルを見た。君もか、君もなのか？と期待と不安が籠った目を。

「トレセン学園時代だってそりゃあ幸せでしたけど。でも本当の意味で同好の士と出会ったのはこの大学に入ってからなんです。ウマ娘ちゃんもあたしも走る事で忙しくて。夫も理解者ではありますけどヲタクじゃありません。」

6
「ウマ娘ちゃんがとにかく好きなんだ、声も顔も息も気配さえっ！そう堂々と言い合ってわかり合えるって、本当に幸せで。一緒にカラオケでNEXT FRONTIER歌ったり、一緒にレース見に行ったり、一緒にウイニングライブでヲタ芸打ったり。あたしはこうしたかったんだって。中高の六年間で出来なかったことをさせてもらってるんです。」
「そうか。ほかの部員が聞いたら泣いて喜ぶよ。」
「先輩だって。」
「え？」

副部長が自分の顔に手をやると、確かに二筋の涙が零れていた。

「恥ずかしいな。」
「恥ずかしくないですよっ！あたしがいて幸せだって言ってくれたじゃないですかっ！！幸せが零れ落ちてるんですよっ！！！それだけで一冊描けそうっ！！！！
「それはちょっと、」
「それにっ！走らなくても誰かを幸せにできるってわかってあたし嬉しいんですっ！」

気づけばデジタルは立ち上がっていた。

「トレセン学園では走れてナンボでした。でもあたしの今の夢は走る事じゃない。ウマ娘ちゃんを幸せにすること、そしてあたしも幸せになる事なんです。」

7
「ウマ娘を幸せにするために、トレーナーに、か。」
「うーんそこまで大きな口は……。」
「ええ？」

副部長の歪んだ眉根にデジタルも困り眉で返す。

「ウマ娘にトレーナーが出来る事って、本当に一握りでして。いや、夫にはほんっっとぉおー……にお世話になりましたけどっ！
でもトレーナーはウマ娘の代わりに走る事は出来ません。悩みも不安も傷の痛みも病気の辛さも肩代わりできません。
出来るのは精々、傍にいることぐらい。走る以外の事務作業その他を全部引き受けて、走る事に集中させるくらい。
勝つとか負けるとかについて、トレーナーに出来る事は多くありません。ゲートインした後は手が出せませんし、何より物凄いウマ娘ちゃんが同じレースで走ったらもうどうしようもありませんもの。」

キミこそその「物凄いウマ娘」の側だろ、と言いたくなる口を副部長は辛うじて閉じた。

「それでも、ウマ娘ちゃんの一番近くで幸せを分けてもらえるのがトレーナーだと思って。幸せになろうとしてる時に少しだけ背中を押せるのも、不幸せになろうとしてる時にちょっとだけ袖を引っ張れるのも、トレーナーだと思って。」
「微力を尽くす、か……。」

8
「ありがとう、吹っ切れた気がするよ。俺は俺で抱えてることがあったから。ほら修士二年ともなると。」
「あー……。」

ちなみに『パープリン』こと部長は博士課程留年中である。

「ありがとう、アグネスデジタル。キミは本当に、凄いウマ娘だよ。」
「副部長こそ、この同好会を取り仕切っていただき感謝しますっ！引退した後正直どうしようと思っていたんですよっ！でも走らなくたって幸せになれるんだって。思い出せたんですっ！」

走るのをやめたウマ娘はただの凡人。けれど日が沈んでも人生は続く。そして夜をあてどなく生きる事になる。けれどふとした時、夜空の星の瞬きに気が付くこともある。

「キミと結婚できない事をこれほどまでに無念に思ったことはない。」
「やっぱりイケメンのセリフですよそれぇー♪」

二人して、笑った。


--
万聖節が来るまで待って

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
今日もハロウィンデジたんですよーっ！ぴょーんぴょーん❤

「袖くんくん」
「袖くんくん」
「袖くんくん」

もうしょっぱなからリスナー層が酷さが露呈してますねえ～もぉ～。
確かにね？前回はこの袖が蒸れると言いましたよ。でも乙女の汗の匂いをそんなにあからさまに嗅ごうとするものではありませんっ！
デリカシーがありませんよっ！あ、スパチャありがとうございますっ！

「デリカシー代」

品性はお金で買えませんよっ！

2
ま、ま、ま。どんな方向性であれ好評なのは良い事ですっ！
デジたんのこのキョンシー衣装が公開されてから薄い本が増えたの、知ってますからね？
いつもの勝負服に比べても攻めた格好ですしね。
脚はほら、こんな風に超ロングソックスで強調されてますし、こうやって横から見るとボディラインも出ますから。
レース中は観客席からは横の姿が一番よく見られますし、そういう意味でもこのなんて言うんですか？前後にピチパツした衣装は受けが良かったのかなーって思いますっ！

「普段の勝負服もエロい」
「へそ見えててエロい」
「脇出てたよね」

うーんもう今日はデジたんの服の話題にしかならなさそうですねぇ、しょうがないデジ民（たみ）さん達だっ！

「うぅ……デジたんが悪いんだ……」

犯罪の匂いがするぅ。

3
「犯罪なのはデジたんの勝負服だろ」
「何だよあの小学生みたいな服は興奮する」

あああああもう今日はだめだぁー！キョンシー服見せびらかしてやんややんやしてもらおうと思ってたのにロリコンが多すぎますね今日はっ！

「ロリコンじゃないよデジたんが好きなんだよ」
「デジたんが可愛いせいでロリコンになったんだから責任取って欲しい」

バカバカっ！何が責任ですかっ！！あたしはこれでも人妻ですよっ！？

「うう……人妻合法女児デジたんと一心同体したい……」

あたしになら何言ってもいいって思ってますよねっ！？

4
もうバ鹿らしくなってきました。えーい袖ぽいっ！

「それを捨てるなんてとんでもない！」
「袖くんくん」「袖くんくん」

袖嗅ぎ勢うるさーい！ほら、この衣装はノースリーブでね、脇パイも凄いんですよ、あたしの小さいお胸でもほら、横からだとこんな感じにちょっと見えちゃいますよね❤

「脇パイいいね」
「いい……」

でしょー。

「相変わらずお尻薄い」

どこ見てんですかっ！？

5
このキョンシー衣装はですねえ、各方面に肝煎りで作ってもらったものなのです。
ウマ娘ちゃんを見てすぐ失神してしまうあたしのダメなところとか、勿論ハロウィーン衣装なのでお化け要素が無いといけないとか、でも怖がらせるんじゃなくてあたしの魅力を引き出すためにはどうするべきかとか、デザイナーさん達やあたしが沢山討議して決めてくれたものなのですよっ！
可愛くてセクシーで理解度高くてお気に入りなんですっ！

「ｳｯ」

生霊を出すのをやめなさーい！

「俺も生霊出るっ！」
「うう……脇パイもっと見せて……」
「前と後ろの『推』の字ってそういう事だとずっと思ってました。」

ﾋｮｴｴ、そっかぁ……あたし思った以上に性的に見られていたんですねぇ。

6
おっともうお時間です。
この後はビコーペガサスちゃんのチャンネルで『本当のヒーローになりたいっ！』という配信がされます。
と言っても正義だ悪だというお堅いお話ではなく、かっこよくあるためにはどうすればいいかとか皆が好きなヒーローや悪役を聴きたいとかそういうお話みたいでです。

「俺は怪人になりたい」
「俺も」
「俺も」

そうですか。それではバイデジ～♪

--
運命とは命を運ぶと書く

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
ちょっと前ですけど秋華賞見てきましたよ～っ！いやーヒヤヒヤしましたがスタニングローズちゃんおめでとうございます！追いすがるナミュールちゃんもかっこよかったっ！

「結構危なかったよね」
「薔薇の一族の意地を見せたね」

ねぇー。スタニングローズちゃんは晴れてGIを初勝利っ！このレースでは先の優駿GIでのスターズオンアースちゃんに対する雪辱を果たした訳で、くうぅぅ～～～♪
こういうのこそが美味しいんですよぉっ！
スタちゃんはこの勝利で10戦5勝。しかも6着以下には入った事がありません。芝の中距離においてはもう押しも押されもせぬ一流の競走バと言っていいでしょう！

「勝率5割ってイカれてるよね」

そうっ！凄い事なんですよこれはっ！！勿論勝てるレースを選んで走ってるのもあるでしょうけど、それはどのウマ娘ちゃんだってそうです。
その中でこの勝率はもう、もう、すごーい。是非是非この調子を保って、もっともっと強くなって歴史に残るウマ娘ちゃんになって欲しいものですっ！

2
「入れ込んでるねぇ」

えへへ、スタニングローズちゃんは知り合いの親戚でもありましてぇ。そういう意味でも勝利は嬉しいのです。

「あ、4番」
「そっかクロちゃんの」

そうそう。クロちゃんの親戚なんですよ。クロちゃんとあたしと言えば切っても切れない因縁があります。今は仲良しですがそうなるまではやっぱりそれなりにギクシャクありまして。
しかもクロちゃん結構早く引退しちゃったでしょ？だからついデジたんもクロちゃんの分も頑張れっ！て思っちゃいました。
実はクロちゃんとは最近一緒に走ってきまして。草レースと言うほどではありませんが、運動公園でせーの、どん、ぐらいの感じで。

「金取れる奴じゃん！」
「気軽にダート王決定戦するな」

あはははは！いやいやっ、そんなバチバチしたもんじゃありませんよっ！現役時代に一度は競いたかったよねーって話になって、じゃあお互いブランクはあるけど軽くやってみる？って感じで。

3
「ていうかクロちゃん走って大丈夫なん？」

病気の話ですよね。競走バとして戦い続けるのは無理ですが日常生活や普段の運動程度であれば特に問題はないそうです。それどころか「白黒つけられるなら、命ぐらい失ったって構わないんだっ！」とゲンダテッショーボイスで言い出すほどでした。
引退して尚この闘志の持ち主なんですからそりゃ強いですよ。

「軽くやってみるとは」

あたしも気圧されちゃいました。

今は仲がいいとはいえ、因縁が消えた訳じゃありませんしねえ。
夫の判断次第ではあたしの代わりにクロちゃんがオペラオーさんやドトウさんとやり合ってたと思うと、デジたんもこれは「チェストドバイ」の心意気で走らないとと思いました。

チェストドバイとは。
「ぶち殺せ」の意味である。

4
「バチバチしてんじゃねーか」

はい。バチバチしてました。すみません。
だってさぁー、あの時敢えて競走バとして意地を通した言わばターニングポイントな訳ですよデジたんにとってもぉー。
その因果が巡って来たら、例え草競バでも、元競走バとして逃げる訳には行きませんよ。
夫とクロちゃんのパートナーさんにお願いしてスタートの合図と着順の決定をやってもらいました。

「夫同伴かよ」
「クロちゃんのパートナー？」

クロちゃんと一緒に来てたヒトミミの方ですね。これはプライベートな話なのでどういう方なのかとかはお話しできません、すみません。

「結果は？」

負けました。

5
「負けたのかよ！」
「クロちゃんつっっっっっよ」
「病身でデジたんに勝てるのおかしいでしょ」

あたしもブランクありましたし、闘志モリモリのダートの競バ史上最強候補相手では流石に……と言い訳させてくださいな。
でも全力で走るのってやっぱり気持ちいいですっ！ウマソウルが震える感覚があります。

「俺もウマソウル欲しい」

タキオンさんがメジロ資産をバックにウマソウル研究を続けていらっしゃるそうなので進捗在り次第ご連絡いたします。

「赤兎馬出てきそう」
「スレイプニル出てきたら競バ終わるぞ」

でも赤兎馬様やスレイプニル様のお姿見られたら絶対本描きたいですよっ！

6
「ナマモノを大声で宣言しちゃダメっ！」

失礼しましたっ！
さてこの後はツインターボチャンネルで「『カケフくんのジャンプ天国 スピード地獄』 クリアするもんっ！！」が始まりますっ！
果たしてツインターボちゃんはカケフくんの尋常ならざるスピードとビック東海の斜に構えたセンスについて行けるのかっ！？
SNSで「ケフカ君」とか書いてたのを修正するのは間に合うのか！？

お楽しみにっ！
それではバイデジ～♪

--
あたしが誰かを決めるのはあたしじゃない

1
「……。」

10月下旬某日。年末の大戦に向け試し刷り入稿を叩きこんで顔を覆うあたしです。
二冊目。
テーマもプロットも決まっています。タイトルは「The Brave on dirt」。ダートの勇者。はい、あたしです。
現役を引退して数年。自身の歩んだ道のりや心理を誰かに知ってもらいたくて描くのですが、流石に事実そのままをなぞったのでは面白くない。
大いにファンタジー風味を交え、トレーナー達は異界からの転生者と言う形にしました。
そしてそれぞれにウマ娘ちゃんと出会い、レースや交流を通して関係を深めていく、と言う内容です。
なのですが。
この期に及んでどのくらい事実を反映すべきか悩んでいるのです。
全くの架空の出来事では自伝になりませんが、事実を忠実になぞるのなら初めからノンフィクションで描くべき。読者を最も楽しませられるラインはどこか？という永遠の問いと今向き合っているのです。

2
ぐるるるるる……。

喉奥に詰まった唾液が吐息と混ざって唸りを上げました。痰も混ざっていますね。10月も下旬、知らず知らずに体を冷やしていたのかもしれません。
席を立ちドテラマンになってからまた座り直します。

トレーナー陣は異界で放埓の限りを尽くした魔法使いたち。敢えて不自由を求めてこの宇宙のこの地球に人間として生まれ変わったのです。
深淵なる知識を持つ元魔法使い達は思い悩むウマ娘達をトレーニングし、そして惹かれ合うように出会い、交わり……というストーリー。の、つもりなのですが。
自伝ですからデジたんは「一人目に現れるウマ娘」である必要があります。
しかし、しかしですよ？ウマ娘ヲタクが高じてトレセン学園に入学し己のヲタ道を行こうとするウマ娘は、主人公にするにはあまりにも色物すぎるのですっ！自分で言うのもナンですがっ！！
それにそんなドヲタ競走バは歴史上あたしぐらいしかいません。
あたしは「ああ、このウマ娘は多分デジたん自身の事なんだな」と察してもらう程度にしたいのですが、これでは主張が強すぎます。
ああ、あたしってなんて酷い競走バだったのでしょうか？！

3
困ったときは原点に戻ります。
あたしは如何にしてウマ娘ヲタクになったか？
生まれた時から運よくウマ娘ちゃんの大量の資料に恵まれており、幼い好奇心のままに読んで、見て、聞いて、惚れ込んでしまった。
おお、この部分だけなら使えそうですよ。ただこれはバックボーンであってキャラクターの登場時点で即座に使えるものではありません。
このバックボーンから導き出されるのは、ウマ娘ちゃんファンとして振舞うウマ娘を見て才能を見出す異界生まれのトレーナー……。

さあこのウマ娘とトレーナーの出会いをどうしましょうか。
グッズ売り場、ウイニングライブ、ファンサービス会場、色々と思い浮かびます。

デジたん自身はトレセン学園で一人藻掻いていたところをたまたま今の夫ことトレーナーに見出されたのですが、さてはてそこまで事実をなぞるべきか。
物語の導入は「導入にしか過ぎない」とも言えますし「物語の方向性を決定する」とも言えます。
むむむ。
むむむむ。
物語全体の流れを一旦メモ書きにして、導入を逆算します。

4
好き勝手に描いているあたしですらこの有様なのですから、雑誌連載して生計を立てている漫画家さん達はもっともっと凄い苦労をしているのでしょうねえ……。
そう思うと何だか力が湧いてくるというか、あたし如きが手を抜くわけにはいかないぞと言う説明しにくい義務感に圧されてしまいます。あたしにもどうやら漫画描きとしてのプライドがあるらしいのです。

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悩み切った結果、「トレセン学園で一人自主トレを積むウマ娘」と「異界から現れたトレーナー」が出会うにすると決定しました。
事実そのままですがあたしの自主トレ時代ってあまり表に出てない情報ですからそのままフィクションとして使えますし、元々のコンセプトが自伝なのですから捻ってもしょうがない、とした結果です。
というわけで今回の本は出会いとぶつかり合いと18禁同人誌のノルマとしてヤることはヤるという感じになりますが末永くお付き合いいただければ幸いです。
背景については後書きで補足してますので、興味のある方は目を通してくださいませ。

それではバイデジ～♪

※以上、アグネスデジタル個人サイトより転載



※チバトシロウ先生のBlack Witches シリーズが正にこれ。
後書きにこそ描きたい事が込められている、という制作姿勢については此処では触れません。

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いっぱい食べる君が好き

1
妻はウマ娘だけあって食事は毎回それなりの量を食べる。
けれど決して口に入らない量をスプーンに盛ったりしないし、口の中に押し込んだりもしない。
今も、琥珀色のスープから掬い上げる麺は四、五本と言ったところ。
それを口に含み、絡んだスープを散らさないよう慎重に吸い込んでいく。
もくもくもく、と丹念に噛み砕いた麺が飲み込まれ、小動物のように膨らんだ頬が元に戻る。
所作の一つ一つに育ちの良さが滲み出る。

「……なんですか。」

不満げな目線がこちらを向いた。

「可愛いなあと思って。」
「からかってるんですか？」

妻の名はアグネスデジタル。そして僕は、彼女の元専属トレーナーだ。

2
僕がサブトレーナーを務めるウマ娘の一人が東京を遠く離れた競バ場で走る為、泊りがけで付き添いに行くと言ったところ妻もついてきた。

「大学の勉強は？」

無言で取得単位一覧を突き付けられた。
一日二日休んだところで小動（こゆるぎ）もしないというエビデンスを得た以上、断る理由はない。
そんな訳で僕とデジタルはそのウマ娘の堂々たる疾走と華々しいライブを見届けた後、このショッピングモールでゆったりと買い物を楽しんだ。
日もとっぷり暮れて夕食時。
観戦にライブ鑑賞の疲れを抱えた上で荷物を抱えて飲食店を探す気力は互いに無い。もう夕食はここで済ませて、ホテルの部屋に入ったら即風呂に入って寝てしまおう。
そんな訳でモール内のフードコートへと足を運んだという訳だ。

「見られてると食べにくいんですけど。」
「気にしないで。」
「気になるって言ってるんですけど……。」

3
満腹になって胃に血液が言っているおかげか、妻の不平にまともに反論する気にならない。
困って顰める眉も愛らしい、ぐらいの事しか考えられない。
とは言え「食べ方が可愛い」なんて言葉が成人女性に向けるようなものではないのはわかっているので、頭を冷やす意味も込めて用足しに立った。

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お手洗いから戻ってくると妻はスマフォを構えたファン達に囲まれて、苦笑いしながらラーメンを食べていた。
かわい～
推せる～
こっち向いて貰っていいですか～？

元々自己肯定感の低いヲタクだった彼女は求められる事に弱い。食事の楽しさより承認を優先してしまうのは致し方ない所ではある。
とは言え愛される方にも都合と言うものがある。さもなければディアマンティーナは分解されなかったろう。

4
「すみません、今はプライベートなんで。」

向かいの席に座り集まったファン達を嗜める。

うわ～デジたんの旦那さんだ～
推せる～
トレーナー業務に没頭してたせいで食事の時間も惜しんでたから早食いが習慣化しちゃってデジたんよりずっと早くハンバーガーを平らげちゃってもう後は妻を愛でる事しか出来ずに手持ち無沙汰になって仕方なくトイレに行ってた旦那様が帰って来た～

やたら理解度の高い言葉が混じる音声の洪水の中、流石に食事中は勘弁してくれと告げると、ファン達は行儀よく一礼して散って行った。
夫はため息を一つ。

「デジタル、そろそろああいうのもあしらえるようになってもらわないと。」
「そんな！ファンサは大事ですよ！？」
「時間と場所を弁えないファンはファンではないよ。」

5
ばつの悪そうな顔をして、デジタルは再びラーメンを食べ始める。麺を一啜り、スープを一飲みすれば、曇っていた顔が「美味しい！」一色にたちまち戻った。まあ、確かにこれは動画に残したい可愛さではあるが……。

「……見られてると食べにくいんですけどっ。」
「ごめん、僕も弁えてなかったね。」

しかしこの場を離れるとまた人が寄ってくるかもしれない。僕は携帯電話を取り出して今後の予定の確認などを始めた。とは言え、正面からはちゅるちゅる、もぐもぐ、ごくん、ぷは、美味しい♪ なんて音が聞こえてくるわけで、集中など出来るはずもない。

「ほんと可愛いよなぁ……。」

あ、声に出てしまった。

「……あー、このラーメンあっついですねぇー。」

見ると、妻の顔は丼に向いたまま真っ赤に染まっていた。

6
その後、無事食事を終えホテルにチェックイン。

「さぁー！今日は語りまくりますよぉー！！その前にお風呂です、お先いただきまーす！！」

妻が浴室に飛び込み、僕は荷物の整理を始める。

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やがてガウンを着た妻が湯気を立てながら出てきたので、入れ替わりに風呂に入る。体を洗い、湯船でゆっくりと体を暖める。今日は久しぶりによく歩いた。いつもの凝りとはまた別の疲れが湯の中に溶けていく。
十分に温まったところで風呂から上がり部屋に戻ると、デジタルはテーブルに突っ伏して眠っていた。
トレセン学園時代には温泉宿で夜通しウマ娘トークが出来たのに。流石に成人するとそこまでのスタミナは保てないのか。
けれど、電池切れのように眠ってしまう姿は彼女の外見に相応しい幼さのようにも見える。

「子供っぽいやら歳を取ったのやらだな。」

ピクリと動いた眉毛を見ない振りしてお姫様抱っこで持ち上げると、妻の顔は嬉しそうな笑顔に変わった。


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B74 W51 H75

1
夫の手が妻の尻を強く揉み込む。
妻は、んっ、という声を漏らしながら反射的に筋肉に力を入れる。

「キミの筋肉は柔らかくも弾力に富んでいて飽きないよ。」
「誉め言葉じゃないなぁそれはぁ……。」

呆れ声を漏らすのはかつての優駿アグネスデジタル。
その声に怯むことなく尻を揉み続けるのは元専属トレーナーの夫である。

「小ぶりで薄く見えるけど実際には幾層にも重なり折り畳まれ圧縮された濃密かつ柔軟な筋肉がびくびくと反応して、」
「やだぁ……。」
「手が幸せだ。」
「いやだぁ～～！」

2
事の始まりはある日の夜。
共に夕食を終えた後、自室で仕事中の夫の元にアグネスデジタルは茶を運んだ。

「ありがとう。一緒にデータ見る？」
「見ます見ますっ！」

サブトレーナー業を勤める夫にはデータ分析という重要な仕事がある。ウマ娘の走りぶりを動画で確認して、問題点、改善点を見出す大事な仕事だ。
妻アグネスデジタルはウマ娘好きで知られた元競走バであり、観察力にも優れる。
競走バの経験とウマ娘ファンの執念を併せ持つ、これが私の能力。本土によって付けられた名は、アルターエイリアスだっ！アグネスデジタルだ。
二人してモニタ上のウマ娘の走りを見る。毎日のルーチンワーク。だがその日はデジタルが今までに味わったことの無い刺激があった。

「ひゃいっ！？」
「……。」

夫の片手がデジタルの尻を撫でていた。

3
「何するんですか、んむぅっ！？」

デジタルの抵抗も意に介さず夫の手が尻をぎゅっと掴む。

「んん、アナタ最近スケベさを隠さなくなってきましたよねっ！」
「現役時代には手を出せなかったからね。」
「……現役時代からこうしたかったって事ですかぁ？」

返事の代わりに尻を揉む手を強める。

「んぐっ、それで仕事になるんですかっ！」
「指先の適度な刺激は脳を活性化させる。」
「あたしの尻を玩具代わりにしないでくださ、ひゃあっ！？」

夫の手がうるさいとばかりに尻たぶの間に滑り込んだ。


4
その後夫の仕事中も尻を撫でまわされ、仕事が終わった後寝室のベッドに仰向けに寝かされ今に至る。

「でも今までっ！そんなっにっ、お尻に興味っ、あるよっうに見えませんでしたけど。っ！」
「自分でもわからないよ。気まぐれと言うか、味変みたいなもんかな。」
「本っ当っ、酷い人っですっアナタはっ、んんっ！？」

夫の両手がデジタルの小さく薄く、しかし張りのある尻を揉み込む。

「そっちこそ大学の講義で座りっぱなしで凝ってるんじゃないか？」
「んもう、あたしじゃなきゃアナタ今犯罪者ですからねっわかってるんですかっ！」
「ああ、わかってるよ。キミが凄く素敵な妻だって事。」
「サイッテー！」

不意に夫の手が止まった。デジタルが振り向くとすぐ傍に愛する夫の顔があり顔に手を添えられたかと思うと不意打ちの口づけを

5
こんなのデジたんじゃねえ略してこんデジ。

こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
ナレーションは高田裕司さんでお願いしましたっ。ありがとうございましたっ！

「デジたんふざけんなよ」
「ふざけんなfc2で続きをお願いします。」
「もうだめだねこの夫婦」

あははははっ！いやはや脚本書いた甲斐がありましたねー♪

「お前の脚本かよ」
「おデジお前マジ」
「この既婚者ファンをおちょくることを覚えやがった」

6
セクシャル方面で責めると反応が大きいと社長からは伺っておりましたがこれほどとは。んー、ちょっと刺激が強すぎたかもしれませんごめんなさいっ。

「ああ、こんなのデジたんじゃねえ略してこんデジってそういう」
「社長何アドバイスしてんだ」
「ていうか配信で散々セクシャルやってるからわかってるでしょデジたん」
「その為だけにラジオドラマ書いて高田裕司に声かけたのさいていすぎる」

んー。ドラマというかドキュメンタリーなんですけども。
さて11月6日日曜日はアルゼンチン共和国杯ですっ！現在の一番人気はマンハッタンカフェさんの親戚にしてキングカメハメハさんの血を引くテーオーロイヤルちゃんですがっ！
……いやこのレース、マンハッタンカフェさんやキングカメハメハさんやプイちゃんの親戚が多い……やめときましょうかこの話題っ！

「おいドキュメンタリーって」

この後0時からはマンハッタンカフェさんのPhasmophobia実況ですっ！初プレイだそうなのでネタバレコメントは控えてくださいねっ！
それではバイデジ～♪

誤 : 仰向け
正 : うつ伏せ

--
嗅ぎたいの リマスター

1
「カメラオフになってるけど」
「ストリーミングのソフトが調子悪くて、再インストールしてるんです。」

そうか、わかったという声をインカムで聞くテレワークサブトレーナーは対面座位で胸の間の汗を妻に嗅がれている。

「……デジタル。」
「んふー……。」

妻は抗議の声を聴く気もなく、夫の腕を持ち上げて脇を嗅いだり、シャツを捲り上げて腹を嗅いだり、蹲って膝を嗅いだりしている。

「今仕事中なんだけど。」

同僚にこんな愛撫を見せる訳にもいかないので映像はオフにしているが、それはそれとして仕事が進まない。

2
夫の抗議の声も意に介さず、膝に続いて脛を嗅ぎ、足先を嗅ぎ、そして仰け反る。

「流石に足は誰も臭いんですねえぇ……。」
「わかったら離れておくれよ、今仕事中なのはわかるよね？」

構わず股間に顔を埋める妻は全くわかっていないようだ。
短パンをインナーパンツごとずらして男の芯に鼻を突っ込むデジタル。
その顎に膝蹴りを食らわすと夫は改めてキーボードを指で叩く。

「蹴らなくてもいいじゃないですかぁっ！」
「今仕事中っ！！」
「仕事とあたしとどっちが」
「キミが大事だけど今のキミは尊重に値しないっ！」
「ムキーッ！」

3
その後もアグネスデジタルはめげる事なく夫の体を這い回る。
最終的に後ろから抱き着いて、夫の左肩の少し上の耳裏に鼻腔を定住させた。

「今日もラブラブだねえ。」
「恐れ入ります。」

ボイスチャット先のメイントレーナーに気恥ずかしい声を返す。

「デジたんも早く資格とれるといいね。」
「恐れ入ります。」

妻の代わりに返事を返す。
定型的な返事しか返せなかったのは、耳裏を嗅ぐ妻の鼻息がどんどん荒くなるのを感じ取っていたから。


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Trainer Trainer

1
『いい物は必ず評価される』

これは市場を知らない幼い見解に過ぎない。だが何故いい歳をした創業者すらこの妄言を信じるのを辞めないのだろう？

努力は報われるべきだという洗脳は富裕層から貧困層に至るまできっちりと行き渡っている。
報われれば自身の努力の成果であり、報われなければ努力が足りないという自省に落ち着く。
できる人間にモチベーションを与え、できない人間にもチャンスを幻視させる素晴らしい思想。
その陰には、自らの努力が足りないのだと心と体に鞭打つ人間がいるのに。
お前の努力が足りないのだとただ鞭打つだけの人間がいるのに。
鞭の痛みだけを人生とする多数の人がいるのに。

--悪い、今から出る。悪いけど家事頼む。

ショートメッセージを妻に打ち込むと、僕はすぐさま身なりを整えて家を出た。

2
「おデジどうした……？」

携帯を見つめ頭を抱えるアグネスデジタルに、サークル室の同志が声をかけた。

「いえ、ちょっと家庭の事情で……。」

と告げるや否やウマ娘同好会のメンツは彼女の元に集まり矢継ぎ早に問いを投げる。
--旦那さんとうまく行ってないのか？！
--デジたんを悲しませるとは酷い夫だ
--やっぱりあたしが結婚しておくべきだった
--俺達に何かできる事はあるか？

ウマ娘同好会においてG1をいくつも勝ち取ったウマ娘は学年関係なく最上位の存在である。

3
「いえ、本当に大丈夫ですから。ただちょっとそのー、プライベートな事情で今日は早く帰ります。すみません。」

アグネスデジタルが深く頭を下げると水を打ったように静まり返り、往々にうん、わかった、仕方ない、と了承の声を返して背を向けた。
デジタルはすみませんと一言告げ、鞄を肩に掛けるとウマ娘専用レーンを家に向かってひた走った。

大学生アグネスデジタルの夫は、現在主夫兼テレワークのサブトレーナーを勤めている。
その夫が家を空けなければ行けない。これは非常事態である。
――そして、トレーナーの非常事態はトレーニング対象のウマ娘の非常事態に他ならない。
ましてテレワーク前提の夫ですら現地に行かねばならない事態となれば、並大抵のトラブルではない。
そんな知らせを聞いて、態度に出さずにいられるほどアグネスデジタルは浅いウマヲタでない。

祈るような気持で家路を走り、鍵を開け躊躇無しに夫のPCを操作する。
そこには、メイントレーナーからのチャットが表示されていた。

----骨折発生。至急招集する。

4
僕の意見は他のサブトレーナー達と同じだった。
長期療養。もとより骨折から出来ることなどそれ以外にない。だがメイントレーナーにとってはもう一段苛烈な選択肢があった。

「引退を考えている。」

その場にいるサブトレーナーの誰も、俯くばかりだ。
競走バの骨折は単なる怪我ではない。レースや練習に「ついていけない」というシグナルでもある。
ウマ娘は時速60km以上で走る人智を越えた存在である。だが決して無敵ではない。その脚力を受け止めきれず肉体を壊すことは日常的にある。
ましてや肉体の限界を追求し拡張していくことを使命とする競走バにおいては猶更だ。
ウマ娘は頑丈だが、それだけに蓄積した疲労が爆発するダメージもヒトの比ではない。件のウマ娘の脚は、骨だけでなく周辺の筋肉も著しく破断していた。
まずは骨の自然修復。その後衰えた筋肉の治療と再強化。その時間だけ同期とは鍛錬の差を付けられる。
骨の修復も放っておけば元通りになるものではない。骨の自然修復は例えればはんだ付けのようなもので、細心の注意を払って治療しても大なり小なり違和感が残るのが常だ。

5
それでも、僕は手を挙げた。

「望む限り、走らせてほしいと思います。」

場は、また水を打ったように静まり返った。それが出来れば苦労はしない。
わかっている。僕だってアグネスデジタルのトレーナーだったのだ。

「出来る事を全部やって、それでも無理なら。その時に最後通牒を告げればいいと思います。キツい事ですし、トレーナーの自己満足だとも思う、でも。
自己満足すらまともにできないなら、ウマ娘の人生を満足させることもできやしない。」

脳裏に浮かんだのは妻の姿。全てのウマ娘を分け隔てなく愛しながら、誰よりも自分の在り方を曲げない唯一無二の在りよう。

「……やっぱりそうか。」

メイントレーナーは安堵の混じる声でそう言った。

6
新聞によると、そのウマ娘は「長期治療後の復帰予定」という路線になったらしい。

「この娘また走れるんですよねっ！？」

期待と不安の入り混じった目で妻が乗り出す。

「彼女次第だよ。」
「なら問題ありませんっ！」

即答する妻に背筋の伸びる思いがした。ウマ娘を信じるという点において、アグネスデジタルに勝てる者が地球上に居るのだろうか？

「……早くトレーナー資格取っておくれ。」
「何です？急に？」

目を丸くする妻に、僕はただ笑顔を返すばかりだ。

--
Q.マイルチャンピオンシップとは何ですか？ A.マイルのチャンピオンシップよ。

1
「セリフォスちゃぁああああああんん！！！！！！！」

阪神競バ場の観客席で、妻が勝ちウマに歓声を上げる。
混戦となった最後の直線で有力馬を千切っての一着。文句のつけようもない見事な勝利だ。

「凄い末脚でしたねっ！」
「うん、強いのは知ってたけどゴール前の競り合いであのメンツに勝つのは、ちょっと予想できなかった。」

キラキラした瞳でこちらを見上げる妻の名は、アグネスデジタル。
彼女もまたこのマイルチャンピオンシップの覇者として名を連ねるウマ娘の一人だ。

2
「予想、んー、まあ、そうですねえ……。」

予想の話をするとデジタルはいつも複雑な顔をする。
勝ちウマの予想をするということは負けるウマ娘の予想をすることと表裏一体だ。しかし全てのウマ娘を愛するデジタルにとって、予め負けそうなウマ娘を予測しておく、というのは余り馴染まない。
勝ったことは喜ばしいが、負けたことも忌避すべきではない。勝利も敗北も努力と実力で掴み取った結果であり、これからに繋がる道しるべなのだから。

「おっと、そろそろウイニングライブの時間ですっ！」
「急がないとね。」

僕たちは手を取り、人波に載って会場へと歩を進めた。

3
会場の興奮について僕は語る術を持たない。
ただ、一番人気だったウマ娘が五番手の位置で、八番人気だったウマ娘が二番手の位置でそれぞれ踊っていることに、やはり残酷さは感じた。
けれど彼女らはそんな事はおくびにも出さず、キラキラとした笑顔とキビキビとしたダンスでライブを彩っている。
競バが強いウマ娘はその分大舞台でのライブ経験も多く、アイドルとしてのプロ意識も強い。
だからグレードの高いレースほどウイニングライブもクオリティが高い。

僕の隣で妻は只管ウマ娘の名前を叫んでサイリウムを振っていた。大好きだと全力で表現する。表現する事自体にも喜びを感じる。それはイチウマ娘ヲタクの姿に過ぎないとも言えるし、誰よりもウマ娘を愛するウマ娘の姿とも言える。
僕にはない、僕とは違うウマ娘の愛し方だ。

「ほらっ、アナタもこれ振ってくださいっ！」

手渡された二本のペンライトを僕も両手に持って振る。
ヲタ芸は打てなかったけど、僕なりにレースに参加したウマ娘達への労いは表現したつもりだ。

4
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「ぶふぅーーー❤」

ルームミラーに映る後部座席で妻が幸せそうに溜息を吐く。だらしない声や顔はちょっとファンには見せられない。
僕だけが独占できる、僕が一番好きなウマ娘の無防備な姿。笑みを噛み殺しながら運転を続ける。

「やっぱりG1はぁ、いいですねえぇ……。」
「そうだね。」
「ですよねぇっ！研ぎ澄まされた才能と努力のぶつかり合いっ！」

独り言のように漏れた言葉に相槌を打つ。途端にデジタルは身を乗り出し、シートベルトのロック機構に抑え込まれた。いつもの事なので彼女も気にしない。

「凄く凄いんですよっ！逃げ狙いのウマ娘ちゃんも先行のウマ娘ちゃんも差しも追い込みもっ！
皆自分の得意と不得意をわかってるっ！その上でゲートオープン前までの緊張と、その後の展開……思うようにいくウマ娘ちゃんもうまく行かないウマ娘ちゃんも居て、それでも走るのを辞める訳には行かないから今この時に全力を尽くす、それがとてもとても美しいんですっ！」

5
「それを配信で聞かせてやりなよ。」

妻は大手動画サイトに配信用チャンネルを持っている。

「あああそうですねえっ！そうすべきでしたっ。全てのウマ娘ファンは当然さっき言ったことぐらいわかってると思っていましたがそんな訳ないですよねっ！
あたしだって専門用語やレース展開なんて全然知らなかった時期がある訳ですしそう言うのをケアするのは話題としてもとてもいいと思いますっ！」
「今はゆっくり休んでなよ。」
「忘れちゃいますからっ！」

どこからか取り出したメモ帳にペンを走らせる妻。現役の頃と変わらないなと笑ってしまう僕。

「ウマ娘については、キミには敵わないな。」
「何を仰るのかっ！？」

6
「このあたしにG1を勝たせてくれたアナタがそんな事を言うなんてっ！」
「でも僕はキミのように全てのウマ娘を愛することは出来ない。」
「……。いいじゃないですか。」

ルームミラーに映る妻の顔が紅潮したように見えたのは、西日のせいだろうか？

「あたしみたいなヲタクでなくたって、アナタはウマ娘と結婚するほどのヒトなんですよ……？」

続く声が小さくなっていく。

「……明日、講義あるんだっけ？」
「はい？」
「……今日は疲れたから、ホテルで休みたいなーって、思うんだけど……。どうかな？」

妻は顔を真っ赤にしながら、はい、と聞き取れないほどの声で答えてくれた。


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幸せな空騒ぎ

1
お疲れさまでしたー！という声に軽く手を振って、俺は椅子に体を預けた。
12月25日午前3時28分。クリスマスカウントダウンライブを終え、舞台を彩ったウマ娘達が会場を後にする。
俺はそのウマ娘の一人のサブトレーナーを担当している。
妻帯者ではあるが、これほどの大舞台になれば足を運ばざるを得ない。サブとは言えウマ娘を預かる者なのだから。
背もたれに体重を預けてふうぅーーーと長い息を吐くと、お疲れさま、の声と共に缶コーヒーが差し出された。

「ッキミ、何でここに！？」

聞きなれたその声の主は、俺……僕の妻だった。

「何でって、普通にサークル仲間と見に来てましたもの。」
「だったら控室（こっち）に入っちゃダメだろ！？」
「関係者の妻ですって身分証見せたら通してくれましたよ。」

そりゃそうだろう。僕の妻で元競走バ、アグネスデジタルだと示されたら通さない方が問題だ。

2
僕にはこうした事情があるので、『夫婦のクリスマス』は先週に済ませている。それは兎も角。

「……一言言ってくれればよかったのに。」
「そしたら事前の手続きが色々面倒でしょ？ノンアポで飛び込んで拒否されても、別に『アグネスデジタルがまたバカなことした』で済みますもの。」

アポを取るよりノンアポの方が利点があるなんて理屈（ロジック）は初めて聞いた。エアシャカールが聞いたらひっくり返るんじゃなかろうか。

「改めて、お疲れさまでした♪」
「ありがとう。でも、」

缶コーヒーのプルタブを開け、一口分を喉奥に流し込む。

「サークル仲間とは離れてもよかったのかい？」
「いやぁ～実はですね？ライブの後花束渡しました！アナタの見てない所で！！
そんで先輩風ビュービュー吹かせてやりましたよ、歌の発声とか踊りのキレとか表情とかファンアピールの目線とかそりゃもうチクチクとダメ出しを、」

3
「嘘つけ滅茶苦茶頭下げてサインねだってただろ敬語で。」

デジタルの頭に大きな手が載せられた。

「あ、あらら……。」
「！ お疲れ様です！」

椅子から立ち上がり頭を下げた。
彼は今回のライブに参加したウマ娘の一人のメイントレーナーだ。僕の先輩でもある。
彼より遅くトレーナーになり彼より早くサブトレーナーに引っ込んだ自分にとって、多少苦手というか、申し訳なさがある。

「お疲れ。相変わらずお転婆なお姫様だね。」
「恐れ入ります。」
「トレーナーさんはご結婚の予定はあるんですか？」

4
頭を下げる僕を他所に、相変わらずのお転婆さをぶつけるデジタル。

「担当と？『無い』と言っておこう。」
「ですよねぇ～～♪」

デジタルが「美味しそうな」顔をした。

「失礼だろ。」

デジタルの肩を引いて先輩から遠ざける。
現役ウマ娘との恋愛話など、事実がどうあれ担当トレーナーの返答は『ノー』しかあり得ない。妻はそれをわかった上で探りに行った。流石にやり過ぎだ。

「ところで、サークルの仲間は？置いてきてよかったのかい？」
「『ダンナとのイチャイチャ話をたっぷり持ち帰って来てくれ』と託（ことづか）りましたっ！」

5
なるほどウマ娘ファンってのはいい根性をしている。

「折角来たんだ、片づけ手伝ってもらうぞデジタルちゃん？」
「勿論ですともっ！ウマ娘ちゃんの努力の残り香を味わえるなら文句などあろうはずがっ！！」

動機は兎も角ウマ娘のパワーは撤収作業に大いに役立つ。増して元ライブ経験者なら専門用語や順序などの機微も知り尽くしている。コーヒーを飲み干し、引き立てられるデジタルの後ろから僕もついていく。カフェインは鎮静ではなく興奮を齎す成分なのだから。
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何もかも搬出が終わりトラックが出発した頃には、空は白んでいた。

「手伝ってくれてありがとう、デジタル。」
「いえいえ、あたしも色々と収穫があり」

言いかけた彼女に一人のヒト娘が駆け込んでタックルじみたハグをした。

「うわーんやっと出てきてくれたぁ、もう別の出口から出てるんじゃないかって思ったよおお。」

6
よしよしと頭を撫でるデジタルに二人の若者が歩み寄って来た。

「はいはい引退済みとは言えスターウマ娘にいきなりハグは反則物だから。」
「お疲れ様です。わたくしウマ娘同好会の副会長をしている者です。デジタルさんにはお世話になっております。」

女性がデジタルからヒト娘を引き剥がし、男性が丁重に自己紹介をした。と、途端にあたりが騒がしくなった。
あれデジたんじゃね？ デジたんじゃんなんでここに？ ライブ見に来たんでしょ、じゃ傍にいる人達はサークルとか旦那さんとか？
どうやら宿を取れなかった観客が始発まで周辺で時間を潰していたらしい。

「……逃げるぞ。」

副会長を名乗った男がデジタルの手を取って走り出した。それを追うように写メや一眼レフを構えたファン達が迫る。
僕も走り出しかけたが、副会長とやらが迅速に帽子とマスクとサングラスで妻の姿を偽装したのを見た。
その手際を見て僕はデジタルの携帯に「何かあったら居場所だけ伝えろ」とショートメッセージを送りその場を離れる。
その後真直ぐに自宅に戻ると妻は既に帰宅しておりニコニコとおかえりなさい♪と迎えてくれたのでヲタクの底力を思い知った次第である。

--
matron

1
「んむむむむむ……。」

お屠蘇で煮えた頭が湯気を出しそうになっています。
モニタに映るのは尊敬する作家様の有料コンテンツ。この方がいなければ一つのジャンルが終わる、と言ってもいい、とてもダイナミックな絵を描かれる……しかしマイナーなジャンルの……その道のプロでございます。

自分の趣味か、と言われれば実はそうでもないのですが、自分の趣味ではないけどこれは応援せざるを得ない、と思わせるだけの画力とアイディアを持つ大先生でございます。
そこに提示された金額は……5桁円。
その代わり一回でもそのプランで支援すれば今まで出版された同人誌ほぼすべて送ってもらえるという大盤振る舞い。
しかししかし、趣味でない本を送ってもらう為にえいやと高額支援をするのは100%の肯定はできません。
同じサイトで支援している別の方にも示しが着かないというか、支援というのは見返りを求めるものではないはず、というか……。
ぐわんぐわんと思考が揺れるのはきっとお酒のせい。
こんばんは、アグネスデジタルです。

2
SNSで大学のウマ娘愛好会メンバーに相談したところ、
「正月ぐらいダンナとイチャイチャしてろ」というお返事。
さいですか。
残念ながら夫はサブトレとして担当しているウマ娘ちゃんの年越しライブを終えてダウンしております。デジたんも当然見に行き、スタミナ切れで死に申した。

一足早く目覚めてマイPCに向かったところ冒頭の事態でございます。
疲れの残る頭で考える事ではないのかもしれません。
でも寝直すには覚醒が過ぎてしまいました。
この方の描くウマ娘ちゃんはグラマラスで筋肉質でえっちで表情豊かで都合が良くて時に傲慢、時に従順で……。
これほどの腕の方が金欠を理由に絵描きを辞めてはならない。そう思わせるだけのパワーがあるのです。

3
しかし、もしこの方に高額支援を行ったならば。
今ほかの方にデジたんが支援している方々にも同等の支援をしなければ不公平（UNFAIR）です。けれども「今までの同人誌ほぼ全て」の報酬は魅惑的だ。

それとはまた別に、デジたんが気にしていることが一つあるのです。

それは、支援しなければ見る事の出来ないコンテンツの存在。
「支援の見返り」と言えば聞こえはいいですが、それはほぼ全ての人類にとって供給されないコンテンツでもあります。
そんな勿体ない事があろうか？
素晴らしいイラスト、素晴らしい動画を、毎月相応の額を払っている人しか見ることが出来ない。知ることも出来ない。
サブスクリプションに近くはありますが、あっちは毎月一定額で多数のコンテンツを選べる「商業主義的」で「利便性を求めた」料金形態。
個人作家ごとに毎月ン円という制度だと、どう足掻いても好きな作家のほとんどはカバーできないままです。
支援のための投資。コンテンツ購入の為の入金。その狭間を縫う事は間違ってはいないし成功しているモデルでもあるしぶっちゃけデジたんも利用していますが、偶にこうして考えちゃうことがあるんですよねえ。

4
不意にノックの音。どうぞと呼ぶと夫が入ってきました。

「絵を描いてるのかい？」
「いえ、今はちょっと。」

暖房とアルコールでぼやける頭を何とか奮い立たせながら、お悩みを吐露しました。

「月一なら、一回ぐらいはいいんじゃない？」

それが回答でした。

「一度限りの贅沢として高額で支援して、その後減額するのが一番効率的じゃないかい？」
「正直あたしもそう思っていました。でもそれって気まぐれに自分に都合よく支援するって事ですよねえ？」
「ファンの心変わりはよくある事だよ。それにキミやキミの支援している他の人たちも絡む話なんだ。考えたって複雑すぎて答えは出ない。気持ちに従うのが一番でしょ。」

5
丸め込まれた感じはしますが、悪い気はしません。
ケツイしました。くらえ絆地獄！

「では行きます！ひと月限りの最大火力支援、999ダラー！！」
「999ダラー！？」

1月限りのデジたんからのお年玉、お受け取り下さいませ。ポチり。

これ6桁円だと気付いたのは翌日です。お酒はほどほどにしましょうね。

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2023年初配信

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
ハッピーニュー…イヤァアアアアアアッハァーーーー!!!
ハァ？

「はぁ？じゃないんだよ」
「あけましておめでとう」
「もう酒入ってんの？」

いやこれから入れます（ぐびっぐびっぐびっ） っぷぁ。

「カワイイ」
「カワイイ」

ありがと、ありがとでーす♪

2
今日はねえ、12月に見たレースの振り返りをしようかなと！思います！
まずは12月24日に開催された、阪神カップ。
最後の最後まで何人ものウマ娘ちゃんが一着を争っていましたが、勝ったのはダイアトニックちゃん。
実力伯仲のウマ娘ちゃんが複数いるとああいう展開になるんですねえ。
何人ものウマ娘ちゃん達が最後の最後まで1着を奪うために全力で走る姿っ！自分のことのように乗り出して見ちゃいました。
自分の脚、もっと速く、もっと速く動け！！って感じの鬼気迫る表情をしていました、美しい……。
一対一の競技では味わえないレースの醍醐味ですよねえ。
ダイアトニックちゃんはG2、G3では勝ち星があるのですがG1は高松宮記念の3位が最上位。そして彼女はこの阪神カップが引退試合となります。お疲れ様でしたっ！

「お疲れ様でした！」
「引退レースで勝つとまだやれるんじゃって思っちゃう」

そうですよねえ、G1行けるんでは！？ともデジたんもちょっと思ったのですが。そこは色々ね、事情があるでしょうし。

3
さて同日開催のグレイトフルステークス。
阪神カップとの兼ね合いでこっちは後で映像で見てました。
勝ったのはシルブロンちゃん！
最後の直線で外からぐぐーーっと上がってくるのは圧巻の強さ。
2500mでそこまでの脚を残したまま走れるだけでも超凄いんですけど、これはデジたんがマイラーだからそう思うだけかなあ？

（ぐびぐび）っぷぁ、続いて大本命、有馬記念！！
タイホちゃんにプボちゃんにエフフォーリアちゃんにと流石有馬というべきオールスターなメンバーでした！
最終コーナーから忍び寄り、最後はカミソリのような末脚でとどめを刺して一着を奪い去ったのはイクイノックスちゃん！！
イクイノックスちゃんはこれで6戦4勝、うちG1が2勝、負けたのもG1でこれはどちらも2着。デジたん自分で口にしてて信じられません。

「強いねー」
「凄い強さだった」

ねー、後生畏るべしって奴ですねー。もっともっと活躍を期待しています！！

4
（ぐびぐび）さて最後は28日に開催されたホープフルステークス！
じっくりした競馬からのギリギリの先頭争い！トップナイフちゃんか！と思いましたが競り勝ったのはドゥラエレーデちゃんでしたっ！いやーいいもんみましたよぉ♪
そしてこれがG1初勝利！おめでとうございますっ！（パチパチパチパチパチ）

おまけでもう一つ。諸事情で後で動画で見た18日開催の朝日杯フューチュリティステークスです。
ドルチェモアちゃんこれで3戦3勝！！！無敗です、無敗。
ドルチェモアちゃんと言いイクイノックスちゃんと言い、もう現役時代のあたしでも勝負になるかどうかっていうすんごいウマ娘が活躍する時代になっちゃいましたねえ。
デートぶっちして見に行けばよかったってちょっと思っちゃいましたよ。

「デート？」
「誰と？」
「浮気？」

ダンナとですよっ！
『誰と』じゃないんよ！浮気でもないんよ！！失礼なっ。

5
うちはですね、家族のクリスマスを一週間前倒しに、年末年始のご挨拶は一週間後ろ倒しにしてるんですよ。
ダンナトレーナーだからクリスマスは手が離せないしあたしは年末はイベントがあるってことで。
だから朝日杯の日はクリスマスデートしてました。
で24日は阪神カップ見てぇ、クリスマスカウントダウンライブ見てぇ、家に戻って仮眠してから有馬記念見に行きました。

「タフネス…」
「タフという言葉はデジたんの為にある」

そのカウントダウンライブの裏方にうちのダンナが居たって言う。
そんな感じで仕事と趣味がどうしても噛み合わないんでね。自分たちの方が日程を変えればよい、という考えに行きつきました。

「朝日杯の裏でデジたんはダンナとステークスしてたんだ」

ステークスを隠語にしないでください。

6
んなわけでね、年末のイベントも終えて！確定申告の書類も作って！在庫の整理も終わったというところで余白の時間が少し取れたので配信させていただきましたっ！
みなさんはお正月三が日いかがお過ごしでしたか？
明日からお仕事という方もおられるでしょうし、もう既にお仕事されてる方もおられると思います。
そんな人たちのね、お慰めに少しでもなってればいいなあと思いますよっ！
さてこの後の時間はオグリキャップさんとタマモクロスさんのオフコラボ、『炬燵でおもちと雑談』です。
おもちと語らうのかな？？？ここで言うおもちって咲-Saki-用語でいう所の体の部位の事かな？だとしたらドトウさんとかヒシアケボノさんとかクリークさんとか

「酔ってんのか」

酔ってません！それでは、バイデジ～～～～っ、ぐぇっぷ。

「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」

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[補足]ハッピーニュー…イヤァアアアアアアッハァーーーー!!!
https://store.line.me/stickershop/product/21802595/ja
書いた後でこれは元ネタわからんなと思ったので補足しておきます。
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拾う神あり

1
「うおおおおおおおおマジですかぁ！！」

大声とそそり立つ尻尾。
自分の横でソファに寝そべっていたデジタルの突如の驚愕に、夫も面食らう。

「どうしたの。」
「これですよこれっ！」

そうやって突き出されたのはスマートフォンの画面。
そこにはアグネスデジタルの没勝負服の写真。
その下の文面では特別復刻版としてコスチュームを作りたいので連絡されたし、とのこと。

「あれ？着た事なかったよね？」
「でも一応勝負服候補として公開はしましたし。」

2
「やっぱり嬉しい？」
「そりゃそうですよ！あたしみたいな引退バの、しかも没コスだなんて！！よっぽど好きじゃないと作ってもらえませんものこんなのっ！！」

確かに酔狂だとは思う。

「でも君この勝負服嫌がってたじゃない。」
「ま、ま、ま、当時の自分にはちょーっと、セクシーが過ぎるかなーって思ってましたのでっ。」

勝負服の没案は白い網タイツにガーターベルト、右手だけの手袋、足の甲を見せるアンクルストラップの靴とどちらかと言えばセクシーに寄せたコーディネートだった。
https://umamusume.jp/app/wp-content/uploads/2021/01/a54adb203540e98efe832550a082a6d8.png
が、本人のセンスには合わず敢え無く没に。この没デザイン自体はそこかしこで折に触れてメディアに公開しており、その度にデジタルは「あたしにはちょっと」と照れ笑いしていた。

「ファンメイドでコスがあるのは知っていましたが、まさか企業が本人公認の品を作るために動いてくれるとはっ！」
「なんか手伝えることある？」
「打ち合わせがあるそうなので付き添っていただければっ！！」

3
某日、夫妻でその企業に訪れた。

「オワーッ！いきなりスペシャルウィークさんの勝負服と制服が並んでお出迎えっ！その横に寄り添うようにスズカさんの衣装がっ！尊い！！
ウララちゃんの勝負服、絆創膏は肌色タイツの上に模様を描くことで実現してるんですねっ！
こちらはお、お、オペラオーさんの勝負服、こちらは一足先に没案も商品化されたんですよね、こっちの方が濃い光沢があるんですよそしてやっぱり隣にはドトウさんの勝負服っ！でっっか……！没案も制服もでっっっか……！！
あっヒシアマ姐さんだっ！いい寮長さんでしたよねえ何だか萌えると同時に懐かしくなっちゃう今どうしてるんだろっ！？
ええーったづなさんのコスも秋川学園長のコスもあるんですかっ！？ギャーッ！クリスエスちゃんの服まで引退レース思い出しちゃいま…」
――――
「すみません、普段はもう少し聞き分けのある子なんですが。」
「はしゃいでしまって大変申し訳ありませんでした。」

深々と頭を下げる妻にいえいえと笑顔で返す企業の方たち。
その後の打ち合わせは滞りなく終了。
後日プロトタイプを作るので確認に来て欲しい、ということで一旦は解散。

4
更に後日。

「こちらになります。ご確認ください。」
「ん、んふふふ、えへ、えへへへへ……♪」

没勝負服を着せられたマネキンを見ながら、デジタルが見たことの無い萌え方をしている。
と、夫の方に振り向いた。

「……照れますねこれ♪」
「いいからちゃんと確認して。」
「あい。」

その後妻はマネキンの脚を見たり胸の上から覗き込んだり背中に回り込んだり耳飾りを凝視したりガーターベルトを見たりネクタイを触ってみたりまたガーターベルトを見たり。
へぇー、ほぉー、なるほどぉー、うへへへへ嬉しいなぁ。
試作品のチェックという目的をすっかり忘れて楽しんでいた。

5
「本人が此処まで入れ込んでいるのなら、問題ないと思います。」

妻の代わりに夫が答えた。

「それはよかった。」
「あのっ！」

妻が挙手する。

「お願いがあるんですけど……。」

6
「良かったですねえ、試作品の予備があって！」

帰りの車の中で、デジタルは紙袋を抱えてご満悦だ。

「確かに、キミ自身で着てみるのが一番というのは確かだ。」

そういう夫は苦笑い。本人は本当にただ着てみたいだけだったのに、向こうの方で『試着』という大義名分を提案してくれた。

「……アナタも興味ありません？没デジたん。」
「……。運転中にそういう話をするのは危ないから。」
「そういうってどういうことですかぁー？なぁにを想像したんですかぁー？ねぇねぇ～～？」
「……。」
「二人でちゃんと確認するってだけですよぉ、魅力的な衣装かどうかをね、ねっ？何もやましいことなんかっ！えへへ❤」

夫妻は共に翌日休日であり、預かった試作品は後日クリーニングしてから返したことだけ記述して本稿は終わりとする。


--
新参シンザン信山

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
牛乳と寒天でこんなもの作ってみましたぁ～～～！！！

「褒められる前提で配信してるのが嫌」
「自分の可愛さを過信してるのがちょっと鼻につく」
「デジたんの作ったものなら何でも鼻から食べる」

まずブツの感想から言って？！
確かにデジたんにそういうリスナーへの甘えはありましたよ！ すみませんでした！！あと鼻からは食べなくていいですっ！！

という訳でっ！！牛乳寒天で作った三段ウエディングケーキミニチュア版でっす！！！

2
「ウェディングケーキ風だから辛辣なコメントされるのでは？」

そうですね……。どうせ作るなら豪華にしよう、豪華な甘味と言えばウエディングケーキの重ねっぷり！
と思い至って5段重ねウエディングケーキ風牛乳寒天タワーを作ってしまいました……。
捨てますね……。

「捨てんな！！！」
「捨てんなって言われたがってるのがもうキモい」

おい！キモいって言ってるキミは何でこの配信を見てるんですか！？憎しみがキミの生きる糧なの！？
あ、スパチャありがとうございますっ！

「アグネスデジタルのバレンタインチョコは全て俺のために作られるべき」

ん～～～～～ノーコメントっ！！！

3
不評だったのでケーキ風牛乳寒天は画面外で処理しておきますねぇ……。
さてレースで機になるのはやっぱりシンザン記念ですよね！
何故ならエロ漫画雑誌でそういうペンネームの方が読者投稿ページに長年イラストを投稿なさっておられるからっ！

「理由……」

創作活動の大先輩ですから当然のリスペクトですっ！
さて今年のシンザン記念はライトクオンタムちゃんにユタカトレーナーでしたねっ！
いやーあの最後の追い込みは強いとしか言いようがありません。サンライズピースちゃんが内からスパートかけた時は決まったと思いましたが更に外から抜き去るとはっ！
2歳新バ一着からのG3勝利はもう文句のつけようがありませんっ！
どこまで伸びるのか今から楽しみですっ！頑張ってくださいねっ！

4
クオンタムは日本語で量子。
量（はか）る子（こ）どもと書いて量子。伝わってるかなあ？
量子の領域では、物質の存在は確率的にしか決定しないそうです。我々が観測して初めてどこにどんな量子があるか決定される。
でも観測なんて意識しなくてもあたし達は普通に生きていますし、ニュートン物理学の範囲内で全然問題なく生きていけていますっ！
ライトクオンタムちゃんのライトは、英語で光を意味します。L I G H T です。光の粒子、光子ですねっ！KOUSHIROUさんではありませんっ！！
2連勝と言えば簡単そうに見えますが、その初勝利を収める事すら実際には困難極まる事。
増してや二戦目で重賞を勝ち取るなんてとんでもない事です。

競バの世界は一着以外は全部「負け」、です。レースってのはそういうもんです。そして、「勝つ」と「負ける」とでは全く価値が違う、厳しい世界でもあります。


5
だからこそ、あたし含め誰もが勝てる土俵を求めて体を鍛えてレースに出るんですよ。
日程やコースの長さや坂の有る無しで戦うウマ娘ちゃんが分散されはするんですけど、逆に言えばレースに出るウマ娘ちゃんはその日程、そのコースの長さ、その坂の有る無しにアジャストしてるウマ娘ちゃんばっかりなんですよね。
その中で勝てるのはやっぱりとんでもない事です。

「自賛やめろ」

ごめんなさぁい。でももう引退してるんだし優しくしてくださいよぉ。この娘と違って滅茶苦茶負けたレースもあるんですしぃ。
ねっ？ ♪ ❤ 💛 ♥

「許す」
「許さん」
「俺に詫び続けろアグネスデジタル」

ASMRネタもちょっと考えようかなあ。

6
ああそうだった牛乳寒天バベルの塔の話をしてたんでしたよウマ娘ちゃんの話をすると脱線しちゃうなあもぐもぐぱくぱく

「パクパクですわー」
「お酒のお供に最適ですわー」
「ビールの苦みを洗ってくれますわー」

ありがとありがとですーもぐもぐ。こういう酷い建造物はたまにしか家事をしないからこそできる贅沢と言いますか、家事の重みを忘れているからこそできる暴挙と言いますか。
ゴメンね夫ちゃん、ちゃんと責任取って平らげますよぉ。
さてこの後23:30からはマーベラスサンデーちゃんの「トランジスタグラマーベラス！！ ニーアオートマタ初見プレイ3」が配信されます。
マベちゃんのお胸と2Bのお尻とリスナーがどちらに注目するのか賭けません？
それではバイデジ～♪


--
愛はブーメラン

1
「今年もチョコレートでいい？」
「キミからもらえるなら何でも嬉しいよ。」

みかんを剥きながら答える夫に、しかしアグネスデジタルは困ったような笑顔を浮かべた。

「ああ、何でもって言うのは流石にデリカシーが無かったな。」
「いえいえ、そういう事ではなくてっ！」

炬燵の布団から取り出した両手で否定のジェスチュアをする。

「その、こんな風に好きな気持ちを表現する方法がですね、カタチだけ、そう『ケイガイカ』していくことがすっと怖くなってっ！
あなたを愛していないのに愛しているふりをするようになるのかも、とかふっと思っちゃったのですっ！」

2
ごめんなさい、と頭を下げるデジタルに夫はみかんの房を引き剥がしながら平気な顔をして。

「多分、それって当たり前の事だと思うよ。」
「ハァ？！」
「あ、あ、いや言い方が悪かったかなぁ？」

果汁に汚れた指を舐めながら夫が言い繕う。

「僕の両親も別にバレンタインデーやホワイトデーにプレゼント渡したりなんてしてなかったよなあって。」
「ああー……うちもですねぇ。」

両手を炬燵の中に戻しデジタルの目が思い出を見るように宙を泳いだ。

「……愛って減るんですかね？」

3
夫が口に放り込んだみかんをしっかりと噛み締め、嚥下する。

「みんな知ってるけど、それって切ないけど。」

ごくり、とデジタルも唾を呑んだ。

「多分、変わっていくんだと思うよ。少しずつ。」
「うーん……。変わる？ですか？減るのではなくて？」
「どうかなあ？例えば子供が出来たりすると、生活は違ってくるよね。今目の前にある課題が変わってくる。」
「想像はつきませんが、理解はします。」
「聡明な妻を持って幸福です。」

夫は更に一房口に含み、じっくりと果汁を味わうように噛み締める。

4
「未来の事はわからない。でもいずれ僕もおじさん、おじいさんになるし、キミもおばさん、おばあさんになる。」
「おじさんとおばさん、おじいさんとおばあさん。」
「もしかしたら、父と母、祖父と祖母になってるかも。」
「子供、孫、うーん、ひ孫の顔までは見たいかなあ？」
「その時、僕らは今と同じように愛し合っているだろうか？」
「えー？……うーん。愛し合っていたいとは思いますがー……。」

我が子をほったらかしてデートに出かけるような母ではありたくない、とデジタルの心が疼く。

「いつか、二人でバレンタインやホワイトデーの話もしなくなるんでしょうか……。」
「そうかもしれないし、そうならないかもしれない。
でもね、愛したくないな、と思った時には愛さなくていいし、愛したいなと思った時に別に愛さない事を選ばなくてもいいとは思うんだよ。」
「どういうことです？」

5
「うーん……。」

頭を掻きながら夫が言葉を探す。

「未来の事はわからない。でも子供の事にしろ、仕事の事にしろ、歳をとる事にしろ、それってどうにもならない。
僕はトレーナー業や家事が疎かになるかもしれないし、キミもウマ娘のレースやライブに行く足が遠のくかもしれない。」
「そんな事はっ！」
「まあ聞いてよ。」

夫がみかんを差し出すと、妻はそれを手に取り、和歌山式で皮ごと割る。

「仮にそうなったとしても、それは多分悪い事だと思うべきじゃないんだ。生活や体力や環境や、きっと色んな要因が重なってそうなる。
そしてそれは今から心配してもしょうがない。だってさ、今こうしてここにある僕らは、過去に夢見た通りだったかい？」

6
「……愛が減るのは嫌です。」
「そうだね。でも増えるかもしれないよ。」
「言ってる事違いません？！」
「未来の事はわからないってだけさ。僕らはいずれ衰える。でも、その衰えを乗り越えて有り余るほどの愛のカタチを見つける事もあるかもしれない。」
「むむむ……。やっぱり丸め込まれてるみたいでイヤです。アナタのそういう言い方、正直改めて欲しいなあ。」
「そういうってどういう？」
「『なるようにしかならない』とか、そういう当たり前の事を言うところっ！ですっ！！」

愛の話をしているのに、理屈の話をされても納得できません。

「一生愛してる、と今は言える気持ちがあるよ。」
「そういう所ですってばっ！」

それが精いっぱいの誠意だとはわかっているから、許してあげますけどっ！頬を膨らませる妻に、夫の脳裏にはうろ覚えの祈りが去来して。
窓の外では、積もる事の出来ない小さな小さな粉雪が降っていた。


7
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

一日一日を生き、この時をつねに喜びをもって受け入れ、困難は平穏への道として受け入れさせてください。

これまでの私の考え方を捨て、イエス・キリストがされたように、この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。

あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。
そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。

アーメン

ラインホールド・ニーバーの祈り


--
当時、ローマでは、2月14日は女神ユーノーの祝日だった

1
ヴァーーーーーーーーン、
アァレーーーーーーーン、
帯っ！
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！

そんな訳でデジ民（たみ）向けのチョコレートを生配信で作っていきます喜んでくださいねっ！
Van Allen radiation belt（いい発音）とはっ！地球の周囲を囲む放射線の帯の事。
地球の自転軸を中心にしてドーナツ状に地球の周りに位置しています。
更にそれには内側と外側があり、内側の帯は陽子が多く、外側の帯は電子が多いのです。
何故そんなものがあるかというと地球には磁場があるからだそうです。方位磁針のあれですね、N極が北を向きS極が南を向くという。
それが陽子や電子を地球の周囲に捕らえ言わばバリアのように展開しているわけです。これがあたし達の生活にどのように影響するかというと

「俺達は何を聞かされているんだ……」

2
さてちょうどよく混ざり切った生クリームとチョコレート。そこにバターを追加！
温めつつ（王女）ヘラでこねこねしながら溶かし込んでいきます。（さっくさっく）
……喋ることないなあ。（さっくさっく）

「さっきまでヴァンアレン帯で盛り上がってたのに」

そうですねえ、チョコレートに地球の磁場や地球周囲の放射線の話は全然関係ありませんしねぇ。（さっくさっく）
さて溶け切った所で更に蜂蜜を混ぜ込んでいきます！

「生チョコか」

曹操（字は孟徳）！作り方を知るとどこが生なんだという感じですが、「もしもチョコレートに『生』があったなら」という架空の存在に近いですねっ！
くちどけ特化型の柔らかいチョコレート、なるほど生と言われれば生かもしれない、そんな感じのスイーツです。

3
（ダーク）ヘラでゆったりとかき混ぜていきます。
空気が混ざると食感がね、よろしくなくなるので。
あせらないでまけるわ

「ふわふわの方が溶けやすいんじゃないの？」

その分野はぬ～ぼ～に譲りましたっ！

「その子はもう……」
「エアインチョコって分類ならほかにも色々あるけど」
「エアインチョコってサクサクしてるけどくちどけは生チョコと相性悪いのでは？」

なるほどなるほどぉー。

4
今回は冒険せず空気を出来るだけ含まない方向で行きます。
あれですよ、誰が言ったかお菓子づくりってしくじるとリカバリーが効かないそうで。
煮詰めた煮物や固く炊いちゃったご飯なんかは美味しく変身させる方法がありますが、お菓子はそういうつぶしが効きません。
アレンジしたい時も一先ずはレシピ通りに作ってみて、それからですねえ。

「もしかしてその生チョコもぶっつけ本番？」

いやいや、流石に調教なしにレースに出る程このデジたんは自分を過信しておりません。
一回リハーサル的なものはやっております。

「何だつまんねえ」
「ハプニングこそが見せ甲斐だろ」
「お前はそこで乾いていけ」

ライバーとして生きる厳しさを今、ひしひしと感じておりますっ！

5
しかししかしですね、今作っているこれは皆さんへのヴァーチャルプレゼントなのですよっ！？しくじったら
これが焦げたり混ぜきれていなかったりしたら、それはそのまま皆様の元に届くという事なのです、だからハプニングが起こるとそれはデジ民の皆様へもフィードバックされるのですよっ！

「俺はデジたんが丁寧に作った綺麗で美味しいチョコを貰えたと信じているから関係ない」

オルタナティヴファクト……。

妄想は確かに絶大な力を持ちますしデジたんも同人誌という形で具現化していますが、絶対ではないという事を心にとどめておいてくださいっ！
あっ、そろそろ溶けたのでバットに移しましょう、だばぁーーー。滑らかで綺麗ですねっ！
さてラップをして。粗熱が取れるまで暫くかかるのでスパチャでも読んでいきましょうかね。

6
「チョコください」
これからあげます。
「旦那にもチョコあげないの？」
もうあげましたっ！
「チョコはいいから愛をください」
チュッ♥
「今の推しウマ娘は？」
シャマルちゃん。
「何故俺はバレンタインデーに人妻の動画を見ているのか」
そういうエロ漫画の導入ある。

さてこのあと0時からはスペシャルウィークさんとサイレントスズカさんのオフコラボ、「寝る前に聞いて欲しい話」が始まりますっ！楽しみですねっ！それではバイデジ～～！！！

--

[余談]サイレントスズカって誰だよごめんなさい。

--
二人で一つになろうよ

1
「そろそろ鍋に火を入れてください。」
「オーケー。」

鶏肉を一口大に切りながらアグネスデジタルが夫に声をかける。
まな板の上にくし形きりにされたかぶの根にざく切りにされたかぶの葉。
デジタルは鶏肉に塩コショウをまぶすと、生姜の皮を剥いて千切りにしていく。

「遅れました、まずは生姜です。」

差し出された生姜の千切りが、鍋の中で熱されたオリーブオイルの中に投じられる。

「ありがとう、少し待ってね。」
「生姜が先が良かったですねえ。しくじりました。」

2
2月いっぱい、デジタルは大学の休暇期間に入る。
課題はあるが、今日は久々に夫と家事をすると決めたのでキッチンに二人で立っている。

「いいよ、入れて。」
「はい！」

デジタルが鶏肉を入れると夫はコンロの火を中火に変えてヘラで転がして炒める。
肉の色が変わってきたところでデジタルがかぶの根を投入。更に炒める。
かぶがまだらにきつね色に焦げた所でコンソメと水と追加。灰汁を取りながら弱火で煮る。

夫がかぶに串を差し、引き抜く。緊張の視線を向けるデジタルに親指を立てると、妻はまな板に残っていたかぶの葉を投入した。

3
「ん－♥♥❤❤おいしっ！」

妻が満面の笑みを浮かべると、釣られて夫も笑顔が零れる。

「お陰様で。」
「いやいや、噛み合わない所結構ありましたよねぇ。えへへ。」
「気にしないで。料理の分担って難しいもんだし。」
「いやぁ～～、でも大学生やってる間にブランクあるんだな、って感じましたよっ。」

白米を合間に入れながら、スプーンで鶏肉とかぶのポトフを味わう。

「いつもありがとうございますっ。」
「どういたしまして。」

深々と頭を下げる妻に、夫も頭を下げて返した。

4
トレーナー試験合格を目指しつつ大学生活を送るデジタルは、どうしても家事を夫に頼らざるを得ない。
一方の夫はそれを見越してリモートワークでサブトレーナーとして働きつつ家事をこなしている。
デジタルにとってそれは有難くも後ろめたい事だったので、今月ぐらいは罪悪感を贖おうと思っていたのだが。

「手伝って貰えて本当に助かったよ。ありがとう。やっぱり一人でやる料理って限界があるし。」
「あ、ああ、すみませんいつも、いつもすみませんっ！」
「二人で作る料理って、僕が作るより美味しいと思う。」
「んぐっ！？
えふっ、えふっ、えふっ、えふっ……❤」

デジタルは真っ赤にした顔を伏せて、咳き込むように笑った。

「ああああああっ！あたしの愛はウマ娘ちゃん達のモノなのにっ！もう……。いつまで経ってもそういうの、あたし慣れないです。」
「嫌だった？」
「イジワルッ。」

5
夕食の片づけを終えて。パソコンに向かう夫の膝の上にデジタルが乗って来た。
夫はいつものようにウマ娘のトレーニング動画を再生する。

「1年目でこのフォームの綺麗さ凄いですねえ。」
「だろ？僕もダメ出ししなきゃいけない立場なんだけど、困っちゃうよね。」
「あっ！この子も担当なんですかっ？！」
「いや、その子は通りがかって来ただけで担当はその手前の子。」
「……この子スプリントで行くんですか？」
「マイルまでは行けると思うんだけど、ライバルが強いんだよ。」
「あ、これステイヤー適性ありですねっ！いーなー羨ましいなーこの子誰とでも走れちゃうんだっ！」
「そんなに簡単じゃないよ、短い距離でスタミナを使い尽くすのだってテクニックが必要だ。」

元名バとそのトレーナーとの新バ評は各バのメイントレーナーにも好評だ。

6
夫も妻も今日の分の課題と入浴その他身支度を終え、二人寝室で天井を仰ぎながら。

「もっと料理できるようになりたいです。今日は噛み合ってない気がしましたし。」
「ああ、そんな事言ってたっけ。」
「あたしだってアナタに美味しい料理をご馳走してあげたいんですよ？でもブランクはどうしてもあるじゃないですか。今日は何だかリハビリに付き合わせたみたいで、なんだかなって！」
「気持ちはありがたく受け取るけど、ちょっと前にバレンタインのプレゼントしてくれたばっかりじゃない。」
「それはそれっ、これはこれですっ！いつもの家事のお返しはその程度ではとてもとてもっ！」
「負い目がある？」
「はいっ！」

あっはっ！余りにも潔い肯定に夫は吹き出す。そして表情と声色に欲望を含めてこう言った。

「時にデジタル。明日僕は休みなんだけど、」

言い終わるが早いか自分のベッドから跳ね飛んだデジタルがルパンダイブを決めるのであった。


[余談]
参考 : https://gucci-fuufu.com/2023/02/26/chicken-thigh-turnip-ginger-pot-au-feu-boil-stir-fry/

--
Key of Life 時をこえて今も

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
突然ですが皆さんにはっ！
『これで自分の人生が決まったなって瞬間はありますかっ！？』
デジたんは幼稚園児だか小学生だかの頃に実家で競バの資料が大量にあるのを見つけて、競走バちゃんラブになって今に至ります。
トレセン学園時代に同級生からも「これこれこういう切欠でトレセン学園への進学を決めた」って話があったなあって思い出しましてですねっ。
ウマ娘に限らず誰も彼も、何て言うんですか？「思い返して見ればあれがロックミュージック用語で言う所の『初期衝動』だったなあ」って経験は結構誰にもあるんじゃないかと思いましてっ！
先週から募集フォームを設けておりましたっ！
という訳で始めますよ、「思い出したよ……久しぶりに 最初の気持ちってやつを」！

2
まずはハンドルネーム、デジたん大好きさんから。

「自分が競バにハマったのは、親が見ていたウマ娘専門のエロ番組で、

次っ！
ハンドルネーム、クイーンヘイローさんからっ！

「マルゼンスキーさんが四苦八苦しながらゲームしてる配信を見てウマ娘の配信を見るようになりました」

なるほどですね～♪ゲーム配信が入り口なのはあるあるですよねえ。
スーパープレイ動画とはまた違って、「その失敗あるある」という共感と、「そんなところで足踏みするな」というイライラをいい感じのバランスで供給する必要があります。
マルゼンスキーさんは元々本人がね、超美人ですし。ああいう方がゲームをなさっておられるのってこう、「下界に降りて戯れておられる」って感じがあって尊みがあります。
あたしもミススーパーカーのゲームプレイ動画大好きですよっ！ Bloodborneで死にながら進みつつも最終的にトロコンに至ったのはやっぱ凄いなって思いますっ！

3
次、桐生院典明さんからです。

「某青年向け雑誌に連載されていた漫画を見てカルチャーショックを受けました。
乳首描いていいんだ、こんなに残酷な世界があるんだ、とかショックを受けて、更にとんでもない化け物と血まみれになりながらそいつらに立ち向かう主人公っていう泥臭さにもショックを受けました。」

ベルセルクとセスタスを広める会さんかな？
そーですねー。言い方凄い悪いんですけど、露悪的な作品というか。
少女漫画少年漫画レベルでは描けない世界を見せられると、ショックあるのわかります。
新しい世界を見た気になるんですよね。想像もしたこともない世界に触れるとワァッ！ってショック受ける奴！！
それがぶっ刺さって一生追いかける羽目になったりね。

では最後、りこちゃん結婚してさんから。

「樫本理子さんを見てヒト娘に興味を持つようになりました。」


4
危ない！危なーーーーーーーい！！！
樫本センセを見る前は何に興味を持っていたのかな？樫本センセのどこがそんなにキミに刺さったのかな？
聞きたいけど聞いちゃいけない匂いがプンプンします！

皆さん投稿ありがとうございましたっ！

『自分は本当は何がしたかったのか』

これに向き合うと色んな事が思い出されますよねえ。
『こうしたかった！』という真直ぐな気持ちで今も生きている方もいれば、『今の自分はこうするほかない』という縛りを付けた上で努力された方もおられますっ！

デジたんは半々かなあ。
ウマ娘ちゃん達の近くに行きたい！という真直ぐな動機でトレセン学園に入学したという所もありますし、
入学した後は他のウマ娘ちゃんの恥になってはならない、ウマ娘として一端（いっぱし）に走れなきゃいけない！という縛りを付けていた面もあります。

5
そんなデジたんも引退を迎えまして。ね？結婚もしましてさ。
あの頃は本当に自分がしたかったこと、確かに出来てたはずだってわかるんです。
でも当時の自分はまだまだもっともっとって思いが一杯一杯で、そんな幸せに気づけなかったんですよねえ。
いや幸せは感じてましたっ！
でもなんていうかなあ、許容量を超えてたのかなって気はしますよ。
楽しい！嬉しい！素晴らしい！！という気持ちで満たされて、「今自分は幸せな環境に居る」というより広い視点での振り返りはあんまりしなかった気がします。

今は大学でウマ娘同好会に入りまして。
ウマ娘ちゃんと一緒に走るのではなく、ウマ娘ちゃんを同志と一緒に見る、という幸せを噛み締めております。はい。

同好会のみんなー！見てるー！？あははははっ！

（無言赤スパ）

おっとっと……？あなた今すぐぱかチューブのハンドルネーム変えてくださいね危ないですよネットは危険が危ないんですっ！

6
今日読まなかったお手紙もねぇ、色々こうリビドーや情熱が込められていて読んでいて本当に楽しかったですっ！
またどこかの機会でご紹介できればいいなあと思いますっ！
（カシュ）さてデジたんはこれから晩酌に入ります。
（ぐびぐび）ぷふぃー♪
今日はちょっと用事があって晩酌配信は出来ないのですが、その代わりっ！
この後0時からツインターボちゃんのチャンネルで「自画像描くっ！」という配信がされる予定です。
達筆で知られるツインターボちゃんですが絵筆を取ったらどうなるのか。いやあデジたん楽しみです。
うふふ、多分皆さんびっくりしちゃうと思いますよ、大きな声では言えませんがデジたんもその、色々作業を手伝って貰ったことがあるので。
あたしもアーカイブで見ますっ。

「用事って何だろ？」

セックス。
それじゃバイデジ～❤


--
ナイト・オブ・ファイヤー

1
鏡に映るあたしはいつもより少しだけ濃いめの化粧。
薄暗い中ではこのくらいしないと映えないそうで。
服もいつもの小学生コーデとは違い、動きやすくも大人っぽい物をチョイス。

「では、行って来ます！」

ハンドバッグを肩掛けにして、玄関に向き直り夫に敬礼。
行ってらっしゃい、楽しんでおいで。そういう彼の顔に僅かな躊躇があったのをデジたんは見過ごしません。

「大丈夫ですって！同好会のみんなも一緒ですし！」
「うん、あの子らは頼りになるよね。」
「それに約束したじゃないですかっ！浮気する時は事前に連絡する、って♪」

そういうとこだぞ、と彼の眉根が語っていましたが、ニッコリ笑顔でお返しして家を出ました。

2
「やっほーデジたん！」
「はーい！」

待ち合わせ場所に辿り着くと程なくウマ娘同好会メンバーが揃いました。
時刻は22時、建物の細く長い階段を下りて、大きな扉を開くとそこには光舞うフロア。
ウマ娘ソングオンリーオールナイトクラブイベント、開催ですっ！

----
この楽しいお時間を詳細に語るのはとても難しいことです。
瓶に口を付けてビールを呑むのも初体験。
映像に合わせてウマ娘ソングをそのまま流す事もあれば、脳が揺さぶられるのようなユーロでガバなハードコアミックスもあったり。
ほわほわといい気持ちになりつつ大きな声で口ずさみます。
ヲタ芸も打ちます。ペンライトも振ります。いえーいいえーい！

3
開演から2時間ほど。しっとりとした曲が流れ始めるとあたしは近くの同好会メンバーの肩を叩きます。

「おてあらい。」

ざわめきの中で言葉が伝わるよう、唇の動きを見せるように告げると、彼女も「いってらっしゃい」と唇の動きで返してくれました。
皆さん考える事は一緒のようで女子トイレは混み合っておりました。自分の番が来る頃にはもう、フロアから聞こえる曲が再びハードなものに変わっていました。

事を手早く済ませ、化粧直しは断念。列をすり抜けフロアに向かおうとすると目の前に見知らぬお兄さんが三人。

「ひょっとしてアグネスデジタルちゃん？」
「……は、はい……。」
「マジか、マジだ。」
「えー緊張してきた。」
「あの、あたし今プライベートでして。」
「俺らもプライベート。奇遇だね。」

4
奇遇じゃありませんよ。ひょっとしてこれは……。

「ナ、ナンパと言う奴でしょうか……。」
「え、あ、うん！」
「デジタルちゃんさえよければって話なんだけど。」
「これ終わった後でさ。デジタルちゃんも最後まで楽しみたいでしょ。」
「ひょえ、あ、その、はい……。
ちょっと待ってくださいね！」

----
夫のスマートフォンに着信。
バイブするそれを操作すると電話ではなくSNSの映像通話だった。

「いえーい♪みてるぅ～？あたしこれからこの人たちと浮気しまーす❤」

5
「うん、見えてる。」

その声はデジタルのスマホとフロアから同時に聞こえた。
声の方を向くと、そこには夫が電話片手にデジタルの方へ近づいてくるところであった。

「妻がお世話になっております。」
「あ、はい……。」

三人組の男性はそそくさと退散。

「来ちゃったんだ。」
「来ちゃったよ結局。」
「心配かけて、ごめんなさい。」
「いいさ、僕とキミの仲だ。」

6
そんな夫も酒と音と光と深夜テンションに徐々に呑まれ、最終的にはコールや手拍子さえする始末。

やがて長い夜は終わった。
夫が同好会メンバーに「邪魔してごめんね」と言うと、彼らはお気になさらずとほくほく顔で応えた。

「いい物を見せてもらいましたので。」

夫は首を傾げ、デジタルは苦笑い。朝日の中、始発電車でめいめいの帰路に就く。

そして家に帰った二人は一緒にお風呂に入り、
一緒のベッドで寄り添って眠りましたとさ。めでたしめでたし。

……という内容の薄い本がウマ娘同好会名義で発行されデジタルが絶叫したのはまた別の話。

--
ありのままスプリント

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
ファストフォースちゃん高松宮記念勝利おめでとうございますっ！！
36戦目にして遂に遂にのG1初勝利は雨の中京競バ場。
団野トレーナーの指差すようなガッツポーズもサマになっていました。
前走のシルクロードステークスの借りを返すと言わんばかりに、ナムラクレアちゃんを2着に抜き去っての勝利というのも劇的ですねえ～。じゅるりら♪
ウイニングライブもお美事でございました。
レースで火花を散らしたお二方がライブでは笑顔で視線を交わし合うのです。
残酷な事でもあるんですが、でもでも闘争心バッチバチで競い合った後はステージの上で思いっきりアイドル！って、ストレスの発散にも効果があるんじゃないかなぁ、と引退した今となっては思います。

2
さてそろそろ3月も終わり。新たな旅立ちのシーズンですねえ。
デジたんもこれを機に新しい試みとして、「配信切り忘れ配信」にチャレンジしようと思ったのですよ。
「配信切り忘れ配信」とはっ！
通常のライブ配信後もマイクとカメラをそのままに日常音や部屋の様子をただただお送りする、と言うものです。
気になるあのライバーの生の姿が見たいっ！そんな需要にお応えしますっ！！

……めでたく事務所NGを食らって没となりましたが。

（かしゅ）（ぐびぐび）

「また呑んでる」
「ヤケ酒やめなー」
「これ以上に生々しい姿を見せるつもりだったのか」

3
ぐぇふ。

「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」
「げっぷ助かる」

ウマ娘ちゃんのね？いや、ウマ娘ちゃんに限らずさあ。推しの配信でうっかりこう、マイクの切り忘れとか発生したらちょっと嬉しいじゃないですか？嬉しくない？
或いは自宅のペットが乱入してきたりするのとか。
個人の生配信ってそういう、配信向けの顔とプライベートの顔が混ざり合ったところが魅力だったりするのかなって思うんですよ。
あたしだってかっちりした企画ものではお酒吞みながらなんて絶対できませんけど、でも気心の知れた、というと甘えてるかもしれませんが、リスナーさんの前でちょっとだらしなく振舞うのも、
デジたんはリラックスできるしリスナーさんにも喜んでもらえるし、WIN-WIN感があります。

「LOSE-LOSEかも」

ええっ！？

4
「デジたんお酒呑むのイメージと違って最初ショックだった」
「俺はロリコンじゃなかったのにデジたんが悪いんだよ」
「酒呑むロリとか脳味噌おかしくなりそうだった」
「気軽に夫婦生活の話をするし」

あはははは。デジ民だって悪いんですよっ！ぴょいした？とか訊くんだものっ！
こちとらまだまだ新婚なんですから、仲いいところをアピールしたいじゃないですかっ。だから「してません」なんて嘘つけないでしょう。

「ノーコメントでよかったのでは？」
「こっちが訊く前からぴょいの話してただろ」

あはははははははっ！そうだったかなぁ？そうだったかも！
そりゃあデジたんが甘えてたんですねえ。

5
言い訳をさせてもらいますとっ！
ご存じの通りデジたんは昔っからウマ娘オタクでありました。それこそ現役時代は正に自分が競走バとして同じ舞台で戦って来た訳です。
その頃はリラックスとか考えたこともありませんでした。体力と気力が続く限り、トレーニングや推し活に費やして、夜は電池が切れた様におねんねですよ。
幼児。もう全く幼児の有様でした。
でもこうして引退して身を固めてからはですね。リラックスするのもいいなあと思うようになったのです。
それこそ今回のオープニングで、競バ観戦の感動をワッと吐き出してですね。
その後は一息ついて晩酌でほわほわして。
こうしてリスナーの皆さんと取り留めもない会話をして。
あ～ファンの人たちとこんな風にカジュアルに話が出来るの幸せだなぁ～♪
って思ったりするんですよ。

引退した後でもこんな風にファンの皆様が居てくれて、デジたん本当に幸せです。

6
とは言え事務所に所属してライバーやらせてもらってる以上は皆さんにも事務所にも還元しなければいけません。
デジたんがリラックスできるってだけじゃなく、エンターテインメントバリバリの企画もやりたいよね、という話も事務所としてる最中です。
いついつに誰と何をするみたいなことはまだ全然言えないんですけど、メリハリのメリ？ハリ？の部分もちゃんとやっていきたいなあと思っています。（ぐびぐび）
決まったらSNSでお伝えいたしますんでよろしくお願いしまーす♪
さてそろそろお時間ですね。この後は1時間後にダーレーアラビアン様のチャンネルでゴドルフィンバルブ様を迎えての「ダーレードチラサン？うろ覚え似顔絵対決」が配信されます。
神とも神と聞こえ来る二柱の始祖ウマ娘様は、果たして現代に通じる絵心をお持ちなのかっ！？是非ご覧になってお確かめくださいませ～♪
それではバイデジっ！

……あー汗かいちゃってますね、お酒呑むと熱くなってだめだな。（衣擦れの音）面倒だけどまたシャワー浴びるかなー……下着替えるだけでいっかぁ……

「マイク入ってる入ってる」「脱いじゃだめだって！」「いやもっと脱げ」

……あっ！？

--
笑う赤鬼

1
来年の事を言うと鬼が笑うとは申しますが、あたしもそろそろ就職先を考える年次になりまして。
周りのみんなが就職活動に精を出している中、トレーナー資格の勉強に勤しむのはやはり少し焦る気持ちにもなってしまったりします。
ぶっちゃけ例え無職のまま卒業したとしても、現役時代の賞金で問題なく生活は出来るのですが。
それでも次のステージへ進もうとする同志達を見ていると、デジたんはそうした活動から背を向けてもいいのか、という気持ちにもなります。
ウマ娘関連のお仕事をしながらトレーナー資格取得を目指すか、それとも大学院まで進学するか。
どっちに決めても、夫は肯定してくれるでしょう。
同志も応援してくれるでしょう。

つまり、これからの将来の選択は、シガラミやらギムカンやらカンケーなくっ！純粋にあたし自身が決めるべき事なのですっ！！

2
トレーナーになる。
それは光り輝くウマ娘ちゃん達と出来る限り近くに居続ける為のあたしの夢。
それを揺るがす気はありません。
けどそこに向かう道は幾つもあります。
そして困ったことに、人生の道はどっちが近道だかわからない事もあるのです。
純粋に考えれば生活の全てをトレーナー資格試験に突っ込んだ方が合格率は上がると思います。
けれどそうしたガリ勉生活にデジたんが絶えられるかは未知数ですし、他の人と交流した方が気晴らしになったり試験のコツを得るヒントになったりするかもしれません。
ガリ勉するにしても家に引きこもるのかサークル室の妖怪になるのかという選択肢がありますし、
他の人と交流するならそれこそ院に進学するか就職するか、就職するならどこにするか。
そして何より、そうして選んだ道を順調に歩むことが出来るのか。

考える事は山積みです。

3
ストレス発散のため運動公園へ。
ウマ娘であるデジたんは、ひとっ風呂ならぬひとっ走りで気持ちがすっきりすることがあります。
先日の雨でぬかるんだターフにスニーカーをぐっぐっと踏み込ませ、脳内にゲートを描きます。鉄柵がガシャンと音を立ててオープン。走り出すアグネスデジタル。
足底を掬うような泥濘を、ダートを走った頃を思い出しながら芯まで踏みしめ走ります。もっと速くもっと前へ。けれど無理はせず足を矯めて。
直線になったらエンジン全開、滑る靴底を脚力で大地に押し付け、前へ前へ。フルスピードでゴーーーール！！！！！
スピードを緩めながら、心地よい疲れと汗の冷たさを味わいます。
走るって、やっぱりいいなあ……。

「サイン、もらってもいいですか？」

ああ、ファンってやっぱりいいなあ……。

4
「トレセン学園に就職したい」
「おっと？」

すっきりした頭で考えた結果を告げると、夫は面白そうな、困ったような、何とも言えない反応を返しました。

「そんなに変な事言ってるかな？」
「いや、変ではないけど。学校で働きたい、って教師以外ではなかなかない発想だよね。」
「用務員さんとか。」
「トレセン学園の用務員はそれこそ狭き門では？」
「門の狭さは夢を諦める理由にはなりませんっ！」
「夢。」

うむ。夢です。青春真っ盛りのウマ娘ちゃんを見ながら働くことが出来る。現役ウマ娘の走りをこの目で見ることが出来る。トレーナー資格を取るまでの働き口として、これほどのものがあろうか！

5
「なあ、そうだろ松っ！」
「どうかなあ、君の選択なら反対はしないけども。」

あらら何やら言いたげ？

「トレセン学園でどういう職務に就いて働きたいのかって真剣に考えた？」
「うーん、働きたいというか、どうせ働くならトレセン学園って考えでした！」
「まあそれもありか。」

夫はうんうんと頷いて、何だか勝手に納得しています。

6
「それもありって……。何やら腹案がありそうな言い方ですが？」
「いや腹案ってほどのものはないけど。
早く二人でトレーナーやりたいなーって。」
「ええ？二人で？」
「ちょっと夢だったんだよね、僕とキミでさ、GI六勝の実績のあるトレーナーコンビって。」
「アナタって時々子供みたいですねっ！」
「君はいつだって若いままじゃないか。」

あははははっ！
はははは。

二人して笑ったあとトレセン学園に電話を掛けると来年度の新卒を採る予定はないと言われましたとさ。


--
春爛漫

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
リバティアイランドちゃん桜花賞勝利おめでとうございますっ！パチパチパチパチパチッ！
いやぁ～～～、凄まじい差し足でしたっ！
日本中のトップウマ娘が集まるG1で、ほぼ最後尾から全員撫で斬りに抜き去るのは尋常じゃないっ！！
新馬戦、アルテミスステークス、阪神ジュヴェナイルフィリーズ、そして今回の桜花賞で4戦3勝。しかもどれも芝1600メートルのレース。
自分の強みを早いうちに見出し、その舞台で存分に戦うっ！そして勝利するっ！！ ああ、何と美しいのでしょうっ！？デジたんも一緒に走りたいっ！！！

……と言いたいところですが、最早デジたんでは相手にもならないでしょうねえ……。現役時代の全盛期でもちょっと自信ないかな……。

そもそも4戦の成績が1着2着1着1着って時点でもう凄すぎなんですよ。
どんなレースであれ、同じ距離同じ競バ場同じ条件で「これなら勝てる」と確信しているウマ娘ちゃん達が同時に出走している訳です。その筈なんです。
何でそれで1着2着1着1着なんて戦績を残せるのかっ！？

2
これだからウマ娘ちゃんのファンはやめられませんっ！！！
どんなにフェアな条件を用意しても、其処に怪物は生まれるのですっ。まるでウマ娘という存在には枷なんて掛けられないとあざ笑うかのように……。
きっちりルールに従って決められた枠の中で戦った上で、その枠をぶち壊すようなレースをして見せるウマ娘ちゃんの存在は、やっぱり華がありますねえ～。

えほっ、えほん。ちょっと興奮しすぎちゃいました。
（ごくごく）
っぷふぅ。

強いウマ娘ちゃんはね、時代を切り開くウマ娘ちゃんなんですよ。それに挑むウマ娘ちゃん達は時代を築くウマ娘ちゃん達。
どっちがスゴいとかは本当は無いんですよって言い訳しておきますっ！
リバティアイランドちゃんとそのライバル達の活躍を祈っておりますっ！

3
デジたんね、このレース大学のウマ娘同好会のサークル室で見てたんですよ。
サークル仲間でちょっと当日に現地に行くのが辛いというメンバーが居まして。じゃあ一緒に映像で見ましょうと。
現地で見るのも勿論いいけど、映像だとカメラがアップにしてくれますし、仲間内だけでわちゃわちゃ騒ぐのも楽しい筈だってことで。
結果っ！楽しかったですっ！！

いやー、水入らずっていうんですかね、違いますかね？
気心の知れた仲間同士でワイワイ騒ぐのやっぱり楽しいなあ、いいなあって思いましたっ！
ウイニングライブもカメラ越しにドアップで見られましたしねっ！

何て言うか、こういうのいいよなあ、また味わいたいなあって思いましたっ！

4
さて明日は皐月賞ですねっ！
中山競バ場第11レース芝2000m！
予想はぁ……立場上控えてくれとマネちゃんに言われてまして秘密ですがっ！
素晴らしいレースになって欲しいと思いますっ！

本日は短めですがこの辺で失礼したいと思いますっ！中山に行く準備しないといけないんでっ！！

この後23時からはアグネスタキオンさんのチャンネルで「ナリブスカイオペラと語る皐月賞の過去と未来」が配信されますっ！
いーなーデジタンも参加したいなーいーなー！！あ、ごめんなさいDiscordで呼び出しが……えっ！？

……えへっえへへっ、23時から「ナリブスカイオペラと語る皐月賞の過去と未来」、急ですがデジたんも参加予定ですっ、急に呼ばれましたっ！急や。
うひひひっ、もしかして予想も語っちゃっていいのかなあ……？ちょっとこれから接続のテストをしないといけないのでっ！おいとまですっ！！
またすぐにお会いしましょう、それでは、バイデジ～♪

----
黄金

1
「おしっこ。」
「無理。」

無理なのはわかっています。
フロントガラスの先から地平線まで続く渋滞はのろのろと進んでは止まりを繰り返しています。ナメクジに乗った方がまだ早く進めそう。
それでもこの下腹部から疼いてくる本能は、とてもお行儀よく並んではいられないと訴えて来ます。

「持ちません。」
「……。」

ルームミラーに、苦渋に歪む夫の顔が映っています。その顔をしたいのはあたしの方です。
助手席のあたしに夫が空のペットボトルを差し出します。

「無理。」

2
無論このアグネスデジタルにも不備はございます。
ゴールデンウィークの車の渋滞を想定できていませんでした。携帯トイレの必要性を考えもしなかったのもあたしの落ち度。
でもそれは夫の落ち度でもある訳です。
なにより今切羽詰まっているのはあたしであってあたし自身の迂闊さを反省したところでどうにもならんのです。夫君よ何とかしてくださいっ！縋った結果がペットボトルとか絶望しかないじゃないですかっ！！

「他に空の容器が……。」
「……。」

容器意外に選択肢は無いんですか。
いや、例えそれが携帯トイレだったとしても実質的な扱い方は変わりませんけども、それでも飲み物の容器にするのはかなり抵抗があります。ダメさが凄い。

あたしと夫の目線が同じものを捉えました。
蓋つきのコーヒー用紙カップ。

3
立ち寄った喫茶店で買ったコーヒーは蓋に特徴的なごく小さな飲み口がついています。
蓋を外せば検尿よろしく十分にあれを受け止められるし、蓋を閉めれば匂いも最小限になります。
なりますが。

「……。」
「……。」

受け取ったあたしは、受け取ってしまったあたしは。決断をしなければなりません。
今これ以上のものはありません。しかしこれは底辺以外の何物でもありません。

「我慢します。」
「わかった。」

時間が解決してくれることに賭けました。

4
最悪の選択肢は最後の選択肢にしておけばいい。どうしても我慢できないのなら本能が勝手に理性を取り払って恥を掻き捨ててくれるでしょう。
それまでは自身の忍耐を信じます。渋滞はもしかしたらもうすぐ解けるのかもしれませんし。

『―――－からの渋滞は10km……』

カーラジオを切りました。
来たる禍いに尻尾が痙攣しています。

「ごめん。」

夫の詫びも空しい。

ああ、そうだ。思い出した。
時間はどんな事も必ず解決してくれますが、それはいつでも時間切れという形であることを。
漏らすか、ボトラーになるか。時間はあたしに恥辱の形を迫っているのです。

5
むっ、いけませんっ！！漏らす or ボトルを思い浮かべた瞬間尿道が油断しましたっ！
とっさに締め直しましたが間に合ったかどうかを確認する気にはなれません。

「……。」

バックミラーにはレース前にも見せた事の無いような渋い顔をしたあたし。
30分は耐えられる目算ですが、それ以降はもう……。

決意を固めカップの蓋を取りスカートをにじにじとずり下ろします。と、車が前進し始めました。

「渋滞情報も当てにはならないな。」

車の列は少しずつ加速し、高速道路という名目を取り戻していきます。それから間もなくサービスエリアへと車は到着しました。

6
「済まない。」
「いや、あたしも準備を怠っていました。」

車に戻って来たあたしに頭を下げる夫。お互いに出す物出しまして、車に乗り込みます。

「……見たかったけどね。」
「何をですか？」
「……。」
「……。」
「その、」
「黙らないとあたしここから走って帰ります。」

そういう事は家でやりましょう、家で。

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星降らない夜

1.
「さ～さ～の～は～さ～らさら～♪の～き～ば～に～ゆ～れ～る～♪」

楽し気に歌うアグネスデジタルが、ベランダに飾られた笹に短冊を結び付けている。

「ご機嫌だね。」
「えへへ、子供の頃に戻ったみたいでっ！」

夫の声に笑顔を返すデジタル。小さな体躯と屈託のない笑顔は本当に子供のようだ。

「ちょっとやり過ぎかなあとは思ったけど、喜んでもらえて何よりだよ。」
「来年もやりましょうねっ！」

二人っきりの七夕にわざわざ笹を用意するのは大袈裟ではと躊躇っていたが、思い切ってよかったと夫は息を吐く。

2.
「何を願ったの？」
「世界人類とウマ娘が平和でありますように！」
「なんて眩しいんだ。」
「アナタは？何て書いたんですっ？」

差し出した短冊には『これからも幸せに過ごせますように』。

「っきゃ～～！織姫と彦星相手に惚気るなんていい度胸ですねぇ！！」

願いの裏の意味は、『今が最高に幸せ』。

「でもでも、もっとこう、『担当してるウマ娘ちゃんが活躍しますように』とかあったんじゃないですかあ？」
「それを言うならキミだって『トレーナー試験に受かりますように』って願ってもよかったじゃないか。」

3.
「それは～…個人的な望みですしぃ。それに願掛けのお陰で受かるだけでは意味がありません。トレーナーになれるだけのちゃんとした実力が無いと。」
「僕もだ。自分の仕事は自分の実力でこなしたい。」
「志の高い夫を持って幸せですっ！しかしですね、担当してるウマ娘ちゃんが活躍できるかどうかってその…嫌な言い方ですけど、トレーナーだけの責任に収まらないじゃないですか。」

デジタルの言わんとしていることを察して、夫の顔が引き締まる。

「本人の性格とか体質とかご家族とかご友人とか！天変地異も起こったりっ！トレーナーじゃどうにも出来ない事って幾らでもあるでしょ？だからウマ娘ちゃんの活躍を願うのって別に他力本願とかそーゆ―ことは無いと思うんですっ！」
「そうだね。じゃあこのお願いは取り消そうか。」
「あぁあぁいやいや、幸せでありたいという願いも大事です大事ですよはいぃ。すみません。」

短冊を外そうと伸ばした夫の腕を、慌ててデジタルが掴まえる。雨上がりの熱気に当てられた手はじっとりと汗ばんで、夫の腕を濡らした。

「そろそろ中に入ろうか。」
「そうですね、汗かいちゃいましたっ！いい匂いしちゃいますっ！」

4.
「はぁ～涼しぃ～♪」

ガラス戸を抜けてクーラーの効いた部屋に戻るとデジタルが気の抜けた声を出す。

「シャワー浴びてきなよ、後で僕も浴びるから。」
「一緒に浴びましょうよ。」
「え？」
「幸せに過ごしたいんでしょ？幸せにしてあげちゃいますよ♪」
「フケたの？」
「そーゆー直截的な言い方風情が無くてヤですっ！」

そう言いつつ夫の手を取りずんずんと浴室に引きずるアグネスデジタル。今宵の空は曇り。例年七夕の時期は晴れにくいものだが、今日ばかりは織姫と彦星の目が届かないことに二人とも感謝したとかしないとか。

----
いつだって灼熱の季節

1.
「よしっ終わりっ！！」

描きあげたモノクロの4ページには今を時めくウマ娘たち……を小学生化した姿。
終業式の後、それぞれに荷物を抱えて帰路を行く姿だ。
荷物の数や種類、表情、ランドセルの形状などに個性を持たせ、好き放題に妄想をぶつけたデジタル原稿を怠りなく保存。そして流れるような手つきでデータ入稿を完了すると、アグネスデジタルはぐいーっと伸びをした。
テーブルの上の冷えた緑茶を一口すすって息を吐く。

今入稿したのは100円で頒布予定のペーパーだ。予定分の新刊を描きあげた直後は創作熱が冷めやらないので、ここ数年はペーパーに熱情を叩きつける手法を取っている。
それ以前は強引に新刊もう一冊でっちあげるという手法を取っていたが、残り火を鎮めるという目的に対して色々な意味での消耗が大きすぎると遂に気づいたのであった。

2.
ウマ娘小学生化、というアイディアを思いついたのは、今日丁度終業式を終えた小学生の帰宅姿を見かけたからだ。
ああ、自分もああいう時期ありましたっけねえというノスタルジーと、個人ごとに異なるバラエティ豊かな荷物模様に着想を得た。そしてそのアイディアは「ペーパーだから許してもらえるでしょう」という甘えもあり、大いにデジタルの筆を走らせた。

部屋を出たデジタルは足元に盆が置かれていることに気づいた。
載っているのは甘納豆と、冷えた緑茶のお代わりだ。

「ノックにも気づかなかったとは……。」

クーラーの効いた部屋で尚も汗を描くほど興奮していた、と言う自覚はありますが。

「あ～……集中できてたってことでっ！」

とは言え夫に何の礼も無しというのも無い話。盆を持ち上げその足で夫の部屋へと歩き出す。

3.
ノックをすると「どうぞ」のお招き。ドアノブを捻り夫の部屋へと入る。

「おや、要らなかったか。」

椅子をくるりと回し妻に向き直った夫は少し意外そうな顔で応じた。

「あはは、集中しすぎてしまったようでぇ～。お恥ずかしい。」
「わかったよ、じゃあ一緒に食べようか。」
「はいっ！」

そう言うとデジタルは甘納豆と緑茶を夫のデスクの上に載せ、自分は夫の膝の上に乗った。

4.
――――あれ？あたしそもそもシャワーを浴びるつもりだったのでは？
部屋を出た理由を思い出したデジタルだがもう遅い。その豊かな栗色の髪には夫が鼻を埋めている。

「いい匂いがする。」
「ひゃいっ！？」

からかいなのか本気なのか区別がつかない。何しろこの夫は自分のようなウマ娘オタクと結婚するような変態なのだ。
モニタに映っているのも彼がサブトレーナーとしてリモートワークで分析をしているウマ娘達の映像。言わばデジタルとは別の方向性のウママニア。

「な、なにを言ってるんですかこの変態っ！」
「懐かしいなあ君の異名だったっけ、変態。」
「アナタの組んだローテのせいでしょっ！」

首をブンブンと振って夫の顔を振りほどくと、デジタルは彼の口に甘納豆を捩じり込む。

5.
「お礼を言いに来たつもりだったんですよっ！まさかハラスメントを受けるとは思いませんでしたっ！」

頬を膨らませてむくれるデジタルも可愛いなあ。
「頬を膨らませてむくれるデジタルも可愛いなあ。」
「あたしシャワー浴びて寝ます。」
「待った待った悪かった。」

膝から降りたデジタルの顔を掴み、夫も甘納豆を口に押し付ける。

「んむむ……。これ、高い奴ですね？」
「甘納豆なんてなかなか買わないからね。どうせなら一番いい奴がいいかなって。」
「本当にもう……。」

夫の膝に乗り直すデジタル。うなじを嗅ごうとする夫の顔を手で拒否した。


6.
デジタルを膝に乗せた夫の作業は続く。映像を見直し、気になる部分を探し、長所を伸ばすアドバイス、短所を埋める解析結果、全体の成長傾向の所感を文章にまとめていく。
デジタルはモニタの黒い部分に時折映る夫の真剣な顔を見つめている。
こういう時の顔、かっこいいなあ
「こういう時の顔、かっこいいなあ」
「え、何だって？」
「おっとっと声に出てしまいました。」
「僕と同じだね。」
「そうですねえ。好きなシャツやコーヒーの味、ささやかなことがいつの間にか同じになってふたりは一つになるって感じです。」
「やめてよ仕事にならなくなる。」
「明日にしません？」
「そういう訳には……。」

夫が下を向くと、見上げるデジタルと目が合った。妻が何を考えているか手に取るようにわかった。
ああ、確かに僕と君は一つになりつつある。だってそうなりたい僕と君なのだもの。
その熱を孕んだ瞳に抗えるほど、夫はドライなトレーナーではなかった。


[余談]デジたんの髪色は栗色じゃないっすね。何色だこれ。


----
そして物語は終わる

1.
「……。」

萌えよりもストーリーよりの同人誌を描くようになって分かったことがある。
『物語は、悲しくなければならない。』
悲しいという表現で不足なら、取り返しがつかない、腑に落ちない、幸福でない、そうした要素を持たないといけない。
何故か。
「もっとどうにかなったはずなのに」という読後感こそが、読者にその物語を深く反芻させるからだ。
どうすればよかったのか、どうなればもっと幸せになれたのか、自分ならどうするか、現実に当てはめたらどうなるか。
胸に残った不快感を解決するため、読者自身が物語を何度も咀嚼し何通りにも解釈しバラバラに解体し味わい尽くそうとするからだ。

「……。」

アグネスデジタルが今書いているプロットも、ウマ娘達が葛藤し、擦れ違い、その果てにそれぞれに答えを出すと言うものだ。
すっきりとは飲み干せない、読み手にある種の努力を強いる物語。

2.
幸福な物語を清涼飲料水以上の仕上がりにするのはとてもとても難しい。
良薬口に苦し、の言葉の通り、「苦味の無い良薬」は本当に稀だ。
かと言って苦味そのものを目的とするのは本末転倒。登場人物を不幸にすること自体はデジタルの趣味ではないし、物語を通して教訓を与えようとする『薬臭さ』も本意ではない。

ただウマ娘ちゃんに萌えるだけの話を何故描かないのか。
デジタルは時折自問する。
そうした『ポルノ』だって需要があるし、何よりデジタル自身萌えや幸福に塗れた作品こそが好きだったから。
解釈違い上等、都合のいい設定上等。
「自分はこのウマ娘ちゃんが好きだ！」「このウマ娘ちゃんのこういう所が好きだ！」愛を只管出力する事だって立派な創作であり、『ポルノ』でしか得られない快楽だって存在する。

だが、引退して結婚して一人とのただのウマ娘に戻った時。最早デジタルには、葛藤の無いウマ娘達の物語を描くことが極めて困難になっていた。

3.
競走バには必ず優劣がある。
勝敗の裏に努力と苦悩があり、そして殆ど全ての努力と苦悩は花を咲かせず実を結ばない。
その世界に一度でも身を置いてしまったから。
そして、デジタルが憧れ萌えるウマ娘達の姿はそんな地獄のような狂気の世界にこそ支えられていると知ってしまったから。
花も実もつけない苦痛と苦難もまた、ウマ娘の美しさだと理解してしまったから。

「……。」

誰も不幸になって欲しくない。ウマ娘ちゃんはいつも笑顔で居て欲しい。勝負が終わればノーサイド。笑顔でステージを歌い踊り、次の対決まで喜んで鍛錬を続ける、そんな存在であって欲しい。
だがそれは嘘だ。嘘は嗜好品にはなっても物語にはならない。元競走バとして事情を知る自分が本を出す以上、恥ずかしくない物語にしなければならない。
そうすると……デジタル自身も決して望まない、『誰かが不幸になってしまう』話を描かざるを得なくなる。

4.
不幸のバリエーションも様々だ。
冒頭の時点で既にその不幸は過去で、丹念にその過去を追ってエンディングに辿り着いてもそれは過去だからもう取り返せない。
順風満帆で希望を持ったスタートなのにどうしても倒せない強敵が立ちはだかり、しかもその強敵には更に強い難敵に苦戦している。
誰も間違っていないし信念のままに行動しているのに、だからこそ衝突を避けられない。
逆に衝突を避けたいが故に自分の信念を曲げざるを得ない。
不可避の災害や身内の不幸がその先の人生を大きく狂わす。
逆に降って湧いた望外の幸福が友人や家族との仲を乱す。

こうした事を考えるたびに、自分は本当にこれが描きたかったのか？と思ってしまう。

このアグネスデジタルは、全てのウマ娘ちゃんの幸福を今でも願っている。けれど物語として成立させるには『悲しみ』がどうしても外せない。

5.
「ごふっ！」

最後のページのペン入れを終えたデジタルが咳き込んだ。これから後書きに入る。ああ、今回もまた長い長い言い訳をしてしまうのでしょう。幸せであって欲しかった、悲しませたくなかった、けれどこの切なさ、やるせなさ、腑に落ちなさもまた、描かざるを得ないものだったのだと。
500ml缶のチューハイの蓋を開け、若さに任せて喉に流し込む。こうでもしないとやってられない。悲しみに耽溺し過ぎるとキャラクターを悲しませる事自体が趣味になってしまう。そうした作家を何度も見て来た。
悲しくなんかしたくなかったよー！幸せになって欲しいよー！！と後書きにぎっちぎちに書き込む。自身の心を濯ぐために。ウマ娘ちゃん達の笑顔を無邪気に信じて居た幼い自分を忘れないために。

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「んふー。」

すっかり酔っぱらっても手は作業を覚えている。顔の火照りを自覚したままデータ入稿を完了すると、デジタルは自室を出た。
明日は気晴らしにペーパーを掻くつもりだ。初心に戻ってただただウマ娘ちゃん可愛いカッコいい素晴らしいを叩きつけるだけのものを。

今日は疲れた。

6.
寝室に向かい扉を乱暴に開ける。

「愛妻のお通りだぁ！！！」

驚いて身を起こす夫に向かい、酒臭い体で抱き着く。

「暑いなあ、もっと冷たくなって？」
「無茶言うなよ。」

胸に顔を埋めたデジタルがそのまま寝息を立てるまで、夫はただ彼女の背を撫で続けていた。

「お疲れ様。」

成人してすぐに酒を覚えた妻の身と、酒無しには居られないほど執筆作業に消耗するようになった妻の心を労い、彼はデジタルを隣のベッドへそっと横たえた。


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too hot.

1.
「うおおおおお暑すぎいいいぃぃぃぃぃ！！！！」
「デジタルが壊れた。」

クーラーの効いた部屋で過ごしては買い物やら大学やらに出歩くたびに汗だくになってぐったりするのは流石に体に悪いのではないか。
どうせ汗をかくなら日の光の下で適度に運動して健康的な汗のかき方をしてみよう。自律神経ちゃんにもいい刺激があるかもしれない。

そんな訳で運動公園のウマ娘用レーンを突っ走ったアグネスデジタルである。
もつれる脚で木陰の夫の元に倒れ込んだ。

「あうあうあう」
「はいはい。」

差し出された水筒から水をぐびぐびと飲む。

2.
「ふいぃ、生き返りました。」
「正直僕もかなりきつかった。」

夫も夫でジョギングをしていたが、身の危険を感じるレベルの火照りを感じて一足先にレーン近くの木陰に逃げ込んだのである。

「正直、トレーナー業をやっていることが少し恥ずかしくなった。この体たらくでウマ娘に健康管理だ何だと説いていたなんて。」
「もうしょうがないですよこれは。別に担当ウマ娘ちゃんに間違った事や無理な事をを指導している訳ではないんでしょう？」

それはそうなんだけど。汗だくの顔をタオルで拭って息を吐く。

「頭で分かっていることとそれを体感することは全然別だなって思い知ったよ。」
「あたしもです。ブランクあるとは言えもう少し頑張れると思ったんだけどな。」

3.
十分に水分補給をした後は、自家用車で帰宅。
リビングのエアコンのスイッチを入れ、二人そろって衣服を選択籠に放り込み、二人そろって浴室に駆け込む。限りなく水に近いぬるま湯のシャワーで汗を流した後はクーラーの効いたリビングに転がり込む。

「痒い所はございませんか？」
「ございませ～ん♪」

デジタルの長く細い髪を手で梳きながら、夫がドライヤーで丹念に乾かす。
熱し過ぎて傷めないように気を付けつつも、若く美しい髪の感触を楽しむ。

「どうでしたか、久々の運動の感想は。」
「暑すぎ。」
「そうですか。」
「でも気持ちよかったです！」

4.
「そう言って貰えたなら。」
「あなたは？」
「僕もなんだかんだでスッキリしたよ。やっぱり多少冷房病気味だったみたいだね。」
「無理矢理負荷かけてリセットした、って感じでしょうか。」
「体には良くなさそうだなあその言い方だと。」

ドライヤーを止めてリボンを手渡すと、デジタルは自分の髪を梳り始めた。夫は抜け毛をさりげなく拾い集め、ごみ箱に捨てる。

「正直、暫くは嫌かなあ、ぐらいには暑かったです。」
「どうしたらいいんだろうねえ、夏こそ運動しなきゃいけないんだけど。」

人体の基礎代謝は冬より夏の方が低い。その為運動の重要性は夏の方が高い。しかしながら外に出たくないぐらい暑いのは如何ともしがたい。
消耗激しい猛暑を避けたがるのもまた、人体の正常な機能の一つだ。

5.
「来週はプール行きましょうか。」
「いいアイディアなんだけどキミ絶対目立つからなあ。」

運動公園で走るのも大概だが、水着姿の元競走バとなれば注目度は更に跳ね上がる。

「気にしなければいいんですよお、引退してもう長いんですし。現役の子達だってプライべートでプールぐらい行きますよ？」
「ん、その通りなんだけど。」
「夏なんですし、一回ぐらいは水着着たいです！」
「そっかあ。」
「そっかあとは何ですそっかあとは。あなたカナヅチでしたっけ？」
「そうじゃないけども。」
「じゃあ何が気に食わないんです、さっき言ったようにあたしが目立ったところで高が知れてますって。」
「いや、別に気に食わない訳じゃないよ、心配しすぎただけ。」
「何を？」

6.
「その……男の目線を。」

デジタルは一瞬ぽかんとした後、大笑した。

「思春期かよっ！あなたそんな嫉妬深かったんですねえ、初めて知りましたっ！！」
「いや、僕はさっき水着姿を想像して興奮したから。他の男もきっと興奮するだろうなあと思ってつい及び腰になってしまった。」
「嫉妬より面倒な拗らせ方っ！」
「冷静に考えればキミの言う通り、僕の気にし過ぎだと思う。キミの水着姿に僕ほど興奮する人は稀だろうし、来週はプールに行こうか。」
「その言い方はあたしの方が釈然としませんが？！」

その後、二人してソファで仮眠。その後近くの公営プールをネットで調べ、押し入れの奥からデジタルは水着を取り出した。体にあてがって夫に見せる。

「……来週ですからね？」

意味深なその言葉に夫は不覚にも生唾を飲んでしまうのだった。


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はつらつなライフハック

1.
というわけであつすぎの歌を聴いてもらいました。
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！

この度っ！ワタクシッ！晴れて冷房病になりましたー！！！わー！パチパチパチパチーー！！

「晴れてとは」
「パチパチパチパチじゃないんだよ」
「頭ゆだってるのかな？」

まあ聞いてくださいよ皆さん。大学生であるあたしは平日朝から登校する訳です。校舎に着いた頃には汗だくで、クーラーの効いた講義室に入っても暫く汗がひきません。
夏ってそんなもんだろと思っていましたが、外に出てからお昼ごろまでずっとだるい、という日が続いていて。
これはどうやら温度変化で体がやられてんな、と最近やっと気づいたのです。

2.
「今年めちゃくちゃ暑いもんね」
「冒頭の歌はそういう事か」

そうそう。お医者に掛かりまして「自律神経が傷んでいる」と。
で、言われたのが
・冷たい物を取り過ぎるな
・適度に運動と入浴をしろ
・ストレスをこまめに解消しろ
という3点。
並行して熱中症対策も必須だけどそうしたバランスについて口頭で全部は説明しきれないので、という事で夏バテ対策冷房病対策のための冊子を頂きました。

お医者さんに相談したという事実自体がこう、やんわりと安心感があったりして。今はまあまあ大丈夫です。

3.
皆さんもヤベーと思ったら内科にかかりましょう。仮に何もなかったとしても、大したことがないとわかるだけでも意味はありますよっ！

「わかる」
「安心大事だよね」
「大したことないのにお世話になるのってお医者さんに悪いなとか思っちゃう」

取り越し苦労かどうかはお医者さんにしかわかりませんしねー。あたしもこんなの一時的な疲れだろうと一か月くらいほったらかしでしたし、言い換えればその一か月ずっと病状が悪化し続けてたって事でもあるので。
夫にも心配されちゃいました。

さて夏と言えばコミケですね。デジたんも個人で参加しますよっ！

「カタログ買った」
「新刊楽しみ」

4.
「進捗どうですか？」

無事入稿終わってますよー。試し刷りもしてしっかりミスを直して再入稿してますんでご安心を。
興味のある方はお手に取ってください！お店への委託も予定はしてるので、現地に来られない方もサイトのサンプルをご覧の上、ご検討くださいね♪宣伝でした。

「よかった」
「デジたん極道入稿常連組かと思った」

デジたんを何だと思ってるんですかっ。ダメなオタクっぽいイメージがあるのは知ってますけどっ！
……経験上、自分は。自分はですよ？かなり余裕を持って描かないといい物が作れないと痛感してまして。情熱と勢いでゴリゴリゴリっ！描くので、手直しが多いんですよね。
最初はそれでも最悪印刷できさえすればいいやと思ってたんですが。締め切りに追われて無理して描き上げた挙句刷り上がりを見て後悔するのもうやだあっ！！ってなって。
今は夫に進捗管理をお願いしています。

「いいのかそれは」
「まあトレーナーならそう言うの得意かもしれんけど」

5.
だってねぇ、好きで描くものですから。
商売ならさ？関わる人すべてにとってお金にならなきゃいけない、その役に立たなきゃいけない、ってのが一番の目的になりますから。
苦しさや後悔と引き換えにしてでも締め切りに間に合わせるって事に意味があるというか、大前提と言うか。

でも自分の意思で好き勝手に描くものなのに締め切りに追われた挙句クオリティがダメダメ、というのは誰も幸せになれない、何よりまずデジたんが幸せになれないぞっ！と。

「夫の進捗管理は厳しくないの？」

夫はただの趣味って事を前提に管理してくれてるんで。「進捗予定を破ってもいいよ、その責任は全部キミが被るけど」ってスタンス。

「コワ～……」
「早くしろって尻叩かれるより怖いわ」

ねー。こっちはお願いしてる立場ですから、いよいよ裏切れませんよこんなの。

6.
そんな訳で繰り返しになりますが無事夏コミ参加できそうですんで。
現地来られる方は暑さ対策きっちりお願いしますねっ！もうめちゃくちゃ暑いのは確定なので、携帯できる冷房器具は全部持ってくるぐらいの勢いでお願いします。
やり過ぎると周りに迷惑かもって思うかもしれませんが、熱中症でダウンするよりずーっとマシなんで。倒れると迷惑で済むレベルじゃなくなりますからね？
デジたんも気を付けます。

「大丈夫？7月時点で自律神経やられてるのに」
「デジたん本当気を付けてね」

ありがとうございます。本当に気を付けます。
脇の下に保持する保冷剤とかもあるそうなんで、調べてみてください。あっこれは太ももとかにも付けられるんだ？へー！？

「デジわき…」「デジもも…」「デジ汗…」「デジ汁…」

はいはい。それではこのあと23時からはトーセンジョーダンさんの「夏こそホラーっしょ！ 『Kanpeki』デモ版プレイしてみるっ！」配信予定です。お楽しみにっ！
それではバイデジ～♪

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暑さは辛いほど暑さを避ける行為は気持ちい

1.
「どっひゃーい！」

ウォータースライダーの出口から飛び出してひっくり返るように着水するアグネスデジタル。
ウマ娘同好会の面々は思い思いに防水カメラのレンズを向けていた。

「みんなも一緒に滑ればいいのにー！」
「みんなで並んだら迷惑だろ。」

同好会副会長の男性が嗜めるが、単に自分の水着姿を堪能したいだけだと見抜いているデジタルはむくれ顔のままだ。

「皆さんとは同志のつもりですのに。」

夫の手を取り、プールサイドへと上がる。

2.
夫婦で運動をしたいから
屋外でランニングするのは懲りたから
どうせならサークル仲間と楽しみたいから

要するに避暑にはしゃげる口実が見つかったから。

「あたしの奢りでみんなでプールに行きましょぉお～♪」

部室のドアを開けて開口一番口走ったデジタル。熱に浮かされたようなその言葉を撥ねつけられる会員に一人もいなかった。
ちなみに、流石に自分の入場料は自腹で落ち着いた。

「わっはっはっは！」

流れるプールをウマ娘パワーで泳ぐデジタルには誰も追いつけない。

3.
「旦那さん？調子悪いんですか？」
「デジタルと比べられたら形無しになっちゃうよ。」
「ああそれはそうですね、失礼しました。」

併設されたスパで休む夫に女性会員が近づいて声をかける。

「君たちは楽しんでる？」
「おかげさまでっ！元G1ウマ娘ちゃんからリゾートへのお誘いなんて、一生に一度あるかないかですしっ！」
「それはよかった。こっちの都合に勝手に巻き込んだと思って申し訳なく思ってたからさ。」
「とんでもない！こちらこそ夫婦水入らずを邪魔するんじゃないかって話も出たんですよ？」
「気遣ってくれてありがとう。僕はもう少し回復してから泳ぎに出るから、キミも行って来なよ。」
「浮気疑われたら困りますもんねっ！」

この子も何となくデジタルのような距離の近さがあるなあ、と夫は何となく思った。

4.
昼には、プールサイドにある水着ごと利用できるレストランで昼食。
入場料が良心的な分、お料理はきっちりとリゾート価格だ。勿論質もしっかりしているから文句はないが、大学生にとってはちょっとばかり背伸びを感じてしまうお値段。

「今年は多めにボーナスが出たから、好きなの頼んでいいよ。羽振りよく見せたい気分なんだ。」

夫がそう告げると、同好会の面々は一旦はバツが悪そうにしたが、会長が持ち前の面の皮で「じゃああれとこれとそれと」と言い出したのを皮切りに皆大人の懐に甘えだした。

テーブルを合わせて大きな卓を作るとデジタルを中心にウマ娘トークが始まる。
今年の期待バは。最近のあのレースは。海外が狙えるウマ娘は。
同志が熱く語り合う中でデジタルの姿をひたすら動画に収めていた会長は頭をはたかれていた。

5.
料理が運ばれてきても彼らの口は止まらない。
スパゲティナポリタン、かつ丼、ブイヤベース、刺身定食、その他諸々。
思い思いの個別の昼食に話のツマミのためのポテトフライに唐揚げを加え、同好会員達は食べると喋るをその口腔に器用に切り替えさせる。
夫はその若さに思わず切なげな笑みを浮かべ、ちらりとそれを確認したデジタルが水を向ける。

「あなたは？今年の注目ウマ娘っています？」
「僕？じゃあそうだな。やっぱり最近上り調子の……。」

そして夫自身もまだまだ気は若いのだと自覚させられる。
ここに居るのは誰もがウマ娘を心から愛する仲間たちだ。立場や年齢や趣味や好みの違いなんて些末。好きなものを好きなように語るだけでも楽しくなってしまう。
ああ、そうだ。友達とはそうしたものだ。ここに居るのは皆、わかり合える事もわかり合えない事すらも楽しく話しあえる、「友人」なのだ。

6.
その後はそれぞれの疲労度に従って、ひたすら泳ぎたおしたり、そんなデジタルをカメラで収め続けたり、はたまた着替えてゲームコーナーに入り浸ったり、様々なスパを楽しんだり、屋内のシアター付き仮眠室で横たわったり、「友人」らしい気の置けなさで好き勝手に振舞った。

劃して、帰りの電車の中。

「実は私、ああいう屋内プール初めてだったんです。」「へえ。」
「疲れたなあ、温泉入ったのに疲れちゃったって変だけど。」「新陳代謝って奴じゃないですか？」
「涼しくて自由にできるプールっていいね。」「普段使いにはちょっと高いですけど、ちょうどいい贅沢って感じですよね。」

その若い会話を浴びるだけで、夫の心に平穏と活力が満ちていく。

「デジタル。」「はい？」
「今日は、楽しかった？」「……はいっ！」

同好会一同がいやらしい笑みでそのやり取りを拝んでいたのは言うまでもない。


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夜の健全な戦い

1.
休日には偶に妻・アグネスデジタルのレースを見返して過ごすことがある。惚れ込んだ相手のレースは、勝利であれ敗北であれ感慨深いものだ。自分がレースを選び、自分がトレーニングメニューを構築し、その結果の勝敗。

輝かしい勝利であれ、見るに堪えない惨敗であれ、それらは僕の心に強い印象と学びを刻んでくれる。

何が良かったのか、何が悪かったのか。答えの無い問いを強い感動と共に突き付けてくれるそのシーンは、僕の宝物だ。

2.
ノックの音。どうぞと応えてノブの音がするや否や、「どひゃ～～」という羞恥混じりの声が漏れる。

「アナタ、またこれ見てたんですかっ！」
「うん。」
「うんって……。」

妻にとっては過去のレースが照れ臭い物なのは分かる。でも僕にとっては大事な経験で、幾らでも学ぶことのある原典なのだから許してほしい。

「今担当してるウマ娘ちゃんはいいんですか！？」

僕はトレーナー職を完全に降りた訳ではない。大学生である妻を支えるため、テレワークで複数のウマ娘のサブトレーナーとして働いている。

「今日の仕事は終わったから。あとはメンタルを整えてたところ。」

3.
「ひょええ……。」

好き合って結婚したんだから今更そんなリアクションしなくても、と思う反面、過去の実績を何度も飽きずに見る僕をちょっと恐ろしく思うのも理解できなくはない。

「ごめんね。でも、キミは僕の人生を変えたウマ娘だから。心から惚れ込んで、全力でトレーニングして。その結果は幾らでも反芻する価値があると思ってるから。」
「は、はあ……そうですか。」

理解いただけなさげな態度に納得半分失望半分。
気持ち悪い事なのは分かってるよ。でも気持ち悪いぐらい惚れ込んだからプロポーズして、そんな僕の申し出を受け入れてくれて、お互いの両親もOK出してくれたんだ。
嫌がられはしても、文句まで言われる筋合いはない、とは思う。

……妻にしてみればストーカーじみた執着に見えるのかもしれない。結婚して初めて僕のこうした剥き出しの欲望と対峙して。
想定と実情は違う。現場を見て事前の覚悟や約束なんて吹き飛ぶのもまた人情だ。

「今後は、見ない方がいい？」

4.
「ちょっと待ってくださいうーんうーんあなたがあたしの現役時代の映像を見るのは別に悪い事ではありませんがそれが頻繁に何度もとなるとやっぱりちょっと変かなと思いますしアナタが何でデジタンの勝ちレースだけでなく負けレースも見返しまくっているのかとか理解できないところも色々あって、そもそも負けレースって見せたくないものですし」

デジタルが目をぐるぐると渦巻かせて思考を口にしながら考えをまとめていく。
脳に男女差はほぼないという話も聞くが、理論と感情の扱いについてはやっぱり大きな生来の差があると自分は信じて居る。

「アナタデジタンのレース見るの好きですか？」
「勿論。」
「負けたレースも？」
「そうだよ。」
「どうして？」
「勉強になるから。」
「何の？」
「負け方の。」

5.
「……それだ、それです。」

デジタルはようやくロジカルな回答に辿り着いたようだ。

「あたし、かっこ悪いとこ見せたくないんですよ。負けた時凄く悔しいんですよ。その恥ずかしいレースを何度も何度も好きな人に見られるの、嫌ですっ！」

その言葉を聞いたとき、何故か僕の心は晴れやかになった。

「わかったよ。」
「よかった♪」
「だからこのレースの敗因について今のキミの目線で解析してみて欲しい。」

このウマバカァー！！という嘶きが近隣に響き渡るのであった、


----
降誕祭と折り合いの話

1
「ごめん！今年クリスマスライブ行けなくなった！」

ウマ娘同好会のサークル室でメンバーに向かって両手を合わせて頭を下げる女性。

「ありゃりゃ……何かあったんです？」

同じくサークルメンバーの一人であるアグネスデジタルが応えた。
続いて矢継ぎ早に他のメンバーの質問が飛ぶ。

「用事でも出来たの？」
「チケットは払い戻したのか？」
「グッズ何買ってきたらいい？」

2
その女性は、どうしても外せない急用が出来て、サークルメンバーと一緒にウマ娘クリスマスライブに同行することが出来なくなったこと、
チケットの払い戻しは既に済ませたこと、
推しウマの缶バッジとキーホルダーを買ってきてほしいこと、
そして、その急用が不吉なものではないので心配はしないでいい事を告げた。

それを聞いて一同は了承。

「ご家族の不幸とかじゃなくてよかったですよ。」
「ほんとにねー。頑張ってきなよ！でいいのかな？」

デジタルが安堵の溜息をつき、もう一人のメンバーが元気のいい声をかける。

「あ、あはは、頑張って来るよ。」

本人からは、強張った笑いが返って来た。

3
「と言う事があったのです。」
「そっか。残念だけどしょうがないね。」

夕餉の席で夫に先のサークル室のやり取りを話したデジタル。
今日のご飯はタラと水菜と手羽元をたっぷり入れた水炊きと、濃いめに仕上げたきんぴらごぼう。

「悪いご用事じゃないというのはよかったですよ。」
「そうだねえ。もしかしたら良い用事かもしれないね。」
「良い用事？」

ポン酢醤油が滴る水菜を口に入れかけて、デジタルの動きが止まる。
ウマ娘の生ライブを見る以上の良い用事？ウマ娘同好会のメンバーにとってそんな用事などあるのか？

「身内にご不幸じゃなくて、めでたい事があったとか。」
「……あ！ああー！なるほど！」

4
言われて初めて、親戚の結婚や出産と言った可能性にはたと気づく。

「だったらそう言ってくれればよかったのに、水臭いなあ。」

出汁とポン酢醤油の絡んだ水菜をもしゃもしゃと噛み締める。

「照れ臭かったのかもね。身内の事をあんまり他人に話したくない人もいるし。」

夫は手羽元をトングで器に移し、豪快にかぶりつく。

「そんなもんですかねえ。」
「そんなもんかもよ。……どうする？そのご友人の事情、もうちょっと邪推して楽しんでみる。」
「……やめときます。」

そう言ってデジタルは、ぶつ切りのたらを菜箸で拾って、少し油の浮いたポン酢醤油の器に入れた。

5
夕食の後片付けと入浴を終えて夫の仕事部屋。PCに向かう夫の膝の上に乗り、抱き着いているデジタル。
夫はこの強力な妨害にも負けずキーボードを叩き、サブトレーナーとして担当しているウマ娘達のデータをまとめている。

「今年は横浜のホテルでしたっけ。」
「うん。丁度良く予約が取れたしね。」

これは夫婦でクリスマスを過ごす予定の話。クリスマスと言っても24、25日の事ではない。
ウマ娘のサブトレーナーとしてクリスマスライブを催す側の夫とウマ娘ファンとしてクリスマスライブを見る側のデジタルは共にクリスマス当日には予定が空かない。
そのため、『夫婦のクリスマスは12月3週目、有馬記念の前週に執り行う』と決めている。
ちなみに年末年始も同じ事情で予定が空かないのでので『夫婦年末年始の行事や里帰りは、1月2週目に執り行う』とも決めている。

「楽しみ～♪」
「キミが現役時代に滅茶苦茶稼いでくれたおかげだよ。」
「そう言う生々しい言い方は無しにしましょうよ。」

6
夫の風呂上がりのうなじをすんすんと嗅ぎつつ、デジタルはあることに思い至る。

――――もしかして、クリスマスライブに来れなくなったあの人も、『あたし達と同じ事情』が発生した……？
――――そしてあの人は、クリスマスライブよりもパートナーと過ごす方を選んだ……？

何となく歯切れが悪かった言葉もそう考えれば納得がいく。

ウマ娘同好会の一員でありながら、ウマ娘よりヒト息子/娘 に現を抜かすなど、色ボケしたか！

デジタルの脳裏に勝手な怒りが湧いてきたが、仕事中の夫に抱き着きながらでは形無しと思い至り深く反省し。
夫の襟を引っ張って中の匂いを嗅いだ。頭をはたかれた。

「今の君は尊重に値しない。」
「ごめんなさいでした。」



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犇めく数多の夢

1
夢を見ている途中で、これはもっといい夢になるんじゃない？と思える時がある。
いつも使っているスーパーは急坂商店街の山の上、自宅は高架の下の集合住宅、電車は全部地上100mのモノレール、実家は遥か通くJR直通で5分以内。放物線のような急な坂で繋がっていて上り下りは命がけ。

直感と感覚が並べ立てた設定がまるで物質Dのトリップみたいに支離滅裂で理解に直結してしまう感覚。
夢。夢ゆめYUMEYouMay。
大好きな一番の。叶えたい渇望、この夢見心地だからこそ見いだせる理性のタガを外した本当の本当は何？

瞼越しに火の光すら感じられる明るい夢の波打ち際で、それでも夢にしがみ付いてあたしが出した答えは。

走って戦って最強になりたい。
知ってるウマ娘全部と一緒に走って輝きを浴びたい。
そして、彼女らがやっぱりすごかったのだと感動したい。
「え？アグネスデジタルが端役？G1をいくつも取ったあの女が只管に上を見るだけ？」それは反発を招くでしょうだから不本意ながら実績相応の傲慢さを見せれば外野は黙るよね？


2
――――あたし自身なんてどうでもいいんです！強く美しく素晴らしく尊いウマ娘を骨の髄までしゃぶりたいんですよぉおおおおおおおおそれでそれがアグネスデジタルだと満足ですかそれがアグネスデジタルだと納得してくれますかあたしもそんな気がしてきましたっ！！
残念ながら瞼を開いてしまい、急速な覚醒に先の1レス目のような光景は記憶の彼方に塗り替えられていきます。
覚えていた夢の残滓はこのアグネスデジタルが認識そのもの。現実の記憶を思い出すほどに、あたしは『世の中』をどれほどぐちゃぐちゃで不正確に認識していたかを思い知ります。

消える記憶の遺物の中、残る眩しい名残。

・戦って最強に
・ウマ娘全部の尊さを味わいたい

カーテン越しの朝の光にそれが無謀と現実感を持って知るのです。

あたしはもうとっくに引退していて、どんな競走バとも決して戦える立場ではないのだから。


3
あたしことアグネスデジタルは大学生。
トレセン学園時代に知り合ったトレーナーさんと共に競走バとして駆け抜け、分不相応なまでの賞賛を手にしました。
楽では無かった。
逃げ出したいとすら思った。

それでも大好きで尊敬するウマ娘ちゃんを絶対に裏切りたくないから、執筆も出走も全力を尽くした。
時には故障して忸怩たる思いで長期間休養することに甘んじてさえ。

そして苦く眩ゆい青春は終わり、隣にいてくれたトレーナーさんと、人生の朱夏を愛すると決めた。

寝起きのぼんやりとした頭だからまとまらないけど、
寝起きのぼんやりとした頭だからこそ鮮明にしてくれる剥き出しの気持ち。


4
睡魔が薄れていけば、合理的な答えがいつもの思考フォーマットにカチカチと嵌っていく。

あたしが引退したってウマ娘ちゃんは尊いまま。
ウマ娘ちゃんの傍にいる為にトレーナーを目指している。トレーナーになればもっともっとウマ娘ちゃんの喜怒哀楽に寄り添える。
現役時代のあたしを支えてくれたトレーナーを愛している。結婚した。
夫はあたしのウマ娘への愛を応援してくれている。
唯一無二の最高に愛しいパートナー。
それはウマ娘ちゃんへの愛とベクトルが違い、矛盾しない。

正気の時に前提としている様々な事柄が、眠りと言う再起動を経て改めて再設定されて行く。

「んんんんぬああああぁぁぁぁぁぁ～～～～～～……。」

約10秒後、ドアをノックする音が聞こえた。

5
「おそよう、デジタル。」

扉を開いて覗いてきたのは無二のパートナーの顔。本当なら挨拶と笑顔で返すべきなのだろうが、くちゃくちゃになったあたしの寝起きマインドは目線を向ける以外の何もアウトプットしなかった。

「眠そうだね。」

そう、大学のサークル仲間に早めの忘年会を催され、大いに語り、大いに呑んだ。今ここにいるあたしは宴会の場にいたアグネスデジタルの搾りかすに過ぎない。

「んむぅ。」
「蜆の味噌汁でも作っておくから。気が向いたらおいで。」

そうして夫は扉を閉じた。

6
デジタルはまた眼を閉じる。夢の残滓を味わうため。
枕と布団に全身を委ねる。夢の続きを描くため。

――――ウマ娘ちゃん、また一緒に走りたいよ。
――――ウマ娘ちゃんに恥じないあたしである為に足の皮が避ける程努力したいよ。
――――ウマ娘ちゃんの美しさを描く為に漫画や小説を描きたいよ。
――――そんなあたしを支えてくれるトレーナーに全霊の感謝を捧げたいよ。

何が出来て、何が出来ないのか。そんなの曖昧なまま、全部できる気がしたまま、夢を見ていたいよ。
全身に不快な汗が滲んでいたのを感じ取る。そう言えば暖房をつけっぱなしだった。
シャワーを浴びなくちゃ。シャワーを浴びてしゃっきりするころには、何もかも忘れて今日が始まる。


7
――――その日の夜。ベッドで今朝の事を思う。
叶える夢と眠りの中で見る夢、それらが曖昧に混ざり合った夢の事。どっちも嘘じゃない。嘘じゃないって事は本当なんだけど、到底現実にはなりえない。

「……」

枕を抱えて夫の横に立つ。困ったときはいつでも一緒に悩んでくれたトレーナー。今でも変わらない。都合のいい時ばかり頼って。何て弱い女だ。

「怖い夢でも見たの？」
「夢が怖いの。」

そう言って彼の横にもぐりこんだ。

「夢が怖い？」

あたしは応えないまま、ただ抱き着いた。何故ってこれは問題の大きさじゃなく、たまたま今、その大きさの問題に対応出来ないあたしのメンタルの問題だから。

8
祈るように目を閉じる。

――――三女神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
――――変えるべきものを変える勇気を、
――――そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。

走りたいという気持ちを日々の情熱に変換し、
もし走れたらという情熱を作品にアウトプットし、
現在までに選んだ道と、これから行う創作や交流を大切にできるように。

そして何よりも。
理解ある夫がいて、趣味を解する仲間に恵まれて、憧れのウマ娘ちゃん達と鎬を削った宝石のような記憶があって。

それでも尚。一日一日は輝いておらず楽でもなく、懸命に泥臭く生きねばならない事を受け入れる、
力と、勇気と、賢さとを、どうか、このオタクに。

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軽率な祝賀者達

1
「も～い～くつね～る～と～♪く～り～す～ま～す～♪」

出鱈目に歌いながらフローリングに掃除機のヘッドを滑らせるデジタル。いつの世も電動掃除機の音はとても耳障りだから、思わず自衛したくなってしまう。

「何その歌。デジたん、トイレ終わったけどチェックしてもらっていい？」
「ありがとうございますぅ♪ハイハイただいま～❤」

では掃除機をよろしくとすれ違ったのはこの家のもう一人の主……ではない。
12/21、クリスマスにまだ届かないこの日に、大掃除のためお招きした、大学のウマ娘同好会サークルの一人だ。
アグネスデジタルが指差されたトイレに入るのと同時に、その女性はスイッチが入ったままの掃除機を受け取って廊下の掃除を引き継ぐ。デジタルよりも荒っぽい前後運動だ。
この日、アグネスデジタルの夫はクリスマスライブに向けて会場の最終チェックのため外出している。
普段テレワークで家事も担う彼が家を離れなければならない日。
クリスマスまでほんの少し間のある日。年末年始も家にいられない事情があるわたしたち。

2
『ならば大掃除をするならここしかない！』

思い立ったデジタルがサークルメンバーに声をかけ、自宅の大掃除を手伝わせるに至る。

無論メンバーもただの暇人ではない。海千山千の強者オタクばかり。元競走バアグネスデジタルのお願いと言えども、『家事を手伝え』という勝手極まる要望に何も求めずご奉仕するほどピュアではない。
デジタル自身だってそうだ。

だから殺し文句を用意した・

『元競走バとそのトレーナーの愛の巣を、好きなだけ探索して構いません』


3
「掃除を手伝ってくれ」と「隈なく家探ししてよい」とでは、結果が同じくともモチベーションは天地の差。
デジタルが目論んだ通りサークルメンバーは自発的に掃除を実行してくれた。ありとあらゆる戸棚を開け、垣間見えるプライベートの品々を見て喜びに震え、それを曇らせる埃の存在を決して許さなかった。

「重曹は？」
「クエン酸の方が良くない？」
「どっちもキッチンの流し台に置いてるので好きな方を使ってください～♪」

強力な汚れに対峙したと思しきメンバーの声。デジタルは明るく答える。

「うおおおおデジたんのパンツ！」
「バカ！部長！そういうのは分かってても黙って拝むんですよ！！！」

2回から聞こえる部長と副部長の声に女性メンバーが3人ほど制裁に走り込んで行った。
苦笑するデジタル。

4
「お疲れさまでしたぁ～～♪」

掃除と言う名の家探しを終え、ウマ娘同好会一同はリビングに集結した。
テーブルの上にはチキンにピザにポテトに寿司にドリンクにと、労いの品が犇めいている。

「ほんっとにごめんなさいねぇファン心理を利用するみたいでほんと申し訳なくてぇ……。」
「分かってて利用されてるんだからいいんだよ。」

背の高い副部長がデジタルの頭を撫でる。

「そうだよデジ。こうやってご飯奢ってくれるんだし、後ろめたい事なんてなしなし！」
「夫婦生活の痕跡とか、色々見つけたしねぇ～♪」

あわわわ、と目を丸くするデジタルを尻目に、部長が挨拶を始めた。

5
「……ウマ娘同好会を始めてから。本当にウマ娘と出逢う事が出来たのは、数える程しかありません。そのお家に招いていただくなんてことは、これが初めて。
このアグネスデジタルちゃんという素晴らしい、ウマ娘ちゃんの家に入れて貰えたこと。しかもアグネスデジタルちゃん自身のお招きである事。これはとても、とても凄い事だと思うのです。」

副部長に比べてプリミティブな言葉で部長が話す。

「全身でウマ娘ニウムを浴びれて最高！乾ぱーい！！！」

副部長がすかさずその頭をどつき、それ以外のメンバーは「仕方ないなこの人は」という顔で、それぞれにドリンクに口を付けた。
埃と汗に汚れた衣服に構わず食べる食事は、何故かデジタルにはとてもおいしく思えた。メンバーもそうであってほしいと心から願う。

6
同志が去った後の愛の巣。デジタルは一人自室で酔いを噛み締める。
今日は夫は帰ってこない。冬コミの原稿もとっくに終わらせた。各種試験対策を酔った頭で行ってもしょうがない。もう眠って夢を見る以外にない。
それなのに今日は何故だか、アルコールの、「眠りを妨げる」という効能が前に出ているようで。

朦朧とした頭で色々思い出してみる。
ファン心理を利用して大掃除に駆り出した同志への罪悪感。それを打ち消すほどの彼らの喜びの声。
もしも。このアグネスデジタルよりもっと有名で強力なウマ娘がこの大学のこのサークルに所属していたなら。
あたしはそのウマ娘ちゃんが受けるべき賞賛や羨望を横取りした事になるのだろうか？

……とりとめが無くなっていくのはアルコールのせいだ。
今日はいい一日だったじゃないか。大掃除という苦しい事を、好きな皆と楽しみながら行えた。こんなことって奇蹟じゃないか。
あたしがアグネスデジタルだからこそ起こせた奇蹟じゃないか。もっと素直に喜んでええじゃないかええじゃないか備前岡山ええじゃないか。

7
アグネスデジタル超どきゅーとぬいぐるみ受注生産受付中！綿を抜けば中に入れますデジダヨー（どたどた）嘘だよけろ！！！

「おはよう」
「おはようございましゅ。」

ああ、冬の日差しに照らされた旦那超カッコいい。
いや、二日酔いだからだと思いますね。

「今失礼な事を考えなかった？」
「二日酔いのせいで貴方がかっこよく見えましたのでしゅ。」
「寝てなさい。」


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幸せでありますように

1
「ふひゅぅ～～～……幸せですぅ♪」

ウマ娘達によるクリスマスライブが終了し、ここは会場外の路地。
車止めに腰掛けるデジタルの右手の紙袋には、物販ブースで購入した品々が収まっている。

「大満足。」
「いいライブだったぁ……。」

同じ大学のウマ娘同好会の面々が彼女を囲んでいる。真冬だというのに肌は赤く火照り、皆湯気が出そうなほど汗ばんでいる。

「今年も凄い盛り上がりだったねぇ。」

その言葉にデジタルはほくそ笑んだ。学生でありながら既婚者である彼女の夫は、ウマ娘のサブトレーナー。今回のライブの裏方の一人としても参加している。
夫の働きが同志を楽しませる一助になったなら、デジタルにとっても嬉しい事だ。

2
「さて、帰るとするか。」
「ひぃ、汗が冷えて風邪ひきそうですぅ。」
「デジ、ちゃんとグラサンして。」

言われて手渡されたサングラスをかけ、マスクに手を当てる。続けて帽子を両手で押さえる。
鼻から顎まできちんと隠れている事、ウマ耳が帽子の中に納まりきっていることを確認して立ち上がる。

かの有名なアグネスデジタルがこの場にいる事が明らかになれば騒動が免れない。
他の場所ならいざ知らず今この場はウマ娘のファンばかりが集まっている危険地帯なのだから。

「あ、お土産買った連絡しときましょうか？」
「そうか、あの子の分ね。」
「あたし写メ撮りますね。」

3
一人、急用が出来たとのことでこのライブに参戦することが出来ないサークルメンバーがおり、その分のグッズを買い置いておいたのだ。
アスファルトに汗拭き用に持って来たタオルを置き、頼まれ物の缶バッジやアクセサリーを並べ、デジタルがスマホで写真を撮る。

「送信っと。」

SNSのダイレクトメッセージで写真を送る。

「おや、用事はもう終わったんですかね？」

意外にもすぐに「ありがとう」と返事が戻った。どうやら丁度手元にスマホがあるタイミングだったようだ。
デジタルはこれ幸いと応酬を開始する。
――――あの子のダンスがキレキレでした
――――いいなあ最近のライブでも動き良かったし。わたしも見たかった
――――あの曲でサプライズがありまして
――――毎年色々演出あるよねえ

4
ニタニタしながらメッセージを送り続けるデジタルの後ろに、いつの間にかサークルのメンバーが集結している。スマホの画面を覗きこむ圧を感じ、デジタルは一通のメッセージを送る。

――――通話します？
――――オッケー。

ビデオ通話機能をオン。喧噪から少し離れた路地裏に逃げ、音声はスピーカーに設定。

『やっほー。お疲れっ！』
「お疲れ様でーす。グッズ買いましたよー。」
『見た見た！ゴメンねありがとう！』
「いえいえ！困ったときはお互い様ですっ！」
「元気そうで何より。」
『ああ、副部長。お疲れ様ですー。』

デジタルのスマホを通じて、メンバー同士のやり取りが始まった。

5
ライブについての話で盛り上がる一同。
すると数分ほどして、画面の奥の方から声が聞こえた。

『誰と話してるの？』

聞き覚えの無い声を聞いてデジタルが振り返ると、サークルメンバーもお互いの顔を見まわしている。誰もこの声に心当たりがないようだ。

『あ、えっと……ゴメン切るね！』

慌てた声を最後に唐突に通話が切れた。

「……。」
「……。」

沈黙する一同。

6
「……そっかぁ。」

誰ともなく、そんな声が漏れた。
12月24日に、ウマ娘同好会所属でありながらウマ娘のクリスマスライブに来れなくなるほどの用事。それは、違う形の愛と言う訳だ。
それぞれに今後に思いを馳せる。これからそのメンバーはどのくらい同好会に参加してくれるのだろうか？あの声の主はそのメンバーの趣味を理解してくれるのだろうか？もしかしたらウマ娘以上に恋人を愛するほど色ボケてしまうのだろうか？

風が吹いた。衣服の隙間に冷たい空気が入り込む。汗が乾き皮膚が震え、迷いを消し飛ばしていく。

「兎に角帰ろう。」

副部長が声をかけると、

「あ、あたし会場に戻りますねっ！片づけ手伝ってから旦那と一緒に帰りますっ！」

そう言うデジタルの嬉しそうな顔に全員、「デジタルが一番色ボケてる」という言葉を呑み込んだ。


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説明できない熱量でも炉に焚べる事は出来る

1
僕としては健全な活動を行ったつもりなんだけど、結果10時に目覚めたとなれば、やはり昨夜のあれは不健全だったのだろうと結論せざるを得ない。
左腕には妻、アグネスデジタルがぎゅっとしがみ付いて、その強さと重みに少ししびれている。
小柄で幼い彼女の鼓動の音。呼吸の熱さ。女の子の匂いと汗の匂いとそしてあまり大きな声で言えない色々な体液の匂いが混ざって。
でも決して嫌じゃない。何だか猿だった頃に戻ったような、原始的な安らぎを感じる。ウマ娘の祖先が猿だったかは大いに疑問はあるにしても。

扉には Do Not Disturbの札をかけている。かけている筈だけど、寝起きの頭で確信するのは難しい。

まあ、仮に清掃スタッフが入って来ても、引き返すかさっさと退いてくれと告げるかの二択だ。そうなってから考えればいい。

「んむふふぅ……♪」

幸せな夢を見ているらしい。吐息に笑いが混ざっている。
いいなあ、夢を見られて。僕は先に起きてしまったし、右腕の痺れにも気づいてい仕舞ったから一先ず落ち着かなきゃいけないんだ。

2
体を横に倒しデジタルと向かい合う。右腕をデジタルの背に巻いて、その体を持ち上げる……とまでは言わずとも体制を変えさせる。
デジタルの体重は軽いが、腕一本に全体重をかけられても平気、とは言い切れない。

今日は12月15日……を開けた16日か。
僕らはクリスマスと年末に互いの仕事と趣味の一大事が発生する。その為、『夫婦のクリスマスは12月3週目、有馬記念の前週に執り行う』と決めている。
お陰で昨夜は何の憂いもなく妻を……アグネスデジタルを愛せた。その結果にはとても満足している。
いや……その『結果』が判明するのはもしかしたら何か月か後かもしれないが。
僕はその……必ずしも彼女の学生生活を守り切れるような性行為を行えては居ないので。
何なら非力で頼りないこの僕の手で、デジタルの人生をめちゃめちゃにしてやれたらとも少し、思っている。

話が反れた。カーテン越しの光が少し眩しい。デジタルの体を動かしても右手はまだ痺れが取れない。二度寝をするにはもう少し夢に身をゆだねる準備が必要だ。

3
思い切って右手に力を入れる。合わせて左手も引き戻し、両腕で抱き締める。

「ふわ……？」

とデジタルが可愛い声で目を覚ますが構わない。両腕で彼女の華奢な、しかし確かに強靭な芯のある体を抱き締める。

「にへ……♪」

デジタルも両手を僕の胴に回し、柔らかく抱き着いた。
幸せ。生憎、二度寝するには惜しいほどの。

4
今日は色々と考えていたんだ。こうして交接の残骸が互いの眠りを長引かせても、その後午後にたっぷり時間を駆けて買い物したりゲームやアミューズメントを楽しんだり。その為の貯金だってしてた。
それなのに僕らはたかがベッドの柔らかさにやられている。
それも一晩これでもかと酷使して、汚して、汗をしみこませたベッドに。
全く、幸せって奴はどうしてこう、望んだ形をしていないときほど甘美なのだろうか？

「それは～……。」

寝言。首を引いて胸の中のデジタルに目を下す。」

「降って湧いた、サプライズ、何の、柵もない、ただの幸運が、一番幸せだからですよ、うん。」

5
デジタルの指はペンで文字を書くように細かく動いていた。どうやら思い付きをメモに取る夢を見ているらしい。

降って湧いたただの興奮こそが一番の幸せ。
だとしたら、幸福とは追い求めるだけでは足りない。それにプラスして、何かの巡り合わせが無くては。想像を超える素敵な幸運、苦労が報われた分だけではすまない量の幸福。
運が無くては幸福も不幸も運命となりえない。

運がなかったか？こんなに可愛くてえっちで強くて愛し合えるウマ娘と出逢えたのに？その愛を誰にも妨害されないという幸運に恵まれたのに？

では今この瞬間は、降って湧いた幸福の残滓だ。サプライズで得た幸運、偶然。そうして手に入れた幸福を噛み締めた味だ。
幸せは、やってくる瞬間と、それを噛み締める時間と。その二つの相がある。

宝くじで例えれば、当選した事自体の喜びと、実際に得た金を使う喜びとの二段階。

6
妻はそれを直感的に知っていたのだろう。
幸福とは幸福感とイコールじゃない。
幸福とは、歓喜や快楽や幸福感を湧き立たせる燃料なのだと。
楽しさの前提条件。それは、生まれ、育ち、出会い、天変地異……様々な、自分一人ではどうにもならない巡り合わせ。それは正に人生の前提条件。
その変えられない前提条件が、『幸運にも』、素晴らしいものだったなら。それこそが幸せだ。
だから幸せでないのなら、あなたは別の場所に。別の時間に。別の誰かに幸福を見つけなくては。
幸せを探すとは、快楽や幸福感を得られるような場所や時間や人脈を見つける事で、それは偶発要素が余りにも大きく、それでも今が不幸せならやらざるを得なくて。不幸に藻掻くとはつまりそういう……。

「うるさいぃ……。」
「っごめん。」

独り言をつぶやいていたらしい。僕らしくない。

「さっきの幸せとは何かって話ぃ……書面にまとめてメールでくださいぃ……すぅ、すぅ……。」

7
朧げが記憶を何とか反芻して留めつつ、身を起こす。暖かい眠気が去っていく。
しょうがないなあ、妻が望むんだもの。次の作品の肥やしにでもするんだろう。
ノートパソコンを開き、起動する間にボールペンとメモ帳に朧げな記憶を書き留めていく。
――――幸せとは前提条件、幸福感、快楽、快感を感じる為の巡り合わせ
――――降って湧いた幸運の喜び、得た幸運を使う喜び
――――不幸とは前提条件、だから幸せを探すとは場所、人、時間をずらす事、探す事

これが一体何の役に立つのやら。
それでも目をやればカーテン越しの陽光に照らされて眠るアグネスデジタルがとても美しく見えたから。何だって出来る気がした。ずっとそうありたいと思った。




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Living with joy to the world

1
寒い日は公園を走るに限る。
両足首が、両膝が、両腿の付け根が、ぎしぎしと音を立てる位に。
はっ、はっ、という荒い息が他人の物のように聞こえる。

上がった心拍と血圧。
理性を溶かす夜のテンション。
現役競走バだったころの思い出が頭をめぐる。

――――大好きなウマ娘ちゃんと一緒に走りたいっ！

その気持ちがあたしを支えてくれていた。
いや、支えるどころじゃない。ある時は走る力になり、ある時は諦めない心になり、ある時は離れかけた絆を繋いでくれた。

2
ヲタクなりの歪んだ愛が。ウマ娘の本能たる「走る」という行為を通して。透明で熱い炎に変わった。
グッズもウタもダンスも同人誌も変わらず大好きだけど、走る事に向き合った時だけは、あたしは真っ当なウマ娘で居られた。
レースの途中に心震わすあれこれの妄想さえ、両の脚に力を与える燃料になった。

……もう一本、公園の2000メートルを走る。
時間にして2分前後。地下鉄が一駅進むかどうかぐらい。
一際重い心拍が、拍動ごとに全身に感じる血圧が、冬の夜に煙る汗と吐息が、あたしの夢と現に漂う。

空を見上げ、星の無い真っ黒な空に視線を吸い込まれる。
ハッピーホリデイズ。それももう、終わっていく。この虚無に飲まれるように。

3
あたしが初めてウマ娘ちゃんの素晴らしさを知った時、それは憧れで、映像で、映画で、漫画で、フィギュアで、マスコットだった。
スゴい人たちが与えてくれる娯楽。自分が走るよりずっとずっと高い価値を持つエンターテインメント。

だったはずなのに。

――――もっと近くで並んで走って姿を拝みたい。

気まぐれにそう思ってしまったから。全ての歯車が狂い、狂った歯車が噛み合った。

4
走るより大事な事を見つけてた筈だったのに。いざ走ってみたら、足裏から届く本能的反響たるや。抜かし抜かされの度に心を刺す電撃たるや。

――――他のウマ娘ちゃんに恥ずかしくないような実力を

それは嘘ではないけれど、今思えば方便だった気がする。
負けたくなかったんだ。負けるような自分でありたくなかったんだ。あわよくば、自分こそが憧れられるウマ娘になれるかもと願った気持ちも否定しない。

そして、そして。
トレーナーに出会い。グレード付きレースを走り。遂には、『馬場を選ばぬ変態』『歌劇王と怒涛帝を切り裂いた勇者』の異名を授かるに至る。

何てシンデレラストーリー。いや、シンデレラと言うよりはカカロット？中国武侠もの？それともそれとも……何だろう？

5
兎に角このアグネスデジタルは、本当は誰かと勝負して勝つだの負ける駄の考えたことはなかったのです。
そんなオタクが何かを勘違いして鉄火場に我が身を投げ込んだところ、どうやら玉鋼だったらしい。

引退して、進学して、結婚して過ごす今も。そのデビュー前のくちゃくちゃした経緯（プロセス）はまるで奇蹟みたいだと思うのです。
自分の望みもはっきりわからないままトレセン学園に飛び込めば、ひたすら一人前になるための鍛錬の日々。
走るように生きてた頃 何も見えなかった いつもいつも笑いながら ずっと泣きたかった

そんなあたしをトレーナーさんが拾ってくれて、趣味は兎も角走りについては的確に指示をくれて。ヲタクではなく真っ当なウマ娘として戦える力をくれました。あなたに逢えたことが私の夜明けだと思う。
がむしゃらに頑張るのではなく、二人三脚で合理的に走る力を伸ばす毎日。
怪我の回復が歯がゆくても、望むレースに出られない判断が口惜しくても、二人で話し合って一番大事な事を確かめあった、ねえ。

6
涙よりも悲しみよりも そばにいたいから。そう あなたとなら嵐の夜も 青空を信じられる。

負けて、負けて。勝って、勝って。負けて、負けて、まだやれるのかの声を背に聴いて。
最後に辿り着いた有馬記念。
芝2500m。
このアタシには到底走り切れない距離だった。でもあなたは笑顔で言ってくれたね。

「有馬に出よう。」「有馬で、最後にしよう。」

ゴメンね、シンボリクリスエスちゃん。今日はあたし、一競走バじゃなくて。あなたのファン代表として走りますっ！

7
波乱と批判、栄誉と称賛。ただのウマ娘オタクの身に浴びるには劇毒と言っていいほどの闇と光に身を浸し、あたしアグネスデジタルは引退しました。

色々と考えたことがあります。
ウマ娘オタクであれば誰もがあたしみたいなG1バになれるのか？否！
走ることにストイックでありさえすれば誰もがあたしみたいなG1バになれるのか？否！
トレーナーに恵まれれば誰もがあたしみたいなG1バになれるのか？否！否！否！

人生はプレゼント。返品不可の。なら配られたプレゼントで戦うしかない。

それでも確実に言える事は。あたしはトレーナーさんを愛しているということです。
練習メニュー。褒める言葉叱る言葉。実る実績枯れる実績。嬉しさも悲しさも共に味わってくれた同志。
その道程にすら答えは見つかりません。だってあたしも何度も諦めかけたし、トレーナーさんも答えが出ずに悩み続けたのは一度や二度じゃないから。

8
手札を見つめ、チェンジを繰り返し、ベットしてオープンして一喜一憂。
それを繰り返すうちに見えて来る、あたし達に配られる手札の癖。対戦相手の手札の癖。
勝てそう。勝った。勝てそう。負けた。負けそう。勝った。負けそう。負けた。その繰り返しで学んでいく、自分が一体どんな誰なのかを。
そして。

――――たったひとつだけの愛を贈ろう
――――あなたに‥‥

有馬記念では、ボリクリちゃんに愛を捧げました。全霊の走りで。ついでに客席でペンライト振って。

9
もしあたしがトレーナーになれたなら、愛をプレゼントせよと教えるつもりです。
愛にはいろんな形があるけれど、
まずは興味を持って。
次に好きになって。
更には四六時中思い続けて。
もう、そこまで心を観察したら。あとはフィジカルで追いつくだけでしょう。

デジさんたは何もプレゼントしません。でも、今この配信を見てくれているキミ。
誰でもいいから、出会い頭にメリークリスマスって言ってみて。失敗したって、勇気の実績が残るから。
大失敗はメッセージで送ってね、慰めてあげる。来年纏めお焚き上げしようね。
バイデジでした。

10
（エンディングテーマ）
Living with joy

走るように生きてた頃
何も見えなかった
いつもいつも笑いながら
ずっと泣きたかった

あなたに逢えたことが私の夜明けだと思う

ねぇ  涙よりも悲しみよりも  そばにいたいから
そう  あなたとなら嵐の夜も  青空を信じられる

欲しいものは何もないの
ここにあなたがいる

11
願うことはたったひとつ ずっと愛したい

見えない場所でそっとあなたに勇気をあげたい

ねぇ  明日よりも想い出よりも  今を信じてる
そう  あなたとなら生きる全てを  喜びに変えてゆける

たったひとつだけの愛を贈ろう あなたに‥‥

ねぇ  好きなシャツやコーヒーの味  ささやかなことが
そう  いつの間にか同じになって  ふたりは今ひとつになる

ねぇ  涙よりも悲しみよりも  そばにいたいから
そう  生まれたての愛を育てて
I'm living with joy forever, You & me‥‥



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よいお年を

1
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
もういくつ寝ると冬コミっつーわけで、今年の配信は本日が最後になりますっ！
本年最後の配信の題材は～♪

来年の夏コミ向け漫画のネーム描きですっ！

「はやっ！？」
「はっや」
「もう？」
「うそでしょ…」

2
えへへ、まあ実のところはですね、冬コミ向けに描こうと思っていたネタで、今年の新刊にはちょーっと間に合わなさそうだなってのがあったのでっ！
どうせ先延ばしにするならブラッシュアップしてお出ししようと思いましてですね。
今日はブレインストーミングも兼ねてネーム？ネーム未満のスケッチ？を描き散らしていこうかなっと思いまっす！

「見たい！」
「なかなかその段階で人に見せるのはないな」

なんとなくクリスエスさん。（かきかき）

「なんとなく…？」
「なんとなく、クリスエス。」

あたしの最後の有馬をふっと思い出しましてねぇ。（かきかき）
この二股に分かれたお下げ？と凛々しいお顔が特徴的です。言葉遣いや雰囲気は姫騎士と言うか傭兵と言うか、鋼のようなかっこよさがありますけれども。
決して人づきあいが嫌いとかそういうタイプでもなくて。何と言うか、シベリアンハスキー？

3
かなーり簡略化しましたがとりあえず勝負服の上半身を描いてみました。

「相変わらずはえー」
「前髪結構ややこしいんだなクリスエスちゃん」

にゅふふ、ありがとうございます。で、ですねちょっと風を吹かせて顔の横を隠している髪をどかせてみると……。
頬の丸みが見えて、少し柔らかくなります。正面から見るのと斜めから見るのとでお顔の印象が変わる人なんですよねえ。

「なるほど」
「こっちはそれほど近寄りづらくはないね」

ねー。
角度で印象が変わるのはとても魅力的ではあるのですが、反面、漫画で描くとシーンによって別人に見えちゃったりする恐れがあるってことです。
クリスエスちゃんを描くときは輪郭以上にこう、クリスエスちゃんらしい記号というか。特徴を強調するなど工夫が必要だったり。
過去の本でも色々試しているので、気になった方は読み返してみてくださいね。

4
そうねえ、次はヒシミラクルさん行ってみましょうかあ。

「ヒシミラクルとクリスエスってどんな漫画になるんだ」
「デジたんは自分を負かしたウマ娘が好きなの？」

手を動かしているうちに何か思いつくかなーって（かきかき）
髪の毛ほわほわで垂れ目がちですが、あんまりやり過ぎると似なくなっちゃうので注意が必要です。
メンコはウミウシっぽさが出るように。とりあえずお顔はこんな感じかな。（かきかき）

「上手い」
「似てる」

で、勝負服の特徴がですね、こんな風にバストのすぐ下を絞ってあるんですねぇ。
服の括れがウエストより上にあるので一番細い部分が隠されてて、そのせいで全体的にふくよかさがあります。膨らんだお袖もふわふわ感を演出しています。

5
制服だと……（かきかき）こんな感じでお胸とウエストがそれぞれに強調されています。
並べると結構癖のある勝負服だってわかりますよね。

「なるほど？」
「真っ当にえっちな体だ」
「ていうかトレセン学園の制服ってそもそもかなり体型が出るえっちな服だよね」

真っ当にえっちな体って何ですか？わかりますけど。

さてクリスエスさんと並べまして。
会話劇が面白そうかなと思ってたのです。この二人が共通の話題で話すってだけでなんか面白そうだなって思って。
シチュエーションが決まれば描き進められるか、と言ったところでタイムオーバーしたのでした。

6
シチュエーションのアイディアは、折角なのでウマシュマロで募集しましょうか。採用できるかはお約束できませんが、ある程度まとまったら配信でご紹介しましょう。
みなさんおもしろいアイディアをお待ちしていますっ！

と言う訳で本日は此処まで！
また来年お会いしましょう！来年の初配信は1月2日予定です、元日はお休みを貰っていますぅ…ごめんなさい。
その代わりと言っては何ですが、パカライブの色々な面々が元日は企画を用意しているそうなのでそちらをお楽しみに。

それではこの後23時からはミホノブルボンさんで「ミホノブルボンのエレクトロブーム振り返りスペシャル」が配信されますっ！
デジたんの一押しは、自分が触った機械が壊れる原理を探ろうとした回ですね。
調査のために用意されたオシロスコープがいきなり沈黙してどうにもならなくなった奴。
そうなるだろうなって！思いましたよねっ！
それではバイデジ～♪


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ジャンプ！！

1
「お疲れさまでしたぁ～～～！どぉお～～～！」

仰向けの僕の上にボディプレスを仕掛ける妻――――アグネスデジタル――――。
ドスーン、という重みをベッドが受け止めると、彼女の背中にそっと腕を添える。

「っふぅっ……。
……女性の体重をどうこう言いたくはないけどさ、」
「分かってますう……。」

デジタルも僕の体に腕を回して胸板にぐりぐりと顔を押し付ける。

2
お互いに年越しのイベントを味わった/催した身。
僕だって疲れているんだけどなあ、という言葉を呑み込みながら、夫はデジタルの背にポンポンと添える。
深呼吸すれば彼女の香しい汗とフェロモンが香り、疲れも幾分か軽くなる。

「売り上げはどうだった？」
「完売ですっ、ありがたくぅ……。」
「よかったよかった。」

ポンポンとまた背をたたく。

引退して暫く経つのにしょうがない子だな、と言う思いと、
ずっとこんな風に幼くあって欲しいな、という思いと。
元メイントレーナーである僕の心には二つの心がよぎる。

3
僕だってさっきまで、ウマ娘達による年末ライブの裏方をやっていたのだ、正常な判断が出来る状態には無い。
何もかも全部片付いて、やっと家に帰ってベッドに身を投げたら間もなく妻が甘えに来た。
嫌ではないが、多少雑になるのは許してほしいというのが人情だ。

退屈を訴える気力もなく、それぞれに眠りを選択する。

――――
遠く鐘の音が聴こえた。除夜の鐘だと思う。夢だか現実だかはよくわからない。目を閉じたまま夢うつつを彷徨っていると、体の上から親しみのある重さが消えていることに気づいた。
デジタルは起き出したのか。
眠気が少し覚めると、なんだかおいしそうな匂いがしている。起き出して寝室を抜け匂いの元を辿るとデどてらを着たジタルがリビングでそばを食べていた。

「あ……起きました？」
「起きました。」
「食べます？」
「食べます。」

4
時刻は23時50分を過ぎたところ。
妻は手早く麺を茹でると、刻み葱と揚げ玉のシンプルなかけそばを出してくれた。

「ありがとう。」
「年越しにはギリギリ間に合いましたねっ。」

ゴーン……と遠く、また鐘が鳴る。あれは夢ではなかったんだな。

二人して蕎麦をすすり、もうすぐ食べ終わるかと言うところで時計を見たデジタルが慌てだした。

「あなたあなたっ！早くこっちこっち！！」

手を引くデジタルに促されるまま椅子を降りる。リビングの少し広い所に二人で立つと、

「せーのっ！ジャンプッ！！」

5
なるほど、新年の瞬間地球にいなかったぞ、と言うあれか、と着地してから気が付いた。

「お付き合いいただきありがとうございました。あけましておめでとうございます。」
「今年もよろしくお願いいたします。」

二人で頭を下げ合って、またお蕎麦を食べる。
少し温くなったつゆは却って体を優しく温めてくれる感じがして、残さず飲み干してしまった。

器を食洗器に移すと二人してまた寝室へ。二人してまたぐったりと重なり合う。しかし今度は疲労からではなく、心地よい満足感を味わいながら。

胸の上に乗るデジタルの肌の感触と髪の香りがとてもいとおしい。彼女も同じ気持ちであって欲しいと思う。
来年もこのように幸福でありたい。彼女も、同じ気持ちであって欲しいと思う。

除夜の鐘を聞き終える前に、僕らは揃って夢の世界へ溶け込んでしまった。


--
わたしたちは今日が元旦だと決めましたのでっ！ 2

1
「んむぅ～……。」

頭痛に目覚めると、慣れない布団の感覚。彼は自分が妻・アグネスデジタルの実家に宿泊していたことをぼんやりと思い出した。
遅めの新年のあいさつに対し、よく来てくれた！と上機嫌の義父は豪快なれども気安い方で、語り合いながらつい深酒をしてしまった。

「参ったな……。」

鞄から衣服とヘアワックスを取り出し身だしなみを整えて、既に話し声が聞こえるリビングへと歩いていく。

「おはようございます。遅くなってすみません。」
「おう、おはよう。すまん、飲ませ過ぎたみたいだな。」
「アタシの旦那様壊さないでよね、パパ。」
「あらあらお辛いならもう少し寝ていらしてもよかったのに。」

2
デジタル一家の出迎えを受け、朝食の席に着く。
それぞれの前にトーストと目玉焼きとベーコン、そして真ん中に大皿のサラダ。

今は1月第二週目。既に正月の料理を食べる時節は過ぎており、デジタル家のいつもの朝食が供される。

「「「「いただきます。」」」」

────
同人作家アグネスデジタルと、サブトレーナー業を続けている夫はそれぞれ12月31日に大規模なイベントに参加する事情がある。
その為元日はとても身動きがとれる状態ではなく、それぞれの両親に『新年のご挨拶は遅めに窺わせてもらう』とお願いしている。
無茶な願いに両家の人は嫌な顔一つせず、毎年あいさつに訪れる彼らを歓待してくれる。
昨夜もそうした心づくしのもてなしを受け、少しばかり羽目を外してしまい……今に至る。


3
「では、向こうのご両親にもよろしくな。」

車の窓越しにデジタルの父が声をかける。

「はいっ！……あなた、運転大丈夫ですか？」
「うん、気持ち悪いだけで意識ははっきりしてる。大丈夫。では、義父さん義母さん、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。」

デジタルの父母が並んで手を振るのを横目で見ながら、夫はアクセルをそっと踏み込んだ。

────
「おう、お帰り。デジタルちゃんも久しぶり。」
「はるばるよく来たねえ、上がって上がって。」
「デジタルおねーちゃーん！」
「デジタルおねーちゃんだ！！」

4
トレーナー実家にて。玄関を開けるなり、夫の両親や従兄弟たちが集まって来た。

「お世話になりますぅ♪ はいっ！ちびっこたちにはお年玉ですよー♪」
「やったー！」
「こんなパッツンパッツンのぽち袋初めて見た！？」

「デジタル、あんまり甘やかさないで。」
「あはははは、お年玉あげて喜ばれるの、やってみたかったんですよねえ。」
「……幾ら包んだ？」
「うーん……。来年はちょっと、加減します。」

5
夕食の席、普段は使っていない畳の間を二つ繋いで親戚一同が集まっていた。

「良く集めたな父さん。」
「みんなデジタルちゃん目当てだよ。」
「だろうね。」

目を向けると、奥様方や親戚の子供に囲まれているデジタルが見えた。それぞれ自分のお膳を寄せて近づき、食べて話してと器用にコミュニケーションを取っている。

「勿体ない嫁さんだ。お前の方は最近どうだ？仕事が詰まったりはしてないのか？」
「ちょっと忙しすぎるぐらいかな。順調ではある。」
「そうか。若いうちの苦労は買ってでもしろっていうけども、嫁さん泣かしてまでって訳には行かないしなあ。」
「そうだね。体調は本当大切にしないと。デジタルだけじゃなく、僕は仕事で他人のお子さんも預かってる身だし。」
「サブトレーナーだったな。父さんには苦労は分からんけど、無理はするなよ。」

6
「父さんこそ体調は問題ないんだろうね？」
「この歳だともう、元気溌剌とはいかんなあ。まあ今後万一があっても大丈夫なように保険とか色々準備してるから。」
「縁起でもないな。」
「お前も父さんと同じぐらいの歳になればわかるさ。」

夫が渋い顔でちびりと酒を口にする。と、デジタルがこちらに手招きした。

「アナタぁ～！こっち来て助けて！夫婦生活の話聞きたいんだってぇ！」
「断りなさい。」

────

翌日、二日酔いの妻を後部座席に押し込んでトレーナーは実家を後にする。デジタルの宅を訪ねた時とは逆だ。

7
「頭痛いよぉ～～。」
「母さんはそんなにお酒強くないはずなんだけどな。」
「一人一人はお酒強くない人でも、5人も6人も集まるとウマ娘1人を潰せてしまうのれふ……。」
「そのようだね……。来年は気を付けるように言っておこうか。」
「いいえ……。」

苦悶しながらデジタルは拒否する。

「誰も、誰も悪い人はいなかった、みんなこのアグネスデジタルというウマ娘ちゃんを愛してくれていたらけなんれふぅ……。
愛には、愛を、愛で、あいたたた……。愛おしい痛み……。」

これもプロ根性と言うのだろうか。確かに競走バには芸能人としての側面はあるけれど。

8
「プライベートなんだし、嫌な事は嫌って言っていいんだぞ？」
「あなたのご親戚だからと丁寧に接したつもりだったのですが、アタシの親戚でもあるのですよね……。」

うむむむ、とデジタルが唸る。

「甘えてもいいんですよね。」
「そうそう。人生の先輩でもあるんだし、キミは昨日のように可愛がられるタチなんだから。」
「うーん……。」

デジタルは後部座席でごそごそと寝返りを打つ。

「……親戚の男の子も、照れながらまた来てねっていってくれましたしね……。」
「……お年玉目当てだろ。」

そうであってくれ。



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どうか推しの未来に光がありますように。

1.
デビュー前の新バであるため、名前は控えさせていただく。
彼女は走っていた。トレセン学園の練習用芝コース、2000m。第三コーナーに入る前の直線。その背後から規則正しい軽い足音が、一定の距離を保ったままついて来ている。

（フォームはまだ少し粗削りですがそれを補って余りある力強い太ももとふくらはぎ絞り込めばもっともっと速くなれますよね腕の振り背から腰への筋肉の繋がりが連動してああなんて若々しいのでしょう髪の毛もハリツヤあってキラキラしてるぅでももうちょっと保湿力のあるコンディショナーの方が向いているかもですああ今うなじ見えたうへへこれだからコーナーを曲がる姿はたまりませんもっともっと近くで拝みたいところですがデジたんのスタミナではここからのスパートはまだ危ない何よりこれ以上近くで凝視するとキモがられるかもしれません最後の直線でスパートにかこつけて近づくことにしましょう趣味？いや手口と言っていい！懸命に走る若く美しいウマ娘ちゃんのお顔と香りと吐息を是非とも是非ともそのお近くで味わい隊！従ってここでガス欠は許されません堪えろ堪えなさいアグネスデジタルじゅるりらうふふふ待っててくださいねぇ）

2.
時は少し遡る。

「むぎゃああ～～～……。」

夫がアグネスデジタルの自室のドアを開けると、彼女は机の上に突っ伏して液状化していた。
頭の下に敷かれているのはノートと、「ウマ娘トレーナー試験対策 問題集」という分厚い書物。

「大丈夫……ではなさそうだね。」
「ウマ娘ちゃんと未来を共に歩く為ならこの位！……と言いたいところですが……。」

夫から差し出されたマグカップを受け取り、ゆっくりと一口、いや、半口啜る。ジャスミンの甘く鮮烈な香りが口から鼻へと気持ちよく通り抜けていく。
ぷはぁ、とデジタルは幾分落ち着きの有る息を吐いた。

「アナタ、よくこんなの突破できましたね。」
「まあ、楽じゃなかったとは言っておくよ。」

3.
ウマ娘のトレーナーに求められる資質は幅広い。
トレーニングを行うために必要な知識だけでなく、過去どのような経緯があってそのようなトレーニング方法が確立されたのか。
或いはトレーニングだけでなく競走バとして登録するための手続き、その手続き上必ず守らなければならない手順、果てはウイニングライブの準備手順やダンスの基本的構成まで。
競走バが使命を全うする為のありとあらゆる知識を求められる。
幅広い、ということは当然その中にはデジタルの頭に入りにくい分野の知識もある訳で、それをウマ娘愛と根性で無理やり詰め込もうとすると……このようにオーバーヒートを起こす。

「気分転換でもする？」
「むにゃぁ？」
「担当してるウマ娘のメイントレーナーがさ、僕と直接会って話聞きたいって言ってて。だから一緒にトレセン学園に行ってそのウマ娘に会ってみない？」
「い゛き゛た゛い゛！！！！！」

夫は家事をする都合もあり普段はテレワークでサブトレーナー業務を行っている。
デジタルは現在キャンパスライフを満喫しており、夫もそれを応援したいので極力家を出る用事は断っているが、今回ばかりは例外を作った方がよさそうに思えた。

4.
そんな訳で迎えた併せウマである。
併せウマと言いつつ何故デジタルが後ろから追っているかと言うと、『並んで走ると冷静さが保てなさそうだから』とのこと。夫もメイントレーナーも半分呆れつつ、『まあデジタルならしょうがないか』とその要求を呑んだ。
新バちゃんも『大先輩と並んだら自分も緊張してしまうので丁度いいです』と気を使ってくれた。

そしてその新バにも、浅はかながら思惑があった。
『ブランクもあるし、遅れてスタートしてくれるならデジタル先輩に勝てるチャンスもあるんじゃないか？』と。

もうこれは併せウマでも何でもなく、それぞれのウマ娘の趣味の領域。でもそれで新バが競い合う感覚を少しでも味わえるならと、再び両トレーナーは半ば呆れつつ、スタートの合図を出した。

5.
5秒遅れでスタートしたアグネスデジタルは、第三コーナーに至っても尚その距離を正確に保っている。
――――狙われている！
併せウマの名目とは言え勝つつもりのハイペースで先を走っているのに、全く引き離せない。疑う余地はない。ラストスパートで捕まえるつもりだ。
新バの脳裏に過去のレースの映像が浮かぶ。
マイルチャンピオンシップ最後で見せた、空を飛んだかのような異次元の末脚。秋の天皇賞で怒涛と歌劇王を差し切った、鬼神の如き剛脚。

そして訪れる最終コーナー。背後から聞こえる軽い足音はやや外ラチ沿いに逸れてそのペースを増し始めた。
最早併せウマだからとかブランクがあるからなどと言ってはいられない。後ろから追ってくるのはただの引退バではない。
G1六冠を獲得した正真正銘の怪物。ターフであろうとダートであろうと。地方であろうと中央であろうと海外であろうと。2000mという間合いの内であれば如何なる難敵も切り裂き得る稀代の名刀・アグネスデジタルなのだ。
このまま走っていたらただ抜かれて負ける。
――――そんなのは、絶対にイヤだ！！
歯を食いしばり脚に力を込める。眼球の奥で、魂がスパークするのが見えた気がした。

6.
「しゅ、しゅ、しゅごいガッツでひ、でひた、うひひ、レヒたん、とてもいいものをみさせれ、もらいま、ヒューッ、ヒューッ。」
「黙っていろ。」

仰向けに横たわるデジタルの額に、夫が濡れタオルを載せる。

「デジタル先輩も、っっげほっ、げほっ、すご、すごかっ、ぐ、ぐふっ、正直こわ、怖かったですぅ、うぇええええ……。」
「はいはいリラックスリラックス。」

同じく仰向けでダウンしている新バの口に水筒のストローを突っ込む。

「……すみません、うちのデジタルが無茶をやらせてしまって……。」
「とんでもない、此方から頼んだことですし。全く併せウマだって言うのにこの子ったら。」
「それを言われると僕らはもう頭を下げるしか……。こいつこそ全然併せる気が無くて……。」

7.
結果は、新バの逃げ切り勝利。
ブランクの有ったデジタルは2000mを全力で走り切るスタミナが無いことを自覚しておらず、残り150m地点で大きく失速した。
一方でその150m地点における二人の距離差はかなり際どいもので、全盛期のデジタルであっても差し切れたかどうかは、夫も判断しかねた。
（もし時代が合えば、デジタルのG1六冠は彼女に阻まれていたかもしれない。）
後生畏るべし。

「いいウマ娘ですね。」
「……ありがとうございます。あなたに自慢出来るよう、頑張ります。」
「出来ますよ、きっと。」

トレーナー同士が交わす言葉をデジタルは、（ああ……トレトレもまたてぇてぇですねえ……）と思いながら見つめていた。その蕩けた顔に夫は濡れタオルをもう一枚圧しつけた。

「むがーっ！？！？」


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年末的エレクトリカルコミュニケーション2025-2026

1.
こんデジこんデジこんデジ～♪元競走バ、パカライブ03小隊のっ、アグネスデジタルですっ！
今年最後の配信となりますっ！
明日からはねっ 年末のねっ あれでねっ 家に居ないのでっ！
これが今年最後です皆さん良いお年でしたか？

2.
年末のあいさつの「良いお年を」が今年なのか来年なのかよくわからないまま過ごしてきたのでググりました。
……正解はっ！！！
「良いお年をお迎えください」の略でしたつまり来年が良いお年でありますようにという意味でした～～～～～！！！

でも来年がいい年であるかどうかなんて365日過ごしてみないと分からんわけですからさ、
そんな他人事みたいに「来年がいい年であったらいいね」なんて言われてもねえ。
いつも顔合わせる面子に言われたら「来年が俺にとって良いお年であるようにあんたは動いてくれるんかい」とっ、訝しげな気持ちにもなりますよね。

祈りの言葉としては正しいけれど、日常的に顔を合わす人としては余り適切でない、そんな言葉です。
勿論勿論デジ民（たみ）にとって今年も来年も良い年であってほしいと祈るデジたんですがっ！
同時に配信者の端くれとして、その「良い年」を「お迎えください」なんて突き放した祈りはちょっと違う。
皆さんの幸せに少しでも関わる立場である以上、「良い年であったらいいですね」なんて他人事丸出しな言い方をするのは少し変ですよね。

3.
責任という言葉が頭をよぎります。
デジたんは皆さんが幸せであればいいなあと思うものですが、皆さんを幸せに出来るかと言えばそうでもない。
少しでも楽しい配信が出来ればいいと努力はするけれども、その結果は保証は出来ません。
でも、チャンネル登録メンバー登録してくれてる皆さんに対して「楽しくないかもですよ」なんて言うのは、それはそれで変な話。
望んでエンターテイナーになっているのに、楽しめなくてもしょうがないですよねと言うのはちょっと変です。
全人類に楽しんでもらえる、と考えるのはなんつーか傲慢ですが、全人類に楽しんでもらいたい！という志は捨てなくてもいいというか。
「あたしの配信を楽しめないかたは出て行ってくださいね～～」って言い方は、その。
全世界に配信を公開している身としてどうなのか、とは思います。

4.
皆さんご存じの通りデジたんは同人誌を出版しております。デジたんの知らない人に手に取って貰って構わない、寧ろデジたんの知らない人こそデジたんの存在を知ってくれ、何を考えているかを知ってくれ、この妄想の良さを共有してくれ、と信じてっ！

「ナマモノはマジやめたほうがいいって」
「G1六冠の知名度に忖度してもらってるだけだからね？」
「正直このデジたん自身の配信のチャットでも感想書きづらいの辛い」

んんんん～～～～～～～っ！！！！！！

ナマモノはねえ……分かってるんですけどねえ……あたしが一番バーニングに燃えてadorableに萌えるのはウマ娘ちゃんなので……。
それがダメと言われれば何も言い返せないまま引退せざるをえないし引退イヤなので踏みとどまってるんですがっ。

5.
そんなナマモノのアブナイ同人誌の頒布は冬コミで無事実施されますのでよろしくお願いしますっ！
今回もちゃんと早割り入稿ですよっ！
ありがたくも壁サーですが「とっとと完売して撤退して欲しい」が本音とも聞いておりまして、
更に「いい加減企業ブースでやって欲しい」とも言われていますのでデジ民の皆さんは規律正しく参加するようにっ！

「はいっ！」
「G1六勝の知名度とやることが釣り合ってない」
「どんな企業がナマモノサークルと折り合うんだよ」

めっちゃ考えさせられますっ漫画描いてないでコーチングとかでレースに関わり続けた方が実績に見合うんじゃないかとかでも自分の実績が凄いぞっていう自認を持つのが何だかこう、それはそれで余りいいと思えない、傲慢じゃないかって気持ちとかっ！


6.
あああああもうお時間ですねえ年末の貴重なお時間を頂戴して申し訳ございませんっ！
来年一発目は1月2日からやる予定です話題は就職とか単位とか勉強とかの雑談ですね。
大学生になって勉学が本分になった一方で、「どう本分にするかは自分で決めろ」って突き放された感じになりますよね。
それでもレポート提出とかで縛られてはいるんですが、選んだ結果、講義に出た結果、って感じで高校までの「次回の授業に間に合わせろさもなくば死ね」って感じとはまた違うというか。
死ねではなく「やらなくてもいいがその結果死ぬのはお前だ、私が殺すのではない」みたいな感じっ。
この「出来ない奴は勝手に死ね」というのが大学特有の緊張感ですよねっ！

「旦那と里帰りしないの？」

何度も言ってますがうちは年末は12月3週目、年始は1月2週目と決めていますので心配ご無用ですっ！

「じゃあもうクリスマスックスしたんだ」

んんんん～～～～～～それではバイデジ～～～～！！！！！！


